あらすじ
愛はここにある。
幸せはここにいる。
「これまでの私の人生を全部込めたと言い切れる作品を描きました」
――瀬尾まいこ
母親との関係に悩みながらも、一人娘のひかりを慈しみ育てる、シングルマザーの美空。
義弟で同性のことが好きな颯斗は、兄と美空が離婚した後も、何かと二人の世話を焼こうとするがーー。
「子育てをしながら自分が受けた恩を思い知って、親に感謝していくのだと思っていた。それが親になった途端、さっぱりわからなくなった。この日々のどこに恩を感じさせるべきところがあるのだろう」
(本文より)
本屋大賞受賞作『そして、バトンは渡された』、ベルリン国際映画祭フォーラム部門正式招待&日本アカデミー賞優秀作品賞原作『夜明けのすべて』など、人々のかけがえのない関係性を紡ぎ続けた瀬尾まいこが描く、あなたの小さな、でも確かな支えとなる感動の物語!
大丈夫、忘れているだけ、見えていないだけ。 柔らかく折り重なった言葉が語りかけてくる。 そう、希望の鳥はすぐそばにいる。
――津田健次郎(声優・俳優)
今、部屋で一人涙をこらえるあなたに読んでほしい。
しんどい人生をそっと優しく肯定してくれる傑作です!
――三宅香帆(文芸評論家)
【著者紹介】
瀬尾まいこ(せお・まいこ)
1974年大阪府生まれ。2001年、「卵の緒」で坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、翌年作家デビュー。2005年『幸福な食卓』で吉川英治文学新人賞、2008年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞、2019年『そして、バトンは渡された』で本屋大賞を受賞。2020年刊行の『夜明けのすべて』は映画化され、ベルリン国際映画祭フォーラム部門に正式出品されたほか、数々の映画賞を受賞するなど、大きな話題となった。他の作品に『図書館の神様』『強運の持ち主』『優しい音楽』『あと少し、もう少し』『傑作はまだ』『私たちの世代は』『そんなときは書店にどうぞ』など多数。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「子どものためなら何でもできる」という覚悟と、「子どものために何でもしてあげたい」という願い。その似て非なる二つの感情の狭間で、私たちはどれほど自分を削りながら親という役割を全うしているのでしょうか。
物語の序盤、義務感と理想、そして逃げ場のないほど色濃い現実に胸が潰れそうになりました。けれど読み進めるうちに、ふとした日常の隙間に宿る、誰にも邪魔されず、誰にも奪われることのない幸せが溢れ出していく。その光景があまりに尊くて、涙が止まりませんでした。
特に心に突き刺さったのは、美空が実の母親と対峙するシーンです。強くなきゃと自分を鼓舞し続けてきた彼女が、本当の意味でのたくましさを手に入れ、一人の母親としてしなやかに立ち上がる。その震えるような空気感の変化は、彼女の苦しみを一行ずつ共になぞってきた読者にしか辿り着けない、魂の救いのようでした。
何より胸を締め付けたのは、ひかりが美空の何気ない言葉を宝物のように抱きしめて伝えた一言です。ひかりが笑ってたら元気が出るって。幼い子が親の笑顔を守るために真っ直ぐに愛を返してくれる、その健気さに感情が溢れ出しました。
今、私は4歳の息子と2歳の娘を育てていますが、ページをめくるたびに目の前で起きているかのような光景の数々に、言葉にならない苦しさや残酷なほどの愛おしさが押し寄せました。成長していく嬉しさと、二度と戻らない終わりの連続という寂しさ。そのあまりにリアルな手触りに、心が激しく揺さぶられました。
愛情と呼ぶには毎日はあまりに忙しなく、不安や焦り、怒りに追われるばかりです。けれどこの本を読み終えた今、自分が少しずつ、少しずつ早足で歩きすぎていたことに気づかされました。
もっと今この瞬間を。もっとこの小さな温もりを。いつかではなく今できるうちに、子どもたちを何度も、何度も抱きしめてあげたい。
私たちは一人じゃない。そう確信させてくれる、強くて優しい再生の物語でした。
Posted by ブクログ
今年26歳になる独身(&彼氏なし)、ほとんど全ページ泣きながら読みました。
子どもがほしいとかママになりたいとか思ったことがなかったのに、これを読みながら、わ、子どもを授かれたら嬉しいかも、なんて考え始めた。
同時に母に、今まで感謝の気持ちをまったく伝えてきてないことにも気づけた。
こんなぶっ刺さる作品は久しぶりかも。
Posted by ブクログ
瀬尾まいこさんの本が好きだ。
