【感想・ネタバレ】花のれんのレビュー

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Posted by ブクログ 2023年09月17日

 花のれん。

 古き時代の心かよわき女性が、旦那の度重なる失態に呆れながらも、三行半をしたためることはせず、旦那を健気に信じ、共に商いを営んできた。
 人との出会い、繋がり、絆。そのすべてを商売に賭け、自分の人生をも担保にした主人公は、自分が決意した幕引きを遂げた。
 幸せだっただろう。商売繁盛、...続きを読む一世風靡、時の大阪で大円団を築いたのだから。けれど、満たされるどころか、虚無と不乱の入り混じる感情の中で、一人ぽっちだったのではなかっただろうか。

 そよ風にたなびく、藍染を白抜きし、季節の花を散りばめた花のれんをくぐる、白い喪服を羽織った女性。
 脇目も振らず歩いていく。
 その目は、表情は、誰にも見えない。
 けれどきっと、その先で待ってくれている誰かを夢見て、少女のように爛々としていると思う。

 「花のれん」は、はっきり言えば切ない物語りだった。だけど、紆余曲折、波瀾万丈の人生も、主人公からしてみれば、百花繚乱にきらめいていたのではと、私は思った。

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Posted by ブクログ 2021年08月27日

あらすじ
第39回直木三十五賞受賞作
船場の呉服店に嫁いだ多加(たか)は、家業に関心を持たず、芸事にうつつを抜かすばかりの頼りない夫・吉三郎に、いっそ道楽を本業にしてはどうかと勧める。二人は店を廃業して寄席を始めたが、吉三郎は妾宅で急死。幼い子どもとともに残された多加は覚悟を決め、なりふり構わず人気...続きを読む芸人を集め、金策に走り、寄席の屋台骨を支えるのだった――。女興行師の奮闘ぶりを描き、著者に直木賞をもたらした傑作細腕繁盛記。エンタツ・アチャコや桂春団治など、実在の芸人が花を添える! 
感想
これぞ吉本興業だ‼︎

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Posted by ブクログ 2020年12月29日

「独楽みたいなもので、回っている間だけがたってるので、動きが止まった途端に倒れますねん」
多加が伊藤さんに言った言葉だが、私も日々働いていて同じようなことを思う。少しでも気を抜くと足元から崩れ落ちてしまいそうな、そんな緊張感というか恐怖感がある。
多加のように気丈にやっていけるだろうか。これからの世...続きを読むの中やっていかなければいけないのだろうな。
そう思うと多加のようにむちゃくちゃにやり切って散りたい

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Posted by ブクログ 2019年05月30日

素晴らしの一言
大阪商人の根性と笑いで元気がわき出る一冊と言っても過言ではない。
人生迷ったら再読すべし。

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Posted by ブクログ 2018年01月14日

山崎豊子さんの作品は日本語がとてもきれいだといつも思っていた。この作品は大阪弁が本当に丁寧に書かれていて、大阪の町中にいるような気分にさせられた。
日本語の表現の美しさが好きで、過去には「二つの祖国」「白い巨塔」「沈まぬ太陽」「大地の子」「華麗なる一族」「女の勲章」などたくさんの作品を読んだ。これら...続きを読むのほとんどがドラマになったのでどれも観てきたが、山崎さんの作品は本で読むのが好き。

この作品に関していえば、多加の強烈な強さで突き進む商いへの貪欲さが尋常でなく、読みながら絶えず引っ張られているような気にさせられる作品だった。
通天閣を買い取ったり、エンタツ・アチャコを組み合わせたりと実際のできごとと、山崎さんの創作の部分とがうまく交わって、興味をそそられ熟読できた。

私が小説を読むのが好きになったきっかけの作家さん。
久しぶりに手に取って、幸せな時間が過ごせた。

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Posted by ブクログ 2017年06月22日

「取り落した仕付け糸の端を、ぴいと抜き取った」
155頁は感激で深い意味を持つと感じ入った。
白の喪服・・・・もはやこの日本には、これを着る人は居ないだろうと思う。その意味を知る人も…
山崎さんはド根性物は書けても恋愛ものはきっと書けなかっだろうナ 唐突的に登場する伊藤でそれを感じる

