あらすじ
あなたの「過去」は、大丈夫?
美しい「思い出」として記憶された日々――。
その裏側に触れたとき、見ていた世界は豹変する。
無自覚な心の内をあぶりだす「鳥肌」必至の傑作短編集!
大学の部活で仲のよかった男友達のナベちゃんが結婚するという。だが、紹介された婚約者はどこかズレていて――。
「ナベちゃんのヨメ」
国民的アイドルになったかつての教え子がやってくる。小学校教諭の美穂は、ある特別な思い出を胸に再会を喜ぶが……。「パッとしない子」
人の心裏を鋭くあばく傑作短編集!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
解説まで読んで完成。
内容としてはミステリというより、静かなホラーという方が近い方もしれない。
世にも珍しく、このミステリの解決編は本書末にある解説だと思う。人の中に必ずある「噛み合わない」という感情は、幽霊や呪いとなり時を超えて襲いかかってくる。
自分が加害者でも被害者でもないことを願うばかりだ。
Posted by ブクログ
文庫版の解説を臨床心理士の東畑開人さんが書かれている。
解説によって、この物語がぐっと深さを増す。
噛み合わない会話を噛み合わせる。
面倒だけど、それでも大切だと思わされる。
Posted by ブクログ
おすすめされて手に取った1冊。
噛み合わない会話というものは幽霊のような怖さがあるなと感じた作品でした。
ホラーとはまた違った恐ろしさがあったので、ぜひ味わってみてほしいです。
Posted by ブクログ
あとがきの書評まで含めて傑作。確かにこれは幽霊であり、ホラーなのだ。聖域に立ち入ったのかもしれない。禁忌を犯したのかもしれない。好奇心に似た微かな悪意があったのかもしれない。でも、ちょっとやりすぎっていうか、わたしだけが悪いわけじゃないし、どうしてここまでされないといけないの?……「痛快譚の舞台裏」では終わらない、"理屈の通った"理不尽で滅多刺しにされる恐怖。
Posted by ブクログ
この本を読んで人間が一番怖いと思った
人は誰しも同じ気持ちや考えだと限らない
自分の気持ちや考えが正確に伝わることはない
だからこそ意味の取り違いというものがある
相手の言葉の意味を取り違えることで、
ちょっとしたことでも人間関係のズレが生じる怖さを知った
もっと怖いのは、
自分もこの登場人物と同じかもしれないということ。
辻村先生の本は"傲慢と善良"以来だけど、
考えさせられる内容ばかりで凄く読み応えがある
この本が大好きになった
Posted by ブクログ
大学の部活の同期で皆から「良い人」と言われていた男子の結婚報告から始まる物語や、国民的アイドルが母校にテレビ撮影で訪れる物語等、様々な過去の記憶と、人と人の会話の噛み合わなさを描いた短編集。
各短編それぞれが独立した物語で人との関わりのなかで生じるズレと、モヤモヤや傷つきを徹底的に描いており、人間の怖さを描いたホラー作品ともいえる。
自分は辻村さんの作品の、人間関係で生じる一言で言い表せないようなモヤモヤや感情を詳細に表現するところに凄さをいつも感じている。
今作はまさに、名前はついていないけれどこういうのってあるな、と思わさせられる人の心について突きつけてくる作品だ。
読んでいて、経験したことはないけれど分かるなと思えるものや、こんな風に傷ついたこともあったかもしれない、傷つけてしまったこともあったかもしれないと感じるものが多くあった。
改めて、人間関係のなかで無意識にとった言動こそが人を傷つけてしまう怖さを感じた。
本編を読み終えてそんなことを思っていたところに巻末の、臨床心理士である東畑さんの解説を読んで本編と同じくらい心に残った。
この本に出てくるのは「かつて深く傷ついて、非業の死を遂げた心の一部分」である。そしてそれは「復讐を遂げようとする」が「単なる復讐劇ではない」と。
深く傷ついた心の一部にどう思いを馳せ、向き合っていくのか。
そんなことについて投げかけられたような思いだった。
