【感想・ネタバレ】続 遠慮深いうたた寝のレビュー

あらすじ

温かな眼で日常を掬い取り、物語の向こう側を描く、
大好評エッセイ集『遠慮深いうたた寝』第二弾!

毎日歩いている道端、何気なくつけたテレビの画面、劇場のロビー……
胸に飛び込んできた一瞬が、思いがけず深く刺さり、
奥行きが生まれ、隠れた扉が開かれて遠くから光を運んでくる。
――小川洋子

日常の出来事、創作、観劇、野球、読書……「神戸新聞」の連載エッセイ「遠慮深いうたた寝」などの最新エッセイを中心に編み上げた極上エッセイ集。

I 遠慮深いうたた寝
II 自転車と図書室
III 小説に触れる手
IV おじいさんと通りすがりの者
V 想像力の冒険 本と読書

*美しい装幀が話題
九谷焼による陶板画・上出惠悟/デザイン・名久井直子

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Posted by ブクログ

好きな本。とにかく、装丁から世界観がとってもよい。どこを読んでも小川洋子さんの世界。当たり前なんだけれど、言葉の紡ぎ方と展開にハッとさせられながら、とても安心する。

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2025年10月16日

Posted by ブクログ

素晴らしかった。大切に、大切に読み進めた小川さんのエッセイ集。エッセイ集と言っていいのかわからなくなるほど、短めの深い思いで唯一無二。いろいろなところで書かれたエッセイを章に分けて載せている。1、2章あたりのエッセイがたまらなかった。日常や、家族の幸せが美しく切なく心に響くエッセイがたくさんあった。亡き両親との思い出。よその子や赤ちゃんとふと、些細なきっかけで顔見知りでないその子たちと触れる中で思い出す、自分の子供との思い出。想像するということ、読書ということとは何か。と思えば、少し抜けた感じのクスッと笑えるエッセイもあり…ということで絶妙なバランス。小説も美しく、エッセイも美しく、すごい、小川さん。前作もそうだったが、5章の読書記録のような、解説や小川さんが読んだ本にまつわるエッセイはなんだか入り込めず、ここはさらっと読んだ。小川さんの読む本の中で読みたいと思えるものはあまりなくて…

でも小川さんのエッセイも小説も大好きだ、ということを再確認できる。
また折に触れて読みたいエッセイ。

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2025年11月28日

Posted by ブクログ

日常の一コマや学生時代の思い出話、短編小説を読んでいる感覚の文章だったり、小川さんの愛する本の考察や感想だったり、と大変素敵な構成で深く染み入る言葉の数々でした。

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2025年11月19日

Posted by ブクログ

小川洋子さんのエッセイ。お母さんのガクアジサイ、お父さんの猿のシンバルのおもちゃ、お祖父さんと庭で見る月。せつないけど幸福でもある思い出。

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2025年11月15日

Posted by ブクログ

2025.14

遠慮深いうたた寝をコロナ禍に
家の屋上で寝っ転がって読んでから
小川洋子さんの文章が好きなことに気付き
あの頃救われた気持ちになったので
特別な本だったのだけど、
"続"が出て嬉しい。

あの時本屋でつるんとした装丁に惹かれたけど
"続"も陶器のようなデザインでかわいい。
小川洋子さんの文章は心が穏やかになる。
これからも遠慮深いうたた寝が続いてほしい。


***


P23 精いっぱい仕事を頑張る、というその頃合いが分からない。私は今、ぎりぎりまで自分を追い込んでいるか?もうこれ以上は無理だ、というところまで這い上がろうとしているか?そう自問するが、自信を持ってうなずくことなどとてもできない。
P31 神さまのお家。何と素晴らしい表現だろうか。
P34 別に贅沢を言っているわけではない。ごく普通のワンピースが、一枚あればいいのだ。ここには無数の洋服が並んでいるのに、なぜ私に合うたった一枚がないのか。だんだんと腹が立ってくる。服というものを買わなければならないこと自体、忌々しく思えてくる。
P63 現実でいくら袋小路に迷い込み、行き詰まっていても、本のページさえめくれば、広大な世界が開ける。そこには、窮地から脱出するための心躍る冒険があり、究極の愛が潜む、死の気配に満ちた静けさがある。取り返しがつかないはずの過ちを、許すための方法がある。生かされている世界は、自分が考えるよりずっと奥深いのだと気づかされる。
P114 赤染晶子『乙女の密告』
P121 そうだ。その通りだ。人間、騒いだら負けだ。いつどんな時でも、心静かにどっしりとしてればいい。
P127 以前、岸本佐知子さんが、自分専用の屋根を持ち運びする傘は奇妙な道具だ、とおっしゃっていたのを思い出す。だとすれば日傘は、影の携帯なのか。
P165 奈良原一高の写真集『王国』
P165 修道院であろうと刑務所であろうと、眠る前のひとときであろうと、やはり人間には沈黙の時間が大切なのだ、と分かる。
P217 論理的であることは気分がいい。とりあえずは、その正しさに浸っていられる。いざとなれば、とりあえず、の但し書きだって、見て見ぬ振りで誤魔化せる。しかし、独りよがりに正しい方向ばかりへ進んでいると、いつの間にか落とし穴に落ちている。なぜか分からないままに過ちを犯している。はっとしても、もう手遅れだ。
P220 村上春樹『神の子どもたちはみな踊る』
P222 自らの暗闇の底まで降下してゆけるのは、自分自身より他には誰もいないのだ。

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2025年11月08日

Posted by ブクログ

有田焼のような装丁がとってもかわいい

「一番の不思議」
男の子とおばあちゃんの会話、なんて尊いんでしょう!

「矛盾に満ちた人生」
コリをほぐしてもらいたいのは当然なのだが、先生の期待を裏切りたくない、と言う気持ちの方が大きい
ーこれわかる!

「本の世界は、誰も見捨てない」
後半の再読の楽しみについての記述は共感しかない!そうそう!ホントそれ!
「人生の豊かさを示す秤」
これも再読について。
小川洋子の表現は崇高にて美しい

「おじいさんと通りすがりの者」
まるで一本の小説

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2025年11月07日

Posted by ブクログ

小川洋子さんのエッセイ。
日常の出来事や創作、読書について書かれた作品です。特に好きなエピソードは、『細雪』を読み、ある登場人物の行為がうまく思い描けず、愛犬のラブを使って試してみる小川さんがとてもチャーミング。
『秘密の任務』で、夏の甲子園で歴史に残る名勝負、早稲田実業対駒大苫小牧の決勝を観戦しながら感じた小さな恐怖も面白かったです。
内容も素晴らしいですが、装丁が美しすぎる!
赤い帯がまた良いです。
また小川さんの作品を読みたくなりました。

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2025年10月30日

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