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天下人に喧嘩を売る男たちの最期の戦場。目前に迫る10万の豊臣秀吉軍。日本中がひれ伏した敵に、わずか5000の兵で九戸政実(くのへまさざね)は喧嘩を売った。策を尽くし、鍛えた武力で敵を翻弄する九戸党。誇りをかけた最期の戦いを待ち受けていたのは――。『炎立つ』『火怨』からつづく、陸奥(みちのく)の男たちの熱き魂を描いた歴史巨編「3部作」が、万感の最終幕を迎える。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
どんな結末なるかは、歴史的な事実もあるので、いささか気が重い感じもしていたが、想像していた結末と違って、最後まで主人公である九戸政実「らしい」結末であったという印象である。 何より、作者の主人公への思い入れが、最後まで九戸政実という人物を際立たせ、物語を推し進める大きな力となっていたのであろう。
二巻目までは、なんやかんや言いながらもフィクサーの如く他人を動かすだけで自身は殆ど行動を起こさなかった政実がついに立ち上がった。 最終的には勝てる見込みのない戦いだと分かっていながら、決して臆することなく一戦一戦は完勝を続ける九戸党が見せる戦の強さ。最後に「負けたことがないからこの先が分からない」と...続きを読む笑い飛ばす潔さ。政実だけでなく、みんな格好良かった。 この本を読んで戦国期の東北を初めて知りましたが、圧倒的少数ながら豊臣軍に引けを取らず、兵を救うために降伏しながらも、その約束を反故にされたという大筋は史実のようですね。
どこまでも熱い漢達の話、第三弾。 九戸政実なんて、日本史で習った記憶無い程知名度は低いと思うのですが、天下人秀吉にここまで抗った武将が他に居るのでしょうか。 素晴らしく魅力的な人物が次々と登場しますが、やはり九戸政実が断トツ。 男が惚れる漢です。 阿弖流為と言い貞任と言い、本当にこの作者は描き方が...続きを読む旨い。 現代の野党も、このぐらい与党に筋の通った抵抗をすれば良いのに、なんて事も思ったりします。 日本男児は是非一読を。 東北3部作は全て、傑作です。
目前に迫る十万の豊臣秀吉軍。日本中がひれ伏した敵にわずか5千の兵で九戸政実は誇りを賭けて喧嘩を売った。 最終巻にふさわしく九戸軍と豊臣軍との戦いの連続が描かれ、めくるページが止まりませんでした。 数では圧倒的に不利な九戸軍が数だけが頼りの豊臣軍を優れた作戦で次々と打ち破っていく様は読んでい...続きを読むて、その場の戦場の雰囲気を感じられるほど、とても爽快でした。 秀吉の時代にこんな優れた熱い武将がいたことにとても驚くと同時に、その存在をこの作品を通して出会えたことにとても幸せを感じました。 「火怨」「炎立つ」に続いてこの作品を読むことができてほんとによかったです。
南部家の棟梁になるに十分な器量を備えながら、秀吉の方針で勝手に東北の区割りをされることに怒る九戸政実。その方針に反発し、九戸と同志のみで秀吉に喧嘩をふっかける。秀吉がほぼ全国を統一した後だけに勝てる見込みは無いにも関わらず・・・。秀吉の政権が早々に倒れることも見通しつつ、東北武者最後の意地を見せてく...続きを読むれる。
最終巻はいよいよ秀吉軍との対峙。 手に汗を握る展開が続き、九戸政実の最期には心を強く揺さぶられる。 なぜに秀吉と対峙するのか? その理由を最期の最後に知ることで九戸政実の行動の全てが理解される。 高橋克彦の陸奥三部作に共通していることでもあるし、幕末時の会津藩もそうかもしれないが、負けることでの美...続きを読む学に日本人は心を打たれるのかもしれない。 負けることに潔さを見い出すこと。 その場で負けることが、必ずしも歴史上の敗北には繋がらない。 そこまで判断して行動を取れる器。 戦略に通じ、大局的な視野を持つ懐深いリーダー、義を重んじ無私を貫き、郷土を愛す。 九戸政実はそんな人物として描かれている。
いよいよ豊臣秀吉の支援を取り付けた信直軍に対して、敢然と立ち向かう九戸党の最後の戦い。圧倒的多数の軍勢に知恵と勇気と武力を駆使して立ち向かう勇者たちに思わず力はが入り、最後は一気読み。著者の陸奥三部作の中では最高のドラマ。エンディングで多くを語らないストーリーがしみじみとさせてくれる。
2012-121 陸奥シリーズ最終章。 九戸党の最後は潔くて格好いい。 政実と実親。 どちらかが南部の棟梁になっていたら今の東北はどうなっていただろう。 でも、今の東北を見ていたら陸奥の炎は今も生きているんだなぁと思う。
もう東北の正史はこれでお願いします!な、熱い東北時代物。 高橋克彦さんの東北三部作の〆に当たる本作は、 戦国時代末期の「武士の終焉」を ロマンと熱量あふれる文章でがっつり描いています。 とにかく熱く、血がたぎるお話なのですが 、 文章の歯ごたえも抜群で、かなり消耗します。 ようし、読むぞ!...続きを読むと、気合を入れて一気読みするのがオススメ。 なお、本作の前には、東北三部作の「火怨」「炎立つ」を読んでおくと何倍も楽しめるかと思います。 作中で出てくる過去の戦いに言及された時、 「貞任がやったアレか!」といった具合に、 ぐっとくることうけあいです。
秀吉軍10万人にわずか5000人で南部の義を守るために戦った九戸政実。知徳体が全て備わった希有な存在。魅力は人知を越えた戦略戦術が満載。更に合戦時の飛び交う無数の数の音が躍動感に彩りを与えている。その気になれば伊達政宗と手を組んで秀吉に対抗できるだけの勢力を持てたはずなのに・・。疑問が解消するのはク...続きを読むライマックス時の和尚の言葉。 「人が人であることを問う事の無意味さ 」 流石筆者が7年間かけて書き綴った大作。 水滸伝を彷彿させます。いや~一気読み。圧巻の☆×5。
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天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男九戸政実
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