あらすじ
あなたの「過去」は、大丈夫?
美しい「思い出」として記憶された日々――。
その裏側に触れたとき、見ていた世界は豹変する。
無自覚な心の内をあぶりだす「鳥肌」必至の傑作短編集!
大学の部活で仲のよかった男友達のナベちゃんが結婚するという。だが、紹介された婚約者はどこかズレていて――。
「ナベちゃんのヨメ」
国民的アイドルになったかつての教え子がやってくる。小学校教諭の美穂は、ある特別な思い出を胸に再会を喜ぶが……。「パッとしない子」
人の心裏を鋭くあばく傑作短編集!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
過去の話、どれも自分に当てはまるような、覚えのあるような感情。私は人と関わるときに、ちゃんと対等な関係を結べているのかなって不安になった。私が覚えている過去はどこまで本当なんだろう、他人が覚えている過去とどのくらい違うのかなって、すごくもやもやした。
私が小中の友達に会うといい感情持たれないのかなって思うことあるけど、それってこっちに何か罪悪感が残ってるんだなあって。私も無意識にか意識的にか、人を下に見てたりバカにしてたりするんだよなって。すっとは認められないけど、自覚しないといけない部分だと思った。対等な人間関係を結んでいきたい。
自分の価値観で人を括って、自分の価値観で過去を整理して、自分の価値観に基づいた記憶が残ってるって、すごく怖くなった。でも、事実はそれを語る人の数だけある。全部どこかが正しくてどこかが歪んでる。私の記憶の一部はきっと正しい、けどどこかは絶対歪んでる。どんな記憶も、自分なりに整理して自分なりに折り合いが付けられるなら、それでいいのかなって思った。それでいつか、こんなことがあったから今の私になれたんだって自信が持てるようになれたら十分だと思う。
Posted by ブクログ
登場人物の表情や内側で思っている気持ちの描写がリアルで怖かったし鳥肌がたちました。
自分でも無意識のうちに、悪気なく相手が嫌な気持ちになることを言ってしまっている気がします。
後から発言を後悔することもあるけれど、たぶん何気なく言っていることの方が多いんだと思います。
そして自分も過去に言われたことの内容や嫌なことをされた人も行動も言語も今でもハッキリ覚えてます。
過去の失言は今からは変えることはできません。
この本を読んで人に対しての言葉遣いや自分の発言を
気をつけようと思いました。
この本怖いな感じたのは自分にも当てはまる部分があったからだと思います。読んでいて息がしにくかったです。
あなたの過去は大丈夫ですか?☺️
Posted by ブクログ
怖い、怖い、怖い。
解説にも書いてあったけど、これは本当に「怪談」ですよ。
辻村さんの本は「傲慢と善良」しか読んだことなかったけど、どちらも容赦がない。
(「ナベちゃんのヨメ」は傲慢と〜を彷彿とさせますネ)
特に「パッとしない子」と「早穂とゆかり」は怖さと不快感がMAXで、それだからこそ面白かった。
自分自身は覚えてないほど無自覚でやってきたことのツケが回ってくる感じというか。
悪気がないのが一番タチが悪い、とかって言うことありますけど、正にそれなのかな。
Posted by ブクログ
「加害者は忘れ、被害者は覚えている」という不均衡を、極めて明確な構図で描き切っている。無自覚な悪がどのように人を追い詰め、そして自分のしたことから逃れようとするのか。その過程が容赦なく可視化されていく。
言葉には、明確な悪意をもって放たれるものと、悪意なきまま垂れ流されるものがある。しかし、受け手にとってはその区別はほとんど意味を持たない。
「そんなつもりではなかった」という言い訳は、傷ついたという事実の前では無力であり、最終的に正解となるのは受け取った側の感情だけだという現実が突きつけられる。
この物語では、傷つけた側に安易な救済を与えない。彼らは反省よりも先に自己弁護を選び、自分を可愛がることに長けている。その姿は滑稽でありながら、現実にあまりにもありふれている。
復讐や理解を求めることよりも、関係を断つことの合理性を強く感じた。見返そうとする時間そのものが、傷を反復させてしまう。思い出すたびに削られていく心の消耗を、これ以上許さなくていいのだと静かに教えてくれる。
過去の記憶を物語に重ね、物語の中で感情を発散させることで、現実の記憶を少しずつ手放していく。
本を読むという行為が、感情の整理であり、自己防衛であり得ることを、改めて実感させられた一冊だった。
面白い
とにかくなんかゾワゾワする。ひとつひとつの話がすべて自分にももしかしたらと思い当たるところが少しずつある。
是非みなさんにも読んでもらいたい。
ちょっと怖いくらいどちらの立場もわかるので辻村深月先生はすごいなと思った。他の作品も読んでみたくなった
Posted by ブクログ
褒め言葉ですが、読後感が最高に悪い。
辻村深月さん、この世界のことどう見えているんだろうか…
自分の過去にもこういうことがたくさんあるのだろうな、気づいていないだけで。物事に事実などなく、それぞれの人を通した解釈しか存在していないことがよくわかる小説だった。無意識といいながらも明らかな意識がそこに存在しているときって多々ある。
なんともいえない気持ちになったが、最後の臨床心理士の方の解説がとても良く、これを踏まえた上でもう一度物語を読み直したいと思えるほど!
