あらすじ
最高。何度も何度も読んだ。この小説を読み直すためにだけでも、十年先まできっと生きていたい。ーー斎藤真理子
『続きと始まり』『百年と一日』が話題の柴崎友香による全く新しい「探偵小説」
「世界探偵委員会連盟」に所属する「わたし」は、ある日突然、探偵事務所兼自宅の部屋に帰れなくなった。
急な坂ばかりの街、雨でも傘を差さない街、夜にならない夏の街、太陽と砂の街、雨季の始まりの暑い街、そして「あの街」の空港で……「帰れない探偵」が激動する世界を駆け巡る。
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Posted by ブクログ
ぎゃーーーーー!!!!
わからんっ!この本が何を言いたいのか私にはさっっっっぱりわからんっ!!(号泣)
YouTubeの何かの動画でオススメされてたので購入。タイトルにも惹かれるし、ワクワクして読み進める。最後の最後にどうなるのかしら?!ワクワク!!
……!!
おわり??あれ?終わった…おわってまった…。
国語能力がないとこんなにわからないものなのかっ!?!昔から国語の成績は本当に悪くて、いつも作者の言いたいことは当てられなかった私では理解できないというのかっっ?!
という気分を久しぶりに味わいました。
内容はとても面白いです!
でも何を言わんとしているのか冗談抜きで私には理解できず…悲しい…
三宅さんの解説が聞きたい…どなたかの解説を聞いてから読み直したら、わかるのかもしれない…
本当に字面を読んだだけの状態の私に誰か解説してぇぇー
もしや私がわかるのも10年後なのかもしれない…
(うまいこといったかも? 言ってないか)
Posted by ブクログ
すごく面白かったです。
なんだか変わってて・・・。
7つの短編はすべて、「今から十年くらいあとの話。」から始まります。どこかで謎解きされるのかと読み始めましたが、最後まで「今から十年くらい後の話」でした。
近く来る未来なのか、そこはどこの国なのか、想像を挟みながら「わたし」が世界中の町で探偵の仕事をしている様を読み進めました。
帰れる家がない、国がない、少し浮き草のような「わたし」の生き方。
時代も場所もはっきりさせていないのに、「世界探偵委員会連盟」はくっきりはっきり存在感があって、なんだかおもしろい。
依頼者が数字繋がり、色、植物とかもおもしろい。
請け負った探偵の仕事も淡々と描かれていますが楽しく読めて、トータルですごく好きな感じでした。
Posted by ブクログ
探偵の物語だけど派手なことは特に起きないのと、主人公が帰る場所をなくしたまま実際の国と少し似てるけど違う国を転々とするのと、章ごとにガラッと内容が変わるので、一体自分は今どこにいてどこに向かっているのだろう、という気分にさせられる。
自分にとっての「帰る場所」てどこなんだっけ、「帰る」てそもそもどういうことなんだっけ、と悶々と考えてしまった。
Posted by ブクログ
この作品の『今』っていつなんでしょうか?
ずっと、今から10年くらいあとの話で、パラレルワールドなのかと思いきやそうでもない感じ。
タイトルロールの『帰れない探偵』は家を見失い(?)各国で依頼をこなしながら、異邦人のごとく漂っています。
訳ありの依頼人や連盟の指示に翻弄されたり、危険な身にあったり。
大きな波はなく、淡々と、すこしずつ進展していくストーリー。
職業柄あまり自分出さずに、感情に振り回されることもなく、どこか諦めている主人公ですが、最後の章で少しだけ、そのあたりがほぐれていく感じがしました。
探偵ものとして読むと裏切られた感じがするかもです(笑)
Posted by ブクログ
不思議な小説だった。 具体的な固有名詞は出てこず、架空の設定でありながら、どこか現実とリンクするような国や場所が登場する。まるで現実とファンタジーの中間をふわふわと彷徨っているようで、自分も探偵と一緒に旅をしているような感覚になれた。読み終えて、帰る場所がまだ存在している自分にちょっと安心する(笑)
Posted by ブクログ
舞台となるどの街も、近未来的というかパラレルワールド的というか現実世界と微妙なズレが生じているような絶妙な違和感を漂わせつつ、湿度や匂い、街のざわめきなど、その場の質感が妙にリアルに伝わってきて、半分夢の中にいるまま旅をしてきたような不思議な読後感。しばらく時間を空けて忘れかけた頃に再読する予感。
Posted by ブクログ
久しぶりに文学作品を読んだ気がする。
温度と湿度が低く、どこかカラッとして不思議な世界。
各章が違う街の物語として展開され、どこの街もなぜか見たことがあるけど異世界感もあるアジアのどこかのイメージ。
