あらすじ
このシンプルな物語は、きっとあなたに「生きる力」を与えてくれます。
喜多川泰さん待望の最新刊!
ベストセラー『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』で全国に感動の輪をひろげた小説家・喜多川泰さん。
新境地に挑むべく書き下ろされた今回の新作は、小学生&中学生という子どもたちの世界と、その親世代の生き方をテーマにした力作。
ちょっとファンタジックな雰囲気を感じさせる内容に、思わず「ん?」と驚く読者がいるかもしれません。
おいべっさんとは何か?
不思議な母子はどこからやってきたのか?
驚きのエンディング!
「おいべっさんに幽霊が出たみたいだぞ」。
小学生たちの間でそんな噂話が広がっていた新学期の初日、6年3組を担任することになった日高博史のクラスに転校生がやってくる。
石場寅之助……色あせたTシャツに袴のようなチノパン姿。伸びきった長い髪を後ろに束ねた出で立ちと独特の話し方は、クラス中の視線を集めただけでなく、いじめっ子たちとの争いも招いてしまう。
いっぽう、反抗期をむかえた博史の娘、中学校3年生の七海は、友だちと一緒に起こした交通事故から仲間はずれにされてしまった。
そのあと七海がとった行動は?
寅之助はどうやってクラスに馴染んでいくのか?
クラスのいじめっ子黒岩史郎の母親・恵子が流した涙の理由は?
さまざまな人間模様が交差しながら展開していく。
そして雷が鳴る夜、おいべっさんで起こったこととは!
【著者からのメッセージ】
“僕の作品が、すべての人にとって「生きる力」になることは期待していない。でも、この作品が今の自分の人生を前に進めてくれる力になるという人もきっといると思う。その人が、この『おいべっさんと不思議な母子』という作品に出会ってくれることを、心から切に願っている。「そんな人の手元に届け!」という思いを込めて僕はいつも作品を書いている。”(著者あとがきより)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
中3の娘を持つ小学校教師の博史は石場親子との出会いから教育者としての本当の役割を学ぶ。学校とは失敗を経験するところ。失敗から逃げず学び自分で立ち上り壁を乗り越えて人生を生きていく。ラストは「やられた~」って感じの爽やかな読後感に浸りました。
※傷(失敗)ひとつない子どもに育てるのは恥ずかしい。戦うべき時に逃げてきた証。
※自分の人生の主役は自分。脚本、監督も自分。自分の理想を作り演じる。
Posted by ブクログ
安定の喜多川さん、いつもどおり「勇気」をもらえる1冊。中年だって万能じゃない、子どもだったときはあるし、子どもだってなおさら。
平凡な日常にやってきた非日常。そこで主人公が遭遇したのは…。
展開もよく一気読み。
Posted by ブクログ
喜多川さんが書いた本を何冊か読んだ上でこう思った。また騙された!!!
騙されたというのはいい風に、だ。
いつもことごとく期待を(良い意味で)裏切られ、予測がつかない展開にドキドキワクワクしっぱなしだ。
他の物語と同じくこの物語の中にも喜多川さんが伝えたいであろう大切な言葉が散りばめられているし、単純に小説としても非常に面白かった。
One world(喜多川さん著)でもこの作品でも思ったのは、全てが完璧に良い人はおらず、全てが完璧に悪い人もいない、ということだ。
私たちは、自分に都合が悪いことをする人は「悪い人」と決めつけてそれ以上見ないことが多いように思う。
でも、自分にとって都合が悪いことをしてきたとしても相手にも相手の理由がある。
私は、その理由を知ろうとしたい。
決めつけて見えなくなってしまうことを、減らせたらいいなぁ……。
10代に勧めている方が多いようだが、私は世のお母さん…いや、子供を持つ親に読んで欲しいと思った。
勿論、出来るだけ多くの人に読んでほしいけど。
Posted by ブクログ
喜多川泰
僕がこの人の本に出会ったのは偶然なのか必然なのか。
内容もさることながら、言葉が凄い。
やはりこの方が書いた本は僕に生きる力をくれる。
それはすごく正直なところ。
本は読まなくても生きていけます。
本を読む意味さえ分からなかった僕が今、幸せに生きていけるのは色々気づくことが出来たからだと思います。
それは人から為になることを聞くこともありますが…いや、正直そんな話は皆無で。多くは本から得たものだと思っています。
そんな考え方当たり前やん!
