歴史・時代作品一覧

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  • 深川の重蔵捕物控ゑ1 契りの十手
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    殺された恋女房に誓う人情十手の新ヒーロー。 心優しい庶民の味方! 警察小説の匠の時代小説、新シリーズ第1弾! 川で見つかった亡骸を追う重蔵が町場で偶然出会う、今にも倒れそうな爺さんと同じ裏長屋で隠れ暮らす女。 絡む運命の糸を手繰ると…。 目の前で恋女房を破落戸に殺された重蔵は、悪党が一人もいなくなるまでお勤めに励むことを亡き女房に誓う。それから十年が経った命日の日、近くの川で男の骸がみつかる。体中に刺されたり切りつけられた痕があるのだが、なぜか顔だけはきれいだった。手札をもらう同心・千坂京之介、義弟の下っ引き・定吉と探索に乗り出す重蔵だったが…。 人情十手の新ヒーロー誕生! 感涙必至!!
  • 日英開戦への道 イギリスのシンガポール戦略と日本の南進策の真実
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    「大東亜戦争(太平洋戦争)」については主に「日米開戦」に至る過程に焦点があてられ、真珠湾攻撃より早く始まった日本とイギリスの開戦への経緯は等閑視されている。 本書は、まず、イギリスがシンガポール海軍基地建設し、ワシントン軍縮条約、日英同盟が破棄された1920年代以降の、日英の南洋における利権の対立を分析する。 英連邦(イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、マレーシア)では、日本によるシンガポール陥落や東洋艦隊の壊滅は、イギリス帝国史上最大級の恥辱的出来事とされ、「失敗の原因」を探るという観点から「イギリス『シンガポール戦略』の失敗」に関して大きな関心が、戦後直後から現在にいたるまで、持たれている。 本書は、イギリスの南洋政略と当時の日英のシーパワーのバランス、日本の南進策の実態、陸海軍の対英米観の相異の変質を明らかにしながら、日英開戦に至った経緯をグランド・ストラテジー(大戦略)の観点から検証する 目次 序章 「シンガポール戦略」 「ジェリコ・リポート」 「シンガポール戦略」の起源 シンガポール基地建設案の採用とその後 センバーワン海軍基地 縮小される基地計画 政権交代とシンガポール海軍基地 建設開始と引き伸ばされる建設期間 対自治領政策から対日戦略へ 帝国両端での脅威 シンガポール海軍基地の開港 「シンガポール要塞」の実情 約束の履行 開戦 「プリンス・オブ・ウェールズ」撃沈 シンガポール陥落 第一章 太平洋のバランス・オブ・パワー ワシントン会議に向けた海軍の準備 ワシントン会議に向けた陸軍の準備 ワシントン会議に向けた日英の基本方針 ワシントン海軍軍縮条約第一九条 陸軍の反対 新たなるバランス・オブ・パワーの成立 帝国国防方針 帝国国防方針改定 ジュネーヴ会議 ロンドン軍縮会議に向けて ロンドン会議への基本姿勢 おわりに――「シンガポール戦略」と日本海軍 第二章 海軍軍縮体制の終焉 ロンドン会議と統帥権干犯問題 満洲事変と第一次上海事変 海軍軍縮の終焉と第一九条 おわりに 第三章 世論の受け止め――一九二〇年代 基地との最初の遭遇 関東大震災とその後 労働党による一時休止 シンガポール海軍基地をめぐる日英の外交協力 シンガポール海軍基地と一九二〇年代の論客たち おわりに――一九二〇年代の言論空間におけるシンガポール海軍基地 第四章 世論の受け止め――一九三〇年代 「一九三五~六年の危機」 未来戦記とシンガポール海軍基地 反英論の盛り上がりとシンガポール海軍基地 頂点を迎える反英論 池崎忠孝『新嘉坡根拠地』 おわりに――一九三〇年代の言論空間におけるシンガポール海軍基地 第五章 一九三六年の南進策の再検討 南進策の浮上 「帝国国防方針」の改定 南進策の主唱者たち おわりに――一九三六年の南進論 第六章 マレー・シンガポール攻略「作戦計画」の起源と進化 作戦計画なき「作戦計画」 マレー・シンガポール攻略作戦の起源 井本熊男の南洋視察旅行 「マレー・シンガポール攻略作戦」作戦計画の進化 おわりに――「作戦計画」の持つ意味とは? 第七章 欧州戦争の衝撃と南進 欧州戦争と日本 おわりに――一九四〇年の南進論 第八章 大戦略なき開戦 戦争への躊躇――一九四一年春 独ソ戦開戦前夜の状況 独ソ戦の衝撃 戦争への道 おわりに――対英戦争から対米戦争への拡大 第九章 シンガポール攻略に向けた準備の完成 シンガポール攻略に向けた準備 おわりに
  • 奇のくに風土記
    4.3
    若き本草学者の不思議に満ちた生きものとの出会い――心震わせる時代幻想譚。 美(う)っつい奇のくには、どこからか草木の「声」が聴こえてくる。 みずみずしい読後感につつまれた。 ―――――中江有里さん(俳優・小説家・歌手) 心震わせる生きもの賛歌。 美(う)っついのう。 紀州藩士の息子・十兵衛(後の本草学者・畔田翠山(くろだすいざん))は、 幼いころから草花とは自在に語らうことができるのに、人と接するとうまく言葉を交わすことができずに育った。 ある日、草花の採取に出かけた山中で天狗(てんぎゃん)と出会ってから、面妖な出来事が身の回りで次々と起こり……。 若き本草学者の、生き物や家族、恩師との温かな交感と成長を描く、感動の時代幻想譚。 〈目次〉 天狗 てんぎゃん 卯木 うつぎ 蜜柑 みかん 雪の舌 ゆきのした 伊佐木 いさき 不知火 しらぬい 藤袴 ふじばかま 仙蓼 せんりょう 譲葉 ゆずりは 山桃 やまもも 白山人参 はくさんにんじん 黒百合 くろゆり 瑞菜 ずいな 稲穂 いなほ 蓮華 れんげ 装画 MAYA MAXX 本文画 畔田翠山
  • 鬼にきんつば―坊主と同心、幽世しらべ―(新潮文庫)
    4.8
    「鬼の河原(かわはら)」と皆が恐れる同心の河原小平次(こへいじ)には秘密が二つある。甘い菓子にはめっぽう目がなく、じつは幽霊が大の苦手。「この家には幽霊がいます」と家賃の値下げを迫る店子の僧侶・蒼円に、秘密を二つとも見破られた小平次は、それが人知れず殺された女の霊と知り、蒼円の推理を元に下手人を探し出す――。異能を持つ美貌の僧侶と、強面だが心優しい同心が、市井の謎を解く大江戸人情推理帖。(解説・恩田陸)
  • 人華の園 那須は独立国だった
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    その男には野心と夢が。那須与一が、平家方の家族に背き源氏に付く決心をしたのは、冠木原衛門という男と出会ったからである。与一は平家との戦いで武功と名を上げていく。そんななか、与一と原衛門は平家滅亡後の世を見据え、後白河法皇を倒し、那須が中心となる国を作ろうと思い始める…。地元愛とともに、地元のヒーロー・那須与一をいきいきと描く歴史ロマン。
  • AI歴史学 源義経と成吉思汗
    -
    歴史的には一一八九年六月十五日に平泉で死亡したことになっている義経だが、AIのなかにいる義経は、現在も生きていることになる。最新のコンピュータ技術でAIによってよみがえった源義経。彼にインタビューすることで、真実が明らかに! 源義経=成吉思汗なのか。彼が語ったのは……『AI歴史学 山本五十六と太平洋戦争』に続く、シリーズ第2弾!
  • クライシュの鷹 高く舞う孤影
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    西暦730年、預言者ムハンマドと同じ名門クライシュ族の父と、ベルベル人の母から生まれたアブドゥル・ラフマーン一世。宿敵による騙し討ちによって一族を殺され、北アフリカを流浪。エジプトに入ると中国人方士の杜環と剣士アリーを仲間に加え、キャラバンを装って母の出身地である西のモロッコを目指す……。史実とフィクションを交えた、息つかせぬスペクタクルファンタジー小説。
  • ヒロシマを生き抜いたロシア人女性
    -
    広島に原爆が投下されたとき、市内には外国人が少なからずいて被爆したことが知られています。多くはアジア系の人たちでしたが、白人も数十人の規模でいました。アメリカ軍捕虜については森重昭著『原爆で死んだ米兵秘史』、ドイツ人神父たちについてはジョン・ハーシー著『ヒロシマ』にくわしく語られていますが、それ以外に6家族13名の白系ロシア人が被爆したことがわかっています。
  • 三国志名臣列伝 呉篇
    3.8
    周瑜から陸抗まで、三国志の世界は奥深い! 勇敢な父の孫堅と兄の孫策を継ぎ、長江流域に広大な王朝を築いた孫権。 大国「魏」と対峙し、赤壁の戦いに勝利した。 周瑜、魯粛、張昭をはじめ、この「呉」の国を支えた人物に、新しい光をあてる。 1800年の時を越え、初めて見出された真実とは? 著者の長年のライフワークともいえる「三国志名臣列伝」シリーズ、堂々の完結! 目次 周 瑜(しゅうゆ) 魯 粛(ろしゅく) 張 昭(ちょうしょう) 甘 寧(かんねい) 陸 遜(りくそん) 朱 然(しゅぜん) 陸 抗(りくこう) あとがき『三国志』支流の景色
  • 季節の無い街
    -
    山本周五郎の現代小説。ある極貧の下町の長屋に住む人々を描いた群像劇。貧しいくも逞しい生活の日々。不幸、笑い、恋愛、不倫。社会の底辺から見る当時の世相。個性的な人物たちの切ない話や不幸の連続な境遇にもはや諦観するしかない人々。「季節のない街」他に「正体」「藪落し」を収録。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 深川日向ごよみ(1) 凍て蝶
    -
    1~3巻495円 (税込)
    花夜叉との異名を持つ剣の達人、時津日向子が探屋稼業に奔走する  深川の南、永代橋近くの一色町。故あって国許を離れ、長屋暮らしの時津日向子、大助母子。小野派一刀流の遣い手でもある日向子は、骨董屋〈天秤堂〉の裏の仕事を手伝い糊口を凌いでいた。物探しや人探し、平たくいえば探屋である。時には一筋縄ではいかない相談事が持ちこまれる。そんな折、記憶喪失にかかった侍から「忘れた過去を探してほしい」との難解な依頼が持ち込まれる……。巻末に「電子版あとがき」を追加収録。 ●六道 慧(りくどう・けい) 東京の下町・本所生まれ。今も長兄が実家で小さな小さな町工場を営んでいる。1988年、朝日ソノラマから『大神伝(1) ムーの大神』でデビュー。以来、ライトノベル、時代物、そして警察小説とジャンルを変えながら挑戦してきた。「継続は力なり」が信条。
  • 風の忍び 一、風魔の六代目
    -
    徳川家康との約定により、影で江戸の鎮護を任される風間家。その実態は風魔一族を率いながら、無役の小普請組だった。だが平穏な江戸を打ち破る者が現れた。風間六代目の伊織が、江戸を護るために動き出す!
