【感想・ネタバレ】星屑のレビュー

あらすじ

大手芸能事務所「鳳プロ」のマネージャーながら雑用ばかりだった桐絵は、博多のライブハウスで歌う少女・ミチルに惚れこみ、上京させる。鳳プロでは専務の娘・真由のデビューが決まっており、ミチルには芽はないはずだったが、彼女の情熱と歌声は周囲を動かしてゆく。妨害、挫折、出生の秘密、スキャンダル……その果てに少女たちが見るものは――。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

2年ぶりに再読
主人公も良いが以外の登場人物がとても良い味を出している
うーん、とてもいいです
また2年くらいしたらまた読んでみよう

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2025年11月15日

Posted by ブクログ

2025.11.11〜11.16

清々しい。歌が命なんだろうな。本当に歌が好きなんだろうな。
昭和の歌番組を知っている人間としては、今の歌番組のつまらなさを痛烈に感じる。その原因がわかる1冊だと思う。
私はこの作家のドロドロの恋愛ものより、このタイプの方が好きです。もっと、こういうのを書いて欲しいのに。

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2025年11月16日

Posted by ブクログ

昭和の芸能界、対照的な2人の少女をマネージャー目線で描いたお話し。
2人が成長していく姿は可愛らしく微笑ましい。
ドロドロした部分はなく周りの大人も優しくて、爽やかな青春小説のような印象も。
マネージャーに感情移入しすぎて最後は泣けた。

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2025年09月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

芸能プロダクションから、ティンカーベルというグループ名でデビューする真由とミチルの活躍を描くお話。芸能関係の本は初めて。実態と乖離している部分もあるかもしれないが、マネージャーは実の両親よりもずっと近くでお世話をしないといけないのかと、大変な仕事であることを知った。

当初は性格の違いから犬猿の仲と言われていた2人が、最高のライバルかつ相棒として成長していく過程を、まるでもう1人のマネージャーになったかのような視点で見ることが出来る。

まさか真由がミチルになりきって歌うことで、1人ティンカーベルを背負う決断をするだなんて、当初から考えると想像もできなかった。ミチルがみたら喜ぶだろうなあ。

海外に渡ったミチルと、戻ってきてからのティンカーベルの活躍も見たかった。
表紙でキラリと光るふたつの星は、もしかしてそれを描写してるのかな?なんて想像してワクワクした。

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2025年08月22日

Posted by ブクログ

読みやすく話のテンポも良かった。
登場人物の少女二人が本当に可愛らしくて応援したくなる。

読後の爽快感もあって何度でも読みたい大切な本になった。

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2025年03月20日

Posted by ブクログ

久しぶりにこんなにおもしろい小説に出会いました。
テンポ感がすごく良くてサクサク読めて、内容もちゃんと濃くて、真由とミチルのことが大好きになって心から応援してしまった。
間違いなく人生でずっと大事にしたい本の1つ。

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2025年03月12日

Posted by ブクログ

オーディション番組からデビューしたグループを推しているので、この本で素人から芸能界に入る裏側が見れたようでとても面白かったです。

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2025年02月09日

Posted by ブクログ

『あなた、歌手になりたくはない?もしも、一日中ずーっと歌っていることが許されるんだったら、そうしたい?』

さて、どうでしょうか?

“歌を歌うことを職業とする人”、それが『歌手』です。昨今、カラオケが津々浦々まで広がったこともあって場所さえ選べば好きなだけ歌を歌うことが誰にでもできる時代になりました。しかし、それを職業として、そのこともって生活を成り立たせていくことは全く別のことです。それは並大抵なことではありません。

『歌手』という職業は、星に例えられ『スター』と呼ばれたりもします。しかし、夜空に何万年何億年と輝き続ける星々とは違って『歌手』の生命は限られています。

 『今、あの舞台の上で輝いている星たちのうち、来年も残っているのは何人だろう』

そうです。新しく登場する『歌手』の存在があれば、その一方でひっそりと消えていく存在もあるのです。『歌手になりたい』と願ってもそこには想像を絶する厳しい世界が待っていることを改めて思いもします。

