【感想・ネタバレ】噛みあわない会話と、ある過去についてのレビュー

あらすじ

あなたの「過去」は、大丈夫?

美しい「思い出」として記憶された日々――。
その裏側に触れたとき、見ていた世界は豹変する。
無自覚な心の内をあぶりだす「鳥肌」必至の傑作短編集!

大学の部活で仲のよかった男友達のナベちゃんが結婚するという。だが、紹介された婚約者はどこかズレていて――。
「ナベちゃんのヨメ」

国民的アイドルになったかつての教え子がやってくる。小学校教諭の美穂は、ある特別な思い出を胸に再会を喜ぶが……。「パッとしない子」

人の心裏を鋭くあばく傑作短編集!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

読みながらドキドキハラハラ、冷や汗が出てくるようでした。

解決するでもなく、どうしたものか…と途方に暮れて読み終わりましたが、最後の東畑開人さんの解説に、なんとか心の整理ができました。

誰しもが持っているであろう人間の一面。自分も無意識のうちに、人を傷つけていることを自覚しておこうと思いました。

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2026年06月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

そこらへんの殺人事件よりもよっぽどグロい。人の心の一番汚く見せたくない場所にフォーカスされていて、人間ってそうだったなと思わされる。

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2026年05月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「“救われる側”だと思うことの怖さ」

さすがは辻村深月先生だと思った。
この作品は、分かりやすい名言を一つ残して人の心に刺してくるのではなく、物語を通じて、読者にじわじわと気づかせてくる…そしてその描き方が本当にうまいと感じた。

私はこの小説は、帯に書かれている通り読む人によって「救われる側」と「後悔する側」に感想が大きく分かれる作品なのではないかと思った。

私はおおかた「救われる側」として読んでいたが、「ナベちゃんのヨメ」に関しては、自分にも思い当たる部分があり、少し後悔する気持ちもあった。

しかし、そもそも自分を「救われる側」だと認識していること自体が、傲慢で危ないことなのではないかとも思った。

自分は傷つけられた側で、相手は傷つけた側だと簡単に分けてしまうことはできない。
誰かの言葉に傷ついた記憶が自分にあるように、自分の何気ない言葉が、誰かの中で痛みとして残っている可能性もある。
そのことを考えると、この作品は一種のホラーのようにも感じられた。


特に印象に残ったのは、「パッとしない子」と「早穂とゆかり」だった。
被害を受けた側は、その出来事をいつまでも鮮明に覚えている。時間が経っても、心の痛みは当時のまま残っている。
一方で、加害者側は「どうして自分が責められるのか」「あなたが傷ついたというなら謝る」というように、自分の非を本当の意味では省みていない。
そのずれが、とてもリアルで苦しかった。


読んでいて、実際に「後悔する側」になれる人は、案外少ないのではないかとも感じた。
多くの人は、自分の過去や自分の姿を、自分に都合よく正当化してしまう。自分は悪くなかった、仕方がなかった、そんなつもりではなかった、と考えることで、自分を守ろうとするのだと思う。

もちろん、人は意図せず誰かを傷つけてしまうことがある。すべての言葉や行動を完璧に選ぶことはできない。
しかし大切なのは、その後に「傷つけた事実」とどう向き合うかだと思った。
自分に悪意がなかったかどうかではなく、相手が傷ついたという事実を受け止められるかどうか。
そこに、その人の本当の姿が表れるのではないか。

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2026年05月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

解説まで読んで完成。

内容としてはミステリというより、静かなホラーという方が近い方もしれない。
世にも珍しく、このミステリの解決編は本書末にある解説だと思う。人の中に必ずある「噛み合わない」という感情は、幽霊や呪いとなり時を超えて襲いかかってくる。