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Posted by ブクログ 2016年02月17日

最後まで読んだとき全身が粟立つのを感じた。ここまで一人の女性が全てを投げ打って商いに身を投じられるものなんだろうか。多加の女性に対する視線はいつも冷ややかで芸人たちに対するそれとは真逆にある。確かに彼女は一代で途方も無い財を築き上げたのだが、それって本当に幸せだったのだろうか・・・と考えてしまった。...続きを読む女手ひとつの成功譚などとキラキラした言葉でくくってはいけない様々な悲哀が描かれた素晴らしい作品だった。
『白い巨塔』、『華麗なる一族』の次に私の山崎豊子お気に入り作品にランクイン。

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Posted by ブクログ 2016年09月10日

読み出してふと、「山崎豊子作品は毎度モデルになる人物がいるよなぁ。この作品もそうかしらん?」と調べたら、吉本興業の創設者(夫が創設であるが、実質彼女が創り上げたものだ)だった!新喜劇大好きなあたしとの縁を勝手に感じつつ読んだ。大阪・船場・商人街…目から活気が伝わるテンポのいい展開。多加の先見の明、判...続きを読む断力、冒険心。どん底から大成功への駆け上りが気持ちよかった。こんな人になれたらなぁ、、度胸のない自分と比べて辟易してしまった…。
議員:伊藤との何とも言えない微妙な関係が甘くも悲しかった。伊藤との結末に多加は後悔していたけれど、彼女の選択は間違ってなかったのではないかな。情熱家だけに恋にも燃えて、仕事が疎かになった気がする。頭の中は常に仕事のこと。伊藤も含め息子や、身近な人からしたら決して良いことばかりではなかったであろう。最期は多加が希望していた通りに逝く。すごいパワーの女性だ。

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Posted by ブクログ 2019年10月18日

山崎豊子氏の直木賞受賞作品。裏表紙を見たら、昭和33年発行となっていて驚いた。著者は大阪人であり、この作品は大阪出身の人にしか書けないと思う。山崎氏の他の大作とちがい、1冊で完結の読みやすい本である。
大正時代に、呉服屋に嫁入りした多加が、商売がうまくいかず、遊び人の夫に悩まされ、一人になった後落語...続きを読むの寄席を開いて奮闘する話。行動力がある多加のバイタリティに感心する。歴史小説ではないが、どうやら小説のモデルとなる女性がいたようだ。大阪のお笑い、今でいうと吉本興業のような、特有の文化が発達していく過程が楽しめる。読んでいると、主人公の女性を応援したくなってくる。今も昔も、女性がビジネスで成功するには、男性以上の努力と犠牲が必要なのだなとつくづく思った。
大阪が舞台なので、会話がすべてコテコテの大阪弁である。それも風情があってよい。

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Posted by ブクログ 2019年10月12日

◯大阪の商人の描写がやけに詳しいので、例によって緻密な取材の賜物かと思ったが、山崎先生はもともと大阪の商家の生まれで、大阪商人の話し方、商人の考え方、生き方がリアルなのも頷ける。
◯一気に読ませる展開の妙は流石。落ちて上がっての波乱万丈で、テンポが良い。
◯ただ、物語自体に滲み出る、金への業の深さが...続きを読む引き起こす因果が悲しく切ない。
◯決して金だけに囚われているわけではないが、その生き方が果たして幸せだったのかはわからないが、筋の通った強い生き様に惹かれるものがある。

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Posted by ブクログ 2019年07月06日

朝ドラ、小説
2017年下半期に放送された連続テレビ小説「わろてんか」は、吉本興業創立者の吉本せいがモデルでした。
かなりのやり手な女性だったそうですが、朝ドラでは見事なふんわりヒロインになっていました。朝ドラのアレンジ力は大したものだと思いました。

しかし、朝ドラよりも60年近く前に吉本せいがモ...続きを読むデルとなった小説が出版されていました。
『花のれん』(山崎豊子/新潮文庫)です。実は、「わろてんか」放送中に本書を購入してたのですがずーっと積読で、この2日間ほどで一気に読みました。

明治〜昭和初期の大阪
吉本せいは1889(明治22)年生まれ、没年は1950(昭和25)年なので『花のれん』の作中では明治、大正、昭和初期の大阪の街の様子が描かれています。
小説が発表されたのは1958(昭和33)年なので、数年前まで本人が生きていたとしても、既に太平洋戦争が終わって10年以上経ち、大阪の街の様子もかなり変わっていたでしょう。
山崎豊子先生の取材力なのでしょうね。

