あらすじ
愛はここにある。
幸せはここにいる。
「これまでの私の人生を全部込めたと言い切れる作品を描きました」
――瀬尾まいこ
母親との関係に悩みながらも、一人娘のひかりを慈しみ育てる、シングルマザーの美空。
義弟で同性のことが好きな颯斗は、兄と美空が離婚した後も、何かと二人の世話を焼こうとするがーー。
「子育てをしながら自分が受けた恩を思い知って、親に感謝していくのだと思っていた。それが親になった途端、さっぱりわからなくなった。この日々のどこに恩を感じさせるべきところがあるのだろう」
(本文より)
本屋大賞受賞作『そして、バトンは渡された』、ベルリン国際映画祭フォーラム部門正式招待&日本アカデミー賞優秀作品賞原作『夜明けのすべて』など、人々のかけがえのない関係性を紡ぎ続けた瀬尾まいこが描く、あなたの小さな、でも確かな支えとなる感動の物語!
大丈夫、忘れているだけ、見えていないだけ。 柔らかく折り重なった言葉が語りかけてくる。 そう、希望の鳥はすぐそばにいる。
――津田健次郎(声優・俳優)
今、部屋で一人涙をこらえるあなたに読んでほしい。
しんどい人生をそっと優しく肯定してくれる傑作です!
――三宅香帆(文芸評論家)
【著者紹介】
瀬尾まいこ(せお・まいこ)
1974年大阪府生まれ。2001年、「卵の緒」で坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、翌年作家デビュー。2005年『幸福な食卓』で吉川英治文学新人賞、2008年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞、2019年『そして、バトンは渡された』で本屋大賞を受賞。2020年刊行の『夜明けのすべて』は映画化され、ベルリン国際映画祭フォーラム部門に正式出品されたほか、数々の映画賞を受賞するなど、大きな話題となった。他の作品に『図書館の神様』『強運の持ち主』『優しい音楽』『あと少し、もう少し』『傑作はまだ』『私たちの世代は』『そんなときは書店にどうぞ』など多数。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
シングルマザーの美空とひとり娘のひかりが織りなす心温まる物語。読みながら、自分の幼少期と子どもの幼少期を思い出した。いつも慌ただしくて、こんなに一緒にいれただろうかと思った。二人と義弟の会話がとても素敵だ。可愛らしくて、暖かい。義弟も悩みを抱えていて、最後がどうなるか心配になった。が、みんな丸ごとハッピーエンドですごく良かった。やはり瀬尾さんの物語だ。
Posted by ブクログ
ほんわか。
ひかりちゃん 美空さん、
颯斗君 登場人物に パワーもらいました。
笑い声が聞こえてきそうでした。
皆、何かしら悩んだり 色々なことを抱えていたりするんだろうなと思います。
一生懸命生きてる証拠。
人の何気ない愛で、軽くなることも。
私もたくさんの方々に支えてもらっています。 感謝。
Posted by ブクログ
一言メモ、今の自分が、今大事なものを、今大事にすることが正しいと、教えてくれる
母一人子一人の生活に、いろんな人が関わってくる展開。前に向こうとしながらも、過去に、家族に、何度も何度もどうしても引っ張られる、主人公の環境や心情が、自分と重なる部分があって、ぐっときてしまいました。
2人を大切に思って気遣ってくれる、ママ友と義弟、義弟のパートナー、居てくれて良かったと、しみじみ思う優しい本です。
Posted by ブクログ
美空とひかりの小さな幸せに満ち溢れたエピソードに心が温かくなる。自分の子育てを振り返り、頬を合わせるだけで幸せと思えただろうか?と反省しつつも、幼い頃の我が子との楽しかったこと、辛かったことを思い出しながら、美空とひかりの幸せだけを祈りながら読んだ。
美空の周りの人たちの優しさが美空を強く逞しい母へと成長させた。読み終わるのがもったいなくて、このままずっと美空とひかりの物語が続いて欲しいと思った。
Posted by ブクログ
やっぱりいいですね、瀬尾まいこさん。
5歳の、ひかりが可愛いし、母親から自分の子供への気持ちの描写が、自分も親だからこそ、共感しかなくて、我が子の同じ年代の頃を思い出しました。
