【感想・ネタバレ】九月が永遠に続けばのレビュー

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Posted by ブクログ 2023年05月31日

沼田さん作品は『ユリゴコロ』でハマり、『アミダサマ』、『彼女がその名を知らない鳥たち』に続き、4作目。

相変わらず、じっとり、ねっとり、だが不思議とクセになる描写。ここは好き嫌い分かれると思うが、今のところ副作用なし。

ただ、普通のなんてことないシーンですらそう感じてしまうから、中毒にはなってる...続きを読む模様。

今まで読んだ沼田さん作品を思い返しても、愛情や繋がりがテーマになってるのが多く、そろそろ沼田さんわかってきた感が出てきた。
このワールド、共感者少ないんじゃね?

さて、「相変わらず…」というフレーズで始めたものの、これがデビュー作らしいのです。衝撃だわ。
デビューからすでに出来上がっていたんかね。

こういう描写や内容って、根っこからそういう感性を持ってないと書けないと思うのよ。
まともに受け止めたら病む気がするし、達観してるというか、地に足がついてるというか…。
本なんて書いたことないから知らんけど。

沼田さんでググってみたら、僧侶になったこともあるらしい。
そして56歳で作家デビュー。
そんな経験があってこその作品と考えると、逆に納得した。

本作を表現すると『渇望』って感じかな。希望ではなく渇望の方がしっくりくる。
『彼女がその名を〜〜』の感じも良かったが、本作も違った感じの読後感の悪さがとても良かった。

精神的に余裕がある人はぜひ読んでみてください。

有意義な読書タイムをありがとうございました
この読後感を噛み締めつつ

イヤミスというと湊かなえさんが定番になってきてるけど、俺の中では桐野夏生さんと沼田まほかるさんの方が嫌悪感強いと思う。
多分、強すぎて一般層をターゲットにマーケティングできないのかも…

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Posted by ブクログ 2022年12月29日

亜沙美の美しさと気持ち悪さに惹かれてしまう。
正しさとは違う次元にある生々しさと矛盾に満ちた人間の欲。
ありのままの弱さを見せつけられた時、人は自分が必要とされているという快感に溺れてしまうのか。

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購入済み

素晴らしい

kg
2022年11月13日

一気に最後まで読んでしまった。やるせない気持ちでいっぱいだけど呼ぶのを止められなかった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年01月27日

始まりは何の変哲もない年下男を巡る愛憎劇かと思いきや、息子失踪から始まる、ドミノ倒しを見ているような、とんでもないすごい話だ。
散りばめられた伏線から次々に登場人物怪しく思えるけど、精神疾患扱う話はどうにもこう、後味悪く…。
でも、不思議と悲観的にならないのはひとえに服部のおかげかと。キモウザオヤジ...続きを読むと見せかけて、だんだんチャーミングなキモカワオヤジに見えてくる不思議。
最後、もう一堕ちするかとヒヤヒヤしたけど、悲劇的結末に終わらず、少し光が見えてよかった。

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Posted by ブクログ 2022年01月08日

生まれ持った人を狂わせる美貌…故に自らも不幸な人生を辿り、関わる人間を狂わせていく。彼女の不幸には目を背けたくなりますが、それでも人を惹きつける魅力に神秘的な何かを感じ…事件よりそっちの方が印象的でした。辛く切なくでも好きです。

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購入済み

この作品はまほかるさんの傑作だ

2019年01月24日

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Posted by ブクログ 2024年02月27日

取り返しがつかないほど恐ろしいことが、身の回りで起こってしまったら。
そしてそれが自分の過失によるものではなく、原因も分からないままにただ立ち尽くすことしかできないとしたら。
後悔する理由も見当たらず、眠れない夜に何度も寝返りを打ちながら思うかもしれない。あのときの報いを今、こういう形で受けているの...続きを読むではないだろうかと。

