藤木桂のレビュー一覧

  • 書院番組頭 本丸 目付部屋14

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     このシリーズもはや14巻目。
    目付け衆一同の仕事ぶりやそれを束ねる筆頭の妹尾十左衞門の人柄といい、部下たちのつながりなど、毎回気持ち良い読後感。

    会社のような部署集団というもの、上下左右(横の)つながりがものを言う。そしてその手先となる部下たちも。
    この集団たちを見ていると、常に上に立つものも見識を高めつつ自分をも向上させてゆかねばならないと感じる。
    一人一人の個性を尊重し、信頼する筆頭の魅力いっぱい!

    組織というもののあり方が透けて見える素敵なシリーズ。

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    2024年03月08日
  • 武士の情け 本丸 目付部屋12

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    テレビドラマの企画、脚本を経て本格時代小説を描き始めた作者のシリーズ12作目。

    今回も大満足の大好きなシリーズ作品。

    江戸城でめつけしゅう10人を束ねる筆頭妹尾十左衞門。
    今回の事件に当番目付けに、自身が大身旗本で武家の有様を何より重んじる小原孫九郎が現場に赴いたことにより、目付け衆が気をもむ様が微笑ましくその信頼感を寄せる様子が読んでいて読者がつい一緒に心配してしまう。
    弱者についつい贔屓目を持ちがちな小原だが、その実自分を知っていて「目付け公平」に苦心し難問を解決に向かわせる。

    はたまた、目付けの前身が勘定方に長く勤めた佐竹が担当した事案。数多くの村々を丹念に歩き体を壊してしまう。だ

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    2022年09月19日
  • 小人目付 源蔵 本丸 目付部屋16

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    注目し読み続けるシリーズ。お目付けという仕事は十人のグループで、その下に大勢の部下を持ち、目立たぬよう調査する。人同士の信頼と敬愛。一方通行では、決して成し得ない仕事。時には大名家をもゆるがす。登場人物達がいい!

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    2025年08月20日
  • 家頼み 本丸 目付部屋15

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    第一話家頼み、第二話博徒、第三話末期養子、の三話を収録。
    毎回この目付け10人集の組織力や信頼関係には心が癒される。
    また、知らず知らずに傲慢になってきたと自分を反省する筆頭のあり方にも、組織をまとめるリーダー力が伺える。

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    2024年09月06日
  • 下座見の子 本丸 目付部屋13

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    江戸時代の江戸城の内側が知れて、しかも目付の仕事ぶりと、今昔代わりなく通づる上司と部下の信頼の中で務めを極める男たちのお話のこのシリーズ。

    こんかいも、中老や老中と言った大きな武家と仕事を通して自分たちの真理を通そうとする目付け衆の働きぶりが心地よい。

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    2023年05月11日
  • 幕臣の湯屋 本丸 目付部屋11

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    本丸目付け部屋の十人集は私にとっても、ヒーロー。
    心を砕き禄高が低くとも、目付けの正義を貫こうと一生懸命に働く。

    今回は、拝領屋敷の領地替え騒動の事件に。

    今回から田沼意次が中老の中に参加。
    これから、何が起こるか?
    そしてその人となりはどう描かれるか?たのしみ。

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    2022年05月21日
  • 功罪の籤 本丸 目付部屋10

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    この本丸目付け部屋シリーズは、作者のデビュー作ではあるものの、素晴らしいシリーズに育っている。
    当初から、目付けという、幕府の真っ当な幕臣である武家を見張り正しく導くものとしてのその仕事は、禄が低くとも、決して正論を曲げずに主張しなければならない。
    そしてそこには性格も身分も様々な10人が合議で結論を導かねばならない。

    目付けを構成する10人の人格の魅力も十分に、筆頭と呼ばれる妹尾十左衛門の魅力的な人物像が光る。
    素晴らしい会社を構成する社員の妙と同じようなこの群像劇は、時代小説でありながら現代にも通じる魅力を持っている。

    こんかいも、人情味もあふれる捜査に感動。

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    2022年01月23日
  • 千石の誇り 本丸 目付部屋9