そんなこと知らんの?
常識ないね〜
っと現在進行形で思われても仕方ないほど馬鹿な僕ですが、そんな僕だからこそ「学ぶ」ということをやめてはいけないんだと気付いたわけです。
それは本を読むことだけに特化したことではなくて…。
ま、そんなことを思っちゃった。
有難う。
Posted by ブクログ
チェック項目8箇所。「スーツにアシックスかよ。フンッ、学校の先生は常識がねえなあ」、確かに、言われてみれば変な組み合わせだが、習慣とは恐ろしいもので、指摘されるまで自分でも違和感を感じなかった。「身体を張ってでも正義を通すべきときに、ケガすることを恐れて、無関心を装い逃げるような大人になってもらっては困ります」。「恐れるべきは、名誉をケガされたにもかかわらず、傷つくことを恐れて立ち上がることができない、臆病者になることではござらぬか」。「詫びる必要なんてない。今お前が言ったとおりだよ。学校は”失敗”を経験するためにある場所だ。失敗したときには、それを”学び”に変える。それだけだ。この経験からお前が何かを学んで、今までの自分とは違う過ごし方をするだけでいいんだよ」。大人の世界はどうか知らないが、子どもの世界は、正義ではなく、声を大にして主張する者の天下なのだ。学校は、上手にたくさん失敗をするための場所なのだ、そして、その失敗からどう立ち上がるのか、失敗をどう克服するかを学ぶ場所なのだ、決して、一つの失敗もしないで、転ばないで六年間の学習内容を修得するのが目的ではない、もちろん人間関係のぶつかり合いだってそうだ、誰とも一度もぶつからないのが、子どもにとっていい過ごし方ではない。「この時代は、いい時代ですね。驚くほどみんなが豊かです。すべての人が、わたくしどもの世界の上様のような生活をしています。飢饉もない。飢え死にする人もいない。子どもが間引きされることもない。そればかりか、身分の違いすらない。車に乗って隣の国まで行くことも許される。どこに住みついてもいい。そして、子どもたちには無償で教育をしてくださる。そして将来は、自分がやりたいと思うことをやって、自分の好きな人と家庭を築いていいなんて……」。今の時代は、一人の人間が生きていれば、将来を大きく変える可能性があるんだそうです。
Posted by ブクログ
いってしまえば道徳の本。って感じでもしないではないが
小説としても十分楽しめた。
寅之助や妙の言葉にはすとんと納得できたし
教育現場の大変さ、子供たちの学校生活の大変さも
すっごく分かりやすくて読みやすく、しかも面白い。
うまいなぁ。
弥生先生が史郎の母親に言った言葉には
思わず号泣してしまった。
たぶん子供を持つ母親ならだれしも心に響くものだと思う。
失敗をたくさんすればいい、失敗を認め
失敗から学んで新しい人生を歩んでいけばいい
これは子供だけではなく、大人たちこそ心に刻みつけてほしい言葉だ。
Posted by ブクログ
またもいい意味で、期待を裏切ってくれました!喜多川先生は、言葉化するのに長けています。ストーリーを通じて、もっとも大切なことを再認識させられ、教えられます。今回は、教育現場にスポットを当てたワクワクドキドキの展開でした。登場人物の誰になったつもりで読むかで、感想が違ってくる小説でした。つまり、何度読んでも味わい深い本です。ぜひ、すべての親御さんに読んでもらいたい本です。
Posted by ブクログ
子どもにとって、必要なことってなんだろう?