  • 高く翔べ 快商・紀伊國屋文左衛門
    -
    第11回日本歴史時代作家協会賞作品賞受賞作 大根おろしの中に小判がざくざく!? 祭りのために命がけで蜜柑を運ぶ!? 江戸っ子たちの英雄だったこの男は、なぜ一代で店を閉じたのか? 謎に満ちた紀伊國屋文左衛門の生涯に迫る、痛快なる歴史×経済小説 時は元禄。文吉は、幼い頃に巨大な廻船に憧れたことをきっかけに、故郷の紀州で商人を志す。だが許嫁の死をきっかけに、彼は「ひとつの悔いも残さず生きる」ため、身を立てんと江戸を目指す――。蜜柑の商いで故郷を飢饉から救い、莫大な富を得ながらも、一代で店を閉じた謎多き人物、紀伊國屋文左衛門。天才商人の生き様に迫る痛快作。
  • 100%ムックシリーズ 完全ガイドシリーズ404 江戸の暮らし完全ガイド
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【大河ドラマ】も【人気時代劇】も千倍面白くなる! 人物や出来事から、流行・娯楽・衣食住、そして災害まで── 江戸時代の背景が[全方位]まるわかり! 大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の放映で 知ってるようで知らない江戸中後期が注目! そこで! その前後を含めた江戸時代全278年 (1590年 家康の江戸づくり開始~1867年 慶喜の大政奉還)を完全ガイド まずは! オリジナル年表・マップと 人気「大河&時代劇の主役級人物」相関図etc.でわかりやすい [特別企画]サクっとわかる! 江戸時代 便覧 そして! [水道・お金・交通][武士や町人の仕事][衣食住][娯楽]などの 生活事情から、[幕末の人物・抗争・思想]まで挿入した[全方位図鑑]入り! 江戸暮らしの真実100 さらに! 伝承絵図でわかる江戸の災害 これで! 江戸時代の「大河ドラマ」も「人気時代劇」も面白さ千倍!
  • 清吉捕物帖
    -
    十手が光る、推理が冴える、粋でいなせな岡っ引! 昭和26年刊行の江戸捕物帳を復刊、時代小説の名手による珠玉の短編集! 豆腐屋佐兵衛の店に貧しい身なりの侍が現れ、「その油揚を百文くれ」と言ってその場で美味そうに食べるが…(「狐侍」より)。
  • 茜唄(上)
    4.2
    祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響きあり。朗々とした唄、琵琶の音が闇夜に響く。何者かが男に伝える、二十余年の歳月を要して編み上げた物語。その名は――。平氏棟梁・平清盛が四男・知盛。清盛最愛の息子とまで呼ばれた彼だが、幼い頃から病弱で出世は遅かった。だがそんな彼にも源氏という時代の荒波は容赦なく襲い掛かる。弟分で「王城一の強弓精兵」と呼ばれた教経と共に否応なく前線に立つ知盛。没落に向かう平氏を盛り返すことはできるのか。直木賞作家による、熱き血潮が巡る「真」平家物語!(全二巻)
  • 往来絵巻 貸本屋おせん
    3.6
    事件を呼ぶ本の虫・おせんが導く出版捕物帳 デビュー作『貸本屋おせん』で歴史時代作家協会賞新人賞を受賞、 業界最注目の著者による、看板シリーズ第2作! 文化年間の江戸浅草。 主人公は女手ひとつで貸本屋を営む〈おせん〉。 謎があるとつい首を突っ込んでしまう、事件を呼ぶ「本の虫」です。 表題作「往来絵巻」は、神田明神祭りが舞台。 宝くじが当たるより稀有でありがた~い、特別な「行列」を出すことになった与左衛門は、我らの偉業を絵として残そうと提案した。 金に糸目を付けず、1年待ってようやく仕上がった祭礼絵巻がついに完成。 しかし…… 絵には一人足りない人物が。消えた「あいつ」は何者だ? 〈おせん〉の推理がさえわたります。 蔦谷重三郎を巻き込んだ江戸出版界を揺るがす謎や、 〈おせん〉の父の死の真相、本仲間で絵師の「燕ノ舎」の最期……。 ちょっとビターで、心温まる、本好き必読の一冊です! 時代を超えて本好きを魅了する出版文化の豊饒さをお楽しみください。
  • 世界の海軍史 近代海軍の発達と海戦
    -
    海軍力は、国家の興隆と没落に与える影響を通して、世界史に重大な意味を持ってきた。この本では、海軍史における主要な作戦、その中でも決定的な役割を果たした戦闘を描いており、そしてそれらの戦闘を指揮して戦った主要な海軍指揮官の伝記的人物像を取り上げている。私は海軍のできごとをこれほど包括的に充実して語った本を他に知らない。(原書前文より抜粋)
  • 貸し物屋お庸謎解き帖 絵草紙と隠金
    4.0
    物だけでなく知恵も貸す江戸のレンタルショップには、 口は悪いが情に厚い娘店主を頼って 今日も訳ありのお客がやってくる── 読み心地満点の書き下ろし時代小説 第6弾! 「試してみな。駄目だったら相談に乗るぜ」 江戸庶民の暮らしを支える貸し物屋・湊屋両国出店の娘店主お庸は、 口は悪いが気性は真っ直ぐで、厄介事を丸く収めると評判の江戸娘。 そんな湊屋の暖簾を、今日も事情を抱えたお客がくぐる──。 軽業を披露する旅回りの童が全財産を損料にして借りた物とは? 深夜の店に忍び込み、何も盗らずに出て行く賊の正体は? 絵草紙に描かれた隠金の言い伝えの虚実は? 庸の家に現れた赤子の化け物が家人を脅す目的は? お客が求める貸し物の陰に隠れた秘密を見抜いて収めるお庸の謎捌きが痛快な、大人気書き下ろし時代小説、待望の第6弾! <目次> 十六文の貸し物 風鈴を三十 絵草紙と隠金 名残雪の別れ
  • 角を曲がれば謎がある 大奥様陽だまり事件帖
    -
    四百五十石の旗本・羽鳥弥左衛門利宣(はとりやざえもんとしのぶ)の母、嬉代(きよ)は六十三になる寡婦で、屋敷の離れに住んでいる。 良家の子女に書を教えたり、句会を催したりして過ごしているが、頭の回転が早く、人の機微にも通じ、洞察にも優れているので、様々な人がなにかと相談事を持ち込んで来る。 当主の弥左衛門は、人は好いが優柔不断で、日頃から嬉代に頭が上がらない。妻女の民江(たみえ)は、嬉代の大胆な行動に戸惑いがちだ。嫡男(孫)の俊之輔(しゅんのすけ)は、おとなしく、学問所に通っている。孫娘の那美(なみ)は、旗本の姫としては、活発で、早とちりもあるが聡明。嬉代と波長が合い、時に持ち込まれる相談事の解決の手伝いをしている。 嬉代主催の俳諧の集いに来ていた町名主、三左衛門(さんざえもん)が、大工の棟梁の耕吉(こうきち)が愛用の道具箱を盗まれ、困惑しているという話をする。耕吉は若くして棟梁になって、評判も良く、道具を大事に使っていた。道具箱がなくなっては、仕事にならない。 腕が良くて仕事が早い耕吉は、手間賃も比較的安いので、他の棟梁連中から妬み嫉みを受けることもあった。そういう連中の誰かの嫌がらせだと考えているらしい。だが盗まれたという証拠もない。役人は取り合ってくれない。興味を覚えた嬉代が乗り出したところ、意外な事実が明らかになった。子供たちの親を思う心と、職人気質の大工同士が引き起こした小さな事件が四方丸く収まって、めでたしめでたし。そして、また、新たな相談が嬉代のもとに……。江戸の町で起こる、小さな事件が老女の機転と洞察力で、丸くおさまり、今日も江戸は平和に暮れてゆく。
  • バサラ将軍
    -
    勝手放題な「バサラ」と呼ばれた足利義満は、恋の苦しみを能を通じて描かせ……(「バサラ将軍」)、尊氏・直義兄弟の葛藤(「兄の横顔」)など、激動の室町初期を舞台とした歴史小説短編集。幻のデビュー作「矢口の渡」を書籍初収録した新装版。《解説・大矢博子》
  • 武士の流儀(一)
    4.0
    1~12巻740~880円 (税込)
    元与力が剣と人情で活躍する新シリーズ誕生! 元は風烈廻りの与力で、理由あって隠居生活に入った清兵衛。若い侍が斬られる現場に出くわし、遺された友の手助けに乗り出すが……。
  • 貸本屋おせん
    3.5
    オール讀物新人賞を満場一致で受賞! 高荷を背負って江戸の町を巡るおせん。板木盗難や幽霊騒ぎ、幻の書物探しなど様々な事件に巻き込まれながら好事家たちに本を届ける! 解説=久田かおり 単行本 2022年11月 文藝春秋刊 文庫版 2025年5月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
  • さざなみの彼方
    4.0
    時は戦国。茶々(淀殿)は幼い頃、住んでいた城を信長に落とされた。父が自害に追いやられるも、生まれた時から共に育ってきた大野治長に守られ、逃げることができた。治長は茶々を一生守ると誓い、茶々も彼にそばに居てもらいたいと願う。その後、ふたりは柴田勝家の元に身を寄せたが、今度は秀吉に城を攻められ、茶々の母が自害する。そして二度目の落城を経験した茶々は、秀吉に側室になれと言われてしまい・・・・・・。二度の落城。許されぬ裏切り。家康の脅威。運命に翻弄されながらも、互いを思い合う茶々と大野治長の姿を描く、歴史恋愛小説!
