あらすじ
膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから――「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。穏やかで知的で、権力への志向を持たず、ふつうの人々の中に埋もれてひっそりと暮らす人々。彼らは何のために存在し、どこへ帰っていこうとしているのか? 不思議な優しさと淡い哀しみに満ちた、常野一族をめぐる連作短編集。優しさに満ちた壮大なファンタジーの序章。
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連作短編だが、一つ一つのストーリーが濃くて優しくて儚くて哀しみもあって。長編を読んでる感じだった。初版から四半世紀は経ってるが、混沌とした今の時代だからこそ、響くものがある。常野の人々が本当に居るような気がしてならない。
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随分と昔に読んだ作品だが読み始めるとあら不思議、やはり覚えているものである。内容の細かなところ、ではなく足が歩き方を覚えているというか。昔暮らした町に戻ってきたような雰囲気があるのだ。
どこからかやってきてどこかへ行く人々、権力を持たず、群れず。現代的な視点を持つ作家なら巨大な敵を登場させるのだろうが、恩田はそうしない。あくまでもこれを時代と人々の物語として描いていく。あちこちに寄り道しながらたどり着いた場所、そこにある微笑みと優しさに安堵と涙が漏れた。
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SNSで見つけて、気になり手に取った本。
出会えて良かったと感じることができた。
作者はカードを沢山使用した総力戦と後書きに書かれて、確かに其々の続きを読みたくもなったけれども、この本はツル先生が見届け続けている辛いことも暖かいものもある物語なのかなぁと読み終えて思った
穏やかで辛いけれども優しい
そんな惹き付けられる本だった
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「いつかこのまばゆい光の生まれたところに、みんなで手をつないで帰ろう」
少しくすぐったくなる言葉が、最後にはぴったりだと思えるファンタジー小説。
不思議な能力を持つ「常野」生まれの人々。その生活はとってもキラキラしているのに、能力を狙われ脅かされ、残酷だったりする。光の強い場所は影も濃い。だからこそ魅力的なのだと淡々と教えてくれる本だった。続編があると知り大変うれしい。
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もしかしたら東北がルーツのあの人も...と思わざる得ない面白さでした。
文章が情景を思い起こさせるのに十分すぎる表現力で、さすがだと感じました。
とあるフレーズは思わず音読してしまうほどに引き込まれました。
読み始めは短編集だから、それほど時間もかからず読めるだろうと思っていましたが
1章分のページ数が少ないが、内容はすっごく濃いのものでした。
正直、短編集を読んだ満足度の比ではないくらい高かったです。
まだまだ常野の物語は続くようなので、引き続き続編を追っていきたいと思います。
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恩田さんの名前は聞いたことあるが、
自分の読みたいジャンルではないなと素通りをしてました。
ふと思い、恩田さんの作品を調べてみるとSFジャンルも書いているとわかり、読本することに。
美しい日本語とはを語ることはできないが
こういうのが美しい日本語というのだろうなと思いました。
都会、田舎、雪の中、雨の中、人々の喜怒哀楽。
心に染み渡るような文章でした。
自分としては長編作品が好きなのだが、
連作短編もいろいろなところで伏線があって面白いなと
前に出てきた人物を発見するとワクワクしました。
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昔、本屋でなんとなくタイトルにひかれてよんだ本。一族の話が切なく、儚い。
特別な力があっても、それだけでうまく行くわけではない現実のもどかしさを感じた。
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密かに暮らす人々 いわゆる「超能力」一族という位置付けになるのでしょうね。
彼らは市井に紛れて目立つことなく暮らしている。
故郷を離れ、一族以外の人たちと血を交わらせ、その場所に根付きつつも何かがあれば再び一族は集結する。
彼らは目立つことを好まず、極力表に出ない暮らしをしていて、そのあり方は「淡々と」しすぎているようにも感じます。
多くの人が知らない存在。
けれども、なくてはならない存在なのです。
現実世界にこんな一族がいて、もしかしたら隣に住んでいる人がそうかも、と想像するのも楽しいし、もしかしたらわたし自身が「時が来るまで」封印されているのかもしれないし。
そう想像するのも楽しいものでしたし、実際に、もしかしたら、こういう方々が「淡々と」時の流れの中で「調整」を任されているのかもしれないですね。
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タイトルからはナルニア国物語ばりの世界観ゴリゴリファンタジー大作を想像するけど、我々の暮らしに潜む、とある一族を見守るような穏やかな短編集。
