【感想・ネタバレ】鱗姫のレビュー

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Posted by ブクログ 2020年01月06日

面白かったです。
美意識の高い、美しく高慢なハードコア乙女の楼子さん大好きです。所々、発言が過激なのが良いです。
美肌に固執する楼子さんが発症した、龍烏家の女性特有の遺伝病・鱗病。エリザベート・バートリーも鱗病だったのでは…からの血塗れなお話でした。黎子叔母さまも素敵。
現代を嫌悪する…という美意識...続きを読むが出てくるからか、今回のお洋服はVivienne Westwoodでした。兄の琳太郎さんはCOMME des GARCONS。コム・デ・ギャルソンは後程検索してみよう。。
「外見をどう取り繕うかを決定するのは内面」という楼子さんの言葉はとても腑に落ちる大好きな言葉です。わたしはまだまだ乖離しているけれど、いつかきっと。
醜悪な鱗病、黎子叔母さまはその為に恋や愛を失ったけれど、楼子さんと琳太郎さんはふたりの世界で強く生きていくことでしょう。それは幸せだと思います。
なんだか、「鱗姫」を読むと心が強くなります。わたしに美しさは全くないけど…不思議。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年02月19日

歪な狂気も、突き詰めれば崇高なものに昇華する。

そんな感じ。

凄惨なシーンも散見されますが、個人的には最高の作品かと。

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Posted by ブクログ 2010年09月09日

エリザベト・バートリと、ブラック・ジャックに出てきた女占い師と、シーラカンスの呼吸と、人魚姫とその中に出てくる魔女。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

耽美な世界観にうっとり。
おどろおどろしい中にも、美意識が存在しています。
若干過激な描写があるので、苦手な方はご注意を。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

初野ばらがこの本でした。キャッ。

たびたび本をとじ、爆笑。ページをめくるごとに彼の才能を見せつけられました。

天才。野ばらちゃんは間違いなく天才。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

これまた大好きな1冊。鱗が身体に生える女の子の話なんだけど、ラストがとにかくエロい。
ファンタジックなお話。でもエロい。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

読んで衝撃を受けた作品。
怖いけど読んだあとにめずらしくスッキリした。
やっぱり野ばらさんの作品は綺麗。

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Posted by ブクログ 2024年01月10日

とある裕福な一族にて、女児だけが感染する遺伝病「鱗病」。発症は性器周辺から始まり、やがて全身の皮膚に魚のような、あるいは龍のような鱗が広がっていく……というエロ・グロ・ホラー要素が入り混じった怪作。
主人公の楼子の、自らを「ウルトラ・スーパー・お嬢様体質」と言い切ってしまう気位の高さが良い。美しい肌...続きを読むを保つため、教師に叱られようといつ何時たりとも日傘を欠かさない美意識の強さにも平伏せざるを得ない。(わたくしは太陽盛んな夏場に日傘どころか日焼け止めを忘れる愚民でございます……。)常に楼子目線で物語が進むため、某お嬢様Vtuberを彷彿とさせる「ですわ〜」口調や文体に抵抗があったという感想を見かけたが、個人的にはこういうものだろうなという感覚で特に違和感なく読めた。このクセの強さが嶽本野ばらワールドって感じだ。

突如奇病を発症し戸惑う楼子を導くナビゲーターとして、楼子の父親の妹である黎子叔母様という存在が出てくるのだが、この人がまた良いキャラクターをしている。鱗病は一族の女児だけに発症するのだが、鱗病の女性と性交渉を行った男性にも感染するという設定だ。なのでこの黎子叔母様、なんと45歳になっても衰えない美貌で数多の男を引っ掛けては感染させ、特に有効な治療法もない病で彼らの人生が崩壊していく様子を楽しんでいるかなりの悪女である。きっととんでもない美魔女なんだろう。外出時はディオールの顔半分を覆い隠すデカいサングラスをはじめ、全身ハイブランドで固めているそうなので、個人的には叶姉妹みたいな女性を想像していた。ちなみに感染した男性は当然、男性器周辺から鱗に包まれていくらしい。やっぱり絵面が相当グロい。

