あらすじ
女神の神託…それは月の女神に愛された国フォルトゥーナの王族にのみ告げられる絶対的な女神の意思。
第二王女ディアナは、神託に従い隣国のウィクトル帝国に嫁ぐことになるが、結婚相手の皇帝イーサンは男爵令嬢フィリアを溺愛するあまり、国の政務を怠る愚帝だった。
自らが仮初の皇后であると知ったディアナは戸惑いつつも、神託の実行のために行動を開始する。
あらゆる手段で情報を集め、巧みな交渉術で国の中枢を担う公爵家を次々と味方につけることに成功し、自身の立場を着実に確立していくディアナ。
そんな中、ある日突然豹変した兄イーサンに疑念を抱く王弟ユージンがディアナに接触してくる。
二人は協力して動き出すが、やがて帝国を揺るがす巨大な陰謀に巻き込まれていく。
皇帝の乱心、禁止された呪具、影の国と呼ばれる第三の国…女神の意思はディアナを思いもよらぬ運命に導いていき――!?
カクヨムコンテスト10〈ファンタジー恋愛部門〉特別賞受賞作!
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Posted by ブクログ
婚約者に蔑ろにされた主人公が、婚約者の血縁と結託して逆転するざまあ劇という、よくある話だけではないところが奥深かった。
女神からの神託に関する設定からしてよく練られていたと思う。
ここからして、最後の逆転劇やざまあ展開の伏線になっているのが熱い。
また味方のいない帝国で、四代公爵との駆け引きから入ったのも面白かった。
ヒーローそっちのけかい!という。
地盤固め大切です。
そのヒーローと主人公のディアナ自身が、国のことに頭を巡らせているせいか、最初は自身の気持ちに鈍いところが愛おしいという。
ディアナに至っては、相手からの気持ちにも鈍感というね。
ヒーローは、何だかんだで気付いたし、途中からそのために動いていたのでよしとしよう。
意外だったのは、今回の黒幕ともいうべき人間の行動。
ざまあされる立場ではあったのだが、それに懲りていないというか何というか。
行動理念が狂っているのに分かりやすく、そのためには自身がこれまで結託していた相手を平気で裏切るという。
前述の女神からの神託の件で確かにざまあは食らったのに、本当に懲りていない。
これは、今後もヒーローは大変かもしれない。
ともあれ、本当によく練られた作品だったと思う。
またディアナの立場にちゃんとヒーローがツッコミを入れてくれたのも爽快だった。
確かに、おかしいもの。
その余波を受けて、ちゃんとディアナの立場を真に理解していなかった人たちが揃ってざまあを迎える展開は本当に爽快だった。
普通は婚約者と、その婚約者をたぶらかした相手がざまあされて終わるところが、派生して凄いことに。
寧ろこちらは些末なことになっているまであった。
婚約者に蔑ろにされるヒロインの話も、まだまだ色々派生できるのだなと、その可能性を感じた作品だった。