あらすじ
「どんなことがあっても貴女(おまえ)を護る」
友はなぜ不遇の死を遂げたのか。涙が止まらない、二人の絆、そして友情。
頭脳明晰で剣の達人。将来を嘱望された男がなぜ不遇の死を遂げたのか。下級武士から筆頭家老にまで上り詰めた勘一(かんいち)は竹馬の友、彦四郎(ひこしろう)の行方を追っていた。二人の運命を変えた二十年前の事件。確かな腕を持つ彼が「卑怯傷」を負った理由とは。その真相が男の生き様を映し出す。『永遠の0(ゼロ)』に連なる代表作。
「泣くな」父が討たれた日、初めて出会った少年は言った。「まことの侍の子が泣くな」
勉学でも剣の腕でも敵わない。誰よりも優れていたはずの彼が迎えた最期は、予想もしないものだった。
単行本未収録、幻の「もう一つの結末」が巻末袋とじで登場!
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Posted by ブクログ
時代物、次はこの作品と決めていた。主人公・勘一、幼少時に自分の責任で切り捨て御免で父親を亡くす。剣術、学業ともに秀でた彦四郎。勘一は彦四郎と再会し剣術の堀越道場で切磋琢磨し成長する。勘一は農民の苦労を知り、潟の干拓を目指す。家老の滝本主税による不正及び勘一への妨害。勘一の知らないところで彦四郎が勘一の命を守っていく。勘一がそれを知ったのは彦四郎が亡くなってからだった。彦四郎と勘一の関係、最初は光と影だったが、影と光の関係に変わっていく。それは何故か、勘一こそ藩のために必要だと彦四郎が考えたからだった。⑤↑
Posted by ブクログ
百田さんの本は深い。そして難しい。
でも情景が頭の中で豊かに表現されて、最後まで読んでタイトルの意味がわかった。
努力、耐え抜く力、それから熱意をこの本でも感じた。
涙が止まらない。
光があたった勘一の足元に伸びるのは彦四郎の影 主人公は彦四郎か が光あたらなければ影はできないならば勘一とのダブル主演となるね
学問、武術に優れていながら
自分がこう生きよう そうありたいと強く思わなかったのは彦四郎が武士の世の自分の立場というものを知っていたからなのか
そんな中で
記憶の奥底にしまいこんた過去を背負う勘一の「生きる」「生きてやる」その強い執念を彦四郎は感じたのかもしれない
だから刎頸の契りをし
勘一のために生きる道を自分の生きる道とし
勘一の影として生きたのだと思う
誰かに認められたくて
表舞台に出る事で得る賞賛、敬意、尊重などがいかほどのものと悟っていたのかもしれない
この彦四郎の生き様にゾクゾク
かっこよすぎで切なく辛い
彦四郎が小高い丘に座って
新田を眺めた姿を想像すると
涙が止まらない
Posted by ブクログ
最後は涙なくしては読めませんでした。
自分の人生を賭けて、友である勘一を信じ、勘一の影法師として生きた彦四郎。なんて純粋で誠実で綺麗な心を持っているんだろう。
自分の評価や出世や幸せよりも、友の評価や出世、幸せを選びそれを最期まで全うした彦四郎の友情に感動しました。
Posted by ブクログ
下級武士から筆頭家老まで上り詰めた勘一と、彼と竹馬の友でかつては将来を最も有望視された彦四郎との数奇な運命を描く物語。
大願成就のため勘一が徐々に出世していく一方、それは影に徹した友の身を捨てた献身のおかげであった。お互いがお互いを認め合い、大願のためなら命や人生を捨てる覚悟で事に臨む姿に、武士の友情を見た。
永遠の0や海賊とよばれた男をはじめ、百田さんの作品はページをめくる手が止まらず、つい夜更かしをしてしまう…
Posted by ブクログ
「真の奥ゆかしさを持つ侍」
永遠の0を読んで、引き続き百田尚樹作品を読みました。
臆病者→実は誰よりも強かった航空隊隊員
不埒者→実は誰よりも気高い奥ゆかしい侍
構成は似ているし、伝えたいメッセージはやはり「強さ」だと思いました。
自分をここまで殺してまで人を立てたいとはなかなか思えないけれども、その心意気にアッパレ!
Posted by ブクログ
文庫ではもう一つの結末なるものが収録されていた。
時代背景からいうと、その時代に生きることの難しさは、男も女も変わらぬ苦しさがあるものだ。
男の友情ではあるが、愛する一人の女性を命を賭けて守り抜こうとした男の生き様か。
話はとても美しいが・・・
友のため、愛する人を・・
時代はどうあれ、私にはわからん・・。