あらすじ
「死にたい。死んでるけど」
ユーモラスで優しい世界にたゆたう人々。
・給水塔と亀/定年退職し帰郷した男の静謐な日々を描く川端康成文学賞受賞作。
・地獄/「物語消費しすぎ地獄」に落ちた女性小説家を待ち受ける試練。
・浮遊霊ブラジル/初の海外旅行を前に急逝した私は幽霊となり旅人たちに憑いて念願の地を目指す。
(上記ほか4篇収録)
本書で第27回紫式部文学賞を受賞。
自由で豊かな小説世界を堪能できる珠玉の短篇集。
解説・戌井昭人
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
昔読んで好きだった本の再読週間、1冊目。私は穏やかでマイペースで自分の人生を受け入れている人たちの話が好きなのだなと、ふと得た気づき。(川上弘美さんやばななさんの作品が好きなのも、まさにそういう理由からなのかもしれない。)
Posted by ブクログ
おもしろい短編の詰め合わせ、どれを選んでもハズレなし!
おじさん臭が伝わるような(そんなに、悪い意味じゃなく)おじさんが主人公の話。
うわー、女の怖さ炸裂、という話。辛辣な部分もイヤな後残りなくサラッと。
『世にも奇妙な物語』的な不思議感、満載の話。
鋭い人間観察力でもって、独特の世界を作り上げられる津村記久子さん。どんな方なんだろう。お会いしてみたくなりました。
Posted by ブクログ
どのお話もクスッと笑えておもしろい
後半の話しになればなるほど
ワクワクしてきた
「地獄」なんかは
こんな地獄なら楽しいかもとさえ思える
私もたぶん
「物語消費しすぎ地獄」に落ちるだろうから
それはそれで楽しみすぎる
だって話しの主人公になれるんですから!
こんな素敵なことはない!
あっ、でも楽しみにしていたらいけなそうなので
黙っておく!
内緒!
Posted by ブクログ
津村さんの本2冊目!
おもしろかった〜。ほんわかめな短編集だから通勤やちょっとした時間に読むのに馴染む。
じんわりした面白さ。
変な状況を普通に楽しむ登場人物たち。
じわじわ面白いんだけど、ハッとする文章がちょくちょくある。『運命』が一番すき。
こんなに悲しいんだから死ぬだろ普通、みたいな文に共感しまくっちゃった。
どんなに気弱だったりしても、全員、受精のときに何億もの競争相手に勝った個体なんだよなぁ。十分すごいよなぁ、などと。
もっと読みたい〜
Posted by ブクログ
これこれ!
私が津村さんに期待する小説はまさにこの本、という感じの短編集だった。
地獄の奇想天外なおもしろさ。
中年のなかよし女性二人が事故に遭い、同時に死ぬ。
小説家だった私は物語地獄に、親友のかよちゃんはおしゃべり地獄に。
地獄では担当の鬼が一人に一人つき、それぞれの業に応じた「地獄タスク」をこなさなければならない。
鬼の方にも配属される地獄に「栄転」「左遷」があり、家庭生活では配偶者の不倫にも悩まされる。
奇想天外なのだか、意外と所帯じみているのかなんだかわからない可笑しさ。
「運命」は構成のたくみさに驚く。
主人公の「運命」とは、最悪の状況なのに、それにまったく気づかない赤の他人に道を聞かれてしまう、というもの。
人生の中の驚くほど多様な場面なのに、いつもいつも、そういうめぐり合わせになってしまう。
それぞれの場面は、いったいそれはどんな状況なのだ、と思わず突っ込みを入れたくなるようなもの。
さすが作家というのか、すさまじい想像力。
表題作「浮遊霊ブラジル」も面白い。
妻に先立たれた高齢男性、三田が主人公なのだが、初めての海外旅行を町内会でしようと話し合う。
アラン島に行くことになったところで、しかし彼は頓死するのだが、その思いが残り、浮遊霊となってしまう。
三田は浮遊霊として、なんとかアラン島に渡ろうと画策する。
人間ならぬ力を身につけたはずなのに、ちっとも思い通りにはいかなず、小市民的な振る舞いになっているのに何とも言えない可笑しさがある。
「給水塔と亀」は、気持ちがしんどくなったとき、読み返したい作品。
Posted by ブクログ
111108さんに教えていただいて早速読む。
全編に渡ってとぼけたユーモアが漂っているけれど、ふいに人生の真理をつくような一文があったりするのが癖になる。どうやってこんないい意味で変な小説思いつくんだろう!
