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Posted by ブクログ
14歳の時、自分がどうだったか、どの様な考えで日々を過ごしていたかを振り返ってみるが、思った以上にぼんやりとしていたんだなあ、と気付く。
部活に打ち込んでいた訳でもなく、勉強も悪目立ちしない程度、見てくれも無頓着、社交的でもなかったので当然の様に恋なんて縁が無かった。
ところがこの小説の主人公・仲葦さんと藤森君は確固とした自分を持っていて、周囲から浮いていようが後ろ指を指されようがひたすらに愚直である。今の感覚で読めば幼い恋模様だと思うが、デートひとつに全力で悩み、走り、喜ぶ。
その姿がすごく羨ましく、生き生きとして、まぶしい。
そんな二人の様子を共有してきた我々読者にとって、物語の終わりはあまりにも淡々と、あっけないもので「無難」である。この終わり方も何とも言えず胸を締め付ける。
どうしても藤森君の強烈なキャラや過剰な名古屋弁に目を奪われがちだが、心情の変化と街の変化を重ねたりと嶽本野ばら氏による感情の繊細なくすぐりが大変心地よい。
栄の三越屋上の観覧車の場面とか最高。
名作だと思う。
1刷
2021.1.15
Posted by ブクログ
嶽本野ばら氏の本を初めて読んだ。
なんとなく気になる作家ではあったものの、読む機会がなかった。
そして、今回この本を手に取ったのは読んでみたかったからとか、特に理由があったわけでもない。
強いて言えば、タイトルと表紙の雰囲気が気になったから、というところか。
裏表紙のあらすじすら読まずに読み始めたので、読みながら、「この2人は同世代だ」と思い、実際、最後に同級生だったことがわかった。
中学生だからこその真っ直ぐさ、純粋さが気取るわけでもなく、ありのままに感じられるくらいに描き出されていて、あまりの甘酸っぱさに少し笑ってしまった。
中学時代にこんな甘酸っぱい恋愛をしてはいなかったけれど、2000年を同じ中学生として過ごした身として共感できる部分もあった。
名古屋に行ったこともないのに、仲葦さんと藤森君が歩いている場所を近くに見たような気持ちになった。
この瑞々しさ…。
素敵な青春小説に出会えて良かった。
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