【感想・ネタバレ】桜葬のレビュー

あらすじ

駅のホームに舞ったのは、血と札束と、桜の花びら。男は微笑み、線路へ消えた。不可解な儀式の真相を、冷酷な氷の刑事が追う! 奇妙な繋がりを見せる、武蔵浦和駅バラバラ殺人事件と三年前の爆破予告事件。一気読み必至のノンストップ・ミステリ!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

悲しみの悲しみによる悲しみのための悲しい事件が描かれたなんとも悲しいお話だった。
このようなミステリー小説を読みながら泣きそうになったのは初めてかもしれない。
私の心にはまだ悲哀の感情が合ったのだと安心したのと同時に、久々にそこを揺さぶられる素晴らしい作品に出会えたことに歓喜しておりますです。

ちろん殺人もろもろの犯罪行為は許されることではないんだけど、それを犯した理由が居た堪れなさ過ぎて、共感とまでは言わないが、さすがに責める気持ちにはなれなかった……。
世の中に蔓延る数多くの理不尽に負けてしまった人たちそれぞれがちょっとしたボタンの掛け違いによって悲劇の連鎖を生んでしまったともいうべき事件で、本当の加害者は一体誰なんだろうという疑問が頭から離れない。
ホントなんでこんなことになっちゃったんだろうな……。誰も悪くない!なんて言えないけど、他人の心情を慮ることを忘れた人類全体が起こした悲劇と言えるかもしれない。
結局お互いが考えていることや抱いた感情を瞬間的に理解し合うことなんて不可能なわけで、それを思えば防げなかったことだったのかもしれないとも思ってしまう。
だからってサトラレのように自分の思いが筒抜けになってしまっても生活に支障が出てくるだろうし、実際どうなるのが正解なのかわからんね。

最後にこの本のテーマにもなっている桜だけど、
本来、桜は日本人の心ともいうべき花で、ポジティブなイメージを持つ人が多いと思うけど、この物語の中では人の心を惑わす妖花のように扱われているのも印象的。
今までそんなふうに桜を見たことがなかったので、
そういった側面を見つける著者さんの着眼点の鋭さにも脱帽です。
呑気に「お花見の花だぁ」とか思ってたバカ丸出しの私がまた一つ知見を深めたところで〆とさせていただきましょう。

最後にわがままを申せば、主人公を同じくした続編も期待しております。

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2026年03月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

SNSで静かに話題になってるので読んだ。

プロローグ、淡々とバラバラ死体を線路に投げ込み、火をつけ、札束をばら撒き、最後に電車に身を投げる。あまりにも狂った出来事が、あまりにも粛々と進む。

東郷の見せる静かな怒りと、大友の見せる激しい怒りの対比が巧妙。

結局最初から最後まで、回想シーンも含めて東郷はひと言もセリフがなかったんじゃないかと思うけど、にもかかわらず彼の揺れ動く心境が見事に表現されていてすごかった。やっぱり、本当に怖いのは物静かな人なのかもね。

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2026年02月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

桜。コロナ禍とコロナ後。東郷。氷室。母親。バラバラ殺人。電車。爆破予告。卒業式中止。宝くじ。
世の中は理不尽。聞き込みからの聞き込み。元に戻って真相が見えてくる。

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2026年04月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

SNSで見かけた煽り文と、装丁の美しさに惹かれて購入。
プロローグはインパクトがあり、どうしてこんな事件が起きたのか気になって、読書欲を掻き立てられた。
が、だんだん名前を覚えづらい登場人物が増え、事件の真相とは無関係な登場人物同士の人間関係が若干ノイズに感じられてしまった。
誰もが人生に何かしらの理不尽を抱えており、その理不尽に対して「正しい」立ち向かい方を見つけられる人間もいれば、そうではない人間もいる。おそらくそういうことを伝えたい物語なのだと思う。
私の評価は☆3だが、好きな人は絶対に好きな一冊に違いないので、自分で読んで確かめてほしい。

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2026年03月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

バラバラ死体を路線に放り投げ、火を放ち、札束をばら撒いた後、駅のホームで投身自殺した男は満ち足りた顔で死んでいた…

動機一本に絞った内容で、あらすじ通りの実に不可解ともいえる犯人の行動が、3年前に起きた爆破予告事件を中心に徐々に明らかになっていく。
渦中の人間たちはいずれも大小様々な理不尽を抱えており、その理不尽を互いに押しつけ合って起こった悲劇だった。氷室だけは理不尽に向き合い、自分なりに答えを出して警察になった。例え利己的な目的であってもいいと思う。だが、この事件のように、この世にはどうしようもない理不尽もある。

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2026年03月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なんだろ。この作品を読み終わった時に、「え。これってどんな風に解釈すればいいんだろ?」って悩んで、最終的に思ったのが「踏みとどまれなかった人達」の話なのかなと思う。主人公の氷室を含めて、事件に関係する人達全員が踏みとどまれなくて、何かしらの過ちを犯している。でもその「過ち」は理不尽なものがあって、踏みとどまれなかった事にも「そりゃあそうなるよね……」って思う部分もあるけど。だからこの話は誰に肩入れするかで見方が変わるとおもうんですよね……。

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2026年02月25日

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