特に『地獄』『浮遊霊ブラジル 』が好きだけど、『運命』のラストの「何もかもが、簡単にいくわけはないだろう。それでも幸多からんことを。」という文章も、不甲斐ない人生を勇気づけてくれるようで心に残った。
津村さんのこのヘンテコな世界観の物語、もっといろいろ読んでみたい。
Posted by ブクログ
面白かった〜!
現実じゃありえないことでも、何か妙なリアリティ?があって好き。
【地獄】が面白すぎる笑
読んでる分には笑っちゃうような世界なのに、ちゃんと"地獄の苦しみ"が存在してて良い笑
タイトルにもなってる【浮遊霊ブラジル】
こちらも好き。女湯へのこだわりが好き笑
終わり方もちょっと儚くて好き。
私は死んだら誰に憑依して何処を目指そうかなあ…笑
何処ってよりも、自分じゃ出来なかった体験とかもいいかも?
いやはや面白かった…!!
ブクトモ様におすすめしてもらった、独特な世界観の1冊!
最高でした\( ´ω` )/
ありがとうございました(*´ω`*)♪
Posted by ブクログ
不思議な読後感の短編集
うどん屋のジェンダー、またはコルネさん
アイトール・ベラスコの新しい妻
個性
浮遊霊ブラジル
が好きでした。
運命はちょっとよくわからなかったので再読します。
Posted by ブクログ
定年退職したおじさん、地獄界の人、人に憑いて旅する霊、会うたびに激変する友人など…7短篇。どこかへんてこで、ユーモラスであたたかい気持ちになりました。いろんな人がいるなぁ。人間って面白いなぁ。他作品も読んでみたい作家さん。
Posted by ブクログ
タイトルで面白そうと思い購入。津村さんの本はエッセイは読んだ事あるけど小説は初。
7編入った短編集。世界観とか雰囲気が独特。癖が強いわけではなく、淡々としている感じ。この雰囲気が好きかどうかで好みが分かれそう。私は結構好み。楽しめました。
特に好きだったのは、「アイトール・ベラスコの新しい妻」「地獄」かな。アイトールは読んでいて気持ちがザワザワしました。タイトルの段階では内容がこう転がるとは予想できなかった。終わり方が好き。
地獄の方は世界観が斬新。この地獄嫌だわ〜。物語消費しすぎ地獄最悪。本の最後数ページ破かれてるの最悪。
Posted by ブクログ
津村記久子さんの描く世界が好きだなと思った。
主人公は定年退職したおじさんだったり、疲れたOLだったり、なんと幽霊だったりする。
おじさんの悲哀ではなく、しみじみとした情感を描くところだったり、普通のOLが人気店の店主にキレる爽快さがあったり、幽霊が人に乗り移ってブラジルまで行くけれど、最後は無事に成仏する安堵さがあったり、愉快な展開をする世界がおもしろかった。
Posted by ブクログ
津村さんの発想はいつも面白い。
本作は人が生まれる前〜生きている間〜死後に渡るまでの、あらゆる世界を描いた短編集。
今の私のお気に入りは「運命」。主人公はいつ何時でも場所を訊かれる人。「〇〇ってどこですか?」と、受験の日も、初めて訪れた場所でも、海外でも、あんな時やこんな場所でも…思わず、えぇー!!と驚いてクスッと笑わずにはいられない。
本作には、変わった人も性格が悪い人も愛おしい人も出てくるが、皆がそのまま並列に扱われていることが心地よかった。酷い人だから特別貶めることも、良い人だから特別幸運に恵まれることもない。
これまで読んだ津村作品もそうだった気がする。
わりかし薄い本に七篇が詰め込まれ、それぞれの登場人物も多い。いろんな国籍のいろんな人や人ではないものたちが、出てきては通り過ぎていく。
にも関わらず、読み手がさほど混乱せずに物語にスッと入り込めるのは津村さんのさすがの手腕。
ストーリーを忘れた頃にまた読み返すため、手元に置いておきたい一冊。
お気に入りの言葉✍
・だいたいの人は、根はいい人だ。だからそれは、誰かを見限らない決定的な理由としては明らかに弱いのだが、どうしてもその一言で棚上げにしてしまう。
Posted by ブクログ
じわじわ面白い短編集。
ニヤッと笑える話があったり、居心地の悪い気分になったり、色んな気持ちが味わえて、背表紙の薄さの割にお得感(?)があった。
「地獄」が特に好き。この話だけでも読んで欲しい。面白いから!!