さてここに、そんな『歌手』たちの舞台裏を描いた物語があります。『一度は星を手にしたいと望む』人たちの存在を描くこの作品。『椅子取りゲームなのよ、芸能界は』という現実の厳しさを描くこの作品。そしてそれは、そんな『星』たちを支えるマネージャー視点で描く「星屑」たちの物語です。

『異常なしです、どうぞ』と『演歌界の大御所』である城田万里子(しろた まりこ)の部屋へと先に入りチェックを済ませて本人を招き入れるのは『鳳プロ』に務める主人公の樋口桐絵(ひぐち きりえ)。昨年起こった『若い女性アイドル歌手の部屋に、行き過ぎたファンが運送業者を装って押し入ろうとした事件』以降、本人より先に部屋を確認することを励行することなったものの、城田本人は『こんなオバサンの部屋に、誰か忍んでくるわけもない』と冷静に話します。そんな城田に『暇を告げ』た桐絵は上司の峰岸が運転する車に乗り込みます。『そういえば俺ら、明日は出張か』と呑気に語る峰岸に『福岡です』、『飛行機は朝十時ですからね』と念を押す桐絵は『「鳳プロ」が毎年行っている、新人発掘オーディションの地区大会』のことを思います。
場面は変わり、『ほぼ満席』という『博多の中心部に位置する市民センターのホール』へとやってきた峰岸は集まった二十名ほどの出場者を見渡し『どう思うよ、おい』と桐絵に話しかけます。『…そうですね。ふたを開けてみないことには何とも』と返す桐絵に『つくづく甘っちょろいなぁ、お前は』と言う峰岸を見て、『めぼしいのがいない、と言いた』いのだろうと思う桐絵。そして、一日をかけて『二人の受賞者を出すことはできた』ものの『あんなのが本選で通用するとでも思ってんのか』と言う峰岸。そんな峰岸はイベント終了後『博多ロックの聖地』と言われる『ほらあなはうす』という『ライブハウス』へと桐絵を連れていきます。『アンプが爆発するかのような轟音』に『思わず両手で耳を塞』ぐ桐絵は『音楽じゃないでしょう、こんなの!』と不満を示しますが、『峰岸は鼻で嗤っ』て無視します。『私…帰ります』と先を立とうとする桐絵を『あと二組だけ付き合えよ』と言う峰岸。そんな中、『ザ・マグナムズ』というバンドが演奏を始めます。『え、子ども?』と桐絵が思う中にボーカルが歌い始めます。そんな声に『一瞬で耳を持っていかれた』桐絵の横で、『ほーお』と『身を乗り出す』峰岸。『もの凄い声だ。細い体のいったいどこから、あんなハスキーな、狼の遠吠えを思わせる声が出るのか』と思う桐絵は『まさか、「女の子?」』と驚きます。演奏終了後、『おい、キリエ!』という峰岸の声に『我に返った』桐絵は『立ち上がり、ステージ上手のドアへ突進して』いきます。『関係者以外は立入禁止』の掲示を無視して楽屋へと入った桐絵は『なんやキサン』と言われますが、たくさんの人の中から先ほどのボーカルを見つけ『私、東京の芸能プロダクションで仕事をしている、樋口といいます』と話しかけます。他の面々からミチルと呼ばれた少女に『あなた、東京に出てくる気はない?…うちの研究生としてまずレッスンを受けて…』と説明を始めた桐絵ですが、『おうおう、ちょっと待たんね、オバサン』とやってきたリーダー格の男に『「立入禁止」って書いてあったろうもん』と追い出されてしまいます。
再び場面は変わり、東京へと戻ってきた桐絵は峰岸と福岡でのことを話しますが、『あれをスカウトしたとして、いったいどうやって売り出すつもりよ』、『ああいうハードなロックやブルースは、悲しいかな日本じゃ根付かねえのよ』と言われてしまいます。
三度場面は変わり、『クリスマス・イブを翌週に控えた日曜日』、『「鳳プロ」スカウト・キャンペーン東京本選が開催』され『グランプリ受賞者だけは、初めから華々しいデビューが確約されている』という中、地区大会を勝ち抜いた三十名が出場します。出場者が順に舞台に立つ中、『ひとりの少女が上手から現れた時、観客席にふっと不思議な空気が流れ』ます。『…佐藤真由、十四歳。東京生まれです』と大会最年少で登場、歌い出した声に『客席がどよめ』きます。『中学二年生とは思えない歌唱力だ』と感じる桐絵ですが一方で聴けば聴くほど、違和感がつの』ります。そして、『これまでで最も大きな拍手』で終わった歌唱。しかし、マイクを向けられた審査員の城田万里子は、『歌が上手だってことはよくわかったわ』、『でも、心は揺さぶられなかった…あなたの歌に、本気を感じられないから…』と話したことで会場は冷え切ります。とは言え、最終的に『ただ一人選ばれたグランプリ受賞者は、十四歳の佐藤真由』に決まりました。
四度場面は変わり、『博多の街に降り立つのは、ほぼ二ヶ月ぶり』と『強引に代休をとり、自腹を切って』博多へとやってきた桐絵は『ほらあなはうす』のマスターを頼って、ミチルの元へと赴きます。自己紹介をし、『あなた、歌手になりたくはない?』とミチルに問いかける桐絵。真由とミチルという二人の逸材をスターダムに押し上げるべく奮闘する『マネージャー』の桐絵の姿が描かれていきます。

