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血を分けた兄妹の禁じられた絆と呪われた血の宿命はいかに?!野ばら流“世にも奇妙な物語”!げに恐ろしきは鱗の病―美貌の娘・楼子(たかこ)を初潮とともに襲った「鱗病」。その忌まわしき病を伝える龍鳥(たつお)家の秘密とは? 自慢の肌を冒す病の恐怖に脅える楼子は、やがて凄惨(せいさん)な治療法を発見するが・・・。 平成の耽美派・嶽本野ばらの異色の美肌ホラー、待望の電子書籍版!
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Posted by ブクログ
面白かったです。 美意識の高い、美しく高慢なハードコア乙女の楼子さん大好きです。所々、発言が過激なのが良いです。 美肌に固執する楼子さんが発症した、龍烏家の女性特有の遺伝病・鱗病。エリザベート・バートリーも鱗病だったのでは…からの血塗れなお話でした。黎子叔母さまも素敵。 現代を嫌悪する…という美意識...続きを読むが出てくるからか、今回のお洋服はVivienne Westwoodでした。兄の琳太郎さんはCOMME des GARCONS。コム・デ・ギャルソンは後程検索してみよう。。 「外見をどう取り繕うかを決定するのは内面」という楼子さんの言葉はとても腑に落ちる大好きな言葉です。わたしはまだまだ乖離しているけれど、いつかきっと。 醜悪な鱗病、黎子叔母さまはその為に恋や愛を失ったけれど、楼子さんと琳太郎さんはふたりの世界で強く生きていくことでしょう。それは幸せだと思います。 なんだか、「鱗姫」を読むと心が強くなります。わたしに美しさは全くないけど…不思議。
エリザベト・バートリと、ブラック・ジャックに出てきた女占い師と、シーラカンスの呼吸と、人魚姫とその中に出てくる魔女。
耽美な世界観にうっとり。 おどろおどろしい中にも、美意識が存在しています。 若干過激な描写があるので、苦手な方はご注意を。
初野ばらがこの本でした。キャッ。 たびたび本をとじ、爆笑。ページをめくるごとに彼の才能を見せつけられました。 天才。野ばらちゃんは間違いなく天才。
これまた大好きな1冊。鱗が身体に生える女の子の話なんだけど、ラストがとにかくエロい。 ファンタジックなお話。でもエロい。
読んで衝撃を受けた作品。 怖いけど読んだあとにめずらしくスッキリした。 やっぱり野ばらさんの作品は綺麗。
とある裕福な一族にて、女児だけが感染する遺伝病「鱗病」。発症は性器周辺から始まり、やがて全身の皮膚に魚のような、あるいは龍のような鱗が広がっていく……というエロ・グロ・ホラー要素が入り混じった怪作。 主人公の楼子の、自らを「ウルトラ・スーパー・お嬢様体質」と言い切ってしまう気位の高さが良い。美しい肌...続きを読むを保つため、教師に叱られようといつ何時たりとも日傘を欠かさない美意識の強さにも平伏せざるを得ない。(わたくしは太陽盛んな夏場に日傘どころか日焼け止めを忘れる愚民でございます……。)常に楼子目線で物語が進むため、某お嬢様Vtuberを彷彿とさせる「ですわ〜」口調や文体に抵抗があったという感想を見かけたが、個人的にはこういうものだろうなという感覚で特に違和感なく読めた。このクセの強さが嶽本野ばらワールドって感じだ。 突如奇病を発症し戸惑う楼子を導くナビゲーターとして、楼子の父親の妹である黎子叔母様という存在が出てくるのだが、この人がまた良いキャラクターをしている。鱗病は一族の女児だけに発症するのだが、鱗病の女性と性交渉を行った男性にも感染するという設定だ。なのでこの黎子叔母様、なんと45歳になっても衰えない美貌で数多の男を引っ掛けては感染させ、特に有効な治療法もない病で彼らの人生が崩壊していく様子を楽しんでいるかなりの悪女である。