物語のラスト、楼子に付き纏っていた気狂いストーカーを殺すという罪を犯し、共犯者という絆で結ばれた楼子と"お兄様"。しかしこの二人、許されざる罪はもう一つあると言わんばかりに、いままで秘めてきたお互いの気持ちを告白し、そのままセックスに雪崩れ込んでしまう。血縁関係にある兄妹が殺人共犯となり、最後はただの男女としての情で結ばれるという近親相姦エンド。刺さる人にはめちゃくちゃ刺さる耽美な結末だろう。血痕飛び散る惨劇の現場で、身体を重ねて悦に浸る美男美女の兄妹という構図はなんとも不道徳だ。死体が既にセメント処理済みで、彼らの横に転がっていなかっただけマシだろうか。

楼子の台詞や独白から察するに、この性交渉をきっかけに今後はおそらくお兄様も鱗病に感染するだろうし、この二人の間の子どももまた、呪われた血と病の代償として、楼子や黎子叔母様に比肩するような、類稀なる美しさを持って生まれてくるだろう。鱗病は遺伝病という設定だが、感染方法が性的接触というのがなんとも……あくまで性病ではないというのが、うーん……。結局この世界の医療現場では鱗病の進行を遅らせることはできても治す手立てはないようなので、この一族が今後どう生きていけば良いのかといったところは謎のままである。

そう考えると、黎子叔母様のように「私はセイレーン(人魚)の末裔よ。セイレーンは歌声で魅力した人間を海底へ引き摺り込む不幸の象徴。だから私も関わった男達を不幸に陥れていくのだ」と開き直って綽々と生きていくのもひとつの答えである気はする。綺麗な薔薇には棘があると言うし、綺麗な女性がセイレーンの末裔で、身体に鱗を隠し持っている可能性は否めない。知らず知らずのうちに不幸な運命に導かれぬよう、気をつけるしかない。

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Posted by ブクログ 2023年12月01日

お嬢様や奇病という非現実さと実際するブランドのもつリアリティーが奇妙に混ざり合って気持ち悪くも美しかった。美肌への意識や最も愛する人に醜い部分を見られたくない高貴さの表現は嶽本野ばらワールドでとても好き。ただ、忌み嫌っていた相手の血だったとしても躊躇なく体に塗りつけるシーンは少しゾッとしたし美しさへ...続きを読むの執着すら感じられた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年08月09日

“乙女のカリスマ”こと、嶽本野ばらさんの描く美醜観念…それがこの一冊に凝縮されていて、とても充実して、そして実に耽美的な内容。2日程で読み終えました。しばらく読書をしていなくても、嶽本野ばらさんの作品はグイグイと私を読み耽らせる魅力があります。強くて美しい生き方に勇気をもらう…!

「美」という観念...続きを読むに固執する主人公、龍鳥楼子が受けた龍鳥家の呪われし遺伝病、通称「鱗病」は、やがて自分をとても醜い姿に変えてしまうという、楳図かずおの『おろち』の中の話のような病気。自分の中に現れたこの醜い塊に、彼女は絶望します。なんとなくですが、楼子が言うことも理にかなっているかなぁと思います。「外面を決めるのは内面」「美しいか醜いかで決まる」という彼女の考え方は決して誇張した表現でもなんでもなく、事実としてこの世の中に蔓延した強迫観念のようなもので、実に言い得て妙な表現だと思います。だからこそ、楼子は強い少女で、そこに勇気をもらうのです。人によってはちょっと不遜に感じる彼女の態度ですが、彼女自身も自分は不遜だと自負しているし、なんてったって嶽本野ばらさんの書く乙女ですから、苛烈な思想は持つもの(笑)。ただ、ちょっとイレギュラーなのはやはり「鱗病」という架空の病でしょう。楼子はコンプレックスとして「醜さ」を持つ少女です。ここがやはりほかの小説と比べてみても明らかに変わったところでしょう。「ブス」とかじゃなくて「醜い」ですからね。楼子や黎子叔母さんたちの絶望は凄まじいものだったのでしょうね。ひたすら「醜さ」を否定する楼子が、一番の「醜いもの」を持っている…。しかし、「醜さ」が嫌悪された本作だからこそ、「美」が極まったとも考えられるのです。嶽本野ばらさんの文体だから尚更です。何度も出てくるエリザベートも、楼子の視点から見るとやはり違って見えてきます。本作ではその、「美しさと醜さ」が絶対的なようで実は曖昧なのだと気づかせてくれる、素晴らしい作品になっていました。最後の終わり方はいかにも嶽本野ばらさんらしかったですね。でもやっぱり近親相姦だったり「鱗病」だったり、『鱗姫』では新しい嶽本野ばらさんを見つけたような気がします。(感想久しぶりでまとまらない…)