Posted by ブクログ
どの短編も、過去の心にガツンと来る。
噛み合わない会話、自分の何気ない言動が、相手にとっては忘れられない記憶になる場合もある。一種のホラー小説でした。
Posted by ブクログ
面白かった。
怖かった。
同じ出来事でも、あちら側とこちら側まったく違って見てえたり。
記憶なんてほんと曖昧。
みんな自分に良いように覚えてる。
誰が悪いとか、そう言うことでもなく、常に起こりうる話。
Posted by ブクログ
『パッとしない子』と『なべちゃんのヨメ』だけ読みました。初の辻村深月作品。
『パッとしない子』がなんだかとても恐ろしくて、私には佐藤先生のようなところがあるんだろうと思いました。
続けて読んだ『なべちゃんのヨメ』は怖さは感じず、「あるよな〜、こういうこと」と思いました。
それと同時に恋人が出来て疎遠になった友人の顔が浮かびました。
どちらもあっという間に読み終わったので、辻村深月さんの他の作品も読んでみたくなりました。
Posted by ブクログ
相手に取り繕って良い顔をすること、相手は特になんとも思わないし、それがかえって誰かを傷つけることにもなり得ること。
相手のことを思って、自らの真面目な正義感に従ってした事が、それがかえって相手からの拒絶を生むこと。
相手のことを思って配慮したことが、それがかえって相手を見下しているようになり得ること。
いや、その配慮が生まれるのは、自分が相手より格上という自意識があるからで、そう思えば見下していることには変わりない(配慮にはいろんな種類があって、必ずしも見下すことになるとは限らないが)
話は変わるが少し怖いと思ったのが、児童時代の行動を大人になって論われることについて。
精神が発達していない中での行動や言動がゆえに、『なぜ、あなたたちはそんなに他人に興味があったの?』そのような論理的な説明を求められるのはちょっと辛い。
もちろんその行動によって傷ついて、傷が癒えない人もいるから、『幼い時の話だから仕方ないね』では済まないのだろうけど。
これに関しては答えがない。謝罪は権力を生むし。
罪を認めるくらいかな。
真面目にいたり、優しくしたり、穏やかに生きることが相手を苦しめる。
結局わがままに生きようが黙って生きようが、どう生きたって、誰かを傷つけずにはいられないのだ。
Posted by ブクログ
読み終えて一言、「怖かった」…
考えなしに発した言葉や行動で誰かを傷付けてきたことが、自分にもあるのかもしれないと思うと、無自覚ほど恐ろしいものはないと感じました。
かと言って、佑やゆかりに反論したくない訳でもない。でも、お互い自分の記憶や思いに捉われてしまっているから、もう噛み合わない。
この本を読んで、「人と分かり合えることなんてないんじゃないか」とまで思ってしまいました。でも、きっとそんなことはなくて、そうならないようにできるのも私たち自身なのだと思います。
Posted by ブクログ
面白かった。
自分は何とも思っていなくても、他の人は違う。自分ではそんな程度の事と思っていても、他の人にとっては人生が変わるくらいの事かもしれない。
それは「噛みあわない」と思った。
Posted by ブクログ
ここに来ても親子関係が目につく。
成人式の着物のくだりについては、親のお金であることに間違いないんだからここまで根に持つ方に今回は疑問を持つ。
ただ、最終的には子は地元に戻るもの、そうでなければ親を捨てたもの同然という母の考えに通ずるものはあって溜息。
決定権は親にあり子の気持ちなんてないのが当たり前。
それが今の歳になって急にこちらが答えたくもないことに関して意見を求められる矛盾。
いい記憶ばかりを選択してわるい記憶は捨て去る都合の良さがニンゲンだよね
逃げずに反省して吸収して捨て去れば十分
"子育ての正解は、成長期した子どもが、大人になってから親の子育てを肯定できるかどうか。
大人になった子どもに自分がやってきたことを肯定してもらえないと、いざ対等な状態になっだ子どもに見捨てられることになるよ。保護者と被保護者はいずれ、介護だなんだで逆転するんだしさ。"
人間の記憶も相当に不確かで改竄に改竄が重なっていると思う。