血の繋がりだけではない温かな世界に出会えて良かったです。
Posted by ブクログ
悩み迷いながらの子育て、と共に自分の親との関係を顧みる。分かるテーマだけに、美空の気持ちに添って読むとじわじわ響いてくるものがありました。
美空は、母の愛情を探していたのですね。
親子だからと、分かり合えることばかりではなく、隔たりを感じるのは、別の人間だから。
この母親は極端ですが。
理解は難しくても、後に見守り、距離をとるという、受容という形に変化してゆくのだなと思いました。
美空を助ける周りの人々は理想。美空が前を向いてしっかり歩いているからだと思います。
状況は様々でも、日々に沢山転がっている幸せとか、何者かになりたいと、そう願う美空の心情とか、やさしくゆっくり最後には強く訴えかけられていて良かったです。
自分のありかを考えてしまう物語でした。
Posted by ブクログ
読み終わった後、自分の周りにいる大切な人たちをもっと大事にしたくなる一冊。
瀬尾まいこさんらしく、登場人物は基本的にみんな優しいです。現実で孤立して育児に悩んでいる方には、その温かさが少し眩しすぎる(非現実に感じる)かもしれませんが、シングルマザーの美空が、娘との暮らしや周囲との関わりの中で、自分の居場所を見つけていく心温まる物語でした。
子育ての幸せだけでなく、日々の疲れやお金の不安もリアルに描かれています。主人公が実の母親との難しい関係に悩みながらも、過去の自分と決着をつけていく姿が特に印象的でした。親も完璧ではなく、ただの人間なんだと認めることで主人公の心が軽くなっていく過程に深く共感しました。
また、颯斗君や林田さんたちとの食卓の風景や、「運命の相手は恋人だとは限らない」という言葉も非常に良かったです。そして、過去に縛られず、大人になった今からでも夢を追えるというメッセージにも勇気をもらえました。
作中で何か大きな出来事は起きませんが、日々の何気ない会話や食事が人を救うのだと改めて感じさせてくれる、非常に素晴らしい作品でした。おススメ!
Posted by ブクログ
子供が頼るべき先は親じゃなくてもいい。
本当にそうだなと思う。
美空の周りの人々の押し付けがましくない優しさが清々しくて、私もそういうことができるおばちゃんになりたいと思った。
美空の母親には胃の底が冷たくなるような嫌悪感があったけど、確かに美空を18歳まで育ててくれた人ではある。
この人とその他の登場人物の愛情や優しさのコントラストが悲しかった。
始まりは弱々しい母親に思えた美空がどんどん逞しく周りの人々にも支えられつつ成長していく物語にとても温かい気持ちになりました。
ひかりちゃんはとってもかわいい。
周りの大人たちをどんどん幸せにしてくれる。
Posted by ブクログ
親から子への愛だけでなく、人として生きる上での愛がたくさん詰まった物語だった。
やっぱり瀬尾まいこ好き!と思わせてくれた本。
辛くなったとき、心が疲れた時、この本に戻ってきたい。
Posted by ブクログ
シングルマザーの美空さんと1人娘のひかりちゃんを中心にしたお話。
ものすごーく優しく、そして幸せの詰まった内容で読んでるだけで気持ちが満たされました。
思う通りにならないこととか嫌なこととか。
それらがなくなることはないけれど、何気ない日常ってほんとありがたいし、幸せなんだっていうのを思い起こしてくれる作品でした。
瀬尾まいこさんの作品、大好きです。
ありがとうございました!
Posted by ブクログ
なかなか次のページに進めなかった。
私にとって胸がつかえるような作品だった。
この感想はかなり個人的なものでいつも以上に自分に向けた記録なので悪しからず、、
昔からずっと思ってた。
子どもを産むことを決めたのはその人の決断であって、"産んであげた育ててあげたんだから言うことを聞きなさい。""親の言うことを聞くのが当たり前だ。""育ててもらった恩に感謝している態度を見せろ。"日常的なこういった発言に辟易としてきた。
そりゃあここまで育ててもらったことに感謝はしてる。でも、それを恩着せるのは違うのでは?だって子どもを育てるってそんな親からの一方通行で然るべきなの?
