【感想・ネタバレ】博士が愛した論文 研究者19人が語る“偏愛論文”アンソロジーのレビュー

あらすじ

この論文が、わたしを変えた、世界を変えた。
論文のすごさ、面白さを、日本を代表する研究者が熱量高く語る。

宇宙、人体、植物、恐竜、土、火山などなど──さまざまなジャンルの最前線で活躍する19名の研究者たちが「偏愛する」論文について、思い入れたっぷりに語り尽くす科学アンソロジー。

現在の学説の基礎を作った論文、学生時代に出会った宝物のような論文、専門家以外にもその楽しさをぜひ伝えたい論文、ニッチだけれどもこだわりのポイントがすごい論文、論文が持つ功罪を噛みしめた論文など、語られる論文を通して科学という営みの本質が見えてくる。

とっつきにくく見える科学論文は、実はこんなにも面白い! それぞれの論文のすごいポイント、どう読んで何を得たかなど、一流の科学者たちが教えてくれる。論文を書く人も、読む人も、論文を読んだことがない人も、科学を愛するすべての人に。

「もう話したいことが止まらぬ」
「まさに、人間の欲求に応えている仕事と言える」
「この論文よりすごい論文を読んだこともない」
「地味な論文は、しかし挑戦的だった」
「あーこれたぶんアカンやつや」
「ゴリゴリの力業に圧倒された」
「ヒトの常識的思考パターンを凌駕できる科学者が存在する」
――本文より

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「スカスカ・グサグサの岩石」が特に興味を持った。花崗岩は知っていたが、花崗岩が腐るのは知らなかったし、エピ閃長岩も知らなかった。

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2026年02月22日

Posted by ブクログ

理論物理学、微生物学、幹細胞発生学、宇宙物理化学、生命流体力学、地質学・岩石学、火山学、古脊椎動物学、代数幾何学、ニュートリノ天文学など、様々な分野の19名の理系研究者が「偏愛論文」について語るアンソロジー。
自分は文系で、理系の学問についてはあまり縁がない中、いろんな研究分野のユニークな論文のエッセンスが知れてとても興味深かった。また、研究というものの面白さを改めて感じた。
中でも、川上和人「そういえば、最近ケンケンしてないな」、仲野徹「衝撃と痛恨の秘話 幹細胞の可塑性とは何だったのか」、西本昌司「スカスカ・グサグサの岩石」、小林快次「羽を生やした恐竜」、小林武彦「私の愛する論文たち 老化は突然やってくる!?」が面白く、印象に残った。
ぜひ文系の学問についても、同じような企画をしてほしいなと思った。

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2026年02月19日

Posted by ブクログ

今まで読んだことがないジャンルの本で、
各分野の第一人者がおすすめ、あるいは人生に影響を与えた論文を紹介する珍しい本。

中には難解すぎて、ウ~ンというのもあったが。。
それでも大変楽しめた。理系の方の方が楽しめるだろうが、文系の方でも楽しめる。

個人的に面白かったのは、
回し車を公園におき、それをねずみやカエル等色々な動物が回す実験のもの。
人が40歳でガタッと年齢を感じる理由と直結するオランウータンの遺伝子の話。

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2026年02月12日

Posted by ブクログ

勉強が足らず理解出来ないところもあったけれども、とても面白く、また魅力的な着眼点に満ちたアンソロジーだと思う。
博士たちが愛してやまない論文を紹介している。
実にシンプルである。
しかし、博士たちが愛しているだけあって、その多様さは目を見張るものがある。
博士たちは論文を愛している。博士いわく……
その論文は美しい。
その論文は執筆した科学者の野心と信念が詰まっている。
その論文はこの分野においてすばらしく重要だった。
その論文は卓越した面白い他にない着眼点でもって作成された。
その論文は結果的には誤謬であったが、この論文があったからこそ反証的に研究が進み発展した。
その論文はいまは亡き仲間が遺したもので今も活きている。
その論文は自分の根幹を成すものだ。
その論文は科学者である自分を産み出し、おそらくは未来にも自分のような科学者を産み出す。
その論文は自分を含めた多くの科学者たちを結びつけている。
その論文は大きな転換期に発表され、特異点として今後も残る。
博士たちが愛する論文は、門外漢である私には容易に理解出来るものではない。しかし、素晴らしい厚みと重みを持って人類の叡智を支えているのだと思った。

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2025年12月23日

Posted by ブクログ

研究者が美しい論文や人生を変えた論文を語るアンソロジー。時にそれは高い壁であり励ます存在でもあるのだと感じた。論文を「作品」と表現した箇所があり納得。理学系に馴染みがない方にはやや読みにくいかもしれないが、研究者の人生、論文への愛を感じられる稀有な一冊だ。

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2025年11月28日

Posted by ブクログ

今までありそうで(あったかもしれないが)見つけられていなかったテーマ。いろんな分野の先頭を走る研究者が各々愛する論文を語るという、極めて興味深く面白かった本。各々の研究テーマが違うのはもちろん、各々の研究者の感性や語り口がそれぞれ全く違っていたのも面白かった。一般向けに少し噛み砕いてくれている人もいれば、専門用語もりもりで愛が溢れている人もいた。どちらも素晴らしいと思う。いわゆるオタク文化にも通ずるところがあると感じた。専門家から見た「私見を含んだ」サイエンス的エッセイは非常に面白かった。
大学時代を振り返ると、論文を読むのは嫌いではなかったし、面白かったがやはりどこかタスクの一つになっていて心の底から楽しんで読めていなかったと思った。川上先生の章の基礎研究のあり方は非常に共感できた。面白いを追求し、誰かの心を踊らせるようなものを世に出せている時点で価値はあると思う。森林分野以外にも、他分野のインパクトのある論文を読んでみたい。ぜひ続編を出してほしい。さらに言えば年に一回でもいいから定期刊行してほしい。

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2025年11月24日

Posted by ブクログ

19人の研究者がそれぞれ1つの論文を挙げ、それについて語るという本。最初から論文への偏愛全開で読ませてくれる。学問領域は多岐にわたっているが、どの分野にもすごいブレークスルーはあるもんだとか、専門分野の伝え方というのは人によって違うものだと思いながら読んだ。中でも最後の2章、「老化」の話と「南極の氷で超巨大なニュートリノ望遠鏡を作る」という話はとても興味深い。
数学の章は正直ちょっと残念。ただ体験を書くのではなくて、数学や代数幾何のおもしろさがなんとなくでも伝わる内容であってほしかった。

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2025年10月12日

Posted by ブクログ

AIに聞いたところ、オタクとは、アニメ、漫画、ゲーム、アイドルなど特定の趣味分野に強烈なこだわりを持ち、時間や金銭を極端に費やして深い知識や情熱を持つ人を指すらしい。趣味、ではないが特定の分野に強烈なこだわりを持つ面では研究者もオタク気質なのだろう。オタク達が自分の推しを語る際の勢いは凄まじい。5W1Hを駆使して推しの尊さを押し出してくる。多分、相手に伝えたいのではない、語りながら自分の中で推しの尊さを整理している。この本に登場する研究者達もそんなオタク達だ。自分の愛する分野での推し論文をピックし、尊さを語っている。研究分野も、文章から覗く著者の性格も、どれも多様だけど、愛する論文のために筆を走らせる事が苦ではない様子は共通している、というかみんな紙面が足りなさそうだった。

自分の愛する分野を見つけ、その分野への愛を深める事によって生活できるとは、なんとも幸せな仕事なんだろうなぁと感じました。

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2026年02月22日

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