心が温かくなって、苦しくなって、涙が止まらない。登場人物が温かさに勇気をもらって、生きづらさを乗り越えていく姿が私の生きる力になる。
Posted by ブクログ
本を読んで泣くことはあるけども、久しぶりにここまで感情を揺さぶられました。
30代を超えてから涙腺が弱くなったことも原因かもしれません。
登場人物のキャラクターに親近感が湧くところも。
とても心が温かくなった。
自分の周りにいる人を大切にしたくなる、そんな気持ちにさせてくれました。
Posted by ブクログ
実母との関係に悩まされながら
シングルマザーとしてひとり娘の子育てに
全力で頑張る美空
世話を焼いてくれる義理の弟である颯斗
職場の同僚
保育園のママ友
颯斗のパートナー小林さん
みんな、とても温かく優しい物語。
ママ友三池さんと美空のセリフが心に響く
『子育てって終わりの連続だよね
抱っこが終わる
手をつなぐ相手もかわる
ママママって言われなくなるの、
嬉しいけどさみしいよね』
『でも、きっとさみしくなる前に
強くしてもらえるのかな』
私も子育てして悩みながら成長させてもらって、
ありか(居場所)があって、家族には感謝しかないと思う。
そして、
どんな家族の形であれ 自分にとっての居場所があって、落ち着く場所があれば
それで充分幸せなんだよな と思った。
カバーのイラストの椅子は
そんな素敵な居場所を表してるのかなと。
で、カバーを外し本体表紙をみると
そこにもかわいい椅子が描かれていて
また、ほっこりした。
素敵な装丁✨
Posted by ブクログ
子供といることのきらめきをとらえる。子どもを育てている、というよりも子どもに親が育てられる、変わっていく。
誰かに助けを求めること、助けてもらうこと。
子どもと向き合う中で、そのままならなさの中で、親が自分にどう向き合っていたのかを掬っていく。
未来を子どもたちが形創っていく。
自分の名前の由縁を知るシーンと初日の出を眺めるシーンにグッと来た。
これからもそっと心のなかにしまい続けておきたい素敵な物語だった。
Posted by ブクログ
この年頃の、このひかりちゃんあって成り立つ物語。
小学生の息子に、ほっぺくっつけてギュッとしていいか聞いたら、「え!キモっ!」だって。
ま、そんなもんか。
Posted by ブクログ
オーディブルで。
最初のほうは美空が謙虚すぎてイライラしたけど、まわりの人たちを信じられるようになってからどんどんとイキイキしてきて、好きになった。その少しずつ変わってく様子が読んでて嬉しかった。
母親から自分を解放して、自分が生きたいように生きてってほしいと思いました。
Posted by ブクログ
どんな人生でも出会う人によって、人は良くも悪くも変わっていく。
美空はひかりの存在、颯斗くん達のお陰で強く生きていけるようになったけど、美空のお母さんは不憫だ。
確かに元々子どもがそんなに好きじゃなかったり、生き方が下手、人との関わり方が上手く出来なかったのかもしれないけど。
主人公・美空を苦しめる母だけど、悪人ではない。
不器用なんだ。
自分を強くしてくれる人の存在、守りたい人がいること、心の拠り所があるかないか、幸せっていろんな因子で構成されている。
何気ない日常がながれる穏やかな四季の中、そんなことを考えながら読み進めていける温かい物語だった。
Posted by ブクログ
母のようにはならない、と心に決める美空。その気持ちがよく分かります。
美空の母親のように、子どもにあまり興味がない親はそれなりにいるのです。虐待されているわけではなく、ちゃんと育ててくれました。でも、一緒に喜んだり怒ったり心配したり楽しんだり、そういう記憶がほとんどないのです。あれは尽くしてもらったな〜などという経験が、記憶を遡っても思い出せないのです。これは美空のことであり、私自身の記憶でもあったので、なかなかに共感できるストーリーでした。
それにしても娘のひかりちゃんは信じられないほど可愛いくて、天使のよう。母親であり主人公の美空も、理性的で愛情深く穏やかな性格。
そして美空の母親以外の登場人物は、みないい人ばかり。血の繋がりはなくともそんな周りのあたたかい人々に支えられ、気付かされて、美空はどんどん強く逞しくなっていく。
愛情の深さは血の繋がりに関わらない。どんなかたちの繋がりであれ、自分が大切な人との生活や心の『ありか』を守っていくのですね。
本屋大賞ノミネート作品。素敵な作品でした。
Posted by ブクログ
私にも子供がいるので共感できる部分が多かった。
ちょうど家庭と仕事の両立するバランスに迷っていた時期だったので、やはり子どもとの時間を大事にするべきだと思えた。
ひかりちゃんが純粋でかわいい!