親子は平等ではなく親が子に命令する指令官である、という姿勢の母に対して幾度となく反発してきた。
散々子ども時代に手も足もあげられて"泣いて許されると思うな。"と育てあげたくせに親族のお葬式で涙を見せない私に冷たい人間だと言い放つ。歳を重ねるにつれ、母が私を冷淡だと詰る回数が増えている。その度に思う。"そう作り上げたのは誰ですか?"と。
別に母のことを嫌いなわけではない。ふたりで出掛けるのは心から楽しいと思うし、何かカチンとくる一言がでない限りは仲のいい親子だと思う。
高校生くらいの頃に、手をあげたことは悪かった、でも中学生くらいからはしてないでしょ?と得意気に言い、私たち子どもが他者に褒められるたびに育て方は間違ってなかったと言うのが母の口癖。
母のヒステリックとその心の弱さは子ども時代からひしひしと理解しているから今更憎んでいるわけでもない。でも、あの頃の暴言暴力を許すことは一生できないし、母の前で泣くことも一生ない。
誰かにプレゼントをすると同等以上のものを貰えるのが当たり前だと思ってる母。
何においてもそうだ。
そんなに後から憤慨するなら最初からしなければいいのに。
主人公の母の吐き出す言葉はほとんどそのまま、私の母だった。もちろんあるところでは実母のほうが随分マシで、あるところでは実母のほうが随分ひどいところがあるけれど。
親子の呪縛は生きている限り続く。
人と人だから、ちょうど良い距離感を模索するのは当たり前のことなんだよな。
子育ては、永遠に続く、ゴールがなくてしんどいもの。ではなく、終わりの連続。
とはいえ、最終的に読み終わった今感じるのは
子どもが好きだ、今この瞬間は自分の子どもを産んでみたいということ
どうしても許せないものは許せないものとして受け入れようということ
そして、その中でもできうる限りで家族に寄り添いたいということ
Posted by ブクログ
温かいお話だった。
シングルマザーの美空が子育てや実母との関係に悩み疲弊する描写は辛かった。
しかし、娘のひかりの天真爛漫な様子は、本当に微笑ましいし、美空を助けてくれる理解者の存在が美空を強くする。
育児って大変だけど、とても幸せなひと時で、我が子たちの幼い頃を思い出すと、思わず微笑んでしまう。
親も子供に育てられる。
美空が立ち向かわなければならないのは実母だが、そのまま背を向けるのか、対峙できるのか、それとも我慢や妥協をするしかないのか?
美空に頑張れと言って応援したくなった。
Posted by ブクログ
ひかりの可愛さにほんわかしたり、あまりにひどい美空の母親に苛々したり、読みながら色々な感情で忙しかった。
シングルマザーで子供を育てていくのは想像しただけでも大変だけど、気を許せる友達がいたり、支えてくれる親戚がいたり、美空は人に恵まれて幸せだ!
Posted by ブクログ
義弟のように、同僚のように、ママ友のように、ズカズカと優しく見抜いて生活に入ってきて、苦しさを和らげる。
手を伸ばすまで、待たなくていい。
小さな日常を支えるとは、そういう事かもしれない。
あと、瀬尾さんの文章から「子ども」への愛情があふれ出ているようで、それがまた強く優しかった。
Posted by ブクログ
始めは何でも気にするし謝ってしまう自信と余裕のない女性に見えたが、颯斗が関わり周囲の善意に触れ、徐々に本来の人としての強さが描かれて魅力的になっていった。一番大事なことを即答できる人間は強い。
Posted by ブクログ
幸せにはいろいろな形があるのだと思わされた作品
こどもって、本当に無邪気で可愛いんだよなぁと懐かしくなってしまう
我が子が幼い頃、もっといい付き合い方ができたのではないかと、考えてしまった
他人に必要とされることかぁ
Posted by ブクログ
瀬尾さんの作品はほっこりした気持ちになれると信じて疑わない私は今回もほっこりさせていただきました。
シングルマザーの美空の周りにいる人がみんなちょっと強引なところもありつつ温かくて、だから余計に毒親が際立ってましたね。
読む人の立場によって感じ方が変わってくる。
とりあえずひかりはとても良い子で、言うことが子どもらしいチグハグさで可愛い!