解説を読んだ上で見返してみると、登場人物たちの過去に深く傷ついた心も復讐により傷ついた心も、傷を残したままこれから日常生活に戻っていく救いのような優しさのようなものも感じられた。
辻村さんの作品はもちろんのこと、久しく読めていない東畑さんの書籍も読んでいきたいなと思った。
Posted by ブクログ
あのとき、噛み合っていなかった会話。噛み合っていなかったけど、噛み合わせたかった会話。そんなことが自分にもあったのだろうか。あったとしても、思い出せないのは、この話を読んだ後の自分としては、残念でならない。
過去にしたことや言ったことが、今の誰かにとってどんな影響を与えているのか。いい影響でも悪い影響でも、一人の人間が誰かに影響を与えていると考えるのは烏滸がましいと思う。だが、自分の覚えていない、無意識の言動が何らかの形で他人に残っているのだとしたら、それがいいものであって欲しいと願うばかりだ。そう思わせるほど、この短編たちは恐ろしい。非現実的でありながら、いつか自分の身に降りかかるのではないかと思ってしまう。
この恐ろしさの理不尽なところは、過去の行為を反省させてくれる隙がないというところにある。覚えていなかったその時の行為を今になって反省する隙も与えず断罪する。だからこそ、どういう関係であってもその場その瞬間にどうだったかを話し合えることが必要なのではないか。それができたら苦労しないけれど。
面白い
とにかくなんかゾワゾワする。ひとつひとつの話がすべて自分にももしかしたらと思い当たるところが少しずつある。
是非みなさんにも読んでもらいたい。
ちょっと怖いくらいどちらの立場もわかるので辻村深月先生はすごいなと思った。他の作品も読んでみたくなった
Posted by ブクログ
さすが辻村深月さん( ˃ ˂ )!!
めちゃくちゃ人間のリアルで怖くて面白かった。
短編小説4つとも、考えさせられた。
読んだ時、こういう人いるいる、って最初は他人事のように思うけど、よく考えてみれば実は自分も誰かにとってそういう人だったかもしれないと思えてきてゾッとするし、そうだったら怖いなと思う 。
被害者は、過去の苦しい出来事をちゃんと覚えているからこそ大人になった時に人間的な成長があるなと感じた、でも加害者になった方は意外と覚えてなくて、「そんなひどいこと言った?」「そう言われてみれば言ったかも」「そんなに悪いことした?」って自分を正当化して生きてきたから大人になっても根本の人間性は変わらないんだなって思う。
色んな人格の人がいて、色んな価値観を持っている人がいて、捉え方も人によって全然違うからこそ言葉や言動には気をつけようと思えた。
被害者にも加害者にもならないように調子に乗らないように平和に生きていきたい( ; ; )
Posted by ブクログ
自分の過去は大丈夫かな?と振り返りたくなる一冊。自分はいいと思っている事でも相手にとってはどう受け止められているのか、どう解釈されているのかわからない。わかっているはずなのに読むと不安になり、自分の気持ちを伝えるのは難しく、言葉には気をつけようと思った。
Posted by ブクログ
辻村作品、出版年順に読み続け中。
おそらく29作目。
メインキャラがそれぞれ無自覚に性格悪くて、ゾクゾクくる。
現実だったら大変。
現実にもいそうだけど。
人の気持ちがわからない人の過去と、「そこまでしなくていいんじゃない?」の今。
意図せず傷つけていた相手から、数十年ぶりにコテンパンにされる。
やられている方は「これは“イジメ”じゃないか」と名付けたいけど、言い切れない。
言い切れったとしたら、自分が過去にしたこともイジメになってしまう。
後ろめたさの自覚があるから、反撃できない。
したとしても、それすら封じ込まれる。
がんじがらめにされ、逃げ場なく終わるストーリー。
『ママ・はは』だけ、ホラー要素。
ほかのホラー短編集より、このくらいの方が好き。
驚かすホラーじゃなくて、不安と不可解に引きずり込まれるような作品。
Posted by ブクログ
表紙が可愛くて手に取ったけどこんなにドキッとする内容だなんて、、って感じ。めちゃくちゃ面白くて1日で読んでしまった!!
