【感想・ネタバレ】影法師のレビュー

あらすじ

「どんなことがあっても貴女(おまえ)を護る」
友はなぜ不遇の死を遂げたのか。涙が止まらない、二人の絆、そして友情。

頭脳明晰で剣の達人。将来を嘱望された男がなぜ不遇の死を遂げたのか。下級武士から筆頭家老にまで上り詰めた勘一(かんいち)は竹馬の友、彦四郎(ひこしろう)の行方を追っていた。二人の運命を変えた二十年前の事件。確かな腕を持つ彼が「卑怯傷」を負った理由とは。その真相が男の生き様を映し出す。『永遠の0(ゼロ)』に連なる代表作。

「泣くな」父が討たれた日、初めて出会った少年は言った。「まことの侍の子が泣くな」
勉学でも剣の腕でも敵わない。誰よりも優れていたはずの彼が迎えた最期は、予想もしないものだった。

単行本未収録、幻の「もう一つの結末」が巻末袋とじで登場!

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

以前に読んで感動した記憶だけが残っていて、ストーリーが思い出せなかったので再読。
武士の生き方、農民一揆の覚悟、竹馬の友の変わらぬ魂など心を熱くする展開に、ああこんないい話だったなと思い出せました。
影法師というタイトル、この話にぴったりだった。

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2025年08月11日

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ネタバレ

時代物、次はこの作品と決めていた。主人公・勘一、幼少時に自分の責任で切り捨て御免で父親を亡くす。剣術、学業ともに秀でた彦四郎。勘一は彦四郎と再会し剣術の堀越道場で切磋琢磨し成長する。勘一は農民の苦労を知り、潟の干拓を目指す。家老の滝本主税による不正及び勘一への妨害。勘一の知らないところで彦四郎が勘一の命を守っていく。勘一がそれを知ったのは彦四郎が亡くなってからだった。彦四郎と勘一の関係、最初は光と影だったが、影と光の関係に変わっていく。それは何故か、勘一こそ藩のために必要だと彦四郎が考えたからだった。⑤↑

1
2024年01月21日

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読み終わった後
【はああああああああああ】と長い間余韻に浸り、この本に出会えたことに感謝しました。
最後の伏線回収、タイトル名、すべて胸がちぎれる思いで読みきりました。
本当におすすめです

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2025年11月28日

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百田尚樹さん著「影法師」
我が党首、百田代表の渾身の人情時代劇。
素晴らしかった。
こんな事を書くと変な感じになってしまうが、これ程までの物語と人間が描けるのにそれでも政治活動もしてくれていて嬉しいような寂しいような…
作家百田尚樹の作品をもっと読みたいという実直な欲が凄く沸いてきてしまう。
参議院議員として、党代表として政治活動が多忙だろうから、執筆の時間はほとんど無いだろう。正直に書いてしまえばもっとこういった物語も読みたいというのも本音で、そこに関してはだいぶ残念な気持ち。

物語はというと素晴らしいの一言。
友情譚でもあり、出世譚でもあり、ミステリーでもある。勘一と彦四郎の幼少時代からの物語が素晴らしく感動的だった。
武士という地位の歴史観と時代観が見事に調和している作品で、その背景が二人の運命を大きく左右していく。素晴らしかった。

特に秀逸だと感じたのがみねという存在。
勘一の恋心が描かれていく事により、彦四郎の存在の意義もだいぶ変わっていく。友情、恋心、それらは約束というよりは誓いと言った方がしっくりくる。彦四郎はそれらを守りきるために自分の人生をそれに尽くした。
タイトルでもある「影法師」、勘一とみねの未来があるのは明らかに影法師のおかげだ。

そして最後に真相を知った時の勘一の流した涙。その涙は止める事ができない、言葉にはできないたくさんの感情がごちゃ混ぜになって流れ出した涙だったに違いない。
幼少期に父親を殺された勘一に彦四郎が放った一言「泣くな」。それから数十年経ち、その言葉の意味が分かってしまえば、それこそ涙を流さずにはいられない。そんな重たい言葉だったとは…
とんでもなく感動的だった。

百田代表の書く物語、やっぱりこれからもいっぱい読んでいきたいと。とりあえず未読の作品を片っ端から読んでいきたい。

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2025年10月28日

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なぜ彦四郎ほどの優れた人が脱藩し、罪を犯し行方をくらましたのか、、
最後伏線回収の内容が深すぎて、涙が出そうになった。
自分の護りたい人のために命を懸けるなんて、、
江戸時代の価値観だとこうゆうものなのかもしれないけど、でも大切な人を護りぬくためにここまで自分を犠牲にできるものなのだろうか、、、