Posted by ブクログ
タイトルの『浮遊霊ブラジル』?何だこれ?
これはいったいどんな物語何だろう?と興味を惹かれ手に取った。
表紙の絵がタイトルに負けず劣らずでうどんの海に夜空の月のかわりにすだち?
その下には地獄の鬼が女性の足を引っ張っている。タイトルの字のまわりも最初餃子?と思ったけど耳っぽい。
「流行る芝居は外題から」という【ことわざ】もあるように読む前からバロメーターがぐんぐん上がっていく。
肝心の中身はというと、また風変わりな短編が7編。
最初はおとなしい感じの話だけど徐々にボルテージが上がり最期は天にも昇ってしまうかんじだ。
死後の世界を面白おかしく扱っていたりとうどん屋から外国、地獄へと自由で多彩な内容。
『給水塔と亀』
定年を迎え帰郷した男の新生活を淡々と描く。
特に何が起きるということもない新生活の始まり。最後のベランダでビールを飲みながら外を眺めるシーン、寂しさやくたびれた感はなく、むしろ新生活への期待や明るさを感じさせられる話。ビール、ビールとビールのことしか考えられなくなってしまう描写、津村さんは本当におっさんの気持ちが良く分かる。
「亀」の意味は亀のように残りの人生ゆっくり
歩もう? それとも残された者同士仲良くしよう?
『地獄』
これまでの常識を覆した地獄。
こんな地獄なら行ってもいいかも、これって地獄なの?なんて思わせる面白い地獄。
鬼がやけに人間臭かったり、地獄のネーミングにも思わず笑ってしまう。
最後のはあれ恩返しなの?
あれはあれで、やっぱり地獄だよね。
『運命』
「やたらと○○を訊かれやすい」という運命の女性の話。
何故彼女がそんな運命を追ってしまったのか、その原因となった話がまた面白い。
でもこの運命はちょっと嫌だな。
『浮遊霊ブラジル』
私は一番この話に興味を惹かれた。
初の海外旅行を目前に病死してしまった老人の話。
いろいろな人に取り憑きながらアイルランドへ向かうのだけど何故か他の国へ行ったりと、ふわふわしながら自分も浮遊霊になったような気にさせられる。
人に取り憑く呪文や取り憑く(吸い込まれる)描写を想像すると思わず笑ってしまう。(異世界ものみたい)
生まれて初めての海外旅行行きたかったんだろうなぁ、そして女湯も!