子どもの幸せのために、大人がしてあげられることって、なんだろう?
そんな疑問の答えのひとつが、この本の中にありました。
親として、子どもとどう向き合えば良いのか。
そして自分はどう生きたいのか。
自分を振り返って、改めて考え直すきっかけをくれたお話。
子どもが小さいうちに読めて良かった。
これからの私の子育ての指針になりそうです。
失敗することって悪いことばかりじゃない。
失敗して、反省して、学んで、次に活かす。
そうすれば、人生はいつでもやり直せる。
読み終わった後は清々しい気持ちになります。
Posted by ブクログ
教師をしている私には色々突き刺さった。子どものために、整った環境を大人が準備し、失敗する機会を潰してしまっていたのかもしれない。
大人になってしまった私も、もっと失敗しても良いのだと、そんなふうに思えた。
Posted by ブクログ
主人公は小学校の教師をしている博史…博史の受け持つクラスは問題の多いクラスでその対応に翻弄されていた…そんな中、寅之助というかなり個性的な転校生を受け入れることになり、さらに問題は複雑化していく…。プライベートでも娘の七海との接し方に悩んでもいたが、寅之助親子と関わるうちに博史の教育に関する気持ちが変化していく…。
読み終えてみて、あらあら、そんなこともある?って意外な展開に驚きましたが、喜多川さんの作品は読むと元気になれます。特に『あなたは人生で経験する数々の失敗は、その“学び”を得るためにあるのよ。だから今回も、悪いことをして、すぐに失敗してよかったの。』というフレーズに心を動かされました。この作品は教員を目指して頑張っている学生に読んでもらいたい…そんな風にも感じました。
Posted by ブクログ
★★★★
今月7冊目
面白かった。
迷える学生に読んで欲しい。というか、昔読んでたら迷いが晴れたりしただろうな。
全てが経験てこと。
大人でも読んで面白い
Posted by ブクログ
(あなたは人生で経験する数々の失敗は、その“学び”を得るためにあるのよ。だから今回も、悪いことをして、すぐに失敗してよかったの。)
弥生さんというおばあさんの台詞です。こんなこと言ってくれる大人が周りにいたら私も違っていたのになぁ…と、つい他人任せなことを考えてしまいましたが、今はもう自分がこう言ってあげないといけない立場でした…
悩んでいる今、この本に出会えて良かったです。喜多川泰さんにしてはややさっぱりめの一冊でしたが、それでも十分に読んで良かったと思える一冊でした。
Posted by ブクログ
大人は自分の子供に失敗させたくないって思いながら生活を送っているのを気がつかせる作品です。
失敗から学ぶことが多いのに。。。
自分もそうだなって再認識させられる作品です。
大人にも子供にも読んで欲しいです。
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失敗しないことより、失敗してもそこから学んで次に活かせる状態が良い
悪いことをしてもバレないことはということは、間違った学習を進めることになるので良いことではない
良心の呵責的な意味でも
Posted by ブクログ
喜多川さんの本にしては今回趣が違うなと思いながらも駆け足で読んでしましました。
学校の教育の中でいかに失敗をたくさんして学ぶ必要があるか?大事な事を見て見ぬふりをしている大人になっていないか?など考えさせてくれる事がたくさんあり本当にいい本だと思います。
Posted by ブクログ
さすが喜多川さんの本です、心に染みる言葉が詰まってます。特に弥生さんの言葉。失敗するのは悪いことじゃない。向き合って、悪いことはきちんと謝ることで成長できる。それは、寧ろラッキーな事。素敵ですよね。そんな事を教えられる大人に私もなりたいです。お母さんは子供の成長が心配で「出来ない事探し」をし、他の子と比べてしまう。子供もそれを感じ失敗できないと思ってしまう。それぞれ得意な事、苦手な事があっていいんだ。人間だから。この言葉でたくさんのお母さんが救われると思います。私も母になるときに読み直したいです。