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Posted by ブクログ 2020年02月04日

十数年ぶりに再読。
嶽本野ばらの独特の世界に惹かれる。
これでもかと言うほどにハイブランドの描写がされることで、高級なお嬢様感がビシバシ伝わってくる。

物語のグロテスクさはやはり以前と同じく
うえーな感じだけど、前回とはまた違った心地で読んでました。
このマニアックさが好き。

野ばらさんの本を読...続きを読むんでるときに感じる、
「ん?」となるいつもの疑問符もさらっと流しつつ、楽しめました。

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Posted by ブクログ 2015年05月09日

【お嬢様の語るトラウマ的物語!】
エログロな悪夢にうなされるような内容ながら、なかなか面白かった。やはりあのお嬢様語りが癖になる。

京都らしさは全体にもっと漂わせてほしかった。でも黎子叔母様はすぐ居なくなるし、罪深いし、色々疑問点がある人物。お兄様、琳太郎さんがいつでもカッコいい。
改めて野ばらさ...続きを読むんすごいです

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Posted by ブクログ 2012年01月14日

嶽本野ばら氏の作品はとても好きで、この鱗姫はその中でも特に好きな本の一つと言えます。

主人公・楼子にもそれは言えるのですが、嶽本氏の小説に出てくる女の子が持っているとても高い美意識やその描写がとても好きです。また不思議の国のアリスを彷彿とさせる括弧書きの心情描写もこの話を面白くさせている要因だと思...続きを読むいます。

似たような主題の作品に「おろち」が挙げられますが、こちらはそれをもっとソフトにした様な感じです。「下妻物語」から嶽本氏に入られた方は、この話も読みやすいのではないでしょうか。

星が4つな理由として、他の方も挙げられていますが、最後の件が急展開すぎる上に、そうなる事に違和感を覚えるからです。しかしこういう終わり方をするのも嶽本氏の魅力の一つであると言えなくもありません。

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Posted by ブクログ 2010年01月10日

野ばらちゃん作品の中で1位2位を争う作品
やぱ、あにいもうとは最強
琳太郎くんいたいなお兄ちゃんがほしい
楼子さんのお肌に対しての思いを読むと
自分も美しくなる努力をせねばと思わせる
鱗の描写もおどろおどろしくてすき

しかし終盤のところで、枚数制限があったのか
野ばらちゃんのモチベーションが下がっ...続きを読むてしまったのか
あれよあれよと押し込めるように
終わってしまったのがかなり心残りなのでよっつ

まぁ楼子さんが幸せならそれでいっか、と思う

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

お嬢様の龍烏楼子。彼女は誰にも言えない秘密があった。
少しグロくて怖い部分もありましたが、かなり面白いです。
乙女調の文章がおもしろい。サラッと読めました。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

野ばらさんの作品は独特の世界で好き。耽美的。これはファンタジーてゆうかホラーっぽいです。美の孤独ってかんじでこわい。

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

野ばらさん独特のあの文体にも慣れてきました。最後が急展開でしたがモティーフとしては好みの作品です。私としてはもっと美について考察があっても良かったのですが。

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Posted by ブクログ 2011年04月09日

タイトルを見て「野ばら本っぽい!」と思って手に取った本。
読み進めて行く内にじわりと手に汗をかきます。
結末が苦手な人も居るかも知れない。そんな感じ。

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Posted by ブクログ 2024年01月16日

退廃的・耽美な野ばらワールドが展開されるなかに、コメディ要素の差し込まれる語り口がクセになります。主人公の楼子のかなり強引、というかもうそれは無理じゃない!という感じのトンデモ・ロジックが令和の時代に心地よいです。

黎子叔母様の屋敷の描写が魅力的。でも実際に近所にあったら近づけないだろうな〜

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Posted by ブクログ 2023年07月09日

最後の方は自分たちの酔いしれた世界を客観的に読んでて怖…と思った。
彼女の異常な美への執着がもはや潔い。
浮世離れってこういうことなんだな、悪い意味ではないけど、たぶん私は引いてるんだな。
シンプルに物語が面白かった。