  • 剣士の薬膳 世嗣暗殺
    -
    父のお役御免によって御家人の身分を失い、剣の道のかたわら、医師・柴垣青山のもとで医術を目指すことを決意した清河涼介。 涼安と名を変えた彼が修業のため始めた養生食は評判を呼び、旗本や大店に請われて薬膳を振る舞うまでになっていた。 そんな涼安が依頼されたのは、西国の大名・猪狩宗盛の御膳。不調を訴える宗盛の身体の質を見立て、涼安が供した薬膳によって宗盛は復調。涼安は役目を果たしたかと思われた。 だが、涼安は屋敷の奥に不穏な動きがあることを知る。世嗣の鶴丸が急に寝込むようになり、それには家老が雇ったもう一人の薬膳師が関わっているらしいのだ。 幼い命を脅かすのは邪な薬膳なのか?気鋭が贈る書下ろし長編。
  • てきてき 浪華のおなご医師と緒方洪庵
    3.0
    人気シリーズ「お江戸やすらぎ飯」の著者による最新刊! 大坂が舞台の医療時代小説!! 「私、みなを救うお医者になりたい。」 江戸から単身、大坂へーー 男たちの中で、ただひとり適塾の門を叩いた少女の物語。 大坂にある医師の家に許嫁としてやってきた亜弥。 医師の嫁ではなく、自身も医師を目指す彼女は、 名医・緒方洪庵が開いた適塾の門を叩く。 女性として初の入塾者となった亜弥は、 持ち前の食事療法の知識から洪庵にも一目置かれるようになるが、 ある時、体調不良を訴える男性に自分の判断で 誤った薬を処方してしまう・・・・・・。
  • 九十九航空艦隊【上】
    完結
    -
    太平洋戦争の開戦劈頭、“大艦巨砲主義”に異を唱える山本五十六連合艦隊司令長官は、起工予定の大和級三番艦を空母に変更することを強硬に提言。念願の超弩級戦空母「高天原」を新造させるに至った。 さらに山本はこれを旗艦とし、航空母艦5隻+巡洋艦4隻の計9隻、それに駆逐艦9隻を加えた航空艦隊を組織し、司令長官に九十九重志郎中将を任命する。 その名と艦数をかけて「九十九航空艦隊」と命名された新艦隊は、米─豪補給ライン遮断のため、南太平洋に出撃。新型艦載機「神閃」が第17部隊を殲滅させた。 次なる戦地はミッドウエー沖──。連合艦隊第三艦隊の危機を救うべく、ここに驚愕の急襲作戦を敢行する!! 史上最大戦空母と世界最強艦隊の活躍を描く傑作架空戦記、上巻! この作品は2004年1月~3月に白石書店より刊行された『最強戦闘群団「九十九航空艦隊」』『最強戦闘群団「九十九航空艦隊」Ⅱ』を加筆訂正のうえ改題したものです。
  • 超機密自衛隊
    完結
    -
    同時多発テロに続くロシアの不穏な動き……。2020年、脅威に晒される日本は、超機密自衛隊ことEGSDF(自衛隊試験評価群)をサハリンに派遣する。だが突然、超科学的現象による時空移動が彼らを襲った! そこは1944年──。敗戦後、米ソによって南北に分断され内戦状態の日本であった。ステルス戦闘機F-3や一〇式戦車を有するEGSDFは、南日本軍に加担。強大なソ連軍の後押しがある北日本軍に本州侵略を許すも、乾坤一擲の上陸作戦で戦況は一転、敵を北海道へ追いつめる。 最終決戦を挑む両軍は、それぞれの至宝「大和」と「武蔵」による巨艦同士の超弩級砲撃戦へ突入!その壮絶な結末によって、日本の再統一は目前と思われたが……!! 迫真極まる戦記シミュレーションの傑作。 ※この作品は2010年4月~8月に小社より刊行された『超機密自衛隊』①~③を訂正したものです。
  • 太平洋食堂
    4.0
    消された歴史に命を宿す傑作歴史長編! こんなに魂に沁みる小説はめったにない! 今こそ、読むべき物語だ。(作家・藤沢周) 一九〇四年(明治三十七年)、紀州・新宮に西洋の王様がかぶる王冠のような看板を掲げた一軒の食堂が開店した。 「太平洋食堂」と名付けられたその店の主人は「ひげのドクトル(毒取る)さん」と呼ばれ、地元の人たちから慕われていた医師・大石誠之助。アメリカやシンガポール、インドなどに留学した経験を持つ彼は、戦争と差別を嫌い、常に貧しき人の側に立って行動する人だった。 やがて幸徳秋水、堺利彦、森近運平らと交流を深めていく中、“主義者”として国家から監視されるようになった誠之助に待ち受ける運命とは――。 歴史の闇に埋もれた傑士の半生を描く傑作長編小説。
  • 橘花の仇 鎌倉河岸捕物控<一の巻>
    5.0
    江戸鎌倉河岸にある酒問屋・豊島屋。看板娘しほの唯一の肉親である父が、橘の鉢をめぐって御家人と諍いをおこし、御家人に斬り殺される事件が起きる。その御家人は、狂乱高騰する橘景気を背景に新しい店を開くというが、呼び物のひとつが、しほの父の血を浴びた「血染めの橘」。父の死を商売のたねにして弄ぶ御家人は許せない――しほと、幼馴染である政次、亮吉、彦四郎の三人が立ち上がります。 また、しほの両親をめぐって、あらたな事件が姿をあらわし……。 江戸開闢以来の町・鎌倉河岸を舞台に、若者四人と、よき理解者である金座裏の御用聞き・宗五郎親分が難事件を解決する、“青春捕物グラフィティ”。
  • 真珠湾までの経緯 海軍軍務局大佐が語る開戦の真相
    -
    第一章 支那大陸をめぐる日米の争い  第二章 ワシントンおよびロンドン会議の真意義  第三章 日米海軍競争史  第四章 満州事変をめぐって 第五章 ヤマを迎えた一九三六年 第六章 愚かなる支那事変 第七章 第二次世界大戦の前夜 第八章 欧州大戦の火ぶた切らる 第九章 日本は欧州戦争にかかわらず支那事変に猪突 第十章 日独伊三国同盟と日ソ中立条約  第十一章 太平洋の波高し 第十二章 第二次近衛内閣と日米交渉  第十三章 独ソ開戦す 第十四章 米英の追いこみとさまよう日本 第十五章 太平洋戦争の開幕――ハル・ノート前後―― 終章 十五年後におもう――「むすび」にかえて――
  • リデルハート 戦略家の生涯とリベラルな戦争観
    -
    第一部 リデルハートとその時代 第一章 誕生から第一次世界大戦まで 第二章 戦間期 第三章 第二次世界大戦 第四章 冷戦から晩年まで 第二部 リデルハートの戦略思想 第五章 第一次世界大戦の衝撃 第六章 大量集中理論と相互破壊理論の「救世主」       ――リデルハートのクラウゼヴィッツ批判―― 第七章 『戦略論』の誕生(その一) 第八章 『戦略論』の誕生(その二) 第九章 「間接アプローチ戦略」と「イギリス流の戦争方法」 第十章 リデルハートと「西側流の戦争方法」 エピローグ――「日本流の戦争方法」の構築に向けて
  • 幕府は倒壊へ……我らはどうなる
    -
    旗本から見た「幕末から明治へ」。──旗本の松野家では当主が急死し、まだ幼い芳保が家督を継ぐことに。時は幕末、黒船が来航し世を騒がせていた。松野家の家老・半田と用人の西橋は、世の動きを知行地の若者に探らせることにする。しかしその動きは早く、また松野家は幕府側、主体的な行動はできないまま、幕府終焉の時をむかえるのだった…。
  • 与一と坂額 天慶前夜
    -
    「魔物のように、ひどく醜い女武者。そのように耳にしていた。だが噂とは異なり、花のように美しい、凛とした女であった」甲斐源氏の男と越後平氏の女。二人の運命は……(「与一と坂額」)。藤原清貫は本当に、内裏の落雷によって命を落としたのか……(「天慶前夜」)。鎌倉時代初期を舞台にした「陰謀」、平安中期の人間模様を描いた「能円法師」を加えた、歴史小説四編を収録。
  • 皇女と宿星の女たち
    -
    飛鳥京の世──恋人を殺された天文博士の娘・婁は、二上山中に秘密の“おなごの邑”をつくる。男に虐げられて生きるのが当たり前だった時代、そこは女たちのシェルターとなり、陰謀により死ぬ運命にあった山辺皇女までもが逃げ込んでくる。村から次々と女の姿が消えていくのを男たちは訝しみ、それを都の貴族・藤原不比等が知ることになり……。古代の飛鳥を舞台にしたヒューマンドラマ。
  • 隋唐演義一 群雄雌伏ノ巻
    完結
    3.3
    六世紀末の中国、隋によって天下は統一され、平和と安定がもたらされるかに思われた。しかし、政治はさらに乱れ、激動の時代はつづく。数多の英雄、豪傑、智将、そして美女たちが織りなす歴史絵巻。『三国志演義』に勝るとも劣らぬ演義の傑作、第一巻。
  • 田沼と蔦重(新潮文庫)
    3.0
