あらすじ
あなたの「過去」は、大丈夫?
美しい「思い出」として記憶された日々――。
その裏側に触れたとき、見ていた世界は豹変する。
無自覚な心の内をあぶりだす「鳥肌」必至の傑作短編集!
大学の部活で仲のよかった男友達のナベちゃんが結婚するという。だが、紹介された婚約者はどこかズレていて――。
「ナベちゃんのヨメ」
国民的アイドルになったかつての教え子がやってくる。小学校教諭の美穂は、ある特別な思い出を胸に再会を喜ぶが……。「パッとしない子」
人の心裏を鋭くあばく傑作短編集!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
この本を読んで人間が一番怖いと思った
人は誰しも同じ気持ちや考えだと限らない
自分の気持ちや考えが正確に伝わることはない
だからこそ意味の取り違いというものがある
相手の言葉の意味を取り違えることで、
ちょっとしたことでも人間関係のズレが生じる怖さを知った
もっと怖いのは、
自分もこの登場人物と同じかもしれないということ。
辻村先生の本は"傲慢と善良"以来だけど、
考えさせられる内容ばかりで凄く読み応えがある
この本が大好きになった
Posted by ブクログ
大学の部活の同期で皆から「良い人」と言われていた男子の結婚報告から始まる物語や、国民的アイドルが母校にテレビ撮影で訪れる物語等、様々な過去の記憶と、人と人の会話の噛み合わなさを描いた短編集。
各短編それぞれが独立した物語で人との関わりのなかで生じるズレと、モヤモヤや傷つきを徹底的に描いており、人間の怖さを描いたホラー作品ともいえる。
自分は辻村さんの作品の、人間関係で生じる一言で言い表せないようなモヤモヤや感情を詳細に表現するところに凄さをいつも感じている。
今作はまさに、名前はついていないけれどこういうのってあるな、と思わさせられる人の心について突きつけてくる作品だ。
読んでいて、経験したことはないけれど分かるなと思えるものや、こんな風に傷ついたこともあったかもしれない、傷つけてしまったこともあったかもしれないと感じるものが多くあった。
改めて、人間関係のなかで無意識にとった言動こそが人を傷つけてしまう怖さを感じた。
本編を読み終えてそんなことを思っていたところに巻末の、臨床心理士である東畑さんの解説を読んで本編と同じくらい心に残った。
この本に出てくるのは「かつて深く傷ついて、非業の死を遂げた心の一部分」である。そしてそれは「復讐を遂げようとする」が「単なる復讐劇ではない」と。
深く傷ついた心の一部にどう思いを馳せ、向き合っていくのか。
そんなことについて投げかけられたような思いだった。
解説を読んだ上で見返してみると、登場人物たちの過去に深く傷ついた心も復讐により傷ついた心も、傷を残したままこれから日常生活に戻っていく救いのような優しさのようなものも感じられた。
辻村さんの作品はもちろんのこと、久しく読めていない東畑さんの書籍も読んでいきたいなと思った。
Posted by ブクログ
あのとき、噛み合っていなかった会話。噛み合っていなかったけど、噛み合わせたかった会話。そんなことが自分にもあったのだろうか。あったとしても、思い出せないのは、この話を読んだ後の自分としては、残念でならない。
過去にしたことや言ったことが、今の誰かにとってどんな影響を与えているのか。いい影響でも悪い影響でも、一人の人間が誰かに影響を与えていると考えるのは烏滸がましいと思う。だが、自分の覚えていない、無意識の言動が何らかの形で他人に残っているのだとしたら、それがいいものであって欲しいと願うばかりだ。そう思わせるほど、この短編たちは恐ろしい。非現実的でありながら、いつか自分の身に降りかかるのではないかと思ってしまう。