“大手芸能プロ「鳳プロ」のマネージャーながらも、雑用ばかりでくさっていた桐絵は、博多のライブハウスで歌う16歳の少女・ミチルに惚れ込み、上京させる。鳳プロでは、専務の14歳の娘・真由を大型新人としてデビューさせることが決まっており、ミチルに芽はないはずだった。しかし彼女のまっすぐな情熱と声は周囲を動かしてゆく。反りが合わずに喧嘩ばかりの二人。妨害、挫折、出生の秘密、スキャンダル…その果てに少女たちが見るものは”と内容紹介にうたわれるこの作品。”迫真の芸能界小説の誕生!”と本の帯に大きく記されている通り、この作品は『芸能界』の舞台裏を生々しく描いていきます。元々は「宮崎日日新聞」など17誌に2020年10月から2022年6月にかけて連載されていた作品のようですが、2022年7月6日に単行本、そして、2025年1月9日に550ページの文庫として刊行され、圧倒的な物量で十分な読み応えを提供してくれます。

読みどころ多々なこの作品ですが三つの視点から見てみましょう。まず一つ目はこの作品の舞台となった時代との関係性です。こんな表現が登場します。

 『土曜夜の「8時に集合!」や、同じ時間帯のライバル番組「銀ちゃんのドンドコやろう」に出る』

これらは前者が「8時だよ全員集合!」であり、後者が「欽ちゃんのドンとやってみよう!」であることは間違いないと思います。それぞれ1971年10月から1985年9月までと、1975年4月から1980年3月に毎週土曜日に放映されていたテレビ番組です。両者の放映期間の共通期間からこの作品の舞台が1970年代後半から1980年代前半であることがわかります。そして、この作品の醍醐味は両人気テレビ番組同様に仮名化された歌手たちが登場するところです。こちらも見てみましょう。

 ・城田万里子: 熊本県出身、演歌界の大御所
   → 八代亜紀さん?

 ・高尾良晃: 作曲家、指揮もする
   → 平尾昌晃さん?

 ・ピンキーガールズ: 露出度高めのセクシーな衣装で激しく踊りながら歌う女性デュオ
   → ピンク・レディーさん?