Posted by ブクログ
『ありか』を読んで|家族のかたちは、心でつながるもの
ありかを読んで、人は一つの性質だけでできているのではないのだと、あらためて感じた。
明るさも暗さも、優しさも厳しさも、おしゃべりな面も寡黙な面も、本当は誰の中にもある。ただ、その中のどの部分が強く表に出るかで、「その人らしさ」が形づくられているのだと思う。
主人公の美空は、もともとは娘のひかりのように、無邪気で天真爛漫な子どもだったのではないだろうか。けれど、母親との関係の中で、「人に迷惑をかけてはいけない」「嫌われてはいけない」という思いを強く抱くようになり、「すみません」と繰り返す、自信のない大人へと変わっていった。
そんな美空が、ひかりを育てる中で少しずつ変わっていく姿が印象的だった。
ひかりは、日々の小さな出来事に喜びを見つける。公園で鳥を見つけること、ママと一緒に過ごす時間、それだけで満たされている。そして、まっすぐな言葉で美空を肯定する。「ママが一番」と伝えるその存在が、美空にとってどれほど大きな救いになっているかが伝わってくる。
二人だけの家族。二人だけの世界。
けれどその世界は、とてもあたたかく、確かなものだった。
特別なことがなくてもいいのだと思う。
遠くへ行かなくても、何かを成し遂げなくてもいい。
ただ一緒にいて、同じ時間を共有すること。それだけで、子どもにとっては十分な幸せなのだ。
そして、そんなふうに日々の幸せを大切にしている人のもとには、自然と手を差し伸べてくれる人が現れるのかもしれない。
家族のかたちは、一つではない。
血のつながりだけが家族を定義するのではなく、心のつながりこそが「家族」なのだと、この物語は静かに教えてくれる。
読み終えたあと、日常の中にある小さな幸せを、もう一度ちゃんと見つめてみたくなった。
Posted by ブクログ
いろいろ大変なこともあるけど終始暖かい話。周りにいい人が多いし、人生にひとつ光があるだけで全て何とかなると思えるくらいの光。幸せになってほしいとしか思えない。
Posted by ブクログ
愛の物語。
ひかりちゃんへの愛情の描写が細かくて、自分の子育て中の気持ちを言語化してもらったような気分でした
物語の流れは特に優れていると思いませんが、子どもが可愛い子育て経験者なら☆5、それ以外の人には☆4ぐらいのオススメ度。
登場人物は良い人が多くさらっと読めます
Posted by ブクログ
本屋大賞ノミネート作。
瀬尾さんの著書を読むのはこれで3作目である。
少ししんどさのある家庭、それを重々しくなくポップに捉えるような雰囲気で生活する登場人物が印象的。
今作は登場人物が、毒親である実母1人を除いて本当にみんな優しい。
日常にある小さな幸せに「ラッキー」と言える強さと、それを明るく伝えてくれる優しさに心が軽くなる。
実母の愛をたくさん受けてきたわけではない、そんな事分かっているけど、大人にさせてもらった恩もある。
だから断ち切れない。
もしかしたら優しい言葉をかけてくれる日が来るかも、母だって大変だったんだし、そこまで悪い人ではない、そう信じたいから負のスパイラルから抜け出せない。