この恐ろしさの理不尽なところは、過去の行為を反省させてくれる隙がないというところにある。覚えていなかったその時の行為を今になって反省する隙も与えず断罪する。だからこそ、どういう関係であってもその場その瞬間にどうだったかを話し合えることが必要なのではないか。それができたら苦労しないけれど。
Posted by ブクログ
過去の話、どれも自分に当てはまるような、覚えのあるような感情。私は人と関わるときに、ちゃんと対等な関係を結べているのかなって不安になった。私が覚えている過去はどこまで本当なんだろう、他人が覚えている過去とどのくらい違うのかなって、すごくもやもやした。
私が小中の友達に会うといい感情持たれないのかなって思うことあるけど、それってこっちに何か罪悪感が残ってるんだなあって。私も無意識にか意識的にか、人を下に見てたりバカにしてたりするんだよなって。すっとは認められないけど、自覚しないといけない部分だと思った。対等な人間関係を結んでいきたい。
自分の価値観で人を括って、自分の価値観で過去を整理して、自分の価値観に基づいた記憶が残ってるって、すごく怖くなった。でも、事実はそれを語る人の数だけある。全部どこかが正しくてどこかが歪んでる。私の記憶の一部はきっと正しい、けどどこかは絶対歪んでる。どんな記憶も、自分なりに整理して自分なりに折り合いが付けられるなら、それでいいのかなって思った。それでいつか、こんなことがあったから今の私になれたんだって自信が持てるようになれたら十分だと思う。
Posted by ブクログ
「加害者は忘れ、被害者は覚えている」という不均衡を、極めて明確な構図で描き切っている。無自覚な悪がどのように人を追い詰め、そして自分のしたことから逃れようとするのか。その過程が容赦なく可視化されていく。
言葉には、明確な悪意をもって放たれるものと、悪意なきまま垂れ流されるものがある。しかし、受け手にとってはその区別はほとんど意味を持たない。
「そんなつもりではなかった」という言い訳は、傷ついたという事実の前では無力であり、最終的に正解となるのは受け取った側の感情だけだという現実が突きつけられる。
この物語では、傷つけた側に安易な救済を与えない。彼らは反省よりも先に自己弁護を選び、自分を可愛がることに長けている。その姿は滑稽でありながら、現実にあまりにもありふれている。
復讐や理解を求めることよりも、関係を断つことの合理性を強く感じた。見返そうとする時間そのものが、傷を反復させてしまう。思い出すたびに削られていく心の消耗を、これ以上許さなくていいのだと静かに教えてくれる。
過去の記憶を物語に重ね、物語の中で感情を発散させることで、現実の記憶を少しずつ手放していく。
本を読むという行為が、感情の整理であり、自己防衛であり得ることを、改めて実感させられた一冊だった。
面白い
とにかくなんかゾワゾワする。ひとつひとつの話がすべて自分にももしかしたらと思い当たるところが少しずつある。
是非みなさんにも読んでもらいたい。
ちょっと怖いくらいどちらの立場もわかるので辻村深月先生はすごいなと思った。他の作品も読んでみたくなった
Posted by ブクログ
褒め言葉ですが、読後感が最高に悪い。
辻村深月さん、この世界のことどう見えているんだろうか…
自分の過去にもこういうことがたくさんあるのだろうな、気づいていないだけで。物事に事実などなく、それぞれの人を通した解釈しか存在していないことがよくわかる小説だった。無意識といいながらも明らかな意識がそこに存在しているときって多々ある。
なんともいえない気持ちになったが、最後の臨床心理士の方の解説がとても良く、これを踏まえた上でもう一度物語を読み直したいと思えるほど!