物語の温度が低いので大きな感動などはないが、不思議の街を散策する読書体験はとても新鮮だった。
Posted by ブクログ
探偵である主人公は、任務で訪れていた国の自宅兼事務所にある日突然帰れなくなってしまう。その後も所属する「世界探偵委員会連盟」の指示で色々な国を転々として任務を行うものの、帰れない場所が増えていくばかり。そもそもこの主人公、10年くらい前に自分の国を出国してから体制が変わり、主人公の持つパスポートでは入国できないという、自分の国にも「帰れない探偵」なのだ。
探偵というタイトルから推理小説かと思いきや、SFのような不思議な物語だった。各章の始めと終わりに記される「今から十年くらいあとの話。」が印象的。
全体を通じて静かで落ち着いた語り口である一方、巨大IT企業スノコルミー社による陰謀めいた話が出てきたり、各国の情勢も不穏な空気を感じさせる。ラスト、再び走り出した主人公が帰る場所に辿り着けていることを願う。
Posted by ブクログ
時間軸が揺らぎ、過去と現在、記憶と現実がゆるやかに混ざり合う。
読んでいるこちらも主人公と同じように、 どこか「帰れない」感覚になる。
物語を追うというより、 記憶や意識の流れを漂うような読書体験だった。
詩を読んでいるような文章で、 はっきりした答えや結論を求める人には向かないかもしれないけど、
「今いる場所は本当に現在なのか」 「自分はどこから来て、どこへ帰るのか」
そんなことをぼんやり考えさせられる、そんな不思議な余韻の残る一冊。
Posted by ブクログ
不思議な題名に興味を持って手に取った本で、その題名には複数の意味があり、近未来でありながらノスタルジーが感じられ、ちょっと惚けた主人公に味があってとてもおもしろい本でした。
Posted by ブクログ
探偵事務所に通じる路地がどうしても見つからず、事務所に帰れない。そして物語は今から10年くらい後のお話だ。文章はハードボイルド、物語は不条理と不測、隠喩とアイロニーに満ちている。こんな小説が、日本人作家に書ける、というか、この小説が広く支持されていることがうれしい。
描かれるのは市井の人たちの想いだ。異国情緒たっぷりの赴任地で、主人公の探偵は、各々の人生からにじみ出る想いや情感のかけらを見える形にして提示してくれる。わざわざ探偵を頼まなくてはその想いに到達できないのは様々な大きな力が作用しているからだろう。
隠喩とアイロニーの効いた本作品が示す舞台は10年後だ。では、現在の物語はどうなっている。不条理と不測に満ちた世界にしないためにも、気付かなくてはいけないことが自分の周囲にある気がしてならない。
Posted by ブクログ
主人公がどこの国にいるのか明記されていなくて読んでいる側も彷徨っている気分になる。帰れないとは単に家、国にというだけでなく、アイデンティティや昔の純粋な気持ちにという意味も含まれていると感じた。
Posted by ブクログ
これは、今から十年くらいあとの話ー。(帯より)
探偵を仕事としている女性(探偵としては平均的?ときには失敗する)が世界のあちこちに派遣され地味だったりちょっと派手だったりする「仕事」を淡々とこなしている(たまに事件が起こる)、感。
オカルトみたいに帰れないのか、とか帰れないけれど帰りたいのか?と思っていたらそうではなく。人間関係にしたって仲間も仲間であってそうでない、ここでの縁が切れたらもう終わり、淡々と次行きます、みたいな。
探偵ものでも異色だろうし、そもそも探偵ものなのだろうか?柴崎さんにしか書けない作品。
不安感、浮遊感を味わいました。また内容を忘れたころに再読したい。
Posted by ブクログ
書きたい世界が大きいと、それだけの筆力が求められる。逆に十分過ぎる筆力で小さな世界を描くタイプの作品もある。本作はかなり大きな世界を最背面のレイヤーに背負わせているのだけど、どうも他のレイヤーとの接続がうまくいっていないように思う。肝心なところを全て台詞で説明するタイプの作家ではなかったと思うのだが、そこがちょっといただけない。
Posted by ブクログ
★3.5
探偵というより、スパイみたい。根無草でトランジットな寄る辺のない刺激的だけど不安定な生活。
恩田さんの香りもするし、葉村晶の生き様にも見えるし、淡々としてこれといった特徴を感じさせない主人公は玉虫色で誰にでもなれるし、誰でもない雰囲気がある。
紀行文として読むのも面白い。砂漠の街が好き。始まりを感じさせるところでいつも国移動エンドでもどかしい。
Posted by ブクログ
「今から十年くらいあとの話。」で始まる連作短編。
