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Posted by ブクログ
随分長い時間を掛けて読みました。
「葉桜と魔笛」が大好きで、繰り返し繰り返し、10回以上読みましたが、何度読んでも飽きることがありません。
麻薬中毒と自殺未遂の日々からなんとか、平凡な小市民として生きようとする太宰の中期初め頃の作品集。
どれもこれも苦しんで苦しんで書いているのが痛いほど伝わるけれど、それが余計に滑稽で可笑しくて、多分太宰は苦しみながらもそこまで分かって、如何にも大真面目振って書いているのがやっぱり笑ってしまう。
「二度言った」「三度言った」って、もうええわ!って大真面目な彼に突っ込んでしまいそう。
しかしそれでも全編を通して太宰の本音や心情、故郷や母、姉への憧憬、愛、それら全てが一種の煌めきのように散りばめられていて、読後感は非常に爽やかだ。
「火の鳥」は、未完であることが本当に惜しい。きっと代表作のひとつになっていたと思う。
「新樹の言葉」私小説のような物語は故郷や乳母、様々な人への太宰の愛情、思いが美しい文体で描かれていて、作品として秀逸。
「誰も知らぬ」どうして太宰はかくも女の心をあっさりと代弁してしまうのか。誰もが心に秘めて他言しないようなことを。
作品としては破綻していたりスッキリとしないものも含まれているが、それも含めてこの時期の太宰の決心のようなものが生き生きと迫る。
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