愛情も友情も、人の究極の愛とはこういうことなんだろうなぁ。
これは勘一が主人公ではあるけれど、影法師として生きた彦四郎という漢の物語なのかもしれない。
最後読み終わった後、感動と切なさの余韻がずっと残る物語。
百田さんの小説の中で1番好きかも。

0
2025年09月05日

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自己犠牲の最たるもの。現代ではほとんどなくなりましたが、だからこそこういう小説を読むとやっぱり感動しますね。

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2025年06月10日

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再読本です。
時代小説は、長い・難しい・読みにくそう、と敬遠していたのですが。
一冊で終わる・百田尚樹・友情もの、と勧められたのがきっかけでした。
でもやっぱり、漢字も読み方も難しいんです。
なのにずっと、もう一回読み返したいと思っていた本。

生まれた家柄や、長男か次男かによっても、ある程度将来が決まってしまう時代の話。一発逆転なんて有り得ない。
少年ながら、賢く人間の出来た主人公に代わって、理不尽だな〜!と何度もこちらが怒りたくなるくらいです。(仕方ない事なんだけども)

終盤にようやく「影法師」と付けられた意味がわかるのですが、2度目でも目頭が熱くなってしまった。
あまりにやるせない。
世が世ならこうはならなかったと、思わずにはいられない。
人生をかけた大切な人への想いに、心を打たれます。

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2025年05月26日

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茅島藩の下士:戸田勘一(のちの名倉彰蔵)の半生を竹馬の友となる中士:磯貝彦四郎との出会いから別れまでを追いながら書き進める。長らく積読本となっていたが、読み始めるとあっという間に読み切ってしまった。もっと早く読めばよかった。いい作品だけど時代物なので映画化するとうまくいかないだろうな。小説として読めてよかった。久しぶりの☆5作品、読み終わったときに充実感のある書味は流石の一言。まだ読んでいない方には是非読んでいただきたい一冊。

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2025年04月12日

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時代小説には苦手意識があったが、これはすごく読みやすい。2人の強く美しい絆に感動した。
物語の後半にかけて明らかになる真実にページを捲る手が止まらず、ラストで無事号泣した
「影法師」というタイトルも読後に響く素晴らしい一冊

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2025年03月07日

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感動した!
武士に二言はない。竹馬の友。そんな言葉を体現した男の友情に胸が熱くなった。

平穏な江戸時代は戦さもなく、武士といえども生き抜いていくのは大変だったのだろう。

戸田勘一は下士の家で父親も死に貧しい。
中士の磯貝彦四郎は頭脳明晰のイケメン。
そんな2人は7歳で出会う。

彦四郎には学業も剣術も敵わない勘一だが、貧しいながらも家長になることは約束されていた。
彦四郎は二男であるが故に将来は不透明…。

歯車はどこからズレたのか⁈ 本当にズレたのか⁈ 架空の小藩:茅島藩の話だが、大きなロマンへ向かった話であった。

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2024年12月25日

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歴史、時代小説は苦手意識からあまり読んでこなかったけれど今回は読み始めてすぐにはまった。下士の子として生まれた勘一が筆頭家老に上り詰めるに至るまでの話が振り返りながら語られていくので先が気になって読む手が止まらなかった。勘一は不遇の身の上ながらも運も助けとなり出世していくがそれはやはり彦四郎あってのことで2人が出会った時に運の定めだったような気もする。勘一の心情で後半の紐解きのように分かっていくけれど彦四郎側の心情で語られる物語も読みたくなった。考えただけで涙が出てくる。このような歴史小説ならまた読みたい。

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2024年12月22日

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ネタバレ

百田さんの本は深い。そして難しい。
でも情景が頭の中で豊かに表現されて、最後まで読んでタイトルの意味がわかった。
努力、耐え抜く力、それから熱意をこの本でも感じた。
涙が止まらない。

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2024年09月30日

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素晴らしい物語だった。
友のために全てをかけられる人間の大きさ。
そして、それに応えた友の行動。
ただ友の思いに気付くのは全てを終えた後だったが。
大きな感動で胸が一杯になりました。