「ずっとほっぺがふわふわでありますように」がすごくキュンでした。
颯斗くんは親族に一人いて欲しい。
こんな素敵な義弟、おじさん欲しいわ。
美空が強く言えないことも颯斗くんが「くそばばあ」って言ってくれて口が悪い私はスッキリしました笑
Posted by ブクログ
若いシングルマザーが、ひとり娘を育てる中で、離婚した元夫の弟や周囲の人々に支えられがながら成長してゆく、あったかい、抱きしめたくなるような物語です。
ひかりちゃんがとてもいとおしい。
子供が小さかった頃を思い出してしまう。前後のチャイルドシートに二人乗せて保育園へ送り迎えしながら笑いあったこと。前に乗せた子の髪のにおいがとても甘かったこと。
Posted by ブクログ
前半は同じシングルマザーである母親が毒親であり、逆にその反動か自分の娘を可愛がり過ぎて、読み進めが極端に遅くなってしまった。この辺の感覚が女性とは違うのかと思ってしまった。
中盤からは周囲の人達が善人ばかりでホッとさせられる。義理の弟、義母、職場の同僚、保育園のママ友と次々に助けてくれる人達が現れる。
娘の病気も周囲の人達のお陰で早めに対応できたが、これで大切な人を失うピンチがあったりと浮き沈みがある。毒親との対決もあり、簡単には行かないが、瀬尾さんらしい展開に心が休まってくる。
Posted by ブクログ
やりがいのない代わりに負担も少なく、いざとなればいつ辞めても許される。
誰に何を言われようとどんとかまえられないのは、自信がないからだ。何か言われるたび、そのとおりだと、心が揺れてしまう。
いつ息を抜けばいいのかわからなくなることもある。ほかの人が入ることで、少し自分の前に隙間ができる。
ちゃんとした人は緊張させないって。親は安心を与えることはあっても不安を与えることはないから。
モラハラにパワハラにセクハラにカスハラに、世の中のハラを集めたやつだな。ハラを集めた人に刷り込まれた結果、勝手に緊張し体を弱らせることになったわけだ。
そこに理由はなく、自分では定められない、本能的な感情がある。
何も生み出さない人間はいないよ。
勝負する時なんじゃない?大事なものがこんなにはっきりわかっているのに、振り回されている場合じゃないと思う。
わかってくれている人に話すことは、安心だけでなく思い切りを与えてくれる。
もっとしんどい人だってたくさんいるだろうし、反対に苦労知らずの人だっているだろうけど、比較することない。自分がどうかってだけが問題だ。
自分にとってのいいこと。待ち遠しいこと。それをたくさん用意しよう。
病気を治すのは大事なことで、怖いことではないから。
誰かを笑わせるって、誰でもいいから自分以外の人を救えるって、一番存在意義があること。
今の私やこれからの私は、自分で作れる。だったら、否定しなくていいのかもしれない。
Posted by ブクログ
後半を、近所のカフェで読んでいたのだが、颯斗君のくだりで涙がどうしたって出て、涙をこっそり拭いつつ読む。
シングルマザーの主人公が、娘のひかりを育てながら、周囲の人たちの裏表のないさっぱりした優しさに支えられ、強く成長していく話。
母からの支配、自信のなさからの迷いを、支えられ支えたいと思えるようになり、越えていく。
さっぱりした優しさを発揮できる人になりたい!
離婚した夫の弟である颯斗くん、そのパートナーの林田さん、ママ友の三池さん、職場の宮崎さん、義理の母。みんないい人。
とくに宮崎さんが好きすぎる。そんなふうに絶対なれないけど、なりたいものだ。
相変わらずの安定の瀬尾まいこ。
Posted by ブクログ
188p程
自分の過去の幼少期、思春期の記憶と照らし思いあせながら進める。この物語はどういった結末を迎えるのか。全くもって予想できない、、
とても穏やかでゆっくり時が流れる物語だった。
小さな幸せ
人との距離のはかりかた
無償の愛
親との関係
ふわっと将来への安心へ繋げてくれるような本
Posted by ブクログ
シングルマザーの美空と娘の日々の中で、幸せとはを描いた作品
母親との関係、シングルマザー、同性愛者など。様々なしがらみや苦悩を抱えて、自分の居場所やあり方を模索する。美空も、周りの人に支えられながら母親として娘として一人の人間として成長していく
颯斗くんも、宮﨑さんも、三池さんも、読んでいて好きですが、颯斗くんはともかく、ちょっと親切すぎのような…。
美空の母親との関係は読んでいて苦しかった。
瀬尾さんの作品はほぼ読んでいるけれど、今作はちょっと掴みきれずに読み終えてしまいました。
Posted by ブクログ
娘のひかりを通して、いろんな人との関わりが生まれる。その人の知らなかった一面をどんどん知ることで、自分の知らない自分を知っていき、娘を思う親の気持ちの強さや、親であっても子を愛せない人の気持ちの理解にまで繋がる。
Posted by ブクログ
私には少し痛みを伴う本だったかも。
愛溢れる主人公の母と娘、
その周りに居る温かい人たちの話なのだが
自分の育ちや、現在の子育てのアレコレを振り返り
私は子育てに対して楽しさや喜びよりも
不安の方をより感じているなぁと改めて気が付いてしまう。
自分と照らし合わせてしまい
優しさだけでなく痛みも受け取ってしまったが
ふとした瞬間に本の中の情景を思い出したりする、そんな1冊だった。
Posted by ブクログ
瀬尾さんの本はもっと読んでいたかなぁって思っていたけどどうやらほかの人と勘違いのようでこれで二冊目。「そして、バトン~」が面白かったので次の作品も読んでたような気がしたが...