    次々とヒット作を生み出し出版界の寵児となった蔦重こと蔦屋重三郎。老中の田沼意次を庶民の理解者と評価する重三郎は文化人たちと築いたネットワークを駆使し、田沼のため情報収集に奔走することに。一方、獄死と偽り田沼邸に匿われていた平賀源内は、幕府財政再建を図るべく夷地の富に目を付けた意次の意を受け北に向かう。型破りで「べらぼう」な男たちを描く書下ろし長編歴史小説。(解説・木村行伸)
  • 広重と女八景
    -
    「七夕の晩、また君恋橋で逢おう」と男から錦絵を渡された女。 その話を聞いた絵師は、落款から己の描いた絵だと気付き、二人の邂逅を見届けたいと二十数年ぶりに彼の地へ向かう(「小金井橋夕照」)。 名所絵の依頼を受けた歌川広重が「江戸近郊八景」を描く道すがら、人々の抜き差しならぬ恋模様を覗く傑作八篇。 『恋々彩々』改題。〈解説〉細谷正充
  • 女人入眼
    4.0
    第167回直木賞候補作、待望の文庫化! 「鎌倉幕府最大の失策」と呼ばれる謎多き事件・大姫入内。 その背後にあったのは、国の実権をめぐる女たちの政争。 そしてわかり合えない母娘の悲しい過去だった。 「大仏は眼が入って初めて仏となるのです。男たちが戦で彫り上げた国の形に、玉眼を入れるのは、女人であろうと私は思うのですよ」 建久六年(1195年)。京の六条殿に仕える女房・周子は、宮中掌握の一手として、源頼朝と北条政子の娘・大姫を入内させるという命を受けて鎌倉へ入る。気鬱の病を抱え、繊細な心を持つ大姫と、大きな野望を抱き、それゆえ娘への強い圧力となる政子。二人のことを探る周子が辿り着いた、母子の間に横たわる悲しき過去とは――。「鎌倉幕府最大の失策」と呼ばれる謎多き事件・大姫入内。その背後には、政治の実権をめぐる女たちの戦いと、わかり合えない母と娘の物語があった。
  • 満州スパイ戦秘史 関東軍将校らの証言で迫るノモンハン事件から日ソ戦争まで
    3.0
    ソ連に侵攻の意向なし──。偽情報にだまされた日ソ諜報(ちょうほう)戦の失敗の真相に迫るノンフィクション。米国人歴史家が関東軍元将校らにインタビューした録音記録を朝日新聞記者が入手。ノモンハン事件、日ソ戦争の舞台裏を初出事実とともに描く。
  • 潮音 第一巻
    4.0
    宮本文学初の大河歴史小説、堂々の開幕篇! 幕末・維新の激動に立ちむかった「富山の薬売り」たちの知恵と勇気。 人を導く、「大いなる力」とは何か? 人間を描き続けてきた宮本文学の集大成にして初の歴史小説、堂々の開幕篇。 幕末の越中富山に生まれた川上弥一は、藩を挙げての産業・売薬業に身を投じる。 やがて薩摩藩を担当する行商人となった弥一は、じょじょに薩摩藩の内情に通じてゆき、薬売りと薩摩藩をつなぐ「秘密」に気づき始める―― 黒船来航、幕府の危機を背景とした壮大な物語が、今はじまる。 第二の開国(グローバリゼーションや通貨変動)にさらされる現代日本人にとって「羅針盤」となる大長編! ※初回配本限定特典「讀む藥」は、電子書籍版には収録されておりません。ご了承のほど、お願いいたします。
  • 夢の痕 古道具屋 皆塵堂
    3.5
    古道具屋皆塵堂は、小僧の峰吉で回っている。自在な客あしらい、目利きの確かさ、道具の修繕は職人並みの腕前、と釣り好きで店になかなかいない店主の伊平次に代わって、皆塵堂を切り回している。曰くつきの古道具を手に入れても、峰吉は幽霊を見ないから平気だ。向かいの油屋の小僧参太は、峰吉と違い、幽霊が見える。よその店の古道具の憑きものを見ては、いつも震えさせられている。 それが悔しくてたまらない参太は、一度くらい峰吉に幽霊を見せて、震え上がる姿を見てみたいと思う。幽霊話を仕入れては、峰吉に幽霊を見せようとするが、実際に見て怖い思いをするのはいつも参太ばかり。 そんな参太をご隠居の清左衛門たちも応援にまわる。大人の巳之助、茂蔵、円九郎がとっておきの幽霊話を引っさげ、峰吉に怖い思いをさせる刺客としてやってくるのだが……。 参太のまわりに集まってくるのは、夢がらみの幽霊譚。 夢はお告げか、誰かが救いを求める声か? 職人のじいさんが隠した櫛が気になって成仏できないばあさん。隠し先を峰吉は見破ろうとするが? 二階からあるいは草むらから自分の姿も見える夢を見る菊次郎、誰が夢を見せようとしているのか?  幸ちゃんとしか覚えていない幼なじみの夢を見る円九郎。やっと町名を思いだした円九郎は、峰吉と向かうが、蕎麦打ちに行き詰まり、首を吊ろうとしていた男と出くわした。 ……などなど。他人の夢の話はつまらない、とうそぶきながらも、峰吉は、夢の謎を解く鍵を見つけていく。 皆が期待する峰吉が震え上がる日は来るのか?
  • 実さえ花さえ
    4.0
    デビュー作にしてこのハイクオリティ! 今や歴史・時代小説の大家となった朝井まかての初めての小説は、著者がこよなく愛する「江戸の園芸」をモチーフに、今も変わらぬ「人の世の情」を鮮やかに描き出す。 第3回小説現代長編新人賞奨励賞受賞作。
  • きよのお江戸料理日記
    3.8
    逢坂の油問屋の子として生まれた「きよ」は、とある事情から屋敷の奥でひっそりと暮らしていた。そんなある日、弟の清五郎が問題を起こし、逢坂にいられなくなってしまう。両親は清五郎を江戸にやることにしたが、きよも弟の世話係として共に行くことに。ふたりが向かう先は、父の知人が営む料理屋『千川』。そこで清五郎は配膳係として、きよは下働きとして働くことになったのだが、ひょんなことからきよが作った料理が店で出されることになり……。「居酒屋ぼったくり」著者の新境地、ここに開幕!
  • 根津や孝助一代記
    3.0
    薬種商の手代・孝助、齢十六。 草鞋を購う一文を切り詰め、立身出世の道を拓く! 元銀行マンの著者が初めて挑む、感動の時代小説 日本橋の薬種商「養生屋」に、一人の勤勉な手代がいた。 名は孝助、十六歳。父を知らず母に捨てられ、医師の徳庵に拾われて医術の手ほどきを受けた苦労人だ。丁稚らが足を傷めていると知れば履き潰した草鞋を工夫して編み直し、無駄な費用も切り詰める。 そんな孝助のもとに、父と名乗る男が現われ……。 ひたむきで実直な青年の姿が胸を打つ、人情と栄達の時代小説。
  • 皆ごろしの城 謙信を狙う姫
    3.0
    軍神を討て! 関東の覇権争いに巻き込まれた騎西城。 難攻不落の城が落ちた時、城主の娘の運命は――。 謙信の蛮行に復讐を誓う姫の生涯を描いた、歴史エンターテインメント! 武州騎西城は四方を沼に囲まれた、難攻不落の城――。この地は関東における上杉・北条の勢力境界線だった。 永禄六年(一五六三)、城主の小田家国が北条方に与し、激怒した上杉輝虎(謙信)が大軍を差し向けてきた。 奇策で沼を突破した輝虎は、籠城する六百名を次々と斬り捨てる。城主の娘月乃は、燃え盛る城を背に槍の名手五郎太と落ち延びる。 やがて月乃に復讐心が芽生え……。
  • 口出し屋お貫
    3.8
    「口入れ屋は商売だけど、口出しするのは性分なんで」 若き女主人と元花魁が、人にからまる糸を解く! 著者好評の江戸人情話、最新作! 二十七にして三度目の奉公先から暇を取ったおれんは、昔馴染みの口入れ屋を訪ねた。帳場には見慣れぬ小娘。 口入れ屋の主人と言えば、酸いも甘いも噛み分けた食えない年寄りが相場である。ただの留守番に違いない――が。 「あたしは先代時三の孫で、貫と申します。二年前にこの店を継ぎまして、今年二十二になります」 それぞれの奉公先を辞めた経緯を語らせるお貫に反発して、おれんは店を飛び出す。別の口入れ屋に断わられ、通りで再会した元の主人には不義理をなじられ、疲れ果てて戻った部屋には、お貫が待ちかまえていた……。
  • 斑鳩の地で ─聖徳太子の思い出
    -
    聖徳太子は、馬子が崇峻天皇を弑逆した東漢直駒を処刑する光景を悪夢として思い出しながら、この悪夢は果たしてどこから始まったのかと思索し、日本の歴史を思い出しつつ自らの人生を思い巡らせていく。太子を聖人として扱わず、時代を手探りで生きた不器用な人物として描きながら、後に仏に導かれた太子が、夢で馬子と対決し思想を昇華させていく意識を辿る小説。
  • 腫面
    -
    時は平安中期。戒定寺を乗っ取り、さらに殿上人となるため、あれこれと画策する豸恵と実仞。その野望の障害となる、清少納言の夫、橘則光の暗殺を企て、さらに藤原道長に近づくため、その妻に対して自作自演までして信頼を得ようとする。さて、豸恵らの野望は達成されてしまうのか。則光の命は、源頼信、高僧・治恵の運命は如何に! 最後に老婆の「腫面」顔になるのは誰?