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Posted by ブクログ 2019年08月23日

特殊な設定と世界観は、学生だった当時大ハマりしたのを覚えている。今はもっと冷静に読んでしまったけど、あの頃読み切れなかった部分や美しさに気付けたりしたのは嬉しい誤算。これはなかなか面白いと思う。でもこの世界観に興味を持たない人にはどう映るのだろうか。
あと鱗ってそんなに気持ち悪いのかな。

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Posted by ブクログ 2013年05月05日

謎の奇病、主人公の高い美意識、謎めいた美女である黎子おばさま。
私の好みの要素が沢山鏤められていて、凄く読みたい本でした。
黎子おばさまは確かに素敵でしたし、
大好きなエリザベート=バートリの名前も出てきましたし、
そういう所は凄くわくわくしました。

でも嶽本野ばらさんの本は基本的に文章力がラノベ...続きを読むっぽいというか、
折角高い美意識や、ロリィタファッションへの造詣の深さがあるので、
其れが活かせる位、文章も美しかったらな…と残念に思います。
ラストも一寸安直と云うか、簡単だったかな。

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Posted by ブクログ 2012年01月25日

毒を吐いてめぐる楼子の精神がいい。いくつか意見があるように、話の筋がずれていっているように感じたので、そこが残念。

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Posted by ブクログ 2011年07月05日

かゆい。最初と最後じゃまるで違う小説を読んでると思うくらい違う話だった。一貫して同じことを語っているのに全然違う。展開の仕方が変な意味ですごい。美意識と現状があまりにも違うからここまで肌が粟立つんだと思う。ああ、かゆい、うまい。かゆうま小説だよ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年05月05日

私が今まで読んだ嶽本野ばら作品の中では、比較的グロテスク色の強い作品であった。
9割9分を読み終えるまではのめり込んで読み続けていた。
嶽本野ばらと言えば私の中では”切ない恋愛”が多いので、そういうものを期待していたのだが、意外とあっさりと終わってしまって、あら物足りないと。
私が勝手に期待していた...続きを読む展開が”切ない恋愛”であったから評価が下がっただけで、ストーリーはとても面白かった。
絶世の美女と奇病、そして、許されぬ恋。
グロテスクさでは乙一ほどではないが、それなりにエグいかなぁと。
この物語に続編があるのならば、ぜひ”切ない恋愛”を期待したいところ。

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Posted by ブクログ 2010年12月31日

読み終わりました。
解り易く想像し易い文章で書いて下さる方でした。
ちらほらと有名ブランド名が出てくるのも特徴ですね。

この方の作品は短編一つと映画版[下妻物語]と本書しか知らないのですが、
一括して美に対する執着と言うか想いが凄い強いと思いました。
そして言葉が悪いかもしれませんが独特な考えを持...続きを読むった(普遍的でない)少女である事が多い様に感じました。

他の作品も探してみようと思います。

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Posted by ブクログ 2010年03月12日

天上天下唯我独尊。美肌にこだわりまくり、世間の常識なんぞ鼻にもかけない不遜なお嬢様が謎の奇病に侵されて……。

嶽本野ばらの作品は登場人物の美意識を中核とするところは共通なんだけど、『エミリー』とか『世界の終わりという名の雑貨店』のような永遠を描こうとする方向性と、『下妻物語』みたいなコミカルな方向...続きを読む性に分かれると思うんですけど、これはコミカル寄りの方。ただヤンキーちゃんの存在で相対化される分、やっぱり『下妻物語』の方がわかりやすいし、楽しい。とことん不遜なお嬢様の暴走具合は楽しいし、お耽美な話も嫌いじゃないんだけど、どうしても閉じた世界だけで物語が紡がれるとドラマ性に欠けるというか。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

グロテスクな感じは好みですが、あからさまな性描写が逆に幼稚に感じてしまったという偉そうな意見を述べてしまいましたが。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

これと下妻物語しか理解できなかった。でも好きなんですよね、文体とか。2冊読んだらこの文体にも飽きたけど。遺伝性のナゾの病気と近親相姦の話。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

この本のおかげで日傘を常備するようになりました。影響力すごい。笑 グロいけど狂ってるカンジが好き。お兄様のビジュアルは野ばらさん以外に浮かばないのですが。。

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