高校生の息子が突然姿を消してしまう。すぐ近くのゴミ捨て場に行った息子は、寒い夜に軽装で、サンダルで、財布も持たずにいなくなってしまった。
文彦の母である佐知子の胸にまず最初に訪れたのは、信じられないという気持ちだ。何がなんだかよく分からない。それから不安。追いかけるように焦りがやってきて、やがて諦めと絶望に飲み込まれてしまう。
文彦は自らの意思でいなくなったのだろうか。でもそれだったら、もっとちがうタイミングでもいいような気がする。誰かに拉致されたのか。誘拐なら犯人からなんらかの接触があるはずだ。怨恨によるものだったら、もしかしたらもう文彦は。。。
佐知子の気持ちが痛いほど伝わってくる。食事のシーンや雨のシーンなどに絡めた表現力が見事だと思った。近所に住んでいる服部という男の存在も、善い人なのかそうでないのか、どっちつかずで引っ張り続けるところも上手いなと思った。

ホラーだとは知らずに読み始め、読み終わった今でもこれはホラーなのだろうかと迷っている。できれば詳しいあらすじなどは読まずに、佐知子の身に起こることを驚きと共に読んだほうがいい。
佐知子の別れた夫の雄一郎、雄一郎が再婚した亜沙実、亜沙実の娘の冬子、それ以外にも様々な人間が徐々に姿を見せ始め、やがて思いもよらない真実に辿り着く。途中、不快になる描写もあったが、わたしはとてもこの本に満足している。

『九月が永遠に続けば』とは、なんて悲しい願いなんだろう。
自分の幸せを望めば、誰かが不幸になってしまう。
ずっとこのままでいたいと思えば、大切な人が壊れてしまう。
だけど救いのあるラスト(それは僅かなのだけど)だとわたしは理解し、それに少しほっとしたのだ。

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Posted by ブクログ 2024年01月11日

デビュー作と知って驚いた。
生々しくてグロテスク、心情表現が細かくて秀逸で、読者の周りにドロドロした感情と情景が絡みつく感じ。
ドグラ・マグラのような息苦しさと中毒性。

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Posted by ブクログ 2023年04月09日

息子の失踪から始まり…とあるが、まぁ、これだけでは警察は動いてくれんか…
しかし、徐々に色々分かってくる。
息子と父親、更にその娘、更に娘の男友達などなど…更に更に、色々絡み合って複雑怪奇〜
まぁ、要はドロドロって感じやな。
そんな、身内ばっかりで、色んな関係あると、もう麻痺してしまいそう…
死に関...続きを読むしては、またまた、どんでん返し的な…
タイトル通り、時が止まって欲しそうな気になる。
もう起こった事は、仕方ないから、前向いて行こう!レベルではないし…
この人ら、これから普通の生活はムリ!
謎は解かれても、しんど〜っ感じ。
先が気になって、一気読んだから、面白いんやろうけど、あと味は…

しかし、こんな中にあって、関西弁のおっちゃんは異色!でも、関西人は何も考えんと軽るっ!と思わせるのは、ちと失礼では?と憤慨しながら、作者の出身地見ると大阪府…この話の中の唯一の清涼飲料水的な役割なの?
確かに、最後、救われてそうな感じやけど、でも、何か、ちょっと、作者の親近感かもしれんけど、何か嫌や。

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Posted by ブクログ 2023年02月10日

ホラー映画を見ているみたいな雰囲気でどんどん話が進んでいく。
服部さんが、この小説で一番人間味があるように感じた。
鬱陶しくもありがたい存在。

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Posted by ブクログ 2022年12月12日

様々な事情が絡まり合って展開される物語が面白かった。

★印象的なフレーズ
「君は顔やスタイルにばかり過敏で、自分のほんとうの醜さにはまったく気付いていないらしいな。ガリガリで、みっともなくて、惨めったらしいのは、君の精神だ。その精神のせいで、君の目はいつも不安そうにおどおどしているんだし、君の頬っ...続きを読むぺたはそんなにカサカサして若々しい艶がないんだ。」