これは良くない依存のあるあるだと思う。
颯斗や三池さんくらい強く引き離そうとしないと中々離れられない、颯斗の言葉に初めに美空が庇ったように。
美空は周りに恵まれて強くなって断ち切れて良かった。
自分は実母のようには絶対ならないと自戒になる。
また自分も親であるからこそ、身に沁みるというか、共感できる部分が凄く多い。
自分も美空と同じように、自身が正しい子育てをしている自信なんてない。人から何か言われたりネットやSNSで他人の家庭を見る度、もっとちゃんとしないとって思ってしまう。
颯斗は勿論お義母さんも宮崎さんも寄り添う力が本当に強く優しくそして明るくて温かい気持ちになって救われる。
中でも三池さんの考え方には凄く共感する部分が多かった。
特に
「そらがめっちゃいいやつに育っても、自分の教育のおかげだなんて思えない。子どもなんてどうなるかわからない未来そのものじゃん。そこに手を触れられるってすごいことでもあるし、同時に怖いことでもあるからさ。だから、してあげているなんて気持ち、一つもわいてこないもん。」
という言葉。
正にこれは本当に自分がいつも思っている事。
食事や弁当を用意する事に始まり、娘の送迎だとか息子のサッカーの世話もそう。
子ども達のおかげで、新しい世界を見せてもらっていると感じるし、凄く勉強を頑張っていて高い偏差値になっていたり、サッカーでたくさんトロフィーを貰ってきたり、でももっと言うとそんな結果だけじゃなくて、日々頑張っているのも知っているから、そんなの何もなくても一緒にいてくれて笑ってくれてありがとうって思う。
子ども達がどんな大人になったとしても、そこまで頑張った自分を誇ってねって思ってる。
感謝はしてくれたら多分泣くほど嬉しいだろうけど、感謝してほしいなんておこがましいと思う。
サポート・応援させてもらってるというスタンスだと思っているので、むしろこちらが感謝しかない。
面と向かって伝えるのは恥ずかしいけど笑
いつか颯斗君と同じように、何かに苦しみ、親に知られないようにする時が出てくるだろうと思う。
もしかしたらもうそんなことがあって、今も何かに対して踏ん張って、頑張っているかもしれない。
いつだってアンテナは張っているつもりだけど、親だからと言って全部察せたり、何とかできることばかりではない。
でも、どんなときでも救いたいという気持ちでいる事は憶えていてほしい。
この本のように温かい人に囲まれる人であってほしいと願う。
本書をもしかしたら深みがないとか物足りないとか思う人もいるかもしれないけど、ドン底不幸の連続や辛く苦しい境遇を掘り下げるわけじゃなくても、驚きの展開なんかがなくてもじんわりと温かい気持ちにさせてもらった
Posted by ブクログ
自分が親になった場合を考えながら読み進めていると、親子の関係性についてもっと理解を深めたくなりました。
美空のように日々迷いながらも自分で考え、自分なりの答えをだして、一生懸命に生きていきたいと思いました。
Posted by ブクログ
章立てが四季に寄り添って書き分けられてるんだが、「冬」あたりから、ずっと涙ぐみながら読んでた…!!