それにしても総評して全体的にぼんやりした主人公像が定番のようで今回もどっちつかずの読んでいてイラっと来る主人公の言動にハマってしまう。ネグレストほどではないものの子供が好きになれない母親をもつ主人公はやっぱり同じようにシングルマザーになりながらも子供を一番に生活している様が描かれており、周りの職場の同僚やママ友、そして元夫の弟はゲイであり世のあらゆるマイノリティを取り入れて無理なくじんわりと物語に浸透している。ぼんやり主人公が後半強い意志をもって今までの生活を改善していく、娘もいよいよ小学生に上がるのをきっかけに立ち上がる姿は追ってて楽しいが、まぁこんなもんかなぁって感じでぐっとくるものは無し。娘との会話が全然親子っぽくなくリアル感がない、というか5歳児のセリフがいまでいうAIかよって思えるくらいに子供らしさがないのが一貫して感じたので醒めて読んでしまった。テンポはいいので高評価してしまいそうだけど自分には合わなかったかなぁ。
Posted by ブクログ
マンション図書で読んだ。
そしてバトンは渡された等面白い作品を書く作家。
人のかけがいのない関係を描くのが上手だと思う。
別れた夫の弟との奇妙な関係も面白い。有りかなと。
お金は無くてしんどい人生でも、子供がいるだけで幸せ。。。優しく寄り添ってくれる物語。
母親との軋轢に苦しむが、解決方法を見出す過程もいい。
Posted by ブクログ
瀬尾まいこさんの作品を読むのは初めてです。これまで何度も見聞きしたお名前なのに、なぜか食指が動かずにいたのですが本作はあらすじを見て読んでみたいな、と。
友情や家族をテーマとした優しく温かい作風が特徴なんですね。本作も同じ傾向です。
シングルマザーの美空が一人娘のひかりを育てていく中で、様々な人との関わりを経て少しずつ変わっていくストーリー。
非常に読みやすい文体で、心理描写も巧み。速いペースで読み終えました。
美空同様に子育て中のため、共感できる部分が多かったです。美空の母親が登場するシーンは心理描写が巧みな分、読むのが少し辛かったけれど。
母親に愛された記憶がほとんどないためか、自己肯定感がすこぶる低い美空が変わっていき、明るい未来が期待できる結末です。読後感はよいです。
ただ優しいお話ということ以上のものが私には感じられず、ドラマの脚本を読んだような印象が残りました。保育園の年長というひかりもドラマに登場する子役に近かったです。
また、美空親子をサポートする義弟が同性愛者という設定は本作に必要だったのかという疑問も残ります。多様性という言葉が世に出てから性的マイノリティが登場する小説が散見されるようになりました。偶然なのか、私が読んだものは全て男性の身体に生まれた性的マイノリティの方が友人として主人公の女性を助けるという設定でした。本作も先日読んだ「月とアマリリス」も然り。
レビューを書かれた方の中にそういった特性の方を見つけていないので個人的な憶測ですが、ちょっと都合よく登場させてはいやしないかというモヤモヤが残ります。
この設定は女性作家さんの作品に多く、また、女性の身体に生まれた性的マイノリティが男性主人公をサポートするストーリーは見たことがないのです。私が知らないだけかしら。
本作のレビューに記す必要はなかったかもしれませんが、個人的な備忘録として感じたことを残しておきます。
Posted by ブクログ
母とうまくいかない美空とひかり。離婚した奏多の弟、颯斗はいつまでも優しい。不思議な関係だけど、颯斗に助けられ、ひかりのために強くなっていく美空。素敵なお話しだった。
単調かな?
とても読みやすい本でした。
ひかりちゃんとの日々、義理の弟さんとの不思議なやりとりなど。最後まで一気にサラサラと読み進める事ができました。
今まで閉ざしていた心に、いざ開けてみると意外にもスッと馴染めるものであったり、強引にこじ開けられても、それが不思議に心地よかったりと、主人公の心の動きが、手にとる様に理解できました。
もう一つの話として忘れられないのは、母親とのかかわり。世の中にこの様な親が本当に存在するのかと、少し違和感を覚えました。苗字が何回も変わったり、これは筆者の体験なのでしょうか?
ただ、時間の流れがやや単調すぎて、所謂、話のクライマックス?山?って箇所を見つける事ができません。それなりの感動が薄かった様に思いました。