  • 渦巻いて 三河牧野一族の波瀾 〈上巻〉
    -
    1~2巻1,144~1,320円 (税込)
    今川氏、松平氏(後の徳川氏)のはざまにあって、戦国の世を生き抜き、その後5つの近代大名・牧野氏の流れを輩出した「三河牧野氏」の100年に及ぶ壮大なる物語。一族はどのようにして勢力を広げ、城を築き、戦ってきたか、上巻・下巻に分けてお届けします。織田、豊臣のように誰もが知る人物ではありませんが、地元民でなくても、きっと興味深く読めること間違いなしです。
  • 黄塵の彼方
    -
    第二次世界大戦が終結したその日、北京の町中が青天白日満地紅旗で埋まった。やがて、日本軍の全部隊が武装解除すると北京城内は百鬼夜行の恐怖の町と化した。そんな時、無実の罪で投獄された日本人の男が獄中で出会ったのは、半白の頭をした日満混血の男だった。男の語った波瀾万丈の日々とは……。史実に基づいた緻密さと大胆な発想、流麗な文体で綴られた小説。
  • 士・黙示録 ─政宗が南蛮の天際へ放った、中世の〈はやぶさ〉─
    -
    慶長十八(一六一三)年九月、伊達政宗は支倉常長に密命を下し、宣教師ソテロとともに秘かに使節を奥南蛮(ヨーロッパ)へと送り出す。伊達の黒船〈サン・ファン・バウチスタ号〉は太平洋の嵐を乗り越え、見事ヌエバ・イスパニア(メキシコ)に到着。施設はローマ教皇との謁見にも成功したのだが……。全てを失った彼らに“復活”はあるのか。時代に〈黙殺〉された伊達・遣欧使節の不運!
  • 義妹にちょっかいは無用にて : 1
    3.7
    理世は長崎の商家から旗本家に嫁ぐために江戸に来て大平家の養女となった。大平家の三男、将太は子供時分は鬼子とも呼ばれる暴れん坊だったが今は手習所の師匠として筆子を教えている――二人は仮そめの兄妹になった。が、将太は〝 美しい妹にひと目惚れ〟してしまう! 苦悩しつつ想いを封印し、縁談を反故にされてひとりぼっちの理世を守ると決意する将太だが……。人気シリーズ『拙者、妹がおりまして』に連なる、新たなる兄妹の物語、いざ開幕!
  • ああうれしい
    3.7
    大好評「まんまこと」シリーズ、ついに第10弾! 子が生まれ、張り切る新米父の麻之助だが、相談事は待ってくれない。 悪友に妻たちまで巻き込み、 時に怠けながら、今日も果敢に揉め事を捌く! (※よく叱られます) * * * 〈あらすじ〉 「ふじのはな」 高利貸しの婚礼話。めでたい席の前に各所が荒れ模様に―― 「おとうと」 “町名主見習い”の義弟を手伝う麻之助は猫探しを相談されて 「ああうれしい」 “ああ嬉しい”と思わせて欲しい――って、それ町名主の仕事!? 「縁談色々」 縁談の相手探しを次々頼まれる麻之助。ふと見つけた妙案とは 「むねのうち」 与力の屋敷の台所で高価なかんざしが消えた。盗人はどこに? 「だいじなこと」 友人の家で病に倒れた麻之助は“何か”を忘れてしまった気が……
  • おやごころ
    4.0
    大好評「まんまこと」シリーズ第9弾。麻之助、ついに父に――! 前作でお和歌と婚礼をあげた麻之助。今作ではお和歌に男の子が生まれます。 お気楽者の麻之助もこれで少しはしゃっきりするだろうと、町の面々もほっとしてお祝いムード。 子どもの名前を考えながら、麻之助は今日も町の揉め事に立ち向かいます。 〈文庫解説〉 杉江松恋 たのまれごと  嫡男の悪行で家が滅ぶと愚痴る旗本だが、悪行は見当たらず…… こころのこり 大店から大事なものが失せるのは、ある芝居のせいだというが よめごりょう  妻のお和歌と結婚するはずだったと息巻く男が突然現れた 麻之助走る  妻が子を宿した麻之助。何かが気になり支配町を走り回るが 終わったこと  与力の娘につきまとう謎の男。麻之助は真犯人に辿りつけるか おやごころ  息子が生まれたばかりの麻之助の周りに親子の相談事が続々と 単行本 2023年5月 文藝春秋刊 文庫版 2025年4月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
  • 人よ、花よ、 上
    4.3
    1~2巻1,999~2,200円 (税込)
    軍神と崇(あが)められる楠木正成を父に持つ正行は、戦なき世を求めて、北朝に降(くだ)る決意を固める。それは、楠木家こそ挽回の鍵だと頼みにしている南朝を滅亡に向かわせることに他ならないのだが……。朝日新聞連載の歴史巨編、待望の単行本化!
  • 表裏の旗 戊辰野辺地戦争秘聞
    -
    侍とは何か、忠義と何か、汚名を覚悟してなお生きる道とは  風雲の幕末期。大政奉還により誕生した新政府軍、旧江戸幕府を支持する奥羽越列藩同盟との間で板挟みになる弘前藩(現在の青森県西部)。軍備も思惑もばらばらな同盟軍が新政府軍に勝てるわけがない。だが新政府に恭順すれば他の同盟藩から攻撃される。混迷を深める政治情勢の中、頭脳明晰ながら人付き合いが苦手な弘前藩家老・西舘宇膳と、剣の達人、絵の名手として名高い藩士・小島左近。固い友情で結ばれた二人は、土地と民草の生活を守り抜くため、命を賭して奔走する……。  戊辰戦争の戦いの一つである「野辺地戦争」を材に取った歴史小説。電子オリジナル作品。 ●葛西伸哉(かさい・しんや) 1965年、青森県木造町(現・つがる市)生まれ。92年『ソードワールド短編集 スチャラカ冒険隊、南へ』収録の「かくもささやかな凱歌」でデビュー。98年から本格的な作家活動を開始し、シリアスからコメディまで多彩な作品を手がける。岸杯也(きし・はいや)の名義で手がけた『しゅらばら!』(MF文庫J)は全11巻を重ねるヒット作。
  • 付添い屋・六平太 龍の巻 留め女
    3.8
    時代小説界最後にして最強の新人!  主人公・秋月六平太は、かつて信州・十河藩の供番(籠を守るボディーガード)を務めていたが、家中の権力闘争に巻き込まれゆえあって浪人となった。いまは裕福な商家の子女の芝居見物や行楽の付添い屋(これもボディガード)で身を立てている。  血のつながらない妹の佐和は、六平太の再士官を夢見て、浅草元鳥越の自宅を守りながら、裁縫で家計を支えているが、本人にその気はない。相惚れの髪結い・おりき、音羽界隈を取り仕切る毘沙門一家の菊次とともに、浮き草な日々を過ごしながら、付添稼業を続ける日々だ。  その六平太のまわりには、幸せになりきれないが、一生懸命生きている人たちの悩み事が今日も迷い込むのだった。妹・佐和の祝言までを描くシリーズ第一弾。「雨祝い」、「初浴衣」、表題作「留め女」、「祝言」の四話を収録。人情話ここにあり!
  • 手籠め人源之助秘帖 みだらくずし
    -
    兵藤三郎は貧乏御家人の三男坊。学問所で医術に秀でていた三郎は、町医者の鉄丸源斎から請われて養子となる。 だが、この源斎にはもうひとつの顔があった。彼は鉄魔羅の源――手籠め人という裏稼業を持っていたのだ。養父の死後、三郎は鉄魔羅の二つ名を継いで源之助と名乗る。 手籠め人の元締めである薬種問屋の女将・お美津から色事の手ほどきを受けた源之助。絵草紙屋の女将・香代、旗本の女剣士・雪絵と情交を重ね、経験を積んだ彼は、男と女の痴情のもつれを解きほぐす、手籠め人として江戸の闇の中への第一歩を踏み出すが……。 鬼才が放つ傑作時代エンターテインメント!
  • めおと旅籠繁盛記
    3.3
    無宿者と寂れた旅籠。奮闘の再出立物語!  やくざ者の下働きをして暮らす無宿者の直次は、ある日、賭場検めに現れた捕り方を誤って傷つけてしまう。もう、江戸にすら居場所はない……自らも重傷を負い朦朧としながら逃げてきた中仙道で、直次は追剥に襲われていた娘の危機を救う。  気を失った直次が目覚めると、そこは助けた娘・お路の両親が営む板橋宿の旅籠松丸屋だった。主人のお人好しが災いし、借金も抱える今にも潰れそうな松丸屋だが、その上、近頃は徒党を組んだ追剥が出没し、板橋宿全体が寂れ始めていると言う。  怪我の完治までせいぜい利用してやろうと決めた直次だが、穿鑿もせず受け入れてくれる松丸屋の居心地を、悪くないと感じ始める。提灯屋の若旦那・定之助をはじめ、余所者の直次を警戒する者も多いが、その働きぶりに少しずつ直次を認める住人も出て来た。  そんな折、いよいよ追剥被害が頻発。なぜ、板橋宿近辺ばかりが狙われるのか。直次は「最後の恩返し」として、道中奉行の命を受けた江戸四宿見廻り役・恩間満之助と共に解決に乗り出す。 全てを失った無宿者が旅籠を盛り立て、帰る場所を作ってゆく、奮闘の再生物語。 (解説・理流)
  • 風を紡ぐ
    4.0
    消えた花嫁衣裳と竹刀 不可解な盗人の正体とは―― 深川の縫箔(刺繍)屋・丸仙の娘、おちえの竹刀が盗まれた。 おちえの父が、ある大店のため縫い上げた花嫁衣裳にも不穏な影が忍び寄る。 剣の達人であった職人・一居でさえも、その気配に気づくことができなかった賊の意外な正体とは。 一方、おちえにも突然求婚者が現れて――大人気時代青春ミステリー〈針と剣〉、風雲急を告げるシリーズ第3弾!