道楽夫に先立たれた女丈夫
どの部分かまでは調べていませんが、実話に基づきながらもアレンジもある程度加えているのかと思います。夫に先立たれた多加は夫の残した寄席を大きくすべく奮闘します。
そして何軒もの寄席のオーナーとなっていくのですが、実ることのない淡い恋心もありました。
朝ドラほどのふんわりではありませんが、実話よりはソフトに描かれているでしょう。

終盤、息子のくだりはどう描かれているのかな〜と思いましたが、その辺は描かれませんでした。興味がある方はググッてみてください。そっちはそっちで小説1本書けそうですからね。

ここのところ小説はご無沙汰だったので、楽しく一気に読めました。

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Posted by ブクログ 2019年03月10日

安定の山崎豊子。

不毛地帯にも華麗なる一族にも共通することだが、ストーリー自体が面白いだけでなく、ビジネスに対する心構えを学ぶことができる。

本作においては、リスクを取ることと人心掌握の重要性を学んだ。

このようなスタートアップの物語から、スタートアップがどのようにして生まれ、成功していったの...続きを読むか知ることは、仕事において大切であると感じたので、関連の本を読んでいこうと思う。

ちなみに、調べて分かったのだが、本作の主人公のモデルとなったのは吉本興業の創業者である「吉本せい」とのこと。
吉本興業の創業者は女性だったのに驚き。

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Posted by ブクログ 2018年11月10日

山崎豊子さんが確か大阪の商人の出で、「女系家族」もすごく面白かったので。朝ドラ「わろてんか」のヒロインのモデルとなった、吉本興業を興した吉本せいさんの物語。かなり前に読んだので、「わろてんか」と「あさがきた」が混ざってしまってるけど・・どっちも旦那さんがそうとうダメ夫だったよねえ。腹上死したのはどっ...続きを読むちだっけ?たしかせいの夫もそうとうダメ夫だった気がしたけど、ドラマでは普通にいい夫の部類だったよねえ。いやでも女性が頑張る物語は大好きです!

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Posted by ブクログ 2018年09月04日

大正末期~太平洋戦争後の大阪を舞台に旦那亡き後、女手一本で寄席稼業をはじめとする商いの道に邁進していく女性の物語。

ど根性を地で行く苦労話や異性に対する葛藤等が盛り込まれており、それでも商いの道を貫きとおす生き方にすがすがしい思いがした。寄席等は全くの不案内だが、悪いものではないと思った。活字にし...続きを読むた大阪弁はちょっと読みにくかったが。。。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年03月14日

2017年度後半のNHK朝ドラ『わろてんか』を観て、モデルの吉本せいさんに興味を持ち、ドラマに先立って小説化、映画化されたという、この山崎豊子さんの直木賞受賞作を読もうと思った。
恐らくは、こちらの作品の女主人公、河島多加さんの方が、現実の吉本せいさんの人物像に近いのだろうと思いながら読んだ。
実際...続きを読む、おおまかには事実を元に創作を加えて作られていることが、二つのストーリーを比べると実感できる。安来節の扱いなど、その違いを見ると興味深いし、なにより、吉本吉兵衛、通称が泰三という主人公の旦那さんの扱いが、大きく異なっている。いまのドラマは、いわゆる「えげつなさ」を除いて、ファンタジー的に扱っている。没後も、時々、幽霊となって現れ、主人公のてんに忠告したり相談に乗ったりと。
現実は、「花のれん」では妾宅で亡くなったことになっているが、どうだったのだろう、それも創作かもしれないにしても、近いものがあったのだろうと思う。
あと、子どもの扱いも、随分と違っている。実際の子ども、頴右という人は、笠置シヅ子さんと恋仲になったと聞くが、ドラマでは、はるか以前、戦前にすでに駆け落ちして子を設けている。
また、吉本せいさんの片腕となった専務のことも、それぞれ違いがある。「花のれん」では、ガマ口はんという元芸人さんが、片腕を担い、ちょうどドラマで登場した通天閣を買う辺りのことも、主人公の多加さん主導で行なわれたように登場する。
ドラマでは、風太。そして、伊野栞という人が加わって、てんを支えている。でも、これもよく知られたことで、現実の吉本興業は、吉本せいさんの実弟である、専務から社長になった、林正之助さんの影響が、せいさんの生前から強かったといわれる。
その辺りのことを考えながら読むのも、また一興ではあるが、純粋に、大阪の興行主としての女主人のえげつなさを読むには、この「花のれん」はとても興味深い作品であると思えた。