きっととんでもない美魔女なんだろう。外出時はディオールの顔半分を覆い隠すデカいサングラスをはじめ、全身ハイブランドで固めているそうなので、個人的には叶姉妹みたいな女性を想像していた。ちなみに感染した男性は当然、男性器周辺から鱗に包まれていくらしい。やっぱり絵面が相当グロい。 物語のラスト、楼子に付き纏っていた気狂いストーカーを殺すという罪を犯し、共犯者という絆で結ばれた楼子と"お兄様"。しかしこの二人、許されざる罪はもう一つあると言わんばかりに、いままで秘めてきたお互いの気持ちを告白し、そのままセックスに雪崩れ込んでしまう。血縁関係にある兄妹が殺人共犯となり、最後はただの男女としての情で結ばれるという近親相姦エンド。刺さる人にはめちゃくちゃ刺さる耽美な結末だろう。血痕飛び散る惨劇の現場で、身体を重ねて悦に浸る美男美女の兄妹という構図はなんとも不道徳だ。死体が既にセメント処理済みで、彼らの横に転がっていなかっただけマシだろうか。 楼子の台詞や独白から察するに、この性交渉をきっかけに今後はおそらくお兄様も鱗病に感染するだろうし、この二人の間の子どももまた、呪われた血と病の代償として、楼子や黎子叔母様に比肩するような、類稀なる美しさを持って生まれてくるだろう。鱗病は遺伝病という設定だが、感染方法が性的接触というのがなんとも……あくまで性病ではないというのが、うーん……。結局この世界の医療現場では鱗病の進行を遅らせることはできても治す手立てはないようなので、この一族が今後どう生きていけば良いのかといったところは謎のままである。 そう考えると、黎子叔母様のように「私はセイレーン(人魚)の末裔よ。セイレーンは歌声で魅力した人間を海底へ引き摺り込む不幸の象徴。だから私も関わった男達を不幸に陥れていくのだ」と開き直って綽々と生きていくのもひとつの答えである気はする。綺麗な薔薇には棘があると言うし、綺麗な女性がセイレーンの末裔で、身体に鱗を隠し持っている可能性は否めない。知らず知らずのうちに不幸な運命に導かれぬよう、気をつけるしかない。
十数年ぶりに再読。 嶽本野ばらの独特の世界に惹かれる。 これでもかと言うほどにハイブランドの描写がされることで、高級なお嬢様感がビシバシ伝わってくる。 物語のグロテスクさはやはり以前と同じく うえーな感じだけど、前回とはまた違った心地で読んでました。 このマニアックさが好き。 野ばらさんの本を読...続きを読むんでるときに感じる、 「ん?」となるいつもの疑問符もさらっと流しつつ、楽しめました。
【お嬢様の語るトラウマ的物語!】 エログロな悪夢にうなされるような内容ながら、なかなか面白かった。やはりあのお嬢様語りが癖になる。 京都らしさは全体にもっと漂わせてほしかった。でも黎子叔母様はすぐ居なくなるし、罪深いし、色々疑問点がある人物。お兄様、琳太郎さんがいつでもカッコいい。 改めて野ばらさ...続きを読むんすごいです
嶽本野ばら氏の作品はとても好きで、この鱗姫はその中でも特に好きな本の一つと言えます。 主人公・楼子にもそれは言えるのですが、嶽本氏の小説に出てくる女の子が持っているとても高い美意識やその描写がとても好きです。また不思議の国のアリスを彷彿とさせる括弧書きの心情描写もこの話を面白くさせている要因だと思...続きを読むいます。 似たような主題の作品に「おろち」が挙げられますが、こちらはそれをもっとソフトにした様な感じです。「下妻物語」から嶽本氏に入られた方は、この話も読みやすいのではないでしょうか。 星が4つな理由として、他の方も挙げられていますが、最後の件が急展開すぎる上に、そうなる事に違和感を覚えるからです。しかしこういう終わり方をするのも嶽本氏の魅力の一つであると言えなくもありません。
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