ユーザーレビュー 武士の情け 本丸 目付部屋12 藤木桂 テレビドラマの企画、脚本を経て本格時代小説を描き始めた作者のシリーズ12作目。 今回も大満足の大好きなシリーズ作品。 江戸城でめつけしゅう10人を束ねる筆頭妹尾十左衞門。 今回の事件に当番目付けに、自身が大身旗本で武家の有様を何より重んじる小原孫九郎が現場に赴いたことにより、目付け衆が気をもむ様...続きを読むが微笑ましくその信頼感を寄せる様子が読んでいて読者がつい一緒に心配してしまう。 弱者についつい贔屓目を持ちがちな小原だが、その実自分を知っていて「目付け公平」に苦心し難問を解決に向かわせる。 はたまた、目付けの前身が勘定方に長く勤めた佐竹が担当した事案。数多くの村々を丹念に歩き体を壊してしまう。だが、勘定方依頼その案件に問題意識があった佐竹は筆頭の依頼した仕事で一時は引退を考えていたがやる気を持ち直し体調も復活。 このシリーズ、この10人衆の筆頭を始め、互いの人格も尊重しながら「目付け」の仕事をやり切るその意識、意地が素晴らしく仕事人としての誇りを全うする様子が現代でも十分通じる作品で大好きな要素! Posted by ブクログ 下座見の子 本丸 目付部屋13 藤木桂 江戸時代の江戸城の内側が知れて、しかも目付の仕事ぶりと、今昔代わりなく通づる上司と部下の信頼の中で務めを極める男たちのお話のこのシリーズ。 こんかいも、中老や老中と言った大きな武家と仕事を通して自分たちの真理を通そうとする目付け衆の働きぶりが心地よい。 Posted by ブクログ 幕臣の湯屋 本丸 目付部屋11 藤木桂 本丸目付け部屋の十人集は私にとっても、ヒーロー。 心を砕き禄高が低くとも、目付けの正義を貫こうと一生懸命に働く。 今回は、拝領屋敷の領地替え騒動の事件に。 今回から田沼意次が中老の中に参加。 これから、何が起こるか? そしてその人となりはどう描かれるか?たのしみ。 Posted by ブクログ 功罪の籤 本丸 目付部屋10 藤木桂 この本丸目付け部屋シリーズは、作者のデビュー作ではあるものの、素晴らしいシリーズに育っている。 当初から、目付けという、幕府の真っ当な幕臣である武家を見張り正しく導くものとしてのその仕事は、禄が低くとも、決して正論を曲げずに主張しなければならない。 そしてそこには性格も身分も様々な10人が合議で結論...続きを読むを導かねばならない。 目付けを構成する10人の人格の魅力も十分に、筆頭と呼ばれる妹尾十左衛門の魅力的な人物像が光る。 素晴らしい会社を構成する社員の妙と同じようなこの群像劇は、時代小説でありながら現代にも通じる魅力を持っている。 こんかいも、人情味もあふれる捜査に感動。 Posted by ブクログ 千石の誇り 本丸 目付部屋9 藤木桂 江戸市中では野良馬、野良牛がいたそうだ。 生類憐れみの令関連と、幕府で調教する名馬ばかりが逃げた事件と、そこで起こった殺人事件。 番かたに新しく入った二人をめぐる事件。 寺の葵の御紋を狙って壊した御家人風のグループ。 貧しい藩、熊本肥後。それが藩主自らの大改革で、上向きに。その顛末を書いた本があ...続きを読むるという。「肥後政談」は誰も本物をみたことがないのだが話題に登り、高値をつけるまでに。 どうも写本をめぐり、何やら犯罪の匂い。 今回も目付衆の活躍が潔く清々しい。 Posted by ブクログ 藤木桂のレビューをもっと見る