一作目が常野の神秘性と彼らのひっそりとした日常が垣間見えるバランス感が絶妙で一番好き。
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表題から想像していた話とは違っていて、(もっとホラーテイストで壮大なのかと勝手に思っていた)普通の暮らしの中に住む人々のSF的なお話だった。なんとなくジブリの平成狸合戦ぽんぽこを想像した。
短編が連なり、特殊な力を持ったひとびとと、普通のひとびとが関わってゆく話が描かれる。中でも表題になった「光の帝国」は、力を持ってしまったがゆえに狙われてしまった過去の常野の子どもたちの悲しいお話で胸が痛くなった。
現在も発達障害やLGBT等、いわゆる「普通」とは違うひとびとがいるが、偏見の目を持たないでフラットに接していきたいという気持ちにさせられた。
Posted by ブクログ
何度目かの再読。
不思議な能力を持つ「常野」の人々。穏やかにひっそりと暮らす彼らをめぐる連作短編集で、地味だが切なく優しい気持ちになるファンタジーである。時々読み返したくなる本。
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アンソロジー小説「君が見つける物語」本作の第一話の「大きな引き出し」を読んで感激、常野シリーズ3巻をまとめ買い。良かった。充実した週末になりました。SFと言うよりはファンタジーかな。ストーリーもしっかりしてるし大満足
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厳かで、一方で民話のような懐かしさや親しみのようなものも感じられる、本書全体の世界観がとても好き。文体や、ファンタジー感のある設定が巧妙に組み合わさって独特の雰囲気を味わえる一冊でした。
短編のつくりになっていて、一番好きだったのはタイトルになっている「光の帝国」でした。
シリーズ化されているようなので是非他の作品も読んでみたい!
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恩田陸の愚かな薔薇に近い特殊能力系のSFチックな作品。誰かに利用されそうになり、互助しながら社会の片隅でひっそりと生きていく姿が微笑ましい。続編が気になる。
Posted by ブクログ
2020/3/7
夜のピクニック蜜蜂と遠雷に続き、恩田陸の次の作品として光の帝国をチョイス。SFって、、と思いつつ手に取ったが、人気あるのも頷ける。短編ながら好きだわぁ、この話。シリーズの蒲公英草紙とエンドゲームも早速手にいれた。
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僕が読んだ最初の恩田陸の作品は『六番目の小夜子』で、そのあと『球形の季節』などを読んでみましたが、この作品は短編集だけど、一番面白かったです。
常野(トコノ)一族という超常能力を持った一族の短編を集めたものです。
解説者の久美沙織氏は常野一族の由来を柳田國男の『遠野物語』からのものだろうと言ってますが、それは違うよなあと思いました。
民話のイメージを借りた部分はあるかもしれないけど、常野一族の源は明らかに萩尾望都の『ポーの一族』ですよ。
恩田陸の年齢ともリンクしているし子供の頃読んだポーの一族の影響が強く出ていると自分は考えます。
常野一族とポーの一族では語感もよく似ているし。
もちろん盗作とかそんな話ではないですよ。影響を受けているという話です。
短編の中の『手紙』を読んだことでほぼ確信しました。
これは『ポーの一族』の中で、ジョン・オービンが、エドガ-を古い記録の中から見つけ出す話にそっくりです。
また、光の帝国の中の短編『光の帝国』の物語は、古い分教場に集められた常野一族の子供達が、その能力を利用しようとする軍部の攻撃を受けて全滅する悲しい話ですが、これは筒井康隆の『七瀬ふたたび』を思い起こさせます。
どんな本も以前に書かれた何かに似ているという事はよくあることだと思います。
要は単なる真似ではなくそれを土台にしてさらに高い、深いものを作ろうとする意思だといえるでしょう。
恩田陸はオリジナリティだけでなくアレンジ能力も高い作家なのではと思いました。
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読んでいるとついつい微睡んでしまう作品だった。
重たくなく、軽くなく、フワフワとした気持ちにさせられる。
なぜだろう。
『二つの茶碗』が好きだった。
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久々に読んだファンタジー。私たちが生きる現実世界にもこの本にあるような不思議な力は存在しているのだろうと思った。登場人物が多くいっきに読まないと関係性を把握しきれない可能性がある。
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【読むきっかけ】
・夜のピクニックが良かったので、奥様書棚にあった本作を手に取った。
・ジョウヤモノガタリ?つねのものがたり?
【感想】
・「とこのものがたり」かよ!
・「大きな引き出し」、「二つの茶碗」が良かっただけに、「光の帝国」が悲しすぎて、凹んだ。「達磨山への道」は、私には理解が難しい…。
・最後らへんでの心のつぶやき。『え?あと「黒い塔」と、「国道を降りて…」の2つしかないよ?量も少ないよ?大丈夫?伏線回収できるの?』
・「国道を降りて…」、で音楽ネタ。その道に進んだ光紀が出てくるのかと思いきや、出てすらこんじゃん!