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Posted by ブクログ 2017年11月08日

吉本興業の創業者である、吉本せいをモデルとして描いたフィクションです。女性としてせいと、一気呵成に商売人になっていく様が現実に近い形(どこまで現実に近いのかはわかりませんが)で著されています。その商売人としての才覚は見事で、読んでいて得心のいくものでした。

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Posted by ブクログ 2017年11月02日

古い作品ですが、ドラマと同じ人物がモデルということで読んでみました
古さは感じますが、読みにくくはないです

寄席商売にどっぷりはまっていく女一代記、徐々に話に引き込まれていきます

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年09月25日

吉本の創業者、せいをモデルにした話であるが、作者の創作がなせる最後である。 凄く古い本ではあったが、テレビで
ドラマになると言うことで、ちょっと読んでみた。やはり波瀾万丈の時代と活躍で、あの時代を生きたことがよく分かる。今の吉本の基礎を作った人であるとこの本からも読み取れた。結構終わり方も良い。

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Posted by ブクログ 2017年08月15日

2017/08/15
次の朝ドラと同じ人がモデルになってるってことで読んでみた。
大阪弁の響きがいい。
人に笑いを届けるために、ここまで人生をかけて働いた女性がいたなんて。
今当たり前にあることが決して当たり前ではないんだということを改めて思う。

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Posted by ブクログ 2024年03月12日

吉本を作ったモデルの女性と言われる女興行師の波瀾万丈の生涯。
ダメな夫、次々降りかかる試練、時代の波、その度にプライドも捨てて「ど根性」で乗り越える。
絶妙なタイミングでの商売へのお金の投資の仕方、相手との駆け引き。
さすがです。
これだけのことができないと、商売を大きくすることはできないんだ、と感...続きを読む心。
商売には勘とセンスが必要なんだわ。

そして、こんなにこんなに苦労して苦労して..でも最後は..
心が少し痛いせつない読後感。

吉本の芸人さんたち、頑張って!

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Posted by ブクログ 2024年02月27日

ブギウギで興味を持ち久しぶりに山崎豊子さん。
今吉本も変わらないと行けない分岐点にいるタイミング。この時代には戻れないけど、今の時代のエンターテインメントを磨いていってほしい。

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Posted by ブクログ 2023年12月10日

大阪の寄席道楽を営む女性の話。
商売魂が第一。
子どもや恋愛は、二の次。
女としての幸せ…とはなんだろう。
私、読書三昧で一生独身なんだろうか。
本好きな方と出会えたらいいのに、なんて。

落語聞きに行ってみたいな。

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Posted by ブクログ 2023年09月28日

山崎豊子文学忌 1942.1.2〜2013.9.29 豊子忌
直木賞受賞作
大阪商人の気迫と根性で大阪一の興行師となった女性の一代記。
主人公の多加は、吉本興行の創業者・吉本せい。
愛人の上で死んだ夫の借金を背負うマイナスからのスタート。そこから、創意と工夫と根回し。そして、気配り、心付け。使うとこ...続きを読むろには、惜しまず使い、興行でしっかり稼ぐ。
次々と繰り出される興行は、安来節の芸能化、真打落語家への采配、漫才への変革と、大阪の芸能の歴史の一端を担っていた様。
東京空襲の後、大阪から人を雇い毛布や食料を運び、落語家への見舞いに回るなど、思いたったら、行動しないと気がすまない。
最後は戦争により、多くのものを奪われたけれど、やり切った人と読みました。
素晴らしい女性だけれど、読んでて息苦しくなる程の仕事への情熱。ろくでなしの夫を白装束で送る意味はあったのか。ロマンスになりかけた男性に未練はなかったのか。一人息子とも気持ちは離れたまま。
痛快で、清々しくて、少し物悲しいさが残る女傑物語。

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Posted by ブクログ 2020年02月26日

最近、豊子先生が読みたくて。
同じ女としてこんだけ仕事に力入れてみたい気持ちも分からなくもないが、何か寂しさが付き纏う。
この時代にこんだけの商いの才があるのはすごいことだけどさ。

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Posted by ブクログ 2019年12月31日

1909年、船場の呉服屋に嫁いだ多加は、家業に無関心の頼りない夫に振り回される。
義父が亡くなった後はたがが外れたように遊び歩くようになり、苦労する。
夫は芸事が好きで、多加はそれを仕事にしてはどうかと勧め、思いきって呉服屋を畳み、寄席を始める。
最初はやる気になっていたが、本来のだらしなさが復活し...続きを読む、また働かなくなる始末。
その後、夫は思いがけないことで死亡し、多加を最後まで苦しめる。
しかし、一人息子を抱える多加は大阪商人として、更に人生を費やして行く。
周りに何を言われようが、商売のためなら何でもやった。
昔から、やはり女性は強い。
だけど、その苦労は生半可なものでなく、時には挫けそうになる多加の気持ちを思うと泣けてくる場面も。

2019.12.30

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Posted by ブクログ 2019年06月04日

山崎豊子

お笑い界の超モンスターマネジメント会社である吉本興業の創業者がモデルになってます。同じく吉本興業の創業者がモデルになった朝ドラ「わろてんか」の原作、、、にはなってないのかな?