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年12月04日

多感な年頃の息子に年下の恋人との逢瀬を目撃されて、息子が突発的に失踪する
そして手を尽くして探す、というお話かと思いきや。
別れた元夫の新しい妻、その連れ子、担任、
謎めいた登場人物。
そしてお節介が過ぎる同級生の父親。
どうなってどうなるの?と読み進める。
結果、これからどうするの?と言う終わり方...続きを読む
なかなか現実的には起こらないだろうシュチュエーション。
登場人物の全てが何かしらの思いを残しながら
昨日とは違う今日になるなかで、
いちばんピュアだっただろうナズナが
二度と「少女である楽園」に戻れない
という一節が印象に残る

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Posted by ブクログ 2021年12月27日

心地よい時間は長続きしないが人生。1人組の夫婦の離婚(原因は長男の不祥事から事故死)から周りの人・家族への愛と嫉妬が複雑に絡み合うミステリー小説だ。離婚で孤独感を味合うことは逆に誰かに恋して愛することで克服したいと思っているのか。人を思うことは決して悪くはないが家族が絡む人をその対象にするのは道徳違...続きを読む反になる。孤独は決して悪いことではない、ただその楽しみを一人では見つけれないのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2021年10月22日

最後まで、展開が気になるストーリーで一気読みしました。ラストのストーリーから、今後のそれぞれの生き方も気になるところです。
ただあれだけ盛り上げて、最後はトトンと終わってしまった感じに物足りなさが残りました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年10月06日

読んでいて自然と鳥肌が立つ、どこか不気味で背筋がゾワゾワする作品でした。

本作のざっとしたあらすじは、主人公(佐和子)の息子(文彦)が突然いなくなってしまい、息子を探すために奮闘するというものです。

息子を探すために色々な人達と話し、様々な事実や出来事を知っていくのですが、知れば知るほど物語のグ...続きを読むロテスクさや生々しさがハッキリしてきて、「これ以上読みたいくない」という気持ちと「読んで物語の真実を知りたい」という少し矛盾した2つの気持ちが大きくなります。そしてそう思ったときには物語の罠にハマっていて、読む手が止められなくなっています。
「なんとなくジグソーパズルを作っていたら想像以上に気持ち悪い絵で途中でやめたくなるけど、結局完成するまでやめられない」といった感じです。

また、本作は登場人物全員がものすごく濃厚に繊細に生々しく描かれています。
物語を読み進めていく上で、登場人物の最初の印象と読後の印象が全く違うものになっており、自然と起こるその変化も楽しむことが出来ました。

あまりに完成度が高い作品だったので、本作が沼田まほかるさんのデビュー作と聞いて、とても驚きました。

イヤミスが好きな方や、どこか暗い話が読みたい方に是非ともおすすめしたい作品です。

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Posted by ブクログ 2021年07月15日

4・5

最後まで予想がつかない展開
イッキ読み!

ま、
あまり気持ちのいい
ストーリーではないけどね。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年10月18日

人が人を狂わせる。
「狂う」って単純な言葉じゃない。
まるで目の前に見えてた道からは想像できない方向へ蹴飛ばされるように人生が転がっていってしまう。
二度ものレイプで精神が崩壊しきった亜沙実、
主治医としても夫としても支えようとした雄一郎、
亜沙実の魅力に抗えなかった文彦、
父母に裏切られ、兄に恋を...続きを読むしてしまった冬子、
その誰もが共感を求めず激しく振れた状態だけど、それを想像しえたのが凄い。

以前は渦の中にいたはずなのに亜沙実の出現で蚊帳の外に置かれた佐知子。唯一の均衡を保ってくれていた文彦をも奪われたとなると、母としてだけではなく人間としても足場がぐらつくよ。そりゃ。

平穏な日常は取り繕わなければ成り立たないのかもしれない。
闇は抱えるのではなく、気づいたらその中にいる。
建前、衝動、境遇。
運命には抗えようもないことは分かっているけど。
苦しさも切なさも抗えないのだと。