  • 超高速戦艦「大和」【上】炸裂! 四六センチ砲
    完結
    -
    日本は軍縮条約の期限切れを待って、海軍の軍備拡張を計画。その目玉は新型戦艦だった。 だが、列強各国の関心を同艦から逸らすため、同時に甲型駆逐艦と一等潜水艦の建造予算を申請、同じ予算で水中を20ノットで潜航する新型高速潜水艦と、その潜水母艦の建造も決まる。 昭和16年12月7日、国家機密であった戦艦大和は最後の公試運転に臨み、主砲の発射実験に成功。翌日未明には、山本五十六連合艦隊司令長官が「トラトラトラ」の暗号文を受け取る。 そしてついに、翌年1月、戦艦大和は潜水艦・伊201型4隻と潜水母艦とともに、ボルネオ島沖へ急行し、初陣を迎えるのだった──。 忽然と姿を現した最新鋭の世界最強戦艦!その驚異的な活躍を描く傑作戦記シミュレーション!! この作品は2019年7月に刊行された「技術要塞戦艦大和 姉妹軍艦誕生!」および「技術要塞戦艦大和(2) 米空母撃滅戦!」プロローグ~第3章(ともに経済界刊)を上巻として再編集し、タイトルを改題したものです。
  • 蒲生氏郷 信長に選ばれた男
    3.0
    信長に愛され、秀吉が怖れた。 信長の人質から92万石の大名に――時代の先陣を駆けた戦国武将! 信長に寵愛された勇将が見据えた「天下三分の鼎」とは? 近江国日野を治める領主・蒲生氏の嫡子・鶴千代(後の氏郷)は、齢十三にして織田信長の人質になる。 信長の側で戦いを学び、常に先陣を切る氏郷に、信長は娘の冬を娶せる。 織田家の重臣となるべく、阿修羅のごとく奮闘するが、信長は本能寺で討死。 その後、豊臣秀吉に仕え、伊勢松坂、奥州会津若松の礎を築いた猛将の生涯。 『蒲生氏郷』改題
  • 帝国本土決戦1946(上)
    完結
    -
    終戦目前だった昭和20年8月14日、陸軍の徹底主戦派が皇居へ強行突入、天皇を拉致した。彼らは近衛師団とともに天皇を松代大本営に移送、日本は国体を護持すべく大東亜戦争継続への道を歩み始める。 一方、米軍は大艦隊を擁して日本本土を目指していた。『オリンピック作戦』の発動である。かたや日本は『決号作戦』を発令。民族存亡を賭けた本土防衛の最終決戦が始まったのだ。 10月30日、戦艦ニュージャージーの砲声を皮切りに動きだした史上最大の上陸作戦。だが、日本軍の想定外の抵抗は米軍に甚大な被害を与える。怒濤のごとき上陸部隊に襲いかかる『桜花』『回天』『震洋』。特攻兵器の総力を挙げた決戦の行方は!? 迫真の架空戦記、上巻! この作品は2007年11月~2008年3月に小社より刊行された「帝国本土決戦①②」を加筆訂正のうえ改題したものです。
  • 超空戦艦大和
    完結
    -
    昭和二〇年四月六日。沖縄特攻作戦に出撃する戦艦「大和」の眼前に突如、神兵艦隊が出現する。しかもそれは、真珠湾奇襲を終えた南雲艦隊であった!彼らはある遡時効力の影響で三年半後へ漂着したのだ。 空母六隻、艦載機三五〇機強の精鋭部隊で敵を撃退した日本は、混乱の元凶となった米駆逐艦「エルドリッジ」を拿捕。その遡時機能を戦艦「大和」に移設して最強の時空遡航戦艦として蘇生させる。 本土上陸を許し、戦況はすでに敗戦濃厚だったが、山本五十六海軍大将は起死回生の仰天計画を画策。決戦準備のため、「大和」は四〇年前の日本海へ向かった。目的はバルチック艦隊の大量捕獲! そしてついにハルゼー提督艦隊迎撃を敢行する。壮大な展開で魅了する時空戦記ノベルの傑作!! この作品は2002年9月~2003年2月に小社より刊行された「超空の神兵」「続・超空の神兵」を改題したものです。
  • 極大空母「大和」【1】帝国機動連合艦隊
    -
    ロンドン軍縮会議の脱退を機に、司令長官山本五十六の主導によりおこなわれた艦隊兵力の再編成……それは、航空優先主義とも呼ぶべき、水上艦のすべてに航空機を搭載するという大胆不敵な改革であった。 いまだ大鑑巨砲主義に染まっている他国をよそに、日本は極秘に連合艦隊の高速機動化を進め、真の実力を隠したまま東南アジアの英仏軍を駆逐、東インド洋を制海権におさめる。 さらなる戦乱の緊張が高まるなか、両国が展開するマリアナ沖で、とうとう米軍の不意打ちにより日米大戦が勃発。 帝国海軍の切り札とも呼ぶべき、戦艦から大胆に設計変更された極大空母「大和」が牙を剥く! 超弩級の迫力で描く新シリーズ!
  • 純忠 日本で最初にキリシタン大名になった男
    完結
    3.5
    当時、異彩をはなっていたであろう大名・大村純忠について、清涼院流水氏が7年の取材をもとに記した渾身の歴史エンタテイメント。 「人は、俺を人外と呼ぶかもしれぬ。だが、それが何であろう。」 歴史の闇に葬られたキリシタン大名の全貌が、今、蘇る! 信長より1年早く生まれ、戦国時代を生き抜き日本で初めて洗礼を受けた大名「大村純忠」(おおむら すみただ) ザビエル来日の前年に18歳で当主となり、数々の合戦を戦い抜き、長崎港を開き、領内の寺社を焼き払い、天正遣欧少年使節をローマに派遣した稀代の戦国武将、大村純忠の波乱万丈の生涯。
  • ばけもの好む中将 平安不思議めぐり
    3.3
    十二人の姉が居る以外は、ごく平凡な中流貴族の宗孝。御所に鬼が出たという噂を聞き、仲間たちと度胸試しで確かめに行くが、そこに居たのは家柄もよく容姿端麗で完璧な貴公子だが、怪異を愛する変人と名高い名門貴族・宣能だった。なぜか彼に気に入られてしまった宗孝は、彼と共に鬼の正体を追うことになり…。結局、人の仕業とわかって落胆する宣能だったが、その後も続く怪異の裏には、とある陰謀が隠れていて…。新感覚の平安冒険譚シリーズ第1巻!
  • ばけもの厭ふ中将 戦慄の紫式部
    3.7
    時は平安。「今源氏」と噂される色好みの貴公子・雅平は、数々の女性と浮き名を流していた。恋文一つ返せないほど奥手な上総宮の姫君、廃屋での逢瀬を約束した昼顔の君など、今夜も恋人と甘い時を過ごすはずの雅平を、紫式部の祟りが襲う!? 『源氏物語』を思わせる怪事に次々と見舞われ、怪異好きの友人・宣能に、たまらず泣きつくが・・・・・・。大人気「ばけもの好む中将」シリーズ、待望のスピンオフ作品。恋を追いかけ、あやかしに追われるドタバタ平安怪異譚!
  • 楊花の歌
    4.0
    1941年、大阪松島遊廓から逃走して、日本占領下の福建省廈門に辿り着いたリリーは、抗日活動家の楊に従い、カフェーで女給として働きながら諜報活動をしていた。あるとき、楊から日本軍諜報員の暗殺を指示され、その実行者として、琥珀色の瞳と蛇の刺青が印象的なヤンファという女性を紹介される。ヤンファに惹かれていくリリーにとって、彼女と過ごす時間だけが生への実感を持てるひとときになっていた。しかし、楊から秘密裏に課されていた指令は、暗殺に失敗した場合はヤンファを殺せというものだった・・・・・・。戦時下を舞台に流転する女性たちの愛と葛藤を描く、圧巻の熱量を放つ第35回小説すばる新人賞受賞作!
  • 偽装同盟
    4.0
    日露戦争に「負けた」日本。 ロシアの属国と化した地で、男は、警察官の矜持を貫けるのか――日露戦争終結から 12 年たった大正 6 年。敗戦国の日本は外交権と軍事権を失い、ロシア軍の駐屯を許していた。3月、警視庁の新堂は連続強盗事件の容疑者を捕らえるが、身柄をロシアの日本統監府保安課に奪われてしまう。新たに女性殺害事件の捜査に投入された新堂だったが、ロシア首都での大規模な騒擾が伝えられ……。「もうひとつの大正」を描く、入魂の改変歴史警察小説、第二弾。
  • 布武の果て
    4.5
    永禄11年、織田信長が足利義昭を奉じて上洛する。貿易による富で自治を貫く堺の納屋衆、中でも今井宗久、千宗易、津田宗及は天下の趨勢を見定めようとしていた。納屋衆内では、新興勢力である信長に賭けることに反対の声もあがったが、次第にその実力を認めていく。一方、今井、千、津田は信長から茶堂衆に任じられ、茶の席で武将たちの情勢を探り、鉄炮や硝石の手配を一手に握るようになっていた。天正8年、石山本願寺を降伏させることに成功した信長の天下は、目前に迫っていた。しかし、徳川家康の腹心で一向宗徒の本多弥八郎が怪しい動きを見せはじめ・・・・・・。茶室を舞台に繰り広げられる、圧巻の戦国交渉小説!