近未来SF探偵小説かな、と思うと、それほどかっちりとした手触りではなく、どこかふわふわとした夢の中のような印象である。カフカのような不条理の世界のようでもある。
主人公は女性探偵。とある国の出身だが、その国は探偵の出国後、統治体制が変わってしまい、容易に訪れることができないようになっている。
探偵は、故郷から離れた国で探偵学校を卒業後、世界探偵委員会連盟から世界各地に派遣されている。第1話では、とある町に事務所を構えたのだが、どういうわけかそこに通じる小道がなくなってしまい、帰れずにいる。仕方がなく、依頼主から宿を提供してもらい、なんとかしのいでいる。
その後、また別の国にも派遣されるが、どこも定住先ではなく、各地を転々と漂うような日々を送る。
探偵なので、依頼される事件もあり、解明すべき謎もあるのだが、犯人が誰で、事件の顛末はこうで、といった、しっかりした枠組みは感じられない。連盟に指示されて調査に携わるものの、探偵自身、何のために調査をしているのかわからないような事件もある。
世界を支配するような巨大企業の影もあり、ある種の近未来ディストピアものといってもよいのかもしれない。
茫漠とした世界の中で、探偵が彷徨う。
しかし、意外にこの雰囲気が心地よかったりもする。少々不思議な読み心地である。
登場人物たちはすべて仮名である。
1・2編目は漢数字の入った苗字、3編目はおそらくカルト的人気のドラマシリーズの登場人物(「双子山」が出てくるところからもそうだと思うのだが)の名、4編目は惑星を連想させる苗字、5編目は色名が入った苗字、6編目は植物の名、7編目は番号(これは仮名というより探偵の登録番号だが)が充てられている。
「スウィング・ロウ・スウィート・チャリオット(黒人霊歌)」、「Tomorrow Never Knows(The Beatles)」、「終わらない歌(THE BLUE HEARTS)」など、具体的な曲名が出てくる場合もあるが、そうでなくてもどの小編のバックにも音楽が鳴り響いているようでもある。そしてその音楽は多分、戦う歌である。いや、歌を歌うということが、戦うこと、生きることなのかもしれない。
さて、「帰れない」探偵の「帰るべき」場所はどこなのか。
探偵は果たしてそこに帰りつけるのだろうか。
幕切れは希望に向かって走り去るようでもある。ロックを鳴り響かせながら。
Posted by ブクログ
郷愁なのか、あったはずのものに想いを馳せながら読んでいた。
探偵ものだが、派手に謎解きがあるわけではなく、全体の流れをもう少し集中して読むべきだった。
Posted by ブクログ
手強い小説で読むのにかなりの日数を要した。
面白くないのとは違う独特の小説。
掴もうとすると離れてしまう文章。
結局、最後まで読んだが今は何の感想も出てこないが、いつか読み直すかもしれない。
Posted by ブクログ
出版区の綿矢りささん回で知った小説。
上手くまとめられないけど、これからも大切にしていきたい本だと思った。
主人公は世界探偵委員会連盟という組織に縁のある探偵で、急な坂の街に自身の自宅兼探偵事務所を構えた数日後、その事務所へ続く路地が無くなってしまった。街そのものが生き物のように変化しているのかもしれないが確証はない。彼女(たぶん)は自分の元に舞い込む依頼をこなしつつ部屋を探すが見つからない。彼女の故郷の国は出国した後に体制が変わってしまい、帰ると仕事に支障が出る可能性があり簡単には帰れない。そのうち連盟の指示や先輩からの依頼のために彼女は別の国に行く。
各章の書き出しは統一されている。「今から十年くらいあとの話。」この文は各章の終わりにも登場する。帰れないことも含めて、自身が経験する様々な物事は本当に思ってもみなかったことなのだろう。
故郷へは「帰る」以外を捨てれば帰れるのかもしれない。しかし帰ったとて、自身がいた頃と大きく変化した環境に戸惑う可能性が高く、今の生活に大きな不満はなく、今日も明日も生活して生きていかねばならないので彼女はそうしない。仕事のために国々を転々としながら「帰れない場所」や親しかった人たちについて事あるごとに思い出す。激しい熱量はないが、ずっとずっと想っているその姿はすごくリアルに思えた。登場する国はなんとなくどこをモデルにしてるかが浮かんでくるし、あらゆる情報を集めて別の企業や政府に売ってそうな企業が出てきたり、連盟もどこか信用しきれない雰囲気があるなど、現実世界や社会とリンクする箇所が多々あった。
故郷にも部屋にも帰れず、自信を取り巻く世界には不穏な影もあるが暗くならず、なんなら希望みたいな明るく光るものも感じて不思議なお話だった。