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2024年07月11日

ネタバレ

光があたった勘一の足元に伸びるのは彦四郎の影 主人公は彦四郎か が光あたらなければ影はできないならば勘一とのダブル主演となるね
学問、武術に優れていながら
自分がこう生きよう そうありたいと強く思わなかったのは彦四郎が武士の世の自分の立場というものを知っていたからなのか
そんな中で
記憶の奥底にしまいこんた過去を背負う勘一の「生きる」「生きてやる」その強い執念を彦四郎は感じたのかもしれない
だから刎頸の契りをし
勘一のために生きる道を自分の生きる道とし
勘一の影として生きたのだと思う
誰かに認められたくて
表舞台に出る事で得る賞賛、敬意、尊重などがいかほどのものと悟っていたのかもしれない
この彦四郎の生き様にゾクゾク 
かっこよすぎで切なく辛い
彦四郎が小高い丘に座って
新田を眺めた姿を想像すると
涙が止まらない

#切ない #感動する #深い

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2024年03月10日

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ネタバレ

最後は涙なくしては読めませんでした。
自分の人生を賭けて、友である勘一を信じ、勘一の影法師として生きた彦四郎。なんて純粋で誠実で綺麗な心を持っているんだろう。
自分の評価や出世や幸せよりも、友の評価や出世、幸せを選びそれを最期まで全うした彦四郎の友情に感動しました。

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2024年02月03日

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初めての数ページは古めかしい名前や身分に眉毛を曲げたが、数分後にはのめり込んでいました。
武士というものの意思の強さ、知らないところで誰かが自分を守っているということ。人生の色々な気づきを教えてくれる本です。

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2023年11月29日

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ネタバレ

下級武士から筆頭家老まで上り詰めた勘一と、彼と竹馬の友でかつては将来を最も有望視された彦四郎との数奇な運命を描く物語。
大願成就のため勘一が徐々に出世していく一方、それは影に徹した友の身を捨てた献身のおかげであった。お互いがお互いを認め合い、大願のためなら命や人生を捨てる覚悟で事に臨む姿に、武士の友情を見た。
永遠の0や海賊とよばれた男をはじめ、百田さんの作品はページをめくる手が止まらず、つい夜更かしをしてしまう…

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2023年11月24日

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文句なしの星5つ⭐️
江戸の侍の生き方、男の熱い友情、夢等様々な要素を含んだ圧巻の一冊。
10年前に読んで真相を知って2度目の拝読。
一度目よりもより一層彦四郎の行いを知ることができた。

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2023年10月28日

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★★★★☆ラスト20ページくらい?を読むまでは星3だった。歴史小説は知らない言葉がたくさん出てきて、物語に入り込むまでにやや時間がかかり、イメージがわきにくかった。彦四郎の生き方、自分にも十分な才能がありながらひたすら竹馬の友勘一のために尽くす。自分が悪になっても。なぜ?ただ、彦四郎が望んだ生き方だったのだろう。全てを投げ打ってでも成功させたかったのだろう。と思う。胸が熱くなった。

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2025年08月30日

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今風に言えば「推しのために命を賭ける」か。
江戸時代の価値観だからこそ、この結末になってしまうだろうなと考えさせられる作品。
本当の意味での究極の推し活だよ。

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2025年08月12日

Posted by ブクログ

武士の時代背景と共に様々な状況から築きあげられていく友情を追う。
人間味のあるストーリー。
真っすぐで優しい心を持つ著者じゃないと書けないわ!もう一度読みたい。

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2025年07月22日

Posted by ブクログ

影法師
著:百田 尚樹

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**あらすじ**
「どんなことがあっても貴女(おまえ)を護る」――
友はなぜ不遇の死を遂げたのか。涙が止まらない、二人の絆、そして友情。

頭脳明晰で剣の達人。将来を嘱望された男が、なぜ無念の死を迎えたのか。
下級武士から筆頭家老にまで上り詰めた勘一は、竹馬の友・彦四郎の行方を追い、二十年前の出来事へと想いを馳せる。
なぜ彼は「卑怯傷」を負ったのか? その真相が明らかになったとき、男の生き様と友情の深さが胸を打つ――。
単行本未収録、幻の「もう一つの結末」が巻末袋とじで収録。

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**感想**
百田尚樹さんの作品には、どれも一本芯の通った“生き様”が描かれていますが、本作『影法師』もその例に漏れず、まさに「男気」が胸を熱くする一作でした。
『永遠の0』や『海賊と呼ばれた男』にも通じる、信念を貫く姿には、時代を超えて心を動かされる力があります。現代では「男らしさ」という言葉が使われにくくなっている今だからこそ、こうした“覚悟”や“矜持”がより一層際立って感じられました。

