あらすじ
「いやぁ、これは久しぶりのドストライクだった」――横山秀夫
「読んで損することは絶対にない。必読である」――池上冬樹(解説より)
刑務所、そこはシャバ以上に濃厚な人間関係が渦巻く、更生の最後の砦――。
石川県の加賀刑務所を舞台に、刑務官と受刑者たちの織り成す五つの事件。
仮出所した模範囚の失踪(「ヨンピン」)、暴力団から足を洗う“Gとれ”中に起きた入試問題流出事件(「Gとれ」)、受刑者の健康診断記録とレントゲンフィルムの消失(「レッドゾーン」)など、刑務官たちの矜持と葛藤がぶつかり合う連作ミステリー。
(著者プロフィール)
城山真一
1972年石川県生まれ。金沢大学法学部卒業。『ブラック・ヴィーナス 投資の女神』(宝島社、文庫化に際して『天才株トレーダー・二礼茜 ブラック・ヴィーナス』に改題)で、第14回『このミステリーがすごい! 』大賞を受賞。他の著書に『仕掛ける』(宝島社)、『相続レストラン』(KADOKAWA)、『ダブルバインド』(双葉社)など。
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Posted by ブクログ
これは確かにドストライク。文句なしで面白いし、叙述トリック読みまくっていても騙された。
連作短編だけど、大きな流れの中に火石と三上の謎が置かれるのも面白いが、傷のことは据え置きなので次作も期待していいのかな。一編ずつ、メインの謎とサブの謎が用意されていて、重なりながら解れて開陳される様は胸がすく。
Posted by ブクログ
ああ〜おもしろかった!!!ミステリーとは知らず読み始めて、今回はどんな解決をするのか、楽しみながら読み進めた!最後の章では2度も3度もひっくり返されて、お見事!と。続編もすぐ読みたい。
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あー、たくさんの伏線あったのに全てスルーしてたわ。
思い込みで疑問すらなかった。
完敗!
全ていいお話でした。
知らないこともたくさん勉強になったし
思ってたより刑務所の中は悪くなかった。
再犯が多いのもなんとなくわかったような気がした。
Posted by ブクログ
フォロワーさんが「看守の信念」を押しており、
調べたらシリーズ2作目だったので、
まずは1作目の本書を購入
いゃ〜面白かった。
加賀刑務所を舞台にした短編集です。
数話読んで「教⚪︎の風⚪︎教官みたい」と
感じていましたが、
最後まで読み終わると
まったく違った感想に。
上手く隠してますねー
お勧めします
Posted by ブクログ
火石が女とは!
深読みしすぎててっきり火石が復讐する話なんやとおもた。女刑務官かっこいい
結局顔の傷の理由や手の先を拭く癖?はよくわからんかった。。読み逃した?
Posted by ブクログ
こちらは今回初めて読む作家さんです。刑務所が舞台とあったので、脱獄するようなミステリー小説だと思っていましたが全然違いました…Σ(・∀・;)
5つの事件にそれぞれ関わる刑務官と囚人たちの内面の葛藤があり、人間味を感じさせる物語。特に末期がんが発覚した受刑者が、頑なに家族との面会・ガラ受けを拒否する第4話はヒューマンミステリーが満載で良かったです。途中に挟まっているプリズンダイヤリーの真相も、絶対に訳ありなのに深掘りされない火石の素性も最終話で回収していきますが、こちら本当に予想してなかった!
『「…願います」と控えめに声を発している。なんのことかと思ったが、すぐに気がついた。刑務の作業の途中だった。その時間帯、受刑者は自由に話をすることは固く禁じられている。用事があって話をしたい時は、担当刑務官の了承を得なければならない。「なんだ」と火石が尋ねる。-第4話 ガラ受け-』
これ以上のどんでん返しがあるのか、ちょっと気になるし、続編「看守の信念」も読んでみたいと思います(._.)
