あらすじ
「死にたい。死んでるけど」
ユーモラスで優しい世界にたゆたう人々。
・給水塔と亀/定年退職し帰郷した男の静謐な日々を描く川端康成文学賞受賞作。
・地獄/「物語消費しすぎ地獄」に落ちた女性小説家を待ち受ける試練。
・浮遊霊ブラジル/初の海外旅行を前に急逝した私は幽霊となり旅人たちに憑いて念願の地を目指す。
(上記ほか4篇収録)
本書で第27回紫式部文学賞を受賞。
自由で豊かな小説世界を堪能できる珠玉の短篇集。
解説・戌井昭人
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Posted by ブクログ
昔読んで好きだった本の再読週間、1冊目。私は穏やかでマイペースで自分の人生を受け入れている人たちの話が好きなのだなと、ふと得た気づき。(川上弘美さんやばななさんの作品が好きなのも、まさにそういう理由からなのかもしれない。)
Posted by ブクログ
様々な人生のドラマを描いた7つの短編集。
特に『地獄』が好みで何度も笑ってしまった。「物語消費しすぎ地獄」だなんて、物語を食い散らかす人生もいいじゃないと思えてしまった。
でも地獄のタスクを見ていると、それぞれに合わせた地獄が待ち受けているので精神力を削ってくるのが分かる。重要なページを破られた小説を読まされるだとか、鬼に恋愛相談をされるくだりは本当に面白くて。業が深い。
表題作の『浮遊霊ブラジル』は良い話だった。
自らの執着を捨てて自らの成仏を目指すという幽霊目線の話だが、成仏するために必死で人に取り憑いて乗り移ろうとする姿が滑稽で悲しくて。死んでからこんな苦労をしていたら。一発で成仏したいよと思ってしまう。