【感想・ネタバレ】花のれんのレビュー

あらすじ

船場に嫁いだ多加は頼りない夫を立ててよく働くが、夫は寄席道楽に耽って店を潰す。いっそ道楽を本業にという多加の勧めで場末の寄席を買った夫は、借財を残したまま妾宅で死亡する。多加のなりふりかまわぬ金儲けが始まった。金貸しの老婆に取入り、師匠たちの背中まで拭い、ライバルの寄席のお茶子頭を引抜く──。大阪商人のど根性に徹した女興業師の生涯を描く直木賞受賞作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

良い。
山崎豊子さんにしては短い作品。
借金からスタートし、一大娯楽を生み出した女性のお話。
男女関係が昭和ぽい。
大阪の古き良き時代。

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2025年04月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 ドラマ化されたものを観て原作が気になり、読んでみました。人の半生を2時間にまとめたドラマは展開が速く、中には突拍子ないと感じた場面もありました。しかし小説では、同じように展開は速いものの、まったく違和感なく受け入れられました。おそらく、ほんのわずかな文章量で、登場人物や背景を充分に描ききれているからなのでしょう。
 特にそれを感じたのが、吉三郎が女遊びを始めた第三章の、「何時も、何となく遊んでいないと気のすまぬ吉三郎は、芸人道楽の妙味を無くして来ると、そろそろ女遊びに興味をもつようになった。」という一文です。この一文だけ読めば、「そんな無茶苦茶な!」と思うのでしょうが、第二章まで読んできてこの一文に出会うと、「あぁ…(吉三郎なら、そりゃそうなるよね)」と、納得させられてしまいました。それほど作者の文章力は凄まじく、たった二つの章だけでリアリティある人物像を読者の中に存在させることができているのだと思います。
 個人的に、直木賞受賞作を読んだのは、知らずに読んでいたものが無いとすれば、初めてです。これも受賞作だとは知らずに読んでいたのですが、やはり受賞するだけのことはあるのですね。受賞するにはワケがあるということを知れたのも、この本を読んでの一つの収穫でした。

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2025年03月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

単に調べるだけなら、大ていの小説家はそれをやっているだろう。大切なことは何を調べるかであり、調べた多くの事実のなかの何を生かし、何を棄てるかであろう。この点作者の頭はよく働いている。これだけの材料があれば五つぐらいの小説は書ける。山崎はそれをやらない。この小説で主人公の多加が女の一念を貫いてその事業を成功する、のみならずその悲願を達成するために彼女の打つ手が悉く精密に計算されていることである。小銭貸しの石川きんに取り入ることから始まって、冷し飴を氷の上に並べたり、客の棄てたミカンの皮を集めて薬屋に売ったり、下足札に広告を入れることを思いついたりするこまごまとした才覚のほかに、公衆便所に忍びこんで真打の師匠たちの来るのを待ち受けて札撒したり、競争相手の紅梅亭のお茶子を引き抜いたりする計りごと、また安来節謡いを出雲まで買いに出かけたり、漫才ブームを作り出す商才、モデルになった有名な女興行師の実話であらうが、それを巧みに使用して、物語りを徐々に盛り上げてゆく手腕は見事なものである。

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2025年06月05日

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