あらすじ
権力に阿ることなく、自らを律し正義を貫く清々しき十人の侍たち
仮令、老中の事たりとも、非曲あらば言上すべし──
「柳之間誓詞」心得を胸に、大目付の非道と対決する。
「武家の鑑」目付の活躍!
早朝、大名の行列と旗本の一行がお城近くで鉢合わせ、旗本方の中間がけがをしたのだが、手早い目付の差配で、事件は一件落着かと思われた。ところが、目付の出しゃばりととらえた大目付の、まだ年若い大名に対する逆恨みの仕打ちに、目付筆頭の妹尾十左衛門は異を唱える。さらに大目付のいかがわしい秘密が見えてきて……。正義を貫く目付十人の清々しい活躍。
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Posted by ブクログ
本作品でデビューという藤木桂。
初めて知った作家だったが、実に良い作品だった。
目付けと言われる部署は、時代小説にはしばしば出てくる。
旗本などを取り締まる部署である。
なので、高潔でなければならない。
そして江戸城にあがるときに上がるときはどんな大大名でも、帯刀は許されないが目付けは、仕事が仕事だけに帯刀が許される。
いくかのエピソードが語られ、最初の話に出てくる大目付けの美作との関わりは最後に大きな仕事として再度登場する。
違った見方をすれば、信じ合った仕事仲間とそれを統一する筆頭、今で言うところの管理職の関係をみるのも、何か人間関係をよくするには?
職場を風通しよくするには?
管理職の立場の人間がどう望んで人間関係を構築するか?など、興味深い。
シリーズ化が待ち遠しい。