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    江戸市中では野良馬、野良牛がいたそうだ。
    生類憐れみの令関連と、幕府で調教する名馬ばかりが逃げた事件と、そこで起こった殺人事件。

    番かたに新しく入った二人をめぐる事件。

    寺の葵の御紋を狙って壊した御家人風のグループ。
    貧しい藩、熊本肥後。それが藩主自らの大改革で、上向きに。その顛末を書いた本があるという。「肥後政談」は誰も本物をみたことがないのだが話題に登り、高値をつけるまでに。
    どうも写本をめぐり、何やら犯罪の匂い。

    今回も目付衆の活躍が潔く清々しい。

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    2021年10月05日
  • 幕臣の監察 本丸 目付部屋8

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    持ち組と呼ばれる鉄砲隊に空きができ無役の者が番代わりとして推薦される。お役御免は多額の借金らしかったが、そこには、、、。

    白髪の老人が嫡男が無実なのに切腹させられたと知り、真実を今一度調べなおして欲しいと妹尾に、直訴。
    聞いてみると。

    下馬所で、妙な噂がながれる。
    他所の妻女を妾にしている旗本がいるという。
    そこには恐ろしい借金を過多にした人身売買が存在。

    もっと頼りにされる目付像をと目付け脩が奮闘。

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    2021年10月05日
  • 武家の相続 本丸 目付部屋7

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    今回も噂の出所探しから、旗本の家庭問題まで。
    さまざまな問題や、事件、悩みに真摯に取り組む目付衆の大活躍。

    全て良いお話です!

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    2021年10月04日
  • 新任目付 本丸 目付部屋6

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    目付の一人清川の奈良奉行への昇進により、欠員を補充することに。普通はあまりないことなのだが、奥右筆の牧原佐久三郎に決まる。

    今回はこの新人牧原にまつわる話が多い。

    坊主方と徒歩組とのいざこざ。
    筆頭の大火傷。
    船頭から託されるのは秘密文書。
    そして牧原が罠をかけられ捕縛される。
    目付衆は上様の進言で本来なら担当できないのだが、マ無実を証明するため大捜索を。

    黒白だけではない人の心の難しさ。
    今回も唸るほどの良いお話が!

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    2021年10月03日
  • 建白書 本丸 目付部屋5

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    本丸 目付部屋シリーズ5巻。
    家格が低かろうが、目付の仕事は公明正大。
    真に正義と信じるところに命をかけ主張するのだ。

    一冊に5話。江戸城賄い所で、まずい賄いを食べた夜勤明けの目付二人。
    話を聞くも、何やらおかしいと探ることに。

    初めて江戸城に上がることになった19歳の若い藩主。
    しかも魔が悪いことに顔中に吹き出物ができてしまい、将軍の前に出るのはいかがなものかと目付けに問い合わせが。練習もして本番、緊張のあまりに。。。

    若い御徒組に次々と流行り病の症状が。
    寝込む者もいて。調べる目付け衆。

    箱訴に建白書が!将軍みづから目付けにも調べるようにと。

    個性豊かな面々をそれぞれの長所を短所

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    2021年10月02日
  • 遠国御用 本丸 目付部屋4

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    大身旗本の家で25歳の長男が18歳の三男を切ったという意見が起こる。
    長男は日頃から冷静で性格も良く実直な人柄。
    誰からも、彼に限って刃傷はないと言い切る。

    目付頭が調べると。

    長崎奉行から依頼が来る、目付筆頭と稲葉が長崎まで行くことになる。

    当時の長崎など大陸に隣接する海外との事情が明らかになる。

    長崎の顔役や当時の通詞たちの活躍ぶりなど、面白い情報も盛りだくさん。シリーズ第4弾。

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    2021年09月02日
  • 老中の矜持 本丸 目付部屋3

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    シリーズ第3弾。

    大名はその石高だけで家柄が決まるわけではない。
    古く徳川幕府創世の時に、家康のが恩を感じた大名は石高とは関係なく一つ上の扱いをされていた。

    長く続けば慣習が緩んでくる。
    献上の品を受け取る側の地位も時には下の地位のものが受け取ったりすると献上する側は軽く見られたと悲観する。
    人と人の受け取りが関係を生むなら、そこにも問題が生まれる。

    続け様に御家人などが被害者の3件の辻斬りが発生する。
    そこで目付け衆が捜査を始めると。

    家を取り潰しても構わないと母親が息子を目付に、訴える事件。

    いつも元気な老中が江戸城にに出てこれない事情が、探ると国許での問題が。

    他のシリーズで

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    2021年09月02日
  • 江戸城炎上 本丸 目付部屋2

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    素敵なシリーズに会えたことに感謝!