でもまぁ、同じような歴史をたどってますので主人公の多加の喋りは全て葵わかなが頭に浮かびます(笑
何も知らない船...続きを読む場のこいさんが頼んない旦那に嫁いだためにすんげぇやり手になって寄席を大きくしていったってお話。
春団治やエンタツ・アチャコが実名で登場してる、、、
こんな船場言葉いまどき誰も喋らないけど、やっぱり大阪人にとっては心地いい(って字面眺めてるだけやけど)

とこれは多加のお話で実際の吉本の創業者は船場のこいさんではなく、船場に嫁いできたってことかな?旦那さんも働き者やったし、、ここら辺は史実とは違う。

山崎豊子自身が船場のこいさんだったので初期のお話は大阪が舞台になってるのが多いですよね。

やわらかい船場言葉でどぎつい商売をするってところがきっとポイントなんでしょう。

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Posted by ブクログ 2018年09月05日

夫と一緒に吉本興業を起こした吉本せいをモデルにした小説。吉本せいをモデルにしたドラマに「わろてんか」がある。

吉本せいの一代記も「わろてんか」も本作も一行で要約すれば同じになるが、中見は随分と違う。

花のれんは身代を潰した道楽旦那の道楽を商売のネタにして寄席小屋をつくり、夫婦で大きくしていく。更...続きを読むに夭逝した夫の跡を継ぎ小屋を大きくして言うという、大阪女将のど根性小説といったものである。

山﨑豊子の作品と言うことで読ませてくれるが、NHKが半年の朝ドラにした題材なので、この分量ではディテールが描き切れていないという気がする。ちょっと淡々とした書きぶり。まあ、簡単に読めてよいともいえる。

読んで損はない。

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Posted by ブクログ 2018年01月21日

主人公多加の商売人魂、細やか且つ熱心な仕事ぶりに魅せられる。たまに見せる女としての一面、人間らしさ、それを振り払うようにまたも仕事に邁進する…人間の強さと弱さを見た気がした。
描写が細かすぎるのか、どうにも文と相性が悪く、入り込めなかったところがある。題材、登場人物は魅力的だが、人を選ぶ本かもしれな...続きを読むい。

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Posted by ブクログ 2018年01月04日

現在放映中の「わろてんか」の原作と聞いたような気がして読んでみたが、全然違う内容なことにまず驚いた。(原作じゃないのかな?)
もしこれから同じ内容と思って読まれる方がいれば要注意。ところどころ似たエピソードも登場しますけどね。冷やし飴とか安来節とか。
こちらの女席主・多加のほうが何倍も逞しい。そして...続きを読む死んだ夫のダメ亭主っぷりの凄まじいこと(笑)この時代の女性は忍耐強く我慢強かったのかもしれないが、いくらなんでもこれでは「ほなもうわてがやりますわ」となるのも頷ける。
大正と昭和をど根性で力強く生き抜き、大阪の寄席興行を大きく育てた女席主。船場商人のコッテコテの大阪弁が痛快。
恋心や息子への愛も封印し、商いだけに生きた彼女が戦後間もなくに始めたのは、芸人たちの借金を棒引きにして回ること。関東大震災のエピソードにしても、彼女の芸人に対する感謝と愛情が伝わってくる。
戦後どうやって復興し、現在の吉本興行へと繋がっていくのか、この続編もあったらいいのにな。
2018/01

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Posted by ブクログ 2017年11月28日

吉本興業を起こした女主人 多加の物語。女である事が、今よりずっと不利であった時代に、その才覚と根性で笑の世界でのし上がっていく。大阪弁でポンポンと物語が進んで痛快だが、ラストは悲しい。仕事に全てを賭け、好きな人と結ばれる事も諦めた。戦争の陰が大きくのしかかり、全てを失ってしまう。その後が知りたい。

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