4つの短編集だけどどれも過去の記憶と事実に相違があって人の記憶って全然あべこべだし、それによって人への印象とかも変わってくるよねって思った。
2つ目の話が一番嫌な気持ちになったかも!人気アイドルの小学校時代を知ってる先生の話。2人きりで話すシーンは先生の気持ちになって早く帰りたくなった^_^
3つ目の振袖の話もほんのり怖かったし4つ目は意外と主人公の気持ちに寄り添えてそんなに気にすることなの??とか思ってしまった。多分それは自分が小さい時うるさい側だったし、なんとなく恨まれてるんだろうなって思い当たる人がいるのが主人公と被ったからかなぁ。
自分が無意識のうちとか、「そんなに気にすること?」ってことが相手にとっては大地雷だったりするよねっていう話だった。気をつけようと思ってもこればかりは気をつけれない、、
でもこれが現実で起きたらなかなかトラウマだろうなぁと思ったら
Posted by ブクログ
怖かった。本だからこそ行間から伝わってくることもあり、息をつめて読んだ。人の印象、幼少期やスクールカースト等の記憶は真実として自分の頭の中にはあるし、それが事実だと思ってしまうけど、人によって違う。しかも、後からでも何らかの理由で、改編されているんだろうな。
Posted by ブクログ
相手に理解されず自ら心を殺す→非業な死を遂げて凍結されたはずの過去が解凍され周りを攻撃する。
大事なのは相手を慮ってあげること。これは誰の過去にも起こっただろうし、今後起こりうる話。あまりに身近な話で鳥肌が立った。
Posted by ブクログ
リニューアルした三省堂書店の神保町本店で面陳されているのを見て購入。
辻村深月さんはヒトの心の暗い部分を日の目に晒すのがとても巧み。
解説の東畑さんの「噛み合わなかった過去は凍結され、私たちはその後の人生、幽霊を抱えて生きざるをえなくなる。」「過去の薄暗いところから、幽霊が這い出てきて、噛みつく。」「幽霊たちの攻撃は苛烈だ。」という本書の読み方は、さすが臨床心理士だと思った。
幽霊は突然顕れ、その場に立ち会ったものに強烈な傷痕を残して、ふっと消える。
ヒトとヒトの関係がある限り、幽霊の誕生を阻止することはできない。
その苛烈な攻撃に耐えるためには、踏み止まり幽霊にこちらから噛みつく。愛憎含み、傷つけ合いながらも、話し合いを続けてかさぶたを作り変化していくしかない。
Posted by ブクログ
ハッとさせられる部分が多かった。
読み進めるのが怖くなる、自分のして来たことももしかしたら相手にとっては許せないことだったりしたのかな、と振り返った。
Posted by ブクログ
ほんとうに心がヒンヤリした。最後の解説文まで読んでなんとなく救われた気持ちになれたというか、この本で心当たりがあってヒンヤリする時点で救いはないのかもしれないけど、これ以上増やさないようにしたいと思った。読み返したくないけど定期的に読み返そうと思う。
Posted by ブクログ
なんとも言葉にしづらい心の中の違和感を文章にした感じ。心当たりがあるようなないようなそんなお話。自分と人とで同じものを見ていても感じ方は違うよな。どれも全部はっとさせられた
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ハッとさせられる瞬間の多い小説。
今、まさに人生のフェーズが移り変わる中、人と人の関係性を大事にして、相手の立場に立って振る舞うことって重要だと改めて感じた。
Posted by ブクログ
短編集。
過去が噛み合わない人たちの噛み合わない過去の話。
短編集だから読みやすいけど、実はどれもうっと苦しくなる。そしてどれも面白いすごい。
ネガティブな経験や記憶が、当事者であるはずの相手の中で捻じ曲げられていたり、なんなら忘れられていたり。
きっと、誰でも、この短編集の誰かに共感を覚えるのではないかと思った。わたしも然り。
そして、私がねじ曲げている側である可能性も大いにあるわけで。人は自分に都合が良すぎる。
Posted by ブクログ
復讐ばかりを集めた短編集。どのお話もタイトルがピッタリくるのがすごい。自分の気持ちや考えは、無意識のうちに発言に出てしまっているのだと自分も気をつけようと思った。こんなに重い、怖い話なのにするする読んでしまって面白いと思える、、辻村深月さんやっぱりすごい。
Posted by ブクログ
短編で読みやすかった!