2025.11
Posted by ブクログ
題名からしてなんだな固そうな話だなあと勝手に想像していたら、すごく読みやすかった。
刑務所の中での生活、刑務官の仕事内容などあまり知らない内容が多かったので興味深かったかな。
終盤には、え!と声に出るほどの驚きもあり、満足。
続編もあるみたいなので読んでみようっと。
Posted by ブクログ
ドラマのCMをたまたま見かけて、なんだか自分好みの気がして、これは原作があるなら原作で読みたいと思ってたら、ちょうど行った本屋さんででかでかと宣伝されてた。ちょっと前だけど。
帯から何から随分ハードル上げられちゃったので、これは前情報入りすぎて勝手に期待しちゃったから、ちょっとどうだろうな…って思っちゃってたけど、読み終わってから人におすすめするなら直近はまずこれだわって思った。
めちゃくちゃよかった。
思ってたミステリーとは違ってたけど、読んでよかったと思う。
お前が言ってるのってゲームでもアニメでもそうなんだが人が〇にすぎなんだよって意見が実はないこともない私ですが、これは違うと断言できる。
それでもとてもよかった。
ってか人が〇なのも偶然そんなストーリーなわけだし、別に好んで覗きにいってるわけじゃない。
何を言ってもネタバレになるなーこのお話は。
でも本当によかったと思う。
シリーズで別のがあるみたいなので、それもそのうち読みたい。
やっぱり活字はいいなあ。(*‘ω‘ *)
Posted by ブクログ
刑務所を舞台にした5話からなる連作ミステリー。どの話から読んでも面白いが、やはり時間の流れを重視するなら1話からがよい。
テレビドラマ化もされたが、ドラマの前に本書を読むべき。本(文字)でしか伝わらない巧妙なトリックが隠されている。そういうのが味わえるのが、本の醍醐味。それを痛感させられる作品。
Posted by ブクログ
大どんでん返しではありませんが、章ごとの伏線が最後に腑に落ちる感じです。
看守という一般的に触れられない場所での仕事を通じて様々な感情トラブルや過去の清算をしていきます。また、看守は法務省の役人であり警察組織とは異なる事でのトラブルもあり。色々学べながら楽しめました。
見れて無いですが、ドラマ化されてたんですね。柄本さんは蜷川役かー。悪くないですが、勝田役で最後の豹変ぶりを見てみたかったです。
Posted by ブクログ
想像してたミステリとは違うけど最近読んだ短編よりずっと読み応えがある短編だった!
最後うわぁあ!ってなった感じ。
電車で読むのにちょうどよかった!
Posted by ブクログ
金沢刑務所を舞台とした刑務官と受刑者の物語を描いた連作短編ミステリー。各話ミステリーとしての惹きもありながら、シャバ以上に濃い人間関係からなるヒューマンドラマに魅せられた。
仮出所した模範囚が失踪する「ヨンピン」の最後、宗方は源田に対して敬礼して仮出所を祝う。形式ばった動作とセリフながら、二人の間で築かれた関係が想像できて感動的だと思った。またどの短編でも刑務官の矜持と葛藤が伝わってきて、刑務所という特殊な場所で生きる人たちのことを少し知ることができたと思う。
Posted by ブクログ
全5話からなる連作短編集。
まだ既読中だった先日、テレビドラマ化しているのを我慢できず観てしまった。
2時間ドラマだったので、1話分のみという簡略化。なので、完全に結末を知る事も無く、十分楽しく読み続けられた。
ドラマではいきなり、???と思う場面があり、原作とは異なる内容だと思っていたら、、、
そういう事ね。
全て読んで納得いきました。
ドラマを先に観た人でも十分、いえ、より一層楽しめるかも、、、です。
Posted by ブクログ
舞台は金沢刑務所。外の世界とは閉ざされた空間の中で、看守と受刑者の濃厚な人間関係が激しく渦巻くストーリー。
初めはただお薦めされたから、軽い気持ちで読み始めたが徐々に吸い込まれていき、気がついたら2日で読破していた。本作のミステリーは新しいと感じた。実際の刑務所における看守と受刑者の関係性はわからないがとてもリアルに描かれていると感じた?