Posted by ブクログ
ほんとうに心がヒンヤリした。最後の解説文まで読んでなんとなく救われた気持ちになれたというか、この本で心当たりがあってヒンヤリする時点で救いはないのかもしれないけど、これ以上増やさないようにしたいと思った。読み返したくないけど定期的に読み返そうと思う。
Posted by ブクログ
なんとも言葉にしづらい心の中の違和感を文章にした感じ。心当たりがあるようなないようなそんなお話。自分と人とで同じものを見ていても感じ方は違うよな。どれも全部はっとさせられた
Posted by ブクログ
ハッとさせられる瞬間の多い小説。
今、まさに人生のフェーズが移り変わる中、人と人の関係性を大事にして、相手の立場に立って振る舞うことって重要だと改めて感じた。
Posted by ブクログ
短編集。
過去が噛み合わない人たちの噛み合わない過去の話。
短編集だから読みやすいけど、実はどれもうっと苦しくなる。そしてどれも面白いすごい。
ネガティブな経験や記憶が、当事者であるはずの相手の中で捻じ曲げられていたり、なんなら忘れられていたり。
きっと、誰でも、この短編集の誰かに共感を覚えるのではないかと思った。わたしも然り。
そして、私がねじ曲げている側である可能性も大いにあるわけで。人は自分に都合が良すぎる。
Posted by ブクログ
復讐ばかりを集めた短編集。どのお話もタイトルがピッタリくるのがすごい。自分の気持ちや考えは、無意識のうちに発言に出てしまっているのだと自分も気をつけようと思った。こんなに重い、怖い話なのにするする読んでしまって面白いと思える、、辻村深月さんやっぱりすごい。
Posted by ブクログ
短編で読みやすかった!
過去の悪行とか心の中になんか残ってることが今になっていろいろ蝕んでいる感じがした。
自分にもそういう過去はあるのでなんか怖かった。
とりあえず今を丁寧に生きましょう。
ちょいホラーでもあった。
会話のこちらとあちら側、あなたが共感するのはどちらですか?という帯に書いてた意味が分かった。
美しい思い出だったはずなのに、、って感じ
Posted by ブクログ
いやあ〜、容赦なかった!!
他人の自意識はどうしてこんなにも恥ずかしく思えるのか…。イタすぎて共感性羞恥心って感じ。
視点が変われば捉え方も変わる。主人公目線と、相手目線で全然違う記憶になるところが面白かった。
ドスドス突き刺される感覚が好きな人におすすめ。
辻村深月は教師に対して恨みでもあるのだろうか….とか思ってしまう。アイドル然り、カリスママダム然り、小説家然り、有名人になるって大変よね(他人事)
Posted by ブクログ
どの短編も、過去の心にガツンと来る。
噛み合わない会話、自分の何気ない言動が、相手にとっては忘れられない記憶になる場合もある。一種のホラー小説でした。
Posted by ブクログ
面白かった。
怖かった。
同じ出来事でも、あちら側とこちら側まったく違って見てえたり。
記憶なんてほんと曖昧。
みんな自分に良いように覚えてる。
誰が悪いとか、そう言うことでもなく、常に起こりうる話。
Posted by ブクログ
『パッとしない子』と『なべちゃんのヨメ』だけ読みました。初の辻村深月作品。
『パッとしない子』がなんだかとても恐ろしくて、私には佐藤先生のようなところがあるんだろうと思いました。
続けて読んだ『なべちゃんのヨメ』は怖さは感じず、「あるよな〜、こういうこと」と思いました。
それと同時に恋人が出来て疎遠になった友人の顔が浮かびました。
どちらもあっという間に読み終わったので、辻村深月さんの他の作品も読んでみたくなりました。
Posted by ブクログ
相手に取り繕って良い顔をすること、相手は特になんとも思わないし、それがかえって誰かを傷つけることにもなり得ること。
相手のことを思って、自らの真面目な正義感に従ってした事が、それがかえって相手からの拒絶を生むこと。
相手のことを思って配慮したことが、それがかえって相手を見下しているようになり得ること。
いや、その配慮が生まれるのは、自分が相手より格上という自意識があるからで、そう思えば見下していることには変わりない(配慮にはいろんな種類があって、必ずしも見下すことになるとは限らないが)
話は変わるが少し怖いと思ったのが、児童時代の行動を大人になって論われることについて。
精神が発達していない中での行動や言動がゆえに、『なぜ、あなたたちはそんなに他人に興味があったの?』そのような論理的な説明を求められるのはちょっと辛い。