    今回の始まりは、目安箱への訴状から端を発する。
    武士といえども、無役で、禄も低ければ生活は貧しい。
    子が多ければまたなおさら。
    貧しい御家人の息子、吉田種四郎が上様に願ったのは弟の行方を探してほしいということ。

    貧しい暮らしぶりから美しい母譲りの9歳の息子が妾某公に売られたと聞くことに。

    また、城中の台所の味噌樽に、毒が混入した事件は、坊主頭にする習いの役どころ、同朋という役目。
    なかなか時代小説のなかでも、説明されない部署が事細かく説明されていて、人間関係も深みを表し見応えがある。

    人情と政道の正しさを綾織のように悩む目付け衆たち。
    第2弾のこの本

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    2021年09月02日
  • 本丸 目付部屋 権威に媚びぬ十人

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    本作品でデビューという藤木桂。
    初めて知った作家だったが、実に良い作品だった。
    目付けと言われる部署は、時代小説にはしばしば出てくる。
    旗本などを取り締まる部署である。
    なので、高潔でなければならない。
    そして江戸城にあがるときに上がるときはどんな大大名でも、帯刀は許されないが目付けは、仕事が仕事だけに帯刀が許される。

    いくかのエピソードが語られ、最初の話に出てくる大目付けの美作との関わりは最後に大きな仕事として再度登場する。

    違った見方をすれば、信じ合った仕事仲間とそれを統一する筆頭、今で言うところの管理職の関係をみるのも、何か人間関係をよくするには?
    職場を風通しよくするには?
    管理職

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    2021年08月21日
  • 江戸城炎上 本丸 目付部屋2

    購入済み

    本丸 目付部屋 目安箱

    目付筆頭の妹尾十左エ門、情けの濃い思慮深い捜査
    貧乏御家人の、人身売買にお茶坊主が絡むのを見事に、「匙加減」し御家人の倅を救い、役目を果たす
    経済破綻した、徳川幕府の「負」の部分に光を当てながら、ほんわか未来に光を当てたストーリーは、読み手を安堵させる
    さすがである

    #切ない #ほのぼの

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    2021年05月19日
  • 新任目付 本丸 目付部屋6

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    ネタバレ

    江戸時代の城中で表坊主や奥祐筆などがどのように
    仕事を進め、問題があればどこが担当してどの様な
    手順で賞罰を決めていくかが小説で分かる

    最近の作家は基本情報をおざなりにしないから勉強
    になる、今回は奈良奉行に昇進した目付の穴埋めで
    奥祐筆の新任が目付採用になったが、千石程度の目
    付役に四百石の奥祐筆・・・足さないんだとか、役
    高以外に業務円滑に進める為の役料二百俵の手許金
    があるとか、老中・貴人の御前に出るための衣服を
    見苦しくない様に整える様「四季施代=衣服代」が
    二十四両二分支給されるとか、存外恵まれている

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    2024年09月03日
  • 建白書 本丸 目付部屋5

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    ネタバレ

    目付として「正しい」とは何か、「公平」とはなにか
    個々の目付は役職・格付けに惑わされる事なく諮問に
    答えを出すのだ
    小説の形であるが、江戸時代の役職の実務を知る事が
    できて為になる小説です

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    2024年08月28日
  • 遠国御用 本丸 目付部屋4

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    ネタバレ

    目付も長崎まで出張するのか?
    出島は長崎の大商人25人が作り上げた本邦初の人工島
    賃借料を払う店子のポルトガル人が居なくなり慌てる
    乙名たちだが、オランダ人が賃料を支払う事になった

    年間1億円⇨某ブログでは5500両とあったが銀55貫を
    勘違いしたと思う(´・ω・`)

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    2024年08月03日