  • みわがしろ 豊後府内城普請異聞
    -
    歴史の波間に埋もれた人柱伝説の真相とは? ある姫の数奇な運命を描く歴史物語 戦国末期、日向を追われ豊後に落ち延びた名門・伊東一族。 気高く優しい心と類まれな美貌で多くの人から愛される伊東家の姫・美夜、天正遣欧使節として世界を見た兄・虎千代(マンショ)、新たな地で信仰を伝える宣教師たち――権謀術数が渦巻く戦国の世で、誰もが懸命に生きていた。 そんな折、大地震と津波で被災した豊後府内で新城建設が始まると、工事の難航を理由に人柱が求められ……。 歴史の過渡期を生きた人々の祈りと決断、そして絆の物語。

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  • 信長様と猿 小牧城から天下布武への思い出
    -
    織田信長との邂逅が運命を動かした——。 桶狭間の戦いや美濃攻略、そして信長の死。二人の運命が交錯する歴史の裏側には、どんな思いが隠されていたのか?「猿」と呼ばれた秀吉が激動の戦国を駆け抜けた、知られざる波乱と栄光の物語。

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  • 修羅奔る夜
    値引きあり
    4.0
    女ねぶた師が彩る日本一の熱い夜! ねぶた師の兄が倒れたと聞き、紗栄子は急遽青森へ帰郷した。だがそこで見たのは、ねぶたに取り憑かれ、製作のために寿命を縮めようとしている兄だった。なぜそこまで――。兄を手伝う紗栄子だったが、いつしかねぶたに魅了されていて、女ねぶた師となることを決意。だが、資金や協力者、地元のしがらみが紗栄子の心を砕く……。日本で一番暑い日、一瞬の輝きを女ねぶた師が夜空に放つ。 歴史を紡ぐ稀代の小説家が日本一の夜を活写する!
  • 言志録物語
    -
    江戸時代末期に誕生した語録「言志録」に触発され、人生の厳しさと美しさを学ぶ三人兄弟の旅を描く。貧しさや困難を乗り越え、各自が人生と向き合い、成長していく過程を繊細に、そして力強く描写する。読者に対し、自己反省と人生の価値を見出すきっかけを提供し、心温まる絆と真実の探求を通じて、感動と共感を呼び起こす。時代を超えて響く、生き方について深く考えさせる小説である。
  • 最古参の新選組隊士
    -
    時は幕末──讃岐高松藩浪人の子として生まれた蟻通勘吾は、「武士の矜持を守れ」という父の教えに従うべく京へ向かうが浮浪者同然となってしまい、小料理屋を営む後家のツネに拾われ男女の仲に。うどん打ちの腕が幸いして平穏な生活を手に入れたが、「新選組」の前身「壬生浪士組」が隊員を募集していることを知り、「武士としての職にありつける」と入隊を決意するのだが……。
  • 義経北へ ─純愛と悲劇の生涯─
    -
    その軍才と奔放な性格が兄・頼朝に疎まれ、邪魔者扱いされた源義経。危険を察知し京を脱出した彼は、北を目指し藤原秀衡を頼って奥州へ。しかし、鎌倉による追撃は厳しく、平泉は安住の地にはならなかった。どんな災難が襲おうとも、その愛ゆえに決して彼を見捨てなかった二人の女性、郷御前(正室)と静御前(愛妾)をも巻き込み、その運命は思わぬ方向へと転がってゆく──。
  • 織部の妻
    4.6
    織田信長に仕え、千利休に師事した古田織部。武人であり茶人としても名を遺した彼にはたったひとりの妻がいた。戦国武将・中川清秀の妹、仙。幼い頃に戦の混乱で家族と離れ離れになってしまった彼女は、叔父の城で少年高山右近と出会ったことをきっかけに、キリストの教えを心の支えとする。古田織部との政略結婚を通じて、二人は信長、秀吉、家康とめまぐるしく変遷する戦国の世を駆け抜けながら、共通する志を抱く夫婦となってゆく。二人が命と引き換えにしても守りたかったものとは──。
  • 女たちの本能寺
    4.0
    乱世に生きた女性たちの運命と実像 NHK大河ドラマ『麒麟がくる」で注目を集める明智光秀。 光秀は天正10年(1582)6月2日、織田信長を本能寺に討つ。 しかしその天下は、わずか11日で潰えた。 信長も光秀も滅び、羽柴秀吉が天下人となるのは周知のとおりだ。 では、この本能寺の変は光秀と信長を取り巻く一族の女たち――正室、側室、娘、妹の運命をどう変えたのか。また、彼女たちの知られざる側面と一次史料から分かった新事実とは。 信長の正室・濃姫は、ドラマで描かれるように本能寺で長刀を振るったのか。 光秀の正室・煕子は『明智軍記』の記述どおり坂本城で果てたのか。 徹底した史料吟味と現地取材で戦国時代の女性たちの実像に迫り、 女性の視線で乱世を見渡す画期的な1冊。
  • 新装版 海賊モア船長の遍歴
    -
    大冒険小説の傑作を新装刊 海賊が跋扈する17世紀末。 海賊討伐の命を受けて出帆するも自ら海賊船へと姿を変えた「アドヴェンチャー・ギャレー」号。 航海士としてこの船に乗り組み、やがて海賊船の船長となったジェームズ・モアは、ユニークで頼りになる仲間たちとともに大海原をゆく。 海賊としての輝かしい成果と数々の危機。痛快な大冒険。そして因縁の対決へ――。 1998年初版、傑作海賊冒険小説を新装版として刊行
  • 味ごよみ、花だより
    完結
    4.2
    小石川御薬園同心の岡田弥一郎は、同輩の佐々木六郎太に誘われ上野の小料理屋にやってきた。そこで弥一郎は、思わぬ人物に再会する。数日前、彼は、女性のお供を連れた老爺が道端で苦しんでいたのを助け、小料理屋まで運んだのだった。その時の女性が、目の前にいる時枝だった──。優しさを秘めながらも、言葉にできない弥一郎と、自らの苦境に耐え続ける時枝。二人の再会は偶然か、それとも運命なのか。書き下ろし時代長篇。
  • すずめのお師匠 身代わり与力捕物帖
    -
    草加冬吾は、手習い所・雀堂の師匠として子らに読み書きを教えている。ある日、深川で料理茶屋の手代が殺された。冬吾の兄で与力の紀一郎はさっそく科人を追うが、冬吾も町暮らしの身軽さを活かし聞き込みを手伝うことに。一方、彼は兄との関係に複雑な思いを抱えていた。二人は双子であり、それゆえ弟の冬吾は世間から隠されるようにして生きてきたのだ――。わだかまりに向き合いながら互いに助け合う、江戸の家族の物語。
  • 芝居茶屋たけの家味ごよみ 大根役者といかのぼり
    4.0
    行き遅れを心配されつつも両親の小茶屋「たけの家」を手伝っていたおなつ。ところが火事で父は亡くなり、母は寝込んでしまった。浅草猿若町に店を移して再起を図るが、他の店に出遅れた上、奢侈禁止の世とあってなかなか客が入らない。重責と不安に潰されそうな彼女だったが、不器用ながらも自分を励ましてくれる弟をはじめ周囲の支えに気付き、やがて店を背負う覚悟を固めてゆく――。美味しくて温かな新シリーズ、開店!
  • 仁王の本願
    3.5
    15世紀末の北陸加賀に「百姓ノ持チタル国」が建てられ80年。武士の支配を退け、民衆が自ら治める一向衆の政は、内外の戦に明け暮れるうちいつしか腐敗していた。織田信長や上杉謙信、朝倉義景ら強大な外敵に囲まれ、窮地に陥った加賀に現れたのは、「仁王」こと本願寺最強の坊官・杉浦玄任。加賀から越前、さらには日本全土に「民の国」を築くため、救いなき乱世で戦い続ける玄任の生き様をドラマチックに描いた意欲作!