今私の持つ記憶だってどれが本当かわからない。
たまに、究極にそう感じて心がはやることがある。一体今ある記憶の何が正しいのだろうと。
それにしても、途中から物語はほん怖になってきてびっくりした、これそのままほん怖でドラマ化できる笑
小説の主人公って大抵、気持ちよくページを進める手を後押しするためにも明らかな性格難ありを持ってくることってないのに、この小説はたびたび登場する。
おかげで人間の嫌なところをまざまざと見せつけられて、共感性羞恥の塊の物語だったりする。
それが、この本の良さ。
子育てをしていると、やはり、余裕がないから自分の心を優先にしてしまうのだと思った
Posted by ブクログ
同じ体験をしたことがある訳では無いのにどこか身に覚えがあって、刺さりすぎて息切れがするような気持ちになった。自分が発した(自分にとっては)本当に何気ない言葉が相手の忘れることの出来ない傷になるという当たり前の話が、分かっているはずで、でもなんにも分かっていないのだと鋭く突きつけられているようであっという間に読めてしまった。
Posted by ブクログ
短い短編集なのですらすら読めました。
衝撃と共感を受けたのがナベちゃんのやつと一番最後のやつですね。同じ経験は無いのになぜかわかるーーこういう人いる!こういう会話ある!と日常を抉り取られるような、痛いとこ突かれる所をこんな細かく言葉に出来るなんて… すごい。
Posted by ブクログ
無自覚な悪意って怖い
人間だれしも正しいなんてことはないから、わたしの過去もあると思う、、、
子供だから、若いから、みたいな理由は通用しなくて、受け取った側は一生言葉が残るんだろうな
読んでいて胸がザワザワした本でした
Posted by ブクログ
短編集であっという間に読み終わった。
じわじわと嫌な気持ちになる。でも面白い…
昔の知人のことを途中で何度か思い出した。自分にもあり得るかもしれない話。
無自覚の悪意、というか、無自覚ということにしてるけど心のどこかで気づいてる悪意、の話だと思う。。
この作品紹介の、
あなたの「過去」は、大丈夫?
という煽りがすごく面白いw
最後まで読んで大丈夫って言える人はいないだろうなぁ…!
Posted by ブクログ
全ての話で伝える側と受け取る側の気持ちが噛み合っていない。親や先生、同級生などテーマは噛み合わない人と過ごさなければいけないという状況の中作り出されている。噛み合わない人と接するのはとても難しいと思う。しかし、これをいちいち気にしていたら何も話せないとも思う。100人いれば100通りの伝わり方があり自分の気持ちが伝わる人と居続けることが大切だと思った。しかし、そうでは無い人もいるということを頭の片隅に常に入れておきたいと考えさせられる本だった。
『パッとしない子』
人からどう思われているか考えると怖い
知らないところで自分が嫌われている可能性があると思うと怖い
だけど人と人は合う合わないでしかなくて、
この生徒に嫌われていたしずっと恨まれていたという見方も出来るが、また、この先生のおかげで教師を目指した子だっていた
万人に受ける人なんていないのだから好きだと思ってもらえる人を好きでいたいと思った
誰もが抱く感情で続きが気になりとても面白かった
『早穂とゆかり』
早穂の気持ちが分かる "嫌かもしれないけど"という言葉は私も同級生に対して同じことを思っている 謙遜で、最大の配慮であるが、受け取り手にとっては傲慢で上から見られていると感じることを知った。
Posted by ブクログ
短編集的な感じで読みやすかった〜!個人的に印象に残ってるのは、アイドルになった教え子のことを「パッとしない子」って周りに言いふらしていて、その教え子本人から詰められる話。 届かへんやろうと思っても、まわり回って言葉って届くものやから言動には気をつけなあかんな〜と('ν';)
あと、1話目の結婚を機にクレイジー奥さんに洗脳されてもうた部活メンバーの話も強烈やった笑 でも、こういう人は結構現実にもおりそう。でも、主人公が薄々気づいていたように、旦那さんとして選ばれた当人は幸せなんやろうな〜。
スカッと系の話が多かった!