・続きはないのか?続きは?(半ば怒り)
【あとがき】
・著者のあとがきを読んで、初めてシリーズモノの短編集と知る。
・著者も『今にしてみれば「大きな引き出し」の春田一家の連作にしても良かったなぁと、少々後悔している。』と書いてある。そうだよ。僕もそう思う。光紀の活躍が見たい!
【続き】
・ネットで調べると、常野物語は「光の帝国」、「蒲公英草紙」、「エンド・ゲーム」と続くらしい。ホッとした。ぜひ、続きを読みたい。
ひとまず、個人的に読んでて辛かったので、星3つです。続きを読んだら、変動するかも。
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漠然とした内容の物語が多い短編集
引き込まれるものもあれば読み飛ばしてしまうくらい興味が湧かないものもあった
そんなところがこの作家さんのよいところなんだろうけど今回はあまり馴染めなかった
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ファンタジー小説の紹介でおすすめされてた1冊だったので選びました。日常の世界に特別な能力を持つ人がいるというファンタジー。日常を忘れさせてくれるようなファンタジーではなかったけど、それぞれの短編に純粋に感動したり、胸が悪くなったり、また希望を見たり。
Posted by ブクログ
読み始めはなかなか掴めないなと思っていたが、“手紙“の章から、恩田さん独特の不気味ででも引き込まれるSF要素が出てきたなと。
恩田さんにSF/オカルト系と何かに専念した青春系の2つの作品タイプがあるとしたらこの作品は明確に前者。
ツル先生の話で、そもそも軍に特殊能力を利用する目的のはずがなんのメリットがあって皆殺しするハメになったのか全然わからなかった。でも理解のできない強大な力というのは恐れているからこそ制限したくなるものなのかしら。
何の目的もなく皆殺しにされた子供たちが可哀想でしんどかった。
Posted by ブクログ
丁寧に読めて…いない?
常野の魅力を味わえなかったのは、現代社会に溺れてしまっているからなのかなあ。
『二つの茶碗』や『達磨山への道』の雰囲気は好きだった。日常と常野が混ざり合っていて、絶妙な余韻が残るのがいい。『夜のピクニック』と『六番目の小夜子』のいいとこどりって感じだった。
しかし、『オセロ・ゲーム』以降、話に乗り切れないまま進んでしまった気がする。続きが気になるカロリー高めの話なんだけど、盛り上がったところで、次エピソード続きが描かれない。現代の余裕のない大人はつんのめっちゃう感じがしたなあ。静かな部屋でコーヒーを飲みながらゆったり読んでれば常野の空気を胸いっぱいに吸い込んで楽しめたのかもしれないが、通勤の合間合間で読んでいると作品全体がぼんやり感じてしまい、常野の人々をくっきりと見ることができなかった。働きながら本を読む限界に触れた気がして悲しい。
Posted by ブクログ
常野と一緒に不思議な力を持つ一族の話。
短編なので読みやすい。
一つの話の登場人物が他の話にも出てきて、そういうことかと繋がる。
タイトルにもなってい光の帝国の話が切ない。
Posted by ブクログ
常野という不思議な力を持った一族を主題に置いた連作短編集で、短編ごとに繋がっていて、読み進めるごとに常野とは一体どんな存在なのか分かってくる。
短編で読みやすかった。
とてもファンタジーな内容だった。
Posted by ブクログ
想像力を掻き立てられる短編集。短編集だけれど、それぞれ少しずつ断片的に繋がっていて、常野一族の謎が少し見えてくる。
しかしまだまだ謎が多く、壮大な世界観を感じるし、気になることが多すぎるので、2作品目も読んでみたい。
Posted by ブクログ
社会に溶け込んだ、不思議な能力を持つ常野一族を描く連作短編。
すべての話が繋がるわけではなくて、結局達磨山のことや、黒い塔がなんだったのかわからないまま終わってしまった感があるけど(あとがきを読むと、達磨山の話とかは別の長編物として考えられていたものらしい。)、最後は良い感じで終わった。岬と美咲はどういう関係なんだろう。一族全員が集って大団円ではなかったけど、色んな境遇の人がいるように、常野一族も色んな境遇のなか暮らしているんだというふうに感じた。
本筋とは異なるところな気がするけど、「草取り」の話ではっとするところがあった。
「この人たちがそれぞれに目的を持ち、やがては自分の部屋に帰るのだと考えると不思議な気がする。」
「力がある方向に働く時、必ず逆方向の力が起こる。」