  • 北条は退かず(上) 激闘、三増峠の戦い
    完結
    3.0
    全3巻1,320~1,474円 (税込)
    小田原城主・北条氏康の子として生まれた北条氏邦。幼くして政略により親元を離れ遠く北武蔵の藤田家へ養子に出された氏邦は、北条家の血に翻弄されていく。さらに武田信玄の脅威が迫ろうとしていた……。
  • 八ヶ嶽の魔神
    -
    日本の伝奇小説を大きく発展させたと言われる国枝史郎の三大伝奇長篇。かつて八ヶ嶽を舞台に、一人の姫をめぐる兄弟の対立。果てもなく続く一族の血塗られた歴史の発端だった。憎悪は憎悪を呼び、復讐は復讐を生む。山窩族と水狐族に分れて争う末裔たち。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 歴史に葬られた特攻隊長 故郷・石垣島から出撃した伊舎堂用久中佐
    5.0
    門田隆将氏絶賛! 「知られざる沖縄戦。24歳で散華した特攻隊長は今、私達に何を問うのか」 伊舎堂用久(いしゃどう・ようきゅう)中佐、24歳 石垣島生まれの特攻隊長にして、沖縄戦最初の戦死者。 沖縄の英雄である。 だが彼の名は歴史の陰に消えてしまった――。 「死ぬことは何とも思わない。祖国日本はどうなるか。それだけが心残りだ」 昭和20年3月26日、石垣島・白保飛行場を飛び立つ。 目指すは慶良間諸島沖、米大艦隊。 「いまより我、突入す――」 誇り高き、哀切なる、壮絶ノンフィクション! 令和7年、沖縄戦終結から80年。 祖国を案じた伊舎堂の言葉に、いまの日本は応えられているのだろうか? ■目次 序 沖縄戦最初の戦死者 ・なぜ沖縄の英雄は歴史から消えたのか ・伊舎堂用久――今前進スル途中 第1章 伊舎堂率いる、特攻隊「誠第17飛行隊」結成 ・誠第17飛行隊11名、生還者なし ・かなわぬ結婚を夢見る婚約者 ・最後の手紙「あなたを思う心はいつも変わりません」 第2章 特攻隊員たちの青春 ・いまはただ明鏡止水の心境です ・故郷の絆 ・文武両道と友愛の伊舎堂 ・無用に生き残ることは望まぬ ・人間の限界 ・伊舎堂の運命の分かれ目 第3章 生の証し ・お星様の仲間になって見守っています――安原少尉 ・決して心配くださるな――石垣中尉 ・心優しき川瀬少尉 ・部下の致命的失態を笑い飛ばす伊舎堂 ・郷土防衛につく“蓑笠”部隊 ・石垣島での最後の37日間 ・伊舎堂の右腕・石垣中尉、無念の戦死 ・7年ぶりの親子再会 第4章 昭和20年3月26日、誠第17飛行隊出撃 ・26日午前5時50分「いまより我、突入す」 ・各新聞が一斉報道 ・歌われなくなった「伊舎堂隊の歌」 ・薄れゆく記憶。68年後に顕彰碑
  • 御家人風来抄(1) 天は長く
    -
    1~6巻495円 (税込)
    御家人の意地と生計のため、あらゆる仕事を引き受ける風来屋が剣を振る  貧乏御家人の緒方弥十郎は、美丈夫で剣の腕も確か。贅沢な母親を満足させるための風来屋稼業では、色恋がらみの用心棒や御家騒動の肝煎役、喧嘩の仲裁役と、様々な依頼が舞い込む。二晩、褥をともにしたおりょうが、謎の死を遂げた。別れ際に彼女が発した「後朝の別れでござんすねえ」の一言が気になった彼は、この言葉を手がかりに真相を調べ始める。表坊主の宗順、小者の也寿たちの手を借り、弥十郎が解明した真相とは? 巻末に「電子版あとがき」を追加収録。 ●六道 慧(りくどう・けい) 東京の下町・本所生まれ。今も長兄が実家で小さな小さな町工場を営んでいる。1988年、朝日ソノラマから『大神伝(1) ムーの大神』でデビュー。以来、ライトノベル、時代物、そして警察小説とジャンルを変えながら挑戦してきた。「継続は力なり」が信条。
  • 消えた狐丸 公家武者 信平(一)
    4.0
    公家大名として知られる実在の人物・松平信平の物語。公家から武家となった信平が、幕府転覆を目論む強敵を秘剣・狐丸で倒してから三年、愛妻・松姫、愛息・福千代との平穏な生活を送っていた信平だったが、命を狙われた松姫の心の傷は未だ癒えない。しかし、剣客を狙う辻斬りが出没していると聞いた信平の心に正義感が蘇る。封印した愛刀がついに鞘から抜かれるのか? 大人気・公家武者新シリーズ、講談社文庫より見参!
  • 夫には 殺し屋なのは内緒です
    3.6
    ごく普通の結婚をした隠密同心の嫁は、じつは優秀なアサシンだったのです!──待望の書下ろし時代小説シリーズ、スタート! 月(つき)は北町奉行・柳生久通の庶子。武芸に秀で、中でも殺しの才に恵まれていたため、柳生の一族は月を殺し屋に育て上げた。一方で久通は月を可愛く思い、隠密同心の花川戸要(かなめ)に嫁がせることにした。真面目で堅物なのが取り柄。そんな月のもとに夫には内緒で、今日も暗殺の指令が届いた……。
  • 若さま九郎と岡っ引弁慶
    -
    名門佐竹家につらなる大名の竹藤家。現当主である竹藤出羽守良房は、いま混乱の真っ只中にいた。跡継ぎの藤千代が原因不明の高熱におかされ、時を同じくして雪山から謎の若者が現れたのだ。 その若者、ほとんどの記憶を失っており、しかもおのれのことを源氏九郎義経……源平の世にいた悲劇の名将・源義経などと自称している。 ふだんであればそのような戯言、誰も信用はせぬ。放っておけばよいのだが、竹藤家にはちょうど年頃の合う、行方不明となったご落胤の若さまがいたのであった……。 大名家の支援を得て江戸に出てきた謎の若さまが、手下の岡っ引を弁慶に見立ててさまざまな謎に挑む。痛快娯楽時代の傑作シリーズ、ここに開幕!
  • 署長シンドローム
    3.7
    周囲から「変人」と言われながらも、数々の難事件を解決に導いてきた大森署署長の竜崎伸也。 そんな『隠蔽捜査』でおなじみの竜崎が大森署を去り、後任として、キャリアの藍本小百合がやってきた。 ある日、管轄内の羽田沖海上にて、武器と麻薬の密輸取引が行われるという知らせが入るーー新署長の手腕や、如何に?
  • 烈将の艦隊
    完結
    -
    昭和18年、聯合艦隊司令長官・山本五十六はブーゲンビル島の上空に散った。 絶対的なカリスマを失った日本軍は、圧倒的国力を誇る米国を相手に絶望的な戦いへ突き進むことを余儀なくされる。 だが、山本は不死鳥だった。敗戦必至の戦局を覆すべく、死の淵から甦ったのだ。 翌19年、絶対国防圏死守に活路を見い出す日本軍は、マリアナ諸島に出撃。一方、天皇から陸海軍の統帥権を託された山本も自ら最前線に赴き、鬼謀を巡らせてアメリカ軍に対峙する。 軍神のもとに集う名だたる知将、勇将、闘将たち。死をもいとわず危地に身を晒す山本の執念に、提督たちの熱き思いは結実するのか? 日米の総力を挙げた激闘が奇跡の結末をもたらす、本格派架空戦記の傑作! この作品は2011年3月~7月に小社より刊行された『軍神の艦隊』①~③を大幅に加筆訂正のうえ改題したものです。
  • 尖閣戦争勃発!
    完結
    5.0
    東シナ海に浮かぶ沖縄県尖閣諸島──。日本、中国、台湾が領海を主張するこの海域で、アメリカの多国籍石油企業体・GP社が、海底油田の開発に乗り出した。 新たな石油資源の確保を目論む中国は、陸軍の特殊部隊を尖閣沖の採掘リグに潜入させ、これを瞬く間に占拠する。 だが、これを機に日中関係は極度に緊張。海上保安庁の巡視船に中国のロケット弾が着弾する事態に、総理大臣はついに三自衛隊に防衛出動を発令する。 第一護衛群「あまぎ」を旗艦とする日本は、迫り来る中国空軍Su27、江衛級フリゲートの迎撃へ、SH60Jシーホーク、F15J飛行隊を発艦。そしてリグ奪還へ向けて、あのV22「オスプレイ」が出動した!! 今日のリアルな外交危急を予測した架空戦記ノベル、緊急復刊! この作品は2001年5月に小社より刊行された「中国の野望」を改題したものです。
  • 鳥刺同心 遅い春
    -
    定町廻同心・小鳥遊篤右衛門は息子に家督を譲って俳諧三昧の日々。宝永五年師走、煙管屋市兵衛の店に来た押し売りが猫殺しを企む。立て続けに篤右衛門の旧友・喜田屋庄兵衛が誘拐される――。生類憐れみ令を背景に策謀する犬目付・深見の真の狙いとは?
  • 日露戦争と雪原の騎兵隊
    -
    本書は日露戦争の勝利という明治期になしえた日本の奇蹟の物語であり、秋山好古が率いた騎兵たちの胸躍るドラマである。明治38年1月、騎兵旅団長の秋山が戦線に送り出した三つの挺進隊の奮闘を丹念に追った書。
  • 父よ子よ 風烈廻り与力・青柳剣一郎[67] 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    4.0
    剣一郎、父子の業を断ち、縁をつなぐ! その行脚僧は、満月の夜に起きる不審火を予言した。 五年余りも江戸をさまよう僧の真の狙いは―― 「月に魂を奪われた者が凶事をなす」五年前、胡乱な行脚僧の言葉に、風烈廻り与力・青柳剣一郎は戦慄した。 直後、百数十町を焼く大火が起きたのだ。そして今また、満月の夜に不審な火事が! 火盗改の強引な探索が進む中、剣一郎は行脚僧を捜すことに。そんな折、深川で小間物を商う男が刺殺される。 定廻り同心・植村の探索は、やがて剣一郎が追う事件と重なり……。
  • 火盗改・中山伊織<一> 女郎蜘蛛(上)
    -
    悪が慄く、鬼の火盗改長官。 今夜の敵は、凶賊一味。 果断な探索と苛烈な仕置きで、江戸の民を護る。 旗本先手組・中山伊織が火付盗賊改方長官を拝命し、江戸の治安維持に奔走しはじめた矢先、一軒の米問屋から火の手が上がる! 不穏な噂を感知しながら、伊織は押し込み強盗を防げなかった。一味の頭は、閻魔の藤兵衛。証人を残さぬ非道な犯行を二十年余りも重ねていた。伊織は賊の壊滅を誓うが……。 悪を憎む鬼面の下に、仏の心あり。火盗改の活躍描く傑作捕物帳。  【『女郎蜘蛛』改題作品】
  • 戦藻録[新漢字・新かな版] 上
    -
    【半藤一利氏・監修のことばより】連合艦隊参謀長として山本五十六大将のよき女房役、火のような闘志とわくが如き智謀をもって知られた海軍中将の戦時日誌が本書である。それは単なる日々の記録ではなく、戦争直前の昭和16年10月16日から、終戦の日にみずから特攻機に乗って沖縄の海に突入する直前までの、実に3年10カ月に及ぶ第一級の太平洋戦争史料なのである。開戦から昭和18年4月の山本長官戦死のときにともに墜ちて重傷を負うまでが連合艦隊参謀長。傷癒えると第一戦隊司令官として戦艦大和に座乗し、マリアナ沖海戦、レイテ沖開戦で奮戦。昭和20年初頭に第五航空戦隊司令長官となり、つづく沖縄特攻の航空戦の指揮をとる。この軍歴が示すように、宇垣中将は常に最前線にあって戦った。戦いつつも一日たりと休まず日誌を記しつづけた。その日その日に嘘いつわりのない真実を書き綴った。……貴重史料が新漢字・新かなで登場!

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