物語の舞台は江戸中期。生まれた家柄がその人の将来を大きく左右してしまう厳しい時代。米が今よりはるかに貴重だったことや、年貢に苦しむ農民の姿など、当時の生活や社会背景も丁寧に描かれており、物語に深みを与えています。

武士としての誇りと現実のはざまで揺れる登場人物たち。特に勘一と彦四郎の友情は、ただの懐古的な美談ではなく、過酷な時代の中で真に支え合う強さと切なさを含んでいて、読後に静かな余韻を残します。

時代小説があまり得意でない方でも、本作は非常に読みやすく構成されており、感情移入しやすい人物描写とストーリー展開で、自然と物語の世界に引き込まれるはずです。
熱い気持ちを思い出したいとき、涙を流したいときに、ぜひ手に取ってほしい一冊です。

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2025年04月25日

Posted by ブクログ

メインテーマである彦四郎出奔の謎に隠された事情を追いながら、財政再建に取り組む主人公の目線で、国力としての米の重要性や灌漑事業の偉大さを知った。
地元に、拓いた人物の名を冠した干拓地があるが、江戸時代の人にとって、広大な新田開発につながる事業は、国の行く末を左右する程のものだったのだだろう。

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2025年04月14日

Posted by ブクログ

武士の友情
武士の身分制度、同じ階級層同志でなければ出世も結婚も出来ないと言う、現代では考えられない。生まれながらの武士の階級(上士・中士・下士)は出世も、結婚も限られた階級内だけの世界で、才能・技能がなくとも長男は家督を継ぎ、親の役職を継ぐ、と言うのは、現代に残る政治家の世襲世界だ。但し次男以降は他家の婿に出されるのが通常で本書では下士の階級から異例の出世と上下の格差を超え、「命をかけて守った」二人の友情関係に涙する内容だ。文中にある下士の父が上士の無礼打ちにあった時、投げかけられた言葉「泣くな」の一言が貧しく苦しい人生を耐え抜いた結果、下士が階級を越えた国家老まで上り詰めた人生を築いたのだ。

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2024年07月14日

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出世した勘一と彦四郎の熱い友情物語に、勘一の妻となったみねの大きな存在がある。
最後の袋綴じも素晴らしい。下手な三角関係の昼ドラとは全く異なるすごく良い作品でした。
タイトルの影法師も読み終えて頷ける。

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2024年07月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「真の奥ゆかしさを持つ侍」
永遠の0を読んで、引き続き百田尚樹作品を読みました。
臆病者→実は誰よりも強かった航空隊隊員
不埒者→実は誰よりも気高い奥ゆかしい侍

構成は似ているし、伝えたいメッセージはやはり「強さ」だと思いました。

自分をここまで殺してまで人を立てたいとはなかなか思えないけれども、その心意気にアッパレ!


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2024年05月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

文庫ではもう一つの結末なるものが収録されていた。
時代背景からいうと、その時代に生きることの難しさは、男も女も変わらぬ苦しさがあるものだ。
男の友情ではあるが、愛する一人の女性を命を賭けて守り抜こうとした男の生き様か。
話はとても美しいが・・・
友のため、愛する人を・・
時代はどうあれ、私にはわからん・・。

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2024年04月05日

Posted by ブクログ

勘一の影法師として生きた彦四郎の生き方に感動した。 もちろん自分には出来ません。 少しでも真似できればとは思います。

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2024年01月23日

Posted by ブクログ


少しの変革を起こそうとしても、全てが命懸けの時代。
たった一瞬の判断を間違えるだけで、一瞬にして全てを失ってしまう時代。
その一瞬を間違えたために失われた地位と名誉かと思われていたのに。
まさか全て計算されたことで。
全ては友のため。
ここまで自分を犠牲にすることができる彦四郎。

最後、もう一度勘一に会って報われて欲しかった。

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2023年07月31日

Posted by ブクログ

下級武士から筆頭家老まで上り詰めた勘一、竹馬の友である磯貝彦四郎の行方を探る。
あれから彦四郎はどのような人生を歩んだのか…
そして、その真相を知った時・・・

やはり、最後のスピード感すごいですね。読む手が止まらない。
そして、最後…なるほど『影法師』。感動しました。
さすがです!

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2024年02月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昔の時代の単語が難しくて途中までなかなか進まなかったけど最後の方は一気に読んだ。
階級ですべて決まる時代って不本意なこと多いし大変。そんな中で、自分が死ぬかもしれないのになんとしてもここに田んぼを作りたいとか思えるのすごいな~。
彦四郎が自分のこと全部捨ててまで勘一に捧げれるのはすごすぎる〜。

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2024年01月20日

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