この面々は物語で会話含めて多々登場します。それは、イメージすればするほどにとてもリアルな存在感をもって浮かび上がってくるほどです。さらには、名前だけではありますが、こんな名前も次々と登場します。

 ・『北山四郎、三木ひろし、森進吉、中尊寺京子や淡山より子といった大ベテラン勢』

 ・『南城広樹、野田二郎、神まさみの御三家や、林雅子、梅田純子、谷口桃代の若いトリオ』

 ・『前原つよしとドゥーワップスが出て、淡山より子がブルースを歌う』

これはあの人、これはこの人と特定しながら読んでいくのも面白そうです。もちろんこの時代を知らない方には全くもって意味不明かもしれませんが…。

次に二つ目は、そんな面々が活躍する芸能界の舞台裏を描く物語です。もちろんこの作品が描く時代は上記の通り恐らくは1980年頃を想定していると思われ、現代とは時代背景が異なる部分もあるとは思いますが幾つか見てみましょう。まずは歌手のバックで踊る『ジュニア』についてです。

 『将来有望なタレントの卵や、デビューまでは望み薄な〈孵らない卵〉たちを、一山いくらでステージに上げ、スター歌手のバックで歌って踊らせる。中にはめきめきと頭角を現して大きく羽ばたく者もいるし、たとえ芽は出ずとも我が子がそうしてテレビにさえ映れば、高い月謝を払っている親たちはとりあえず納得するという仕組みだ』。

某大手芸能事務所のことを思い起こさせますが、『テレビにさえ映れば、高い月謝を払っている親たちはとりあえず納得する』という記述が直球すぎて引きそうです。まあ、実際には昔からそういうものだったのでしょうね。次はこれまた芸能界の厳しい現実を説くある人物の語りです。

 『椅子取りゲームなのよ、芸能界は。個性がどうとか言ったってね、その個性ですら相対評価なの。そら怖ろしいほどの才能を持ってる人が、同じくらい才能のあるライバルの何倍も努力することでようやくトップの座を守ってる、それがこの世界なのよ』。

ある場面で語られる言葉ですが、とても重い響きをもって登場人物の心に落ちていきます。もちろんどんな世界であってもこの世は競争社会です。しかし、『芸能界』は華やかに見える分、その競争は熾烈なのだと思います。今日も笑顔でテレビに出演されていらっしゃる『歌手』のみなさんが置かれている厳しい現実を感じもします。

そして、最後に三つ目は、この”芸能界小説”の主人公が『マネージャー』の樋口桐絵であるという点です。プロの『歌手』のみなさんの裏に『マネージャー』の存在があることは誰だって知っていることです。しかし、その存在を目にすることはありません。小説ではそんな『マネージャー』という裏方の存在も重要な意味をもってきます。

『マネージャー』の存在を含めた『芸能界』を描いた作品と言えば、『芸能界』をスターダムにのし上がっていく者の栄光と失墜を描く綿矢りささん「夢を与える」、女優の姉を支える付き人の妹視点で物語を描く神田茜さん「シャドウ」があります。いずれも非常によく出来た作品であり、光の当たるところにいる存在が、付き人なしで存在しえないことがよく分かります。そして、この村山由佳さんの作品では、これが『マネージャー』の”お仕事小説”と言いきって良いくらいにそのリアルな姿が描かれていきます。そもそもこの作品で、デビューを果たすミチルを見出したのは『マネージャー』の桐絵ですし、終始そんな桐絵視点で描かれていく物語は『マネージャー』の存在なくしては語れません。そして、その役割はこんな風に表現されています。

 『いずれ星にまで昇りつめられるかもしれない宝石の原石を見つけ出すこと、それを磨きに磨いて舞台にのせること、そして彼らがうっかり墜ちてしまわないようにありとあらゆる手段を使って支えること』

なんとも大変な仕事であることが分かります。また、彼らの存在なくして星となるスターが生まれることがないことも分かります。

 『夢を賭けられるような原石を見つけ出して、自分の手で磨き、舞台の上へ押し上げてみたい』

そんな風に強く願う桐絵。しかし、その仕事の現実は非常に厳しいものです。

 『時間や気力は根こそぎ奪われるのだ。すべての物事がタレントを中心に回る日常では、自分の生活など無きに等しい。疲れ果て、いつしか笑い方さえ忘れた。いったい何のためにこんなことを続けているのか、そもそも何がやりたくてこの仕事についたのだったか、自分でもわからなくなることがしばしばだった』

