教育作品一覧

非表示の作品があります

  • 「ハッピーな部活」のつくり方
    4.0
    自分がしたい運動や文化活動を思う存分楽しめるのが,本来の部活のあり方.しかし実際には長時間練習,勝利至上主義,理不尽な指導が幅を利かせ,生徒も先生も追い込んでいる.そんな生徒たちの日常から問題点をあぶり出し,今の時代にフィットする,未来にも続くあり方を様々な改革例とともに提案する.「部活の参考書」となる一冊.

    試し読み

    フォロー
  • 戦艦武蔵 忘れられた巨艦の航跡
    4.4
    二〇一五年、戦艦武蔵がフィリピン沖海底で発見され、世界の注目を集めた。だが、太平洋戦争中の一九四二年に完成し、四四年のレイテ沖海戦で撃沈された武蔵は、敗戦後、長きにわたり半