個人的に三池さんがいい人で本当に良かった…ε-(´∀`*)ホッ ついつい鬱展開を予想してしまう自分を恥じた。
日常にある幸せを描くのが、本当に上手くてラストスパートでポロポロと涙がこぼれた。
Posted by ブクログ
自分は少し斜に構えてしまうところがあるので、優しくされると、何か裏があるんじゃないかとか見返りを求めてるんじゃないかとか思ってしまうんだけど、主人公の周りには真っ直ぐに愛と優しさを届けてくれる人がたくさんいて、受け取る側も真っ直ぐに受け取ることが大事なのかなと思った。
幸せなことって、いろんなことが重なると見えなくなってしまうよね、、こんなに日常に幸せは溢れていたんだと思わされる
そして改めて親子の関係って難しい〜って思った
いわゆる毒親とも言われそうな主人公の母だけど、育児を放棄しなかったことも事実で、当たり前だけどそれは難しくて、、子どもの自分を育ててくれたことに感謝することと大人の1人の人間として親に意見をすることは両立するし引け目を感じることはないんだよね
暖かい言葉で溢れた本だったな
Posted by ブクログ
○本のタイトル『ありか』
○著者名 瀬尾 まいこ(せお まいこ)
○出版社 水鈴社
○ジャンル 家族小説
○入手方法 Audible
◯どんな本?
シングルマザーの美空と彼女の娘・ひかりの日常が描かれた家族小説。
美空は、自身の母親との難しい関係に苦しみながらも、愛情を込めてひかりを育てている。
彼女の義弟・颯斗は、優しく二人を支え、絆を深めていくが…
この作品では、親子の愛や育児の難しさ、そして人とのつながりの大切さが繊細に描かれている。
読者は、美空の葛藤や成長を経て、母親への感謝や愛の多様性について考えさせられるはず。
登場人物たちの思いやりや温かさに触れることで、心がじんわりと温まる瞬間を味わえるだろう。
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(主な登場人物の特徴)
○美空
・主人公で、娘のひかりがいる
・元夫は奏多で、離婚している
・パートでベルトコンベアーの仕事をしている(4年目)
○ひかり
・美空の娘
・くうちゃん(クマのぬいぐるみ)と一緒に寝ている。
これは奏多が生まれた時に買ってくれたもの
・保育園に通って4年
○颯斗(はやと)
・奏多の弟で、子どもが好き
・ひかりが生まれた時、とても喜んでくれた
○美空の母
・子供に対して恩を売るタイプ
・毒親である
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(舞台や世界観)
この物語は、シングルマザーの美空が一人娘のひかりと共に、日々の生活を送る姿が描れている。
彼女は母親との難しい関係に悩みながら、愛情をもってひかりを育てる。
美空の義弟である颯斗は、温かさで二人を支え、家族の絆がどのように形成されるのかを私たちに教えてくれる。
家族の愛情や育児の苦悩、そして人とのつながりの大切さが心に響く物語だ。
このような家族の温かさや人々のやさしさに満ちた物語を通じて、感動的な世界観を楽しめることができるだろう。
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(魅力を2つ)
①「母と娘の思いと悩み、共感の瞬間がたくさんある」
この本は、主人公の美空と彼女の母親との難しい関係もテーマとして深く描れている。
女手一つで子育てに奮闘してきた母親の苦悩や、その娘・美空が母親に対して感じる恩や圧力について抱く疑問が、心の葛藤としてリアルに描かれている。
母親は美空にとって、愛情と苦しみが入り混じった特別な存在であり、それは美空の子育てにも強く影響を与えている。
美空は、母の長年の苦労を理解しているが、ある日、母からの予想外の言葉に戸惑いを感じて悩むシーンがある。
その要求が具体的に何なのかは明かせないが、母と娘の間に横たわる微妙な感情は、誰もが共感できる部分だろう。
このような心の葛藤が描かれることで、読者は自身の経験に重ね合わせ、深く耳を傾けることができる。
母の期待や不安、そして美空自身の思いが交錯する中で、彼女はどう対処していくのかという過程が物語の鍵となる。
この物語は、母と娘の育児に対する考え方をじっくりと掘り下げる。
読んでいるうちに、不快に感じる部分もあるけれど、同時に心の奥が温まる気持ちにもなるはず。
家族や育児について、いろいろ考えさせられる内容だ。
母と娘、それぞれの思いや悩みが描かれていて、共感する場面がたくさんある。
日常の中での葛藤や喜びがリアルに描かれているので、読者も自分の経験を振り返りながら楽しめるだろう。
心に残るストーリーだ。
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②「多様な人々の気持ちを理解し、共感の力を育てる」
この本では、多様性も大きなテーマとなっている。
登場人物たちは、他の人と違うことでどのような苦しい思いをしているのかが描かれている。
具体的な辛い経験や差別についてはあまり触れられていないが、ある登場人物は、過去に傷つけられた結果、どのような影響がもたらされたのかが語られていて、思わず驚く場面がある。
しかし、作品には、同性愛に対して偏見を持たないキャラクターも登場する。
当事者である者は、差別を受けることがない状況に対して、戸惑いを感じているようだ。
過去の経験や周囲の人々の反応から、本当に受け入れられているのかと、不安や疑念を抱いているのかも?