物語では、1980年という時代もあって『女の言うことなんか』と取り合ってもらえないことしばしばの中に苦悩し、それでもスターダムにのしあがっていく少女たちの姿を見て『あの子たちを乗せた舟の帆に風を送るため』と力を振り絞っていく桐絵の姿が描かれていきます。華やかな舞台の裏側に見る『マネージャー』の存在の大きさに心打たれました。

そんなこの作品には、二人の少女が登場します。『鳳プロ』の専務の娘である真由と、たまたま桐絵が博多のライブハウスで見そめたミチルという二人はそれぞれ14歳と16歳という少女たちです。そんな二人と関わっていく桐絵は、専務の娘ということで小さい頃から甘やかされて育った真由の扱いに苦慮します。

 『ここまでわがまま放題に育った世間知らずのお嬢様を、どこよりも礼儀が重んじられる芸能界で通用するように育てなくてはならないのかと思うと、いっそ全部を投げ出してしまいたくなった』

そんな風に一筋縄にはいかない真由との関係性に思い悩む桐絵は一方で自らが見出したミチルに力を注ぎたいと思うも『レッスンさえも受けられないように妨害』する上司の峰岸の存在など、どうにも立ち行かない日々を送ります。そんな中にやがて思ってもみない形で道が開けていきます。しかし、それは桐絵の強い思いがあってのことです。

 『何としてでもミチルを、日の当たるところへ引っ張り出してやらなくては。いや、それだけでは足りない。多くのタレントたちの中でもひときわ眩しく輝く、〈スター〉と呼ばれる地位にまで押し上げなくては』

そんな強い思いの先に展開していく物語は、『芸能界』を上り詰めていく彼女たちの姿を単純に描くわけではありません。この作品は〈プロローグ〉と〈エピローグ〉に挟まれた〈ステージ○〉とつけられた11の章から構成されていますが、〈波紋〉〈闇夜〉と副題のつく章などまさかの出来事によりいとも簡単に堕ちていく、もしくは蹴落とされる『芸能界』ならではの怖さを見せつけてもくれます。そしてまた、予想外な方向に物語は展開もしていきます。しかし、そこは村山由佳さんです。あのことがこんな風に繋がるの!と驚く鮮やかな伏線の妙を見せる物語が展開していきます。そして、綴られる結末。そこには、書名の「星屑」=『スターダスト』という言葉の意味に深い思いをこめる中に、極めて清々しく綴られる物語の姿がありました。

 『この子を、一人前の歌手に育てるのだ』

博多の『ライブハウス』で偶然に見出したひとりの少女を前に、そんな強い決意を抱く主人公の桐絵。この作品では、真由とミチルという二人の傑出した原石を『スター』へと押し上げるべく奮闘する『マネージャー』の桐絵視点で物語が描かれていました。芸能界の舞台裏を興味深く描くこの作品。そんな中に”お仕事小説”として、『マネージャー』の存在を力強く描くこの作品。

信じられないほどの圧倒的な読後感の良さ。村山由佳さんの物語作りの上手さを改めて実感させられる素晴らしい作品でした。

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2025年01月13日

Posted by ブクログ

女性マネジャー桐絵の目線から見る、少女ミチルのサクセスストーリー。

ライブハウスでミチルの歌声に惚れ込んで以降、彼女のスカウトから、その後に待ち受ける困難の数々。
絶妙なタイミングで嫌なキャラを発揮する先輩マネジャーの峰岸や、オーディションチャンピオンの真由。

良い方向に進んで行くだろうと予想しながら読んでいても、(ここで突き落とされるの?)(この出来事がそこに繋がるのか)と、ストーリー展開が激しく、読んでいてドキドキした。

読み進めていくにつれ、登場人物の魅力が増していき、関係性の変化などにもウルッとくる。
特にミチルの博多弁で紡がれる言葉や、純粋で素直なキャラクターは、桐絵でなくとも、この子には幸せになってほしいと思わせる愛らしさがあった。

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2025年11月15日

Posted by ブクログ

ふるっぱーにハマっているので、、♡分厚かったけどサラッと読み進められました♡
境遇も性格も異なる2人の少女がユニットを組んで、芸能界に挑戦していくストーリー!
芸能界事務所に没入できました。
読んだあと、今まで全然気にしてなかったけど、アーティストって悲しい気持ちの時も、嬉しい気持ちの時も変わらずテレビでは笑顔を見せてパフォーマンスを披露するって気づけました。

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2025年11月04日

Posted by ブクログ

さすがは村山由佳さんの作!