もちろんその行動によって傷ついて、傷が癒えない人もいるから、『幼い時の話だから仕方ないね』では済まないのだろうけど。
これに関しては答えがない。謝罪は権力を生むし。
罪を認めるくらいかな。
真面目にいたり、優しくしたり、穏やかに生きることが相手を苦しめる。
結局わがままに生きようが黙って生きようが、どう生きたって、誰かを傷つけずにはいられないのだ。
Posted by ブクログ
読み終えて一言、「怖かった」…
考えなしに発した言葉や行動で誰かを傷付けてきたことが、自分にもあるのかもしれないと思うと、無自覚ほど恐ろしいものはないと感じました。
かと言って、佑やゆかりに反論したくない訳でもない。でも、お互い自分の記憶や思いに捉われてしまっているから、もう噛み合わない。
この本を読んで、「人と分かり合えることなんてないんじゃないか」とまで思ってしまいました。でも、きっとそんなことはなくて、そうならないようにできるのも私たち自身なのだと思います。
Posted by ブクログ
やばい面白すぎた。
4つの短編。1つ目の作品があまり刺さらなかった(★-1)ので気が進まなかったけど渋々続きを読み始めたら面白くて一気読み!アドレナリン出てしまった。
3つ目の「ママ・はは」がグサグサ系なうえにホラーすぎてリアルに寒気。読みながら背後に気配感じてしまうレベルで怖かった。なんなんだこれは、、オカルト的な部分もあって全部を理解できたわけではないけどなんかすごい。
あとの2つも自分に思い当たる節がないとは言いきれない話、過去の解釈歪めてしまってることはあるだろうしほんと無自覚とか傲慢さって怖い。自戒。
そして解説が面白かった。臨床心理士の視点から、人間のトラウマや負の感情から起こる心の動きやしくみが説明されていて納得感がマシマシ。
解説で触れられていた精神分析家・フロイト「自我とエス」の一文:"憎しみは、意外なほど規則的に愛に同行している"
憎悪の奥には愛があり、復讐の根源には希望がある、のだそう。なるほど。無性に心理学を勉強したくなった。
Posted by ブクログ
その場にいない人間が話題にあがってる時の陰湿な雰囲気がすごく生々しくて、あーあるあるこういうの…と思いながら読んだ。今しあわせそうにしている相手に対して へ〜、と無関心を装いつつ「でも昔はああじゃなかったよね」と蔑みながら親近感や優越感を醸し出す人間の小ささが見事に描かれてた。
内容に引き込まれたい人へ
誰もが人生の中で心あたりのある部分に気付かされる作品です。読み終わったあとスッキリするというよりは、改めて自分自身の行いや言動について再考させられました! 中の話はいくつか別々の話で途切れているので、繋がってはいませんが、一貫した共通点があります。
Posted by ブクログ
自分の中の正しいとか事実、
それは相手にとって全く見え方が違い、
恨みになったり…。
自分の発言は大丈夫かと不安になる一冊。
そして過去を掘り起こしては正解の無い
不安に駆られるような本でした。
Posted by ブクログ
常々、「通り過ぎていった人」に会いたくないと公言しているのだけど、そのわけがこの本には書かれていた。前の職場の人。学生時代の今は連絡もとっていない学友。お世話になった先生。そういった「通り過ぎていった人」と私は記憶を共有していない。
それもそうで、過去は思い出すたびに出来事として記憶され直すから。いろんな要素がその度にふつふつと煮詰められ水分が飛んで、味の濃ーい意味だけが残るよね。そんな時、会っていなかった時間が長い人と自分のすり合わせが難しいと思うから。
「噛みあわない会話と、ある過去について」てタイトルの通りだった。面白かった。
Posted by ブクログ
今になって過去の自分の言動を振り返ると、良くなかったなと落ち込むことがある。もう取り返せないこと。何年も経って再会して、非を責められる...怖い。その時の記憶だったり、本当にあったかどうかもお互いの主観が混ざって歪んでる可能性がある。無意識に人を傷つけたり、自分が勝手に傷ついてたり。誰にでもあることだと思う。
どうしたらいいかなんて答えがでない。
Posted by ブクログ
短編4話
立場が変われば見る角度を変えれば感じ方が変わる
怖い短編だった
自分はどちらの立場に近いのか
自分の何気なく言ったりした言葉が根に持たれるほど傷つけてしまうのか
人それぞれ感じ方が違うから仕方ないと思うけど
許し合える良好な人間関係を作っていければとしみじみ思う