帰れないというのは場所に対してかと思っていたが、知っている景色・空気・人など全てをひっくるめた"帰りたい場所"なのだと思った。時間は流れ、あらゆるものはどうしても変化してしまう。そこに留まっていれば気づかなかったであろう変化は遠く離れるほど大きな差に、なんなら全くの別物のように見えるかもしれない。変化する前のその場所にはどうやったって帰れない。なんてことを読みながら考えていた。
Posted by ブクログ
ちょっとワケわかんなかったけど
ファンタジーなのかな
帰れない探偵さんは、帰れない場所を着々と増やしつつ各地を転々としていて、国も名前もフワっとしてるので、これはきっとあの国かなぁとか似てるなぁとか想像しながら読んでいた
故郷の土地に帰ることもできない状況ってやっぱりなんか定まらないというか、根無し草のような、フワフワした感覚になってしまうのだろう
この先どうなったか希望は見えた感じで終わったからなんだかわからないけどよかったのかな
Posted by ブクログ
タイトルにもある帰れない探偵。上層部の司令に従って住処や仕事場を世界中に転々と移していく探偵は、移り住んだある場所で自分の住居が“消えて”戻れなくなる。道を間違えたのか、本当に消えたのかはわからないが、これは本作に通底している人の記憶や視覚、聴覚の曖昧さを表しているものだと思う。
例えば、ある曲を聞いて、その瞬間に脳が反応して世界観が変わり、世界が変わって見えることがある。曲が終わった後の世界は元に戻ったようにも見えるが、実際の世界は変わっていない。ただし、曲の前後でその人の脳と目を通して見える(聴こえる)世界はたしかに変わっている。
これを一概に良い悪いと言うことは難しく、その都度異なるとは思うが、少なくとも人の記憶や視覚というものは周囲の環境にとても左右されやすいというということだけは言えると思う。
Posted by ブクログ
主人公は探偵ではあるが、殺人事件の謎を解き明かしたり、難事件を苦労しつつ解決に導いたりしない。どちらかと言うと観察者に近い。
物語は激動の10年を語っている。日本のような国が出てきたと思えば明らかにそれとわかる海外の国が出てくる。その中を主人公は飛び回るでもなく、じっと見ている。
探偵は周囲をよく見ながら深く思考の中に潜り込むタイプなのだろう。探偵の思考を読み取っていくのだから中盤以降は展開に起伏がほしかった。
終盤は首を傾げた。色々な事が変わって探偵も変わったのだろうが、突然ポンとこれを出されても、という気持ちになった。柴崎友香だから分かってはいたが、もっと変化を見せて欲しかった。
Posted by ブクログ
帰れない"探偵"の自分"探し"。
自分を消して奔走する探偵が、忘れものを見つける話。
この小説には不思議な「浮遊感」があります。大半の人が感じるはず。短編集のような構成、定住地がないところ、依頼者や同僚の探偵たちと色々な出会いがありながらも次の章では別の国に飛んで縁が切れるところ、主人公ふくめ登場人物の人となりを必要以上に描いていないところ……このあたりに「掴みどころのなさ」「落ち着きのなさ」みたいな浮遊感があるのかもしれません。
ただひとつ気になったのは、全体を通して「固有名詞」が異様に少ないところ。登場人物の本名、訪れる国名、各国の地名等々はみな明かされません。伏せられているだけで名前がわかるところもありますが、とはいえ少ない!「名前が消されている」感覚…。話も淡々と進みます。何だか落ち着きません。
しかしだからこそ、数少ない固有名詞が印象的に輝いています。読み返してみると、あるテーマにもとづいて固有名詞が選ばれているような気もします!
ともかく、探偵のひとつの駒として飛びまわることの不満、故郷に帰れず家族にも友人にも会えない不安、これが最終章でどうなるのか…。読んで(読み返して)確かめてほしいです。別視点で続編があればと願うばかり!
Posted by ブクログ
新しい街で心機一転構えた自分の探偵事務所兼住宅に帰れなくなってしまった探偵の話。
なぜ帰れなくなってしまったのか。
夢落ちという書評を見てしまってしばらく読む気がしなかったのだが、夢落ちではないと思う。
それを言ったら小説は全部夢落ちなのでは。
主人公が行くことになるいろいろな場所がどこなのか推測したり、その土地独特の雰囲気が味わえるのも面白かった。
こういった近未来が訪れそう。
Posted by ブクログ
どことも特定しづらい国を彷徨い、登場人物は仮名だし、実在しなさそうな「世界探偵委員会連盟」まで出てきて、ずっととらえどころのない話を読んでいる感覚でした
でも最後に具体的な固有名詞が出てくると、「今から10年後」という設定が急に効いて、「この10年に何があったんだ?」ってなる
もう1回読んだ方が面白いタイプの小説かも