面白かったですよ~。

登場人物の人間模様が細かく描かれていて、読めば読むほど面白さが増しました!

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2025年08月12日

Posted by ブクログ

話題の『PRIZE』と同じくらい面白かった!!昭和の芸能界を舞台に、サラブレッド&田舎の叩き上げがデュオとしてデビューしていくお話。周りの人物のキャラクターや設定が定番っちゃ定番なんですが、ストレートにハマっていて王道の面白さ。ド真ん中のエンタメ本だと思います。分厚い文庫でしたがグイグイ読み進められて2日で読み終えました。これは楽しい。おすすめ!!

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2025年08月12日

Posted by ブクログ

読後感爽やか。芸能界のドロドロとかあるのかなと心配してたけど、気分の悪くなるような描写は一才なくて、安心して読めた。
キャラクターもみんな良かったし、文章も読みやすかった。歌の描写が巧くて、文章なのに声や歌い方のイメージができたのがすごい!
ところどころ、主人公の桐絵の言動に共感できないところはあったけど、理解はできたかな。

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2025年07月14日

Posted by ブクログ


オーデションからソロデビューが決まっていた真由。

芸能事務所でマネージャーとして働く桐絵が、博多のライブハウスで歌に惚れこみ、東京に連れて帰ってきたミチル。

そんな2人がデュオとしてデビューするまでの道のり。

顔を合わせれば、言い合いばかりの真由とミチルを、芸能事務所、鳳プロダクションの大人たちがフォローし、支えていく。

実に真っ直ぐで、すがすがしい小説だった。

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2025年06月21日

Posted by ブクログ

芸能プロダクションのマネージャーがアイドル歌手を発掘してスターにするまでのお話。
マネジャーというより姉のように親身になってミチルを愛おしむ感じが心温まる。
もう一波乱あるかなと思ったけど、あっさりスターになって終わってしまったかな。
まだまだこれからな感じで終わってしまった。

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2025年04月01日

Posted by ブクログ

芸能界の非情さ、そこで生き抜くことの難しさをとても鮮明に表現した作品でした。
対象的な2人の少女が夢に向かって努力する姿がとても眩しかったです‪☺︎‬

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2025年02月26日

Posted by ブクログ

スターになるまでの王道ストーリー

アイドルが好きなので手に取ってみた。
読みやすくてサクサクと読み進められて良い!

夢を持って生きる姿はかっこいい
そして若くでスターになるには
周りにいる大人が大事だなぁ…とも感じた。

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2025年02月14日

Posted by ブクログ

夢を追いかける少女たちの姿やそれを支える側が主な話でしたが、現実味がないので感情移入しすぎずに読むことができました。それでも不思議だったのはページをめくる手が止められないことでした。もっと夢を追いかける少女たちの姿が見たいし、それを支える側の姿を見ていたいと永遠に思わせてくれるような不思議な作品でした。

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2025年02月12日

Posted by ブクログ

歌手としてデビューを目指す対照的な2人の少女と、その才能を後押しし導こうとする芸能プロダクション社員の物語。

芸能界が舞台、2人の出生の秘密と火種が十分にあり、示唆もされていたため、もっと大きな落とし穴があるかと思っていたけど、読み終わってみると登場人物・ストーリー共に真っ直ぐで清々しい読後感。個人的にはもう少しアップダウンがあっても良かったかな〜。

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2025年07月16日

Posted by ブクログ

星3.5
昭和の芸能界をめぐるサクセスストーリー。

女で短大卒という学歴ゆえ、大手芸能事務所で芽が出なかったマネージャーの桐絵は、博多のライブハウスで歌う少女ミチルに惚れ込み、自腹を切り、独断で上京させる。
また、超のつくわがままなお嬢様、真由のデビューが決まっていたが、ミチルのソウルフルな歌声は周りを変えていくのだった。

懐かしい昭和歌謡の歌手名(少し名前は変えてある)がたくさん出てきたり、芸能界の裏側を見ることができ、また村山由佳の素直な文章でサクサク読めてしまった。
それにしても、福岡出身の芸能人が多いことは、今も昔も驚き。芸能界に進むことを容認する風土があるのだろうか?