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Posted by ブクログ 2024年01月21日

サスペンスホラーと言うことで、怖いのが苦手な私はちょっと構えて読んでたんですが、幽霊系ではなくてほっとしました(笑)面白かったです。まぁ、ちょっと異常な登場人物が多いだけに読んでて気持ちのいい内容ではなかったし、もう1度読もうって気にはならないけど。ページを捲る手が止まらなかったのは久しぶり。息子の...続きを読む失踪に愛人の死…。緊張感漂う世界の中で、時々出てくる服部のおじさんが私の中で唯一の救いでした。なので終わり方がすごく好きです。

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Posted by ブクログ 2023年09月20日

まさかこの本、不倫のお話?と思いきや、息子が行方不明になるわ元夫の奥さんの過去の話しとその娘の現状、その彼氏といろいろなことが次から次へと気になることばかりが出てきて一気に読めた作品でした。
途中嫌な描写もあったので気持ち悪いのと怖いのもありました。
最後が少し分からない感じで終わったので私的にうぅ...続きを読む〜んって感じでした(^_^;)

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Posted by ブクログ 2023年07月31日

ドロドロした内容で
描写がリアルでグロくて読むのに時間がかかった

事件の真相、ことの成り行きを知ってしまった登場人物全員に
昔のような日常は戻らない
これからそれぞれはどうやって生きていくんやろう

イヤミスやった

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Posted by ブクログ 2023年02月23日

沼田まほかるさんのデビュー作!?
いやー、まほかるってますねー笑
鬱々とした内容なので、読むのに時間がかかったよ。

主人公の佐知子は、高校生の息子(文彦)がいる。
その息子が夜のごみ捨てに出掛けてから、
そのままいなくなってしまう。
サンダルで、財布も携帯もないのにいなくなる。

それと同時に、自...続きを読む動車教習で出会った犀田(さいだ)。
この犀田と佐知子は恋人?関係だったけど、
その犀田が電車にひかれて、死んでしまう。
事故なのか、自殺なのか、殺人なのか…。

息子が犀田の事件に関わっているのではないか?
と疑いつつ、息子の無事を祈りながら、
息子をを探すためにいろいろな人に声をかけていく。
離婚した元旦那で精神科医の雄一郎。
雄一郎の後妻である、病んでる亜沙実。
亜沙実の娘である高校生の冬子。
犀田とルームシェアしてた音山。
いろいろな人が出てきて、それぞれに話を聞く。

高校生とはいえ、五日もいなくなったら、
母ちゃんは心配しちゃうよねー。
なんか、早く文彦くん見つかってー!!と思いながら
鬱々とした話を読んだよー。
まぁー、スッキリする話ではないねー笑

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Posted by ブクログ 2023年02月06日

高校生の一人息子文彦が、ゴミ捨て場にゴミを捨てに行ってそのまま失踪した。
特に変わったところはなかったのになぜ?
それから佐知子の周りに次々不幸が起こる。
恋人の犀田の事故死、別れた夫雄一郎の娘、冬子の自殺…
文彦の失踪にそれらも関係していた
その背後には、雄一郎の再婚相手、亜沙実の過去が…
…とに...続きを読むかく暗いし、複雑。

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こんな文章を書く人の正体は?

2022年12月23日

こんなストーリーを文章にする人物は、どんな人間かなと・・・興味を持ちました。
結論的に、沼田まほかるさんの煩悩が、「九月が永遠に続けば」のストーリーでの、【カンザキ ナオミ】自身と理解するば・・・
すべてが認識出来ました。

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Posted by ブクログ 2022年12月16日

面白くどんどん読み進められるんだけど、何しろ人間関係が入り組んでいて、レイプの後遺症が激しすぎて、読み終わった後、何も残ってない、という感じだった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年11月07日

なんだろ、、期待値が大きすぎたか、、、
描写がうますぎてどんどん引き込まれていった。読んだ時から時間が経ったからちょっと忘れちゃった。

あ、思い出した。息子が妹の母親(ややこしいけど見れば意味がわかる)が好きとかなんか気持ち悪いなと思って最後はドン引きしながら読んでた。なんか冬子可哀想。精神病院で...続きを読むの狂気の描写が凄すぎてこれを読めただけでも読んだ甲斐はあった気がする。