過去の悪行とか心の中になんか残ってることが今になっていろいろ蝕んでいる感じがした。
自分にもそういう過去はあるのでなんか怖かった。
とりあえず今を丁寧に生きましょう。
ちょいホラーでもあった。
会話のこちらとあちら側、あなたが共感するのはどちらですか?という帯に書いてた意味が分かった。
美しい思い出だったはずなのに、、って感じ
Posted by ブクログ
その場にいない人間が話題にあがってる時の陰湿な雰囲気がすごく生々しくて、あーあるあるこういうの…と思いながら読んだ。今しあわせそうにしている相手に対して へ〜、と無関心を装いつつ「でも昔はああじゃなかったよね」と蔑みながら親近感や優越感を醸し出す人間の小ささが見事に描かれてた。
内容に引き込まれたい人へ
誰もが人生の中で心あたりのある部分に気付かされる作品です。読み終わったあとスッキリするというよりは、改めて自分自身の行いや言動について再考させられました! 中の話はいくつか別々の話で途切れているので、繋がってはいませんが、一貫した共通点があります。
Posted by ブクログ
ドキッと、冷やっとする内容、これを幽霊(背後にあるどす黒い感情)がいて、自分にもその幽霊がいるときがある。
何気ないひと言、意図を読むと、、、登場人物の奥にいる感情に気がつくと、凍る想いをする。
暖かい飲み物がないと、、読み進められない
#読書
#辻村美月
Posted by ブクログ
短編集だったけれど、どの話もあまりにリアルで、本当にあった話だろうかと思わせるリアルな描写と心理で、読んでいて続きが気になってしょうがない話ばかりでした。
自分は悪気のなかったことでも、受け取った側はひどく傷つき、心に深くそれは刺さってしまう
幼少期の嫌な思い出って、大人になってからのことよりも痛烈に覚えているということ
普通の復讐劇というのはまた違って、一癖も二癖もあって、これは主人公、やった側ががいかんよなあって最後には思えてしまった。
教え子が国民的アイドルになって母校を訪問する話では、主人公の女教師が、ぱっとしない子だったって周りに吹聴していたけれど、いざ再会して覚えていてくれた教え子は、喜んでくれると思いきや?
えっそういう展開?!こわって思ってしまった
でもこれは調子に乗って、クラスの人気者ばかりに気に入れようとしていた主人公が悪いと最後は教え子が成敗してくれた感じでスッキリした。
ママとははの話しはホラーなんだろうか、、
私も厳しい母親だったから、共感はできるけど、ちょっと本当の母親がどうなったのかモヤっとした。
冴えなかった同級生がカリスマ塾講師になって、小学校時代クラスの中心だった主人公が同級生に取材をしに行く話では、最後に現れた美少年はあれは主人公のイケメン夫と不倫してできた子ではないのだろうか、、だとしたら怖すぎる
この方の作品は初めて読んだけれど
相手をジリジリと追い詰めて行く心情が、本当にリアルで、人って怖いって思った
Posted by ブクログ
表紙買い。しかし、内容は、少しの嫌味とか毒々しいお話しばかりでした。そんな感じの物語じゃないのに、読み終わったら「え?」と、少し手が止まります。
Posted by ブクログ
私は『ゾワっと』や『ヒヤッと』よりも、『モヤっと』してしまった。
人間関係なんて『噛み合わない』ことだらけだと思う。
だから話をするし、寄り添い合うし、妥協点を探したりするんだろう。
人の記憶は曖昧で、いいように自己補完してしまう。
それが一種の自己防衛なんだろうな、と感じた。