Posted by ブクログ
横山秀夫が「どストライクだった」と評したのが頷ける作品だった。
舞台は金沢刑務所。ミステリの形を取りながら刑務所での刑務官と受刑者のリアルがとてもよく伝わった。
それにしても刑務官というのは大変な仕事だと思う。私が思う大変さは肉体的・身体的な業務の過酷さではない。犯罪白書などによると受刑者の再犯率は55%や58~59%というデータがあり、要するに出所した受刑者の半分以上はまた犯罪者になるという実態だが、受刑者の更生に尽くしている刑務官の徒労感というかやるせない気持ちは如何ばかりかと思う。更に犯罪者は国民の税金で運営されている刑務所で衣食住が保証されて安全な暮らしを送っているにも関わらず、半数以上がまた罪を犯すという現状はおかしいという声も多くある。こういう中で刑務官は自分たちが彼らの更生のために費やした時間やエネルギーは何なのか、意味があるのかと思わないだろうか。そう考えると刑務官という仕事を続けていくのは大変だろうと尊敬の念を禁じ得ない。
最後に蛇足だが、今週6/21に本作をドラマ化したものが放送されるらしい。既にキャストが発表されていて、火石の役を木村文乃が演じることが明らかになっているが、もうこれは本作の重要な面白い部分をネタバレさせているに等しい愚行だ。いつも私は優れたミステリの映像化したものを観ようとは全く思わないし、今回も観ることはない。
Posted by ブクログ
⭐︎4.5
⭐︎4.5 面白かった。
第一話、二話、、と読んでいて、
オムニバスかな??、、それは勿体無い。深掘りしてほしいな、、と読み進めて、繋がっている事に薄々気づきはじめて、更に読書タイムが楽しくなる。
一般庶民では知ることができない刑務所の内部事情など、感心しつつ、1人1人の人物描写にのめり込んでいく。
最終話の「お礼参り」で、え!?となり、、
何百ページと騙されていた事に驚愕、、。
もう1回、読み返したくなる。
他の著書も読んでみよう、、
Posted by ブクログ
刑務所内でおこるトラブルをある看守が解決していく短編集。今まで様々な警察小説などを読んできたが、伏線の回収が素晴らしくオチが全く読めなかった。4.4
Posted by ブクログ
社会からはみ出してしまったひとたちが社会に戻るための刑務所。実直で情熱あふれる若き刑務官・宗片と、冷静沈着な上級刑務官・火石。各話で掛け違いそうになる要所で、二歩三歩先にいる火石はできすぎなひとなんだけど、おかげでほっとできる結果になった。
ドラマ化と聞いて読んでみた。
期待の2025.6/21。
Posted by ブクログ
知らない世界「刑務所」について描写されており、複雑な人間関係が物語を進めていくが、最後はホッコリする話ばかりだった。
最後は想像してない結末でした。
Posted by ブクログ
刑務官という職業の知られざる現実や苦労が丁寧に描かれていて、深く胸に響きました。彼らが抱える厳しい責任と、その中に秘めた情熱や覚悟が伝わってきます。
また、各章で描かれる受刑者たちの人間模様も非常にリアルで、思わず引き込まれました。
現実でも、こうした情熱を持つ刑務官がいてほしいと強く願います。
Posted by ブクログ
金沢刑務所を舞台に起こる事件と受刑者と関わる様々な部署の職員の思いや立場の違いによる葛藤を描く。決して面には出ないが、それぞれの事件解決につながる大きな役割を果たす謎の刑務官火村。
現代でなくては成立しないであろう結末に見えていた景色が変わる思い。
Posted by ブクログ
刑務所内でのエピソードが5章に渡って綴られている
刑務所が組織であり、様々な役割分担の上成り立っているのがよく分かる
中には折り合いの悪い部署同士もあるみたい…
一般に知り得ることのできない、刑務官の生活や受刑者との駆け引き、心の揺らぎ、噛み合わない思い、部署同士のやり取りなどが取っ付きやすいストーリーにまとめられていて楽しめる
ただ、ラストにこんな仕掛けがあったとは…
想像もつかなかった
続編があってもよさそうなラストだった
取っ付きにくそうな装丁とタイトルに反し、意外とハートウォーミングな1冊
Posted by ブクログ
面白かった!もうちょい、章ごとの繋がりがつよいとよかったなー。めっちゃ続き気になる!って感じでもなく時間がかかった。
というか、火石の傷の理由とか、過去とか、伏線回収されてた??なんか投げっぱなしじゃなかった?
女だったとかニューハーフだったとか、理由は分かったけど、なんかだから?っていう感じもあり、なんとなくモヤモヤが残った。これもしやシリーズもの…?
Posted by ブクログ
竹内涼真主演映画の原作!やはり原作のほうが内容の理解ができたー。原作がある場合は原作読んでから映画みるとがっかりするので映画からみるよーにしてます。服役囚の公正に力を入れる刑務官の話。勤務外の逃亡の捜索だったり、再犯しない為の見張りだったり、熱い思いがないとできないお仕事。刑務所内での受刑者の介護の刑務があることも初きき〜。
Posted by ブクログ
想像していたミステリとは少し違っていたが
事件を解決する様が面白く、これがどう繋がっていくのだろうと期待しながら進めていた。思い込みで読んでしまっていたのでやられた。結末の作り込み、なるほどなぁ。考えさせられる。