このような感情が、その人物にとってどのような意味を持つのか?
受け入れられることへの喜びと、それに伴う不安の双方を考察しているようだ。
登場人物たちは、相手の存在を尊重することの大切さを示す一方で、当事者の内面的な葛藤にも目を向けている。
その人物にとっての受け入れとは、一体どんなものなのか?
その心の動きには、私たちが理解しきれない深い意味が隠されていると感じた。
私たちも「普通とは何か?」や「多様性を大切にすること」について考えさせられる。
この本を読むことで、多様な人々の気持ちを理解し、共感する力が育まれるだろう。
心が温まるだけでなく、視野を広げる助けにもなる素晴らしい作品である。
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(ひとこと)
義弟・颯斗の存在は、この物語でとても大きな役割を果たしています。
瀬尾まいこさんの作品には、いつも魅力的で不思議な男性が登場してませんか?
颯斗は尽くしたがりで、見返りを求めずに他人を助ける、まさに理想的な人でした。
彼は自分のことをあまり話さず、周りの人を心配する姿が印象に残ります。
そして、子供が好きで頼りになり、とても安心できます。
しかし、彼の心にはある隠された傷があり、もしかしたら他人を助けることで自分自身も救われていたのかもしれません。
ぜひ、この作品を読んで颯斗の優しさに触れてみてください。
心が温まる瞬間を感じられるでしょう!
Posted by ブクログ
温かい優しさで溢れてる物語だった。
唯一、主人公の美空の親は毒親で「子どもを愛せない人」は出てくるけど、そんな人には振り回されず最後は立ち向かって、自分の子どもは無償の愛情をこめて育て上げる母親の強さに感動した。
どんどん美空が強く変わっていってる。胸熱。
この物語は子を持つ母親が読んだらもっと響くんだろうな。
子どもの成長はほんとうに早いし、娘の言葉で救われたり締め付けられたり一喜一憂するものなんだ。
多感な子どもも大人の言葉や様子に感じ取るものがあるんだろう。
美空の周りにも見返りを求めず純粋に助けたいって気持ちで助けれてくれる人たちが多い優しい世界。
叔父の颯斗くんの愛情の注ぎ方も切なかったな、、
自分に子どもが持てない苦しさが読んでてつらくてつらくて、、
私も、今だけの幸せを感じて噛み締めて人にやさしく大切に生きていきたい。
Posted by ブクログ
子供は無償の愛を教えてくれる存在
時には大人げなく叱ってしまう母親になりきれていない自分を一生懸命愛してくれる
そんな昔を思い出させてくれた
あの頃に戻りたいなぁ…
Posted by ブクログ
最初はなぜか読むのが辛くて平行して別の本を読んでしまった。
子育てに対する古い考えや風潮が子育てを息苦しいものにしているのならそれは不幸というしかない。必要な助けと肯定する言葉があるだけで、母親はこんなに強く変われて子どもを真っ直ぐに愛せるようになるのかと思った。
親にあるのは養育の義務だけで子供の人生は子どものもの。そして、日々子供から幸せをもらっていると感じていないと、成長した子供に見返りを求めてしまうのかもしれない。
Posted by ブクログ
美空の母親は明確に悪役キャラの設定であるのでそれは仕方ないとして、その母親の機嫌を伺い続ける美空のありさまには苛立つばかりだった。まだ幼い娘のひかりは美空とはまるで対極的にどこまでも真っ直ぐであり、日々着実に成長している。それはもちろん美空が懸命に母親の務めを果たしているからこそであるが、美空の思い切りの無さにはもどかしさばかりが募っていたのが読書としての自分の正直な思いだ。しかし終盤、美空はそれまで踏み出せなかった一歩を踏み出した。ひかりほどの著しい速度でではないが、母親として人間として、美空は成長していた。その姿を称賛でき、読書としての自分はようやく長いトンネルから抜け出たかのごとくこの物語に対する満足を得ることができた。
