あらすじ
日本SF大賞ノミネートの奇想小説集
真実の愛を証明できる物体『回樹』をめぐるありふれた愛の顛末ほか、誰も思いつけないアイデアと、誰でも思いあたる感情の全6篇
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
斜線堂有紀さん初めましてでした。
どの作品もすごく良かったです。
回樹
判断基準のわからない他者に愛を測られてたまるかと思いました。他人からどう思われようと、関係が悪かろうと主人公の行いは愛そのものだと思います。
骨刻
骨にタトゥーを入れるという設定こそSFですが、その技術が一部のマニアから一般的になり、宗教団体に利用され、廃れていくという一連の流れが素晴らしかったです。本当にありそうだと思いました。
BTTF葬送
映画が大好きなのでこんな世界絶対に耐えられないと思いました。主軸がネバーエンディングストーリーとBTTFというのも熱いです。
不滅
例えば土葬で自然に還ること、火葬で灰になり好きだった場所に撒かれることと、宇宙港の土台になることに違いはあるのだろうかと考えてしまいました。倫理的にということを置いておけばそんなに変わらないような気がします。それにその後の人類に役に立つなら倫理的に悪いのか?とも思います。宇宙へ飛ばすと偽って遺体を集めたことは問題ですが…。また、自分はいいけど自分の大切な人が埋められるのはいい気がしないというのは納得出来ます。ただ、そこに行けば会えるのなら宇宙に放たれるよりはいいかもとも思います。
奈辺
「罪人たち」のような世界観がたまらなかったです。白人による黒人迫害の時代に緑色の宇宙人が現れるという。リアルな世界観に異質なものが1つだけあるというのがたまらなく好きでした。常々分かり合えないのは分かり合おうとしてないからだと思っています。どうしようもなく悪い人はいますがどうしようもなく悪い人種・民族はいないと思うので。
回祭
回樹のその後。試し行動でしか愛を表現できない亜麻音と、最初はお金のためでしたが次第に亜麻音のために離れない決意をした蓮華。愛がないようで固く結ばれている二人とその結末が、回樹の裏返しのようで面白かったです。回樹も回祭も愛だと思うので、やはり得体のしれない青い物体に愛を測られたくないなと思いました。
Posted by ブクログ
6篇のSF短編集。
色々考えされるお話ばかりだった。斜線堂先生のSFは初めて読んだけどとても面白かったです。天才。
『回樹』『回祭』では、何を持って真実の愛とするのか、が描かれていて人間の関係・感情って複雑だなぁと思った。『回祭』の終わり方が切なすぎる。
人間の死体が腐らなくなりやり場に困り始める世界のお話『不滅』も、大切な人の遺体をどう扱うかは人によって違うし倫理を取るか未来を取るかで考え方は分かれるし難しい問題ではある。自分が当事者だったらどういう気持ちになるだろうと考えさせられた。
白人と黒人と宇宙人の人種差別を超えた友情が育まれていく『奈辺』はハートフル?で好きだった。
Posted by ブクログ
6つの短編集
最初と最後は表題作とその続編
表題作の『回樹』
PSYCHO-PASSの
シヴィラシステムを思い出した
あちらは数値化されたもので
設定も話も全く違うけど、
何を持って判断されるのか
心や気持ちとは何かを突きつけられた
BTTFって何だと思ったら、
あの名作映画の略でしたか〜笑
『奈辺』、こういう話も書けるんだ〜と
守備範囲の広さにびっくり
今回もどれも良かった!
『本の背骨が最期に残る』もだけど、
物語の完成度が高いなぁ
短編しかまだ読んだことないけど、
長編も読んでみたいなぁ
『恋に至る病』とか気になる
Posted by ブクログ
面白かった!!!
最初の短編読み終わった時の感想と
最後の短編まで読み終わった後だと感想が、想像していた結末の印象が変わったのが良かった
好きとか愛とかってなんだろうね?
祈りのような、願望のような
妄想かもしれない
この人の他の本も読んでみたくなった!
Posted by ブクログ
評判が良かったので気になっていた短篇集。どれも好きだった。
『奈辺』は一番心が温まった。「肌の色に囚われない」に宇宙人(グリーンマン)まで加わるとは。最初はそれぞれが馴染めず不協和音を奏でているようだったのが、徐々に打ち解けて仲間になっていくのは定番な流れだが良いものである。酒場の主人ヒューソンや娼婦のマギーやステイシーの軽快なやり取りが明るくて好き。
『回樹』と『回祭』では愛の形について考え込んでしまった。
他者との関係性はそれぞれが唯一無二だと思う。大切な人なら尚更。自分にとって大切な人にも「この人は自分が苦しんだり悲しんでいる姿を見せたくない」相手もいれば、「自分が苦しい時にこの人に隣にいてほしい」という相手もいて、どちらに対しての感情も大まかに愛というカテゴリに括られるだろうけど、これは大雑把すぎるカテゴライズではある。その関係性が相手が望む形でない場合それが愛情である証明って言葉を尽くさないと難しくないだろうか。でも言葉にするのって難しいし恥ずかしいし、日常にそんな場面ってなかなか無いな。
Posted by ブクログ
どの短編も設定がすごくてすごい。何食べたらこんな設定思いつくんだろ。設定は突飛なのに登場人物たちの感性は身近で、SF初心者でも読めちゃう距離感なのもすごいな。
とは言えSFって設定の面白さがメインで、読んでてうおおお!ってなることがないなぁと思ってました。『回樹』と『回祭』を読むまでは。
あとがきに
心の証明、感情の証明については個人的にずっと考えているテーマであり、どこまでなら惰性ではないのか、どこからが真の愛情なのか、はこの世の全ての関係性に纏わりつく命題だと思っております。
という一文がありました。すごい。すごいことをお考えになられている。
SF的設定で自分の愛情が証明される展開、すごく好きでした。自分でも自分の心なんて分からないし、これが惰性なのか真の愛情なのか執着なのか憎しみなのか別の感情なのかなんて証明できない。回樹を通して自分でも分からない自分の感情を見る主人公の様子に感情を揺さぶられました。回樹に取り込まれた死者側は口なしで、残された側の感情だけが浮き彫りにされるのが一方的すぎてちょっと怖くて、それも含めて好きでした。
Posted by ブクログ
いや~~~~~~~~よかった……!
SF苦手だから読み切れるか心配してたけど、斜線堂有紀節が効いていてかなりツボだった。
よくぞまあこんなアイデアが次々と思い浮かぶわ~と感心しながら読んだ。
「骨刻」なんて今後はやりそうだとも思ったし。
愛と憎しみは紙一重であることがよーくわかる作品ばかりで、惜しみなくちらばったキラーフレーズにやられた。
ぜんぶ好きだったけど、特に好きなのは「不滅」と「奈辺」!
「不滅」はねーよかった。燃えない腐らない死体をどう処理するかって議題だけど、まーおもろいわ。読みながらわたしだったらどう思うかって考えてた。
「奈辺」はこんな作風もかけたのかという驚き。洋画みたいでおもしろかった。
斜線堂有紀のあとがきもよかった。自分の作品をおもしろいと自信満々に言い切る人、大好き!
Posted by ブクログ
死生観が変わりそうな不思議な話。
回樹は死体を飲み込んでくれるけど、永遠に死体が残る不滅は想像するだけで恐怖。個人的にツボなのは奈辺。手塚治虫の哲学が詰まったような話。