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Posted by ブクログ 2021年07月25日

 夫の雄一郎と別れ、今は高校生の一人息子・文彦と2人暮らしの佐知子。教習所の教官だった年下の犀田(さいだ)と関係を重ねるようになったのは、雄一郎から再婚した亜沙実の娘・冬子が付き合っている相手だと知ってからだった。ある日も犀田と会った後、佐知子は少し離れたところに息子らしき人物を目撃する。見られたの...続きを読むか確信が得られなかったが、それを文彦に聞くこともないまま、文彦はゴミを捨てに行ったまま姿を消してしまう。そして翌日、佐知子は犀田がホームから転落して電車に轢かれて即死したという新聞記事を見つける。

 恋やら性やら、思春期(には遅いか?)独特の悩みというのはもちろんあるんだろうけど、文彦の失踪理由やその後の展開はちょっと無理があるかなぁと。昔からなぜか男を惹きつける体質で、そのせいで酷い目にもたくさん遭ってきたという亜沙実がそうさせた、ということなんだろうけど。いまいち現実味が無くて、心情が理解しきれず。

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Posted by ブクログ 2021年05月06日

徐々に明かされる絡み合ってもつれあった関係
さきのわからないミステリー部分がつよくて先が気になった。
気持ち悪さも最後にどっと来る。

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Posted by ブクログ 2021年02月05日

男を狂わせる女に翻弄される母と息子と、複雑な人間関係から生じる愛憎劇。
正気を失うほど男に痛め付けられておきながら、それでも男に媚びずにはいられない亜沙美の思考と感情がまるで理解出来ないが、それがこの作品の肝である。

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Posted by ブクログ 2021年01月08日

庇護欲と破壊衝動を与える女の話

文章力がすごい。
彼女の内面は本当に最低限しか描かれないせいで自分も彼女の事を知りたくなってしまう。
魔性の女というものを1冊の本で表現した怪作。

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Posted by ブクログ 2020年10月04日

文章力はある。
気分悪くなりつつも引き込まれていく。

でも、唐突にラストを迎え中途半端で終わった感がある。

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Posted by ブクログ 2020年05月13日

高校生の一人息子の、突然の失踪。
付き合っていた年下の彼の突然の事故死。
元夫の現在の妻の忌まわしい過去。
 
佐和子の周囲が、これでもか!というくらい
複雑に絡み合い、怒濤の数日間が進んでいきます。

読後感は噂通りでした。
話自体は途中から面白くなってくるんだけど、
そもそもが非...続きを読む現実的すぎて…。
あまりにも共感する部分が少なくて、
違和感を感じスッキリしませんでした。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年05月01日

沼田まほかるさんの圧倒的な筆致で表現される精神崩壊した痛々しさ。ここまで生理的に拒絶させるまで想像喚起するこの表現力は、本当に敬服いたしまする。不快感には違いないんだけど。

ここで終わることなく、日常と非日常の目を逸らしていた境界線があるきっかけで崩壊していく。この物語の最後には、冒頭と同じような...続きを読む生活が戻ってきているけどもう心ではその平穏を表面的に享受できないほど、脆くボロボロになっている。そこまで大きな事件は起こらないにもかかわらず、ハラハラが止まらない物語性を持続されてる、読みに飽きがこないのは素晴らしい。

ちょっと気になったこと。越智先生の暗い過去を匂わす話があるところで、これは文彦となんらかの関係があるなと予想したんだけど、結局いい人のまんまで終わっちゃった。これってなんかすっきりしない読後感。後は個人的な印象だけど、服部のあけすけな態度はどこかで豹変して悪に変貌して欲しいなとちょっと期待していたけど、最終的に単純に善良な人で書き切られているのでちょっと物足りない。どこか救いが残されるのが、沼田作品の魅力の一つなのだろう。ふふ。

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Posted by ブクログ 2020年02月16日


全員歪んでるなっていう印象。
じとーっとしたイヤな感じがずっと。

語りみたいなのが多くってちょっと疲れた。

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