Posted by ブクログ
気軽に読める短編集。
けれど中身は気軽や気楽とは正反対だった。
どの話も当事者と傍観者では記憶や心情が全くの別物。加害者と被害者、虐める側と虐められる側というような明瞭な関係ではないものの、それに似たもっと複雑な関係の登場人物たち。そのどちらにも感情移入ができるのは、恐らく今までに同じような経験をしたことがあるからだと思った。
絶対と言ってもいいほどに、他人の気持ちを理解しきることが不可能だからこそ、自分の何気ない言動や、良かれと思っている行動を見直そうとも思えた。
Posted by ブクログ
「私、そんなに悪いことした?」
罪の意識の無い言動や、自分の正義が人を知らず知らずのうちに傷つけることがある。被害者側はそのことをずっと忘れない。そして幽霊が生まれる。傷つけられた心が死んだ後に生まれた幽霊はやがて蘇る。必死に自らの辛さと向き合い、何が自分の望みか考える。それは時に現実との齟齬を生む。加害者側と被害者側の噛み合わない会話。もはや何が事実かお互いに分からない。ただ一つ確かなのは、幽霊が生まれるほどの傷を負ったということだけだ。リアルと妄想との狭間で揺らぐ、新しいホラーだ。
Posted by ブクログ
やばい面白すぎた。
4つの短編。1つ目の作品があまり刺さらなかった(★-1)ので気が進まなかったけど渋々続きを読み始めたら面白くて一気読み!アドレナリン出てしまった。
3つ目の「ママ・はは」がグサグサ系なうえにホラーすぎてリアルに寒気。読みながら背後に気配感じてしまうレベルで怖かった。なんなんだこれは、、オカルト的な部分もあって全部を理解できたわけではないけどなんかすごい。
あとの2つも自分に思い当たる節がないとは言いきれない話、過去の解釈歪めてしまってることはあるだろうしほんと無自覚とか傲慢さって怖い。自戒。
そして解説が面白かった。臨床心理士の視点から、人間のトラウマや負の感情から起こる心の動きやしくみが説明されていて納得感がマシマシ。
解説で触れられていた精神分析家・フロイト「自我とエス」の一文:"憎しみは、意外なほど規則的に愛に同行している"
憎悪の奥には愛があり、復讐の根源には希望がある、のだそう。なるほど。無性に心理学を勉強したくなった。
Posted by ブクログ
とても気まずい気持ちになる短編小説
すごい悪いことをしてるわけでもないけど
された方からしたら何年も恨まれつづける事もある。
人間の中に潜む
ちょっと意地悪な心が出てしまう時皆あると思う。
自分も無意識のうちにこうやって誰かを傷つけてしまってたりするんやろなって心当たりのある悪が、読んでて逃げ出したい程の気まずい気持ちになる。
読みやすくて面白くて、一気読みしてしまいました!
また読みたいかも!
追記:
あれから2年半経ってまた読み返して、同じように、気まずい気持ちになってる(^∇^)なんだかクセになる小説です。
内容に引き込まれたい人へ
誰もが人生の中で心あたりのある部分に気付かされる作品です。読み終わったあとスッキリするというよりは、改めて自分自身の行いや言動について再考させられました! 中の話はいくつか別々の話で途切れているので、繋がってはいませんが、一貫した共通点があります。
Posted by ブクログ
今になって過去の自分の言動を振り返ると、良くなかったなと落ち込むことがある。もう取り返せないこと。何年も経って再会して、非を責められる...怖い。その時の記憶だったり、本当にあったかどうかもお互いの主観が混ざって歪んでる可能性がある。無意識に人を傷つけたり、自分が勝手に傷ついてたり。誰にでもあることだと思う。
どうしたらいいかなんて答えがでない。
Posted by ブクログ
短編4話
立場が変われば見る角度を変えれば感じ方が変わる
怖い短編だった
自分はどちらの立場に近いのか
自分の何気なく言ったりした言葉が根に持たれるほど傷つけてしまうのか
人それぞれ感じ方が違うから仕方ないと思うけど
許し合える良好な人間関係を作っていければとしみじみ思う
Posted by ブクログ
「口は災いの元」だし、忘れたい過去ってあるなぁと感じました。読んでいて嫌な気持ちになるお話でしたが、不思議とそういうのって、続きを読みたくなってしまいますね。