あらすじ
駅のホームに舞ったのは、血と札束と、桜の花びら。男は微笑み、線路へ消えた。不可解な儀式の真相を、冷酷な氷の刑事が追う! 奇妙な繋がりを見せる、武蔵浦和駅バラバラ殺人事件と三年前の爆破予告事件。一気読み必至のノンストップ・ミステリ!
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Posted by ブクログ
本作が2作目とは思えないほど丁寧で綿密な小説だった。
冒頭のバラバラ死体、スーツケース、火、札束、杖、武蔵野線、自殺。衝撃的な場面描写に一気にこの小説への興味がわき、緊張感ある物語に誘われ読み始めた。
犯罪者東郷の婚約者の誕生日ウエディングドレス、真面目なベンチャー企業の社長、並木理伽に対する結婚詐欺という2つの相反する東郷という人間の心情。
不可思議な事件の捜査で明らかになる様々な伏線の回収に、無理なく引き込まれる快感があった。
犯罪者に対する一方的な断罪ではなく、このような方法でしか自らの怨念を解消でくなかった犯人に同情すらしてしまう。
様々な要素を丁寧に積み重ねて物語を帰結させる作者の次作を、是非読みたいと思ってしまうほど心に残った小説だった。
Posted by ブクログ
理不尽さとはどこまで残酷なんだろう。
人が困っていることに気づいて手を差し伸べるように、理不尽な目にあっている人にも同じように気づくことができる人になりたい。
それができる人になれば、哀しみと理不尽の連鎖を止めることもできるのかもしれない。
Posted by ブクログ
馴染みのある場所が舞台だったので購入、犯人の背景が少しずつ明かされる物語にとてもわくわくした。
彼目線の話は出てこないのに、最初から判明している犯人があまりに魅力的で、彼に会ってみたいと思わされた。
もうすぐ桜の季節
Posted by ブクログ
あらすじに惹かれて読んだけど、終始先が気になってページを捲る手が止まらなかった。
丁寧で緻密に積み上げられていく物語。
いろいろな要素が織り交ぜられていて、これがどう繋がるんだろう?と思いながら読んでいたけれど、最後は見事にまとまって真相にも納得できた。
この物語の舞台に馴染みがないため、知ってたらもっと楽しめたのだろうなと思った。
Posted by ブクログ
あの日電車が止まらなければ
幸せな未来があったはずなのに…
どうして許すことが出来ない
どんなに善い人でも犯罪者になるかもしれない
やり切って微笑んで死んで行った東郷が凄い
いつもの電車や住んでいる街が
舞台なのは楽しめた
今日も電車が動いているとホッとする
Posted by ブクログ
SNSで静かに話題になってるので読んだ。
プロローグ、淡々とバラバラ死体を線路に投げ込み、火をつけ、札束をばら撒き、最後に電車に身を投げる。あまりにも狂った出来事が、あまりにも粛々と進む。
東郷の見せる静かな怒りと、大友の見せる激しい怒りの対比が巧妙。
結局最初から最後まで、回想シーンも含めて東郷はひと言もセリフがなかったんじゃないかと思うけど、にもかかわらず彼の揺れ動く心境が見事に表現されていてすごかった。やっぱり、本当に怖いのは物静かな人なのかもね。
Posted by ブクログ
細かな要素が、丁寧に描かれている作品だった。多分、本当の事件・事故も同じ様に、たくさんの要素が絡み合っている起きているのだと思う。桜葬はそういった謎の糸をひとつずつ丁寧にほぐす様な作品だった。僕は、事件を起こしてしまった人物達に共感してしまった。法律は冷たい面まであるが、ちゃんと裁いてくれることは救いなのかもしれない。色々と考えてしまった。
Posted by ブクログ
プロローグのインパクトが強烈で、すぐに物語に引き込まれた。登場人物と場面転換が多く、少し戸惑ったものの、中盤以降は怒涛の展開で、そのまま一気読み。舞台となるさいたま周辺の駅に詳しくないため、事件現場の位置関係が少しつかみにくいところもあった。読後に著者がXに公開している『桜葬』の路線図を知り、文庫版が出るならぜひ収録してほしいと思った。とても楽しめたので、次の作品も読んでみたい。
Posted by ブクログ
なんだろ。この作品を読み終わった時に、「え。これってどんな風に解釈すればいいんだろ?」って悩んで、最終的に思ったのが「踏みとどまれなかった人達」の話なのかなと思う。主人公の氷室を含めて、事件に関係する人達全員が踏みとどまれなくて、何かしらの過ちを犯している。でもその「過ち」は理不尽なものがあって、踏みとどまれなかった事にも「そりゃあそうなるよね……」って思う部分もあるけど。だからこの話は誰に肩入れするかで見方が変わるとおもうんですよね……。