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2025年06月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

グングンと読めておもろかった!
ミチルを送り出すシーン泣けたな。別れってなんであんなにも寂しいんだ。

昭和歌謡が流行っていた時代を生きていないから映像でしか見たことないしエピソードで聞いたことしか知らないけど、解像度めちゃくちゃ高いのでは!?と思った。なんにも知らないくせに、あったあった〜!みたいな気持ちに。笑

様々なことを乗り越えた2人なら、この先なにがあっても大丈夫だなと思った。なんとかなる。どんなことも乗り越えられる。みんな幸せに生きていてほしいと願った。

そして自分自身にも、この先なにがあっても大丈夫。なんとかなる。自分だけの人生を生きていける。頑張ろう。

そう思えたことで、この本を読んで良かったと感じた。

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2025年06月15日

Posted by ブクログ

芸能事務所のマネージャーを主人公としたお仕事小説。芸能界のシンデレラストーリーをまさに小説にしたようで、起伏がはっきりしていて読みやすかったかなと思います。

個人的には主人公のキャラが1番の魅力のように感じました。お仕事に心血を注ぐ熱い主人公であるけれど、少し暴走気味な感じは、少年マンガの主人公みたいで好みでした。

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2025年05月15日

Posted by ブクログ

村山由佳さんの作品は久しぶりです。

新人発掘オーディションでグランプリを獲得した真由。
福岡のクラブハウスで歌っていたところをスカウトされたミチル。
二人の少女がアイドルとしてデビューして輝くスターになるため駆け上がって行く物語。

面白かったです。
物語の先が気になって、省いて飛ばして最後まで読んでしまいました。
それで終わっても良かったのですが、もとに戻ってもう一度読みました。
二人の少女がスターへ駆け上る様子は、とても勢いがあって面白かったです。
また、時代設定が昭和となっていて、他の登場歌手が当時の人気歌手の名前を少し変えて使われていて、「あっ。この人あの歌手だ」と見つけるのも楽しかったです。

村山由佳さんって、こんなに読みやすかったんですね。
とてもテンポ良く読めました。

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2025年04月11日

Posted by ブクログ

テンポよく、一気に読んでしまった。
みんな愛すべきキャラで応援できて、誰一人不幸にならない、爽やかな読後感。


実際そんなにうまくいくことって珍しい…と思うが、FRUITS ZIPPERが始まる前から応援し、駆け上がりぶりを目の当たりにしたため、あるにはあるんだよなあ…という気持ちになった。
FRUITS ZIPPERもプロデューサー自身が元アイドルで、あつくプロデュースする方。なんだか重なる。
本関係なくなったけど、
FRUITS ZIPPER(アイドル)、おすすめです。

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2025年04月02日

Posted by ブクログ

歌手デビューを目指す真由とミチルの物語。2人の関係性が少しずつ変化して、お互いがかけがえのない存在になっていく。2人の気持ちの変化が面白かった。欲を言えば、長編ゆえにもう少し驚く展開が欲しかったかな。

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2025年03月16日

Posted by ブクログ

今はSNSの隆盛で芸能人と一般人の境界も曖昧だけれど、スターが、アイドルが燦然と輝いていた1970年代が舞台。博多から上京した少女が芸能界を揺るがす。憧れや成功の意味がシンプルだから、そこに生きる彼女たちの生き様が眩しいくらいストレートに伝わってくるよ。

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2025年03月12日

Posted by ブクログ

かなり王道なストーリーで読みやすかったです。
それぞれのキャラクターが対比になっていて個人的にも好みでした。

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2025年02月14日

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