めまぐるしく変わる世界観、既知の想像を超える世界、どこへ連れていかれるか分からない、【津村ワールド】体験する価値ありです。
Posted by ブクログ
全7編の短編集で、表題作の「浮遊霊ブラジル」も印象的だったが、一番好きだったのは「個性」だ。一番津村さんの作品らしさというものを感じた。
イニエスタのTシャツを着てきて、イニエスタより耳なし芳一的な感じが好き、と言えてしまう秋吉君のズレたところがいい。その秋吉君と、彼に気づいてほしいと奇抜な服装をして奮闘する板東さんのえも言われぬ関係性が、微笑ましく、またささやかながら愛しさすら感じてしまう。
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すごくあたたかな気持ちになります。こんな浮遊霊になってゆらゆらと好きだった人を探すなら、いいかなって思います。わたしは好きだな、こういうあたたかいお話。
Posted by ブクログ
ちょっと不器用とか、ちょっと人生うまく立ち回れないとか、そういう人の生活を描くのが抜群だなあ。
と津村記久子さんを読んだあとはいつも思い、まるっと自分も許された感が広がる。
「うどん屋のジェンダー、またはコルネさん」
「地獄」
「個性」
が特に好き。
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様々な人生のドラマを描いた7つの短編集。
特に『地獄』が好みで何度も笑ってしまった。「物語消費しすぎ地獄」だなんて、物語を食い散らかす人生もいいじゃないと思えてしまった。
でも地獄のタスクを見ていると、それぞれに合わせた地獄が待ち受けているので精神力を削ってくるのが分かる。重要なページを破られた小説を読まされるだとか、鬼に恋愛相談をされるくだりは本当に面白くて。業が深い。
表題作の『浮遊霊ブラジル』は良い話だった。
自らの執着を捨てて自らの成仏を目指すという幽霊目線の話だが、成仏するために必死で人に取り憑いて乗り移ろうとする姿が滑稽で悲しくて。死んでからこんな苦労をしていたら。一発で成仏したいよと思ってしまう。
Posted by ブクログ
やっぱりおもしろい。
大したことは起こらないし、オチもとくにない。でも、おもしろい。著者の人間観察の目の付け所がわたしにはとてもおもしろいし、それを文章で読むのがまたおもしろい。
「地獄」を電車内で読んでしまい、おもしろくて声出そうになった。かよちゃんのしゃべりがたまらん。
Posted by ブクログ
表題作の『浮遊霊ブラジル』の他、『給水塔と亀』『運命』『地獄』『個性』などを収録した短編集。
この中で私の一推しは何と言っても『地獄』です。
この短編集全体で言うと、すごく好きなのとそうでもないのがあったので星4評価ですが、『地獄』は満星!面白くてずっと笑いながら読みました。
生前、ドラマや映画、ドキュメンタリーやスポーツなど、虚実の物語を消費しすぎた罪で物語消費しすぎ地獄に堕ちた主人公。同じバス事故で死んで喋り過ぎ地獄に堕ちた友人と、担当の鬼についてLINEでやりとりしたり、どこか暢気な地獄での暮らし。
隣の席の喋り好きの女同士の会話を、ずっと聞いているかのような面白さ。
コロナでなかなか人と会ってお喋りできない昨今、一服の清涼剤となりました。
Posted by ブクログ
どの作品も独特の視点や表現で面白いうえに気づかされることが多かった。
そのなかでも表題作の「浮遊霊ブラジル」の幽霊の在り方が秀逸。怖いや割と万能に描かれがちな幽霊にあんなふうな特性をもたれるなんて今までみたことがなく、ラストも清々しくてよい。
Posted by ブクログ
おもしろかったです。最初の3作が好きか、後半の4作が好きかで分かれそう。自分は前者で、「給水塔と亀」「アイトール・ベラスコの新しい妻」が津村さんらしくて好きです。
Posted by ブクログ
「私の落ちた地獄は、物語消費しすぎ地獄ということになると思う。飽食の罪というのがあるけれども、私は、飽・物語の罪で地獄にいるようだ。」
一緒に交通事故で死んでしまった友達と地獄でこなすノルマについて愚痴を言い合う、何歳でもどこにいてもなぜか道を尋ねられる、死ぬ直前に決まっていた海外旅行に未練がのこって幽霊になってしまう、などなど。ヘンテコでユーモラスな短篇集。力の抜け具合がとてもいいです
Posted by ブクログ
表題作がダントツで面白い。荒唐無稽な設定のラブストーリー。マテウス君も恋が叶うといいし、主人公にちょこっとアラン諸島観光させてあげたかった
Posted by ブクログ
表題作を含む7つの短編が収録。今までの津村作品とは異なる独特な作品集だと思います。それぞれの短編に対する評価は、分かれるように思いますが、個人的には、「給水塔と亀」がしっくりと読め、今までの津村作品を継承しているように感じました。