自分が加害者でも被害者でもないことを願うばかりだ。

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2026年05月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 『噛みあわない会話と、ある過去について』は、過去の記憶の齟齬がもたらす人間関係の不穏さを、静かに、そして容赦なく浮き彫りにする短編集である。各物語では、かつての知人や関係者たちが再会し、過去の出来事について対話する場面が描かれる。しかし、そこで交わされる言葉は、決して噛み合うことがない。
 本作で描かれているのは、話し手の無自覚さと、受け手の内面に残り続ける深い傷という、容易には解消されない認識の隔たりである。多くの場合、話し手に明確な悪意はなく、むしろ相手への配慮や善意として過去の行動を記憶している。しかし、受け手はその無自覚な言動によって深く傷ついており、時を経て、その感情が静かに、そして鋭く表出する。この「無自覚な加害」と「消えない被害」の対比が、読者に強い緊張感をもたらしている。
 特に印象に残ったのは、「パッとしない子」や「早穂とゆかりで」幼少期や学生時代といった未成熟な時期の行動を、大人になってから論理的に突きつけられる恐ろしさである。当時は深く考えていなかった何気ない振る舞いが、相手の心にどれほど長期的な影響を及ぼしていたのかを思い知らされる過程には、単なるフィクションとして片付けることのできない重みがある。悪意がなくても、人は誰かを傷つけずに生きることはできない――この現実に対して、本作は明確な答えを提示していない。むしろ読者に、自分自身の過去の振る舞いや無意識の思い込みを振り返らせる作品である。読み終えた後には、苦い自戒と深い余韻が残る。

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2026年06月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ナベちゃんの嫁
ナベちゃんの誰かの一番になりたいって気持ちわかる。
そして根が優しくて面倒見がいいからみんなの世話焼いたりするんだけど、ただのいい人、いい友達止まりなんだよね。
婚約者はナベちゃんの唯一無二になったわけだから優先するのは当然だけど、ただその婚約者が常識からちょっと外れてるとこがあって同級生の友達たちは違和感持って縁が切れることになる。
同級生たちはそれについてわざわざ集まって陰口をたたく。
うちらと縁切ってそれでいいのかな?みたいなこと言うけど、薄っぺらいお友達より家族をとったんだよね。
家族は唯一無二だもんね。

パッとしない子
これは怖いー!!
学生の頃パッとしなかった教え子が国民的アイドル
になってたまたま撮影で母校に来て、主人公である教師と再会するって展開よくTVでもあるやつ。
でも国民的アイドルになった彼は実は先生をめちゃくちゃ憎んでいたって怖すぎる、、
しかも先生に悪気は無し!
先生はキラキラ女子のまま教員になったんだろうなー
そして一軍生徒に好かれてる自分が好きなんだよね。
だから目立たない生徒の気持ちが分からない。
先生も人だから好き嫌いとか苦手とかあるとは思うけど、教育者としてあからさまな贔屓とかそういうのは良くないよね。
出来る限り平等に。
将来教え子から恨まれないために。

ママ・はは
これは、どーゆうこと?
お母さんはいなくなったの??
このお話だけ世にも奇妙な物語ちっくになってた!

早穂とゆかり
パッとしない子と通じるものがあるお話。
ゆかりは結局現在の地位を盾に早穂を貶めたかったのかな?
確かにこれは大人のいじめかもしれない。
仕事という体で自分の味方を2人も呼んで逃げられない状況で断罪する。
恨んでなかったって言うけど絶対恨んでたよね。
早穂も子供の頃、人気者の自分をかさにきてゆかりのことを笑いのネタにしたりして良くなかったし、どっちもどっちかな。
過去に諍いがあった同級生とは関わらないのが一番かなって思う。
された方は絶対許さないし、した方も正当化するだろうし過去は過去でもう切り捨てるしかない。
謝ったとしても許せないし、自己満足にしかならないだろうし。
和解することはほぼ無いと思う。
そして早穂の旦那は浮気してるのかな?
ゆかりと浮気してるのかなって思ったけどどうなんだろう。


タイトルが秀逸。
噛み合わない会話と、ある過去について
ボタンの掛け違いというか、思い込みだったり、すれ違いだったり。
人間関係ってホント難しいな〜

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2026年06月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

〜1周目〜
2022.01.24
人の心の底にある感情が出ているようなお話だった。
人の感じ方次第で過去が変わる。
齟齬が生まれてしまうということが書かれていた。
怖かった。

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2026年06月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

講談社文庫55周年フェアで購入。

「過去」を振り返る4遍の短編集。
かつての知人と再会する話『パッとしない子』『早穂とゆかり』この2編がもう重たくて。なんとも嫌〜な読後感。

「覚えていないようなら、言いますけど」「自分が私にしていたことの、自覚があるの?」あえて他人がいる場所でディスり続ける徹底的な復讐劇。屈辱感と居た堪れなさと分かり合えないという絶望感。誰の人生にも起こり得る話というのが怖かった。

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2026年05月24日

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