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騙し騙され、
知恵と欲の
丁々発止の果て
手にする物は?
天保の世。大坂の道具商の放蕩息子・「どら蔵」こと寅蔵(とらぞう)は、なまじ目利き自慢であるのが運の尽き、奉公先に大損害を与えてしまい、大坂にいられなくなりました。旅に出て辿り着きたるは、知恵と欲が渦巻く江戸の骨董商の世界。手練れたちに揉まれながらも大奮闘! できればよいのですが。そううまくは運ばないのが世の常、人の常。お宝を巡って時に騙され、時に勝負をかけ、時々情に流され――。丁々発止の果て、どらちゃんは「真物(ほんもの)」の目利きになれるのか?
魅力的なお宝そして登場人物(キャラクター)がてんこ盛り!
読み終えるのがもったいなくなるエンターテインメント時代小説!
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Posted by ブクログ
流石は人情噺の名人、朝井まかて。いや読ませる、読ませる。道具商、つまり今の時代でいう骨董屋。しかし骨董品なんて、その昔、いや今もやってるのか、『なんでも鑑定団』で和服着た親父が「良い仕事してますね〜」とか言って高値を付けたり、これは贋作でお金にならないなどというのを見て、いや人間、欲を掻くと碌なことにならんな、国中に恥を晒すと思っていたが、この本を読んだらやってみようかなどという良からぬ気持ちが芽生えてしまった。
主人公は寅蔵、碌でも無い奴なので皆んなからドラ蔵と呼ばれている。住んでいた大坂で厄介ごとを背負い込み、親に勘当されて江戸まで出て行く。作中の大坂弁が実にいい。町田康の饒舌とはちょっと違うが、関西人のノリを上手く方言で表現している。あと文章が良いんだな〜。ちょっと引用すると、「寅蔵はもう一度伸びをして、ぶらぶらと歩く。名も知らぬ川沿いの土堤には柳の並木が続く。青枝を風に靡かせている」。
「ようやく生國魂神社の境内に足を踏み入れると、西の彼方が広がっていた。大坂の海、兵庫の山並み、遠くに淡路の島も見晴るかす」。そうか、あべのハルカスは見晴かすから名付けられたのか、違うか(笑)。
少し真面目にコメントすると、最初に大塩平八郎がちょっと出てくる。またドラ蔵が江戸に入ると水野忠邦の名前も出て来る。どちらも日本史で出て来る名前だが、なるほどな、と思わせる役。今年の8月はきな臭い話ばかりだったが、この小説に出て来る情の深い、いや薄情も情の内ってのもいるけど、お前ら皆んなええやつやなと読後思わず呟いてしまう。まかてはん、おおきにありがとう。しかし女にはモテないドラ蔵(爆笑)。
Posted by ブクログ
歴史物が苦手なので時代小説もあまり得意ではなく、義母に勧められて一度借りるもあまりの分厚さに手が出ず…
リベンジともう一度手にしたら、あまりの面白さに驚く。
上方落語のような、調子のよさ。
読んでいるはずなのに、まるで落語を聴いているのかのように会話のやりとりが心地よい。
意味がわからない単語が次々でてくるけれど、平気の平左で読み飛ばせる。でもストーリーは追える。私でも読める!という喜び。
私が時代小説が苦手なのは、日本語なのに単語がわからないからなのかもなぁ。
子どもの頃、本を読むとわからない言葉ばかりで読むのをやめてしまった日々を思い出す。
この本は、先の展開が全く読めないし、全然期待通りに展開しない。全くいつになったらどらちゃんは大成するのかとヤキモキしっぱなし。
放蕩息子をハラハラしながら見守る母のような気持ちで読み進め、今か今かとハッピーエンドを期待したままあっという間に読み終えてしまった。
ハッピーエンドを期待させてなかなか成功しないっていうところが上手いなぁと思う。
道具商や富山の薬売りのマーケティング術を知って驚いたり、大潮平八郎の乱という歴史上の事件について知ることができたりと、知識欲も十分に満たしてくれた。
これ、Audibleで聴いても面白いだろうな。
ドラマにしてもよい!
朝井まかてさんはほんとにいい本を書くなぁ。
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