Posted by ブクログ
喜多川さんの本は大好きで、いつも何かを教えてくれると思い期待しながら読んでしまいます。
今回も失敗して学んでいくんだって事を書かれていました。
10代の子達に向いてる内容でした。
思わず妙の話信じちゃったな~(笑)んな訳なかったか。
Posted by ブクログ
小説をほとんど読まない自分が、現在発表かれている全ての作品を読み終わったほど、大ファンになった喜多川泰さんの「生き方」について教えられる一冊。
小学6年生の新学期に、転校生がやってくる。
その転校生は、髪型も着ている服もしゃべり方も、江戸時代くらいからタイムスリップしてきたような少年で、勉強は全くできないが、それについて気にしている素振りもなく、授業はだれよりも目を輝かせて受けている。明るくて、悪いものには悪いと立ち向かう、不思議な少年に担任も含め、クラス全員が引き込まれていく。
また、母親も普段着のような薄汚れた着物を着ているが、凛としていて、どことなく気品を感じる。
この本で印象に残ったことは、その母親が言った一言。
「ケガをすることを恐れるようになっては、肝心なところで勇気が出なくなってしまいます。身体を張ってでも正義を通すべきときに、ケガをすることを恐れて、無関心を装い逃げるような大人になってもらっては困ります。子どものうちは、毎日傷だらけになって遊ぶくらいがちょうどいいものです。たとえ腕の一本なくそうとも、守るべきものを守ることから逃げない立派な武人に育てるのが、夫との約束でございましたから。」
というもの。
悲しいかな、現代の大人には、自分が傷つきたくない、自分の評価が悪くなることを嫌がって、無関心を装い、自分は関係ないという態度をとる人がすごく多いと感じる。
そんな大人にはなりたくない!
不安や恐怖やピンチがやってきたとき、そこから逃げるのではなく、一歩前に出て立ち向かえるような人間になろう。
Posted by ブクログ
教育問題というリアルな中にSF的要素が折り込まれ、ラストも予想を裏切られ、一気に読ませる!
博史は小学校の教師。博史はクラスのいじめ問題や保護者の対応に苦慮していた。一方、家庭でも娘の対応に悩まされていた。そんな中、石場寅之助という転入生が博史のクラスに入ってきたところから物語はスタートする。
「学校は上手にたくさんの失敗をするための場所なのだ。そして、その失敗からどう立ち上がるのか、失敗をどう克服するかを学ぶ場所なのだ」
など、心に響くメッセージが散りばめられている。
自分の小中高校のころを振り返ってみると、失敗を悪とし、その場をうまく取り繕う自分もいたなあと思い出す。
中高生にも教育に携わる方にも読んでいただきたい作品。
Posted by ブクログ
学校が舞台となっているのですんなり入り込める。それにしても喜多川作品は一気に読んでしまうほどの魅力があるんだよなー。
失敗を学びに変える。失敗することは決して悪いことではない。周りにいる先生や大人がそうした広い心を持つことができれば子どもはどんどん成長していくんだろうな。
人生の主役は言うまでもなく自分、そして監督も脚本も自分。ならば自分らしい人生を自分で創っていこう。
Posted by ブクログ
人のためと思いながらしていることが、実は自分の考えを押し通しているだけのこと。よくある。気づくのは難しいよね。
個人的には伏線があるところが好きだな。読んで感想聞かせて。
Posted by ブクログ
最後のオチを読んで、あーそういえば喜多川さんはこういう人だった!と思いました笑
今までの本に比べたらメッセージ性は少なく、ストーリー性の濃いシンプルな1冊だと思いました。
若い人にはぜひ読んでもらいたいです。
ちょっと最後ありえない感は否めないですが・・・
Posted by ブクログ
学校教育を通して本当の生き方を示している。 例えば、勇気を持って間違いに抵抗する。 そんな勇気の象徴が学校である。失敗を恐れず、失敗のひとつやふたつは人生にとって貴重な財産である。