Posted by ブクログ
実母や夫とはうまくいかない一方で、義理の弟や一見とっつきにくそうなママ友が、ふとした場面で手を差し伸べてくれる
この対比がリアルで、「誰とつながるか」は関係性にとらわれずに、自分で決めていいんだと気付かされました
ひかりちゃんの可愛さもあるけど、主人公を強くしたのは、主人公自身の素直さだと思う
なんせ自分たちを捨てて養育費も払わない元夫を恨むどころか、良い点を見ようとするんです
すべてが解決するわけじゃないけど、実母と対峙するラストもよかった
Posted by ブクログ
2026年本屋大賞ノミネート作品。(最後の一冊でした)
ひかりちゃんが純粋にかわいい。それだけの作品。
ヒューマン系なので嫌いではないのですが、少しあっけなさすぎて、正直「読まされた感」も強く、読み終えて少し疲れてしまいました。
読み手側の捉え方や心身の状態、読むタイミングにもよるとは思いますが、「一人じゃないよ」というメッセージ性が、今の自分にはやや押し付けがましく感じられてしまい、残念ながらあまり響くものがありませんでした。
著者作品初読であれば、もっと素直に入り込めたのかもしれません。ただ、この手の人情系の作品はもう十分かな、というのが正直なところです。
とても読みやすく、人の気持ちや心理状態を丁寧に見える化してくれる著者なので好きではあるのですが、2026年本屋大賞読破の締めがこの作品だったのは、少し順番を間違えたかな、という気持ちもあります。
Posted by ブクログ
主人公の母親以外、登場人物がみんな善人で主人公に優しい世界。
子育てと人のあたたかさを描く物語の中で、心の綺麗な主人公と、重めの毒親を対比させる構図が少ししんどかったです。
欠点がある人が救われる話が好きなので、私にはあまり合わなかったみたいです。
最終的に物語は「子どもを愛せない人もいる」「相性もある」「美空の母親は気の毒でもある」という着地を見せます。でも、毎月10万円もの金銭要求という描写はあまりに極端すぎて、結末とのバランスが取れていないように感じました。
義弟の颯斗くんは良かったです。
Posted by ブクログ
大好きな瀬尾まいこさんの本、、
この作者が描く世界は、常に優しい人たちで溢れていて、、
なのに、今作はびっくりする位、毒の強い母が出てきて。
えー?きっと毒が剥がれていくと思って読み進めるも、どんどん強い毒となって、、
ラストは、あーこの母親、なんて可哀想な人生なんだ、、という個人的な感想を抱いてしまった。
物語の核ではないかもしれないけど、私にとっての瀬尾まいこの世界観には、あり得ない人物像だったので、どうしても、この母親の言動が誰より気になって仕方なかった、、というのが一番の感想になってしまった。
単調かな?
とても読みやすい本でした。
ひかりちゃんとの日々、義理の弟さんとの不思議なやりとりなど。最後まで一気にサラサラと読み進める事ができました。
今まで閉ざしていた心に、いざ開けてみると意外にもスッと馴染めるものであったり、強引にこじ開けられても、それが不思議に心地よかったりと、主人公の心の動きが、手にとる様に理解できました。
もう一つの話として忘れられないのは、母親とのかかわり。世の中にこの様な親が本当に存在するのかと、少し違和感を覚えました。苗字が何回も変わったり、これは筆者の体験なのでしょうか?
ただ、時間の流れがやや単調すぎて、所謂、話のクライマックス?山?って箇所を見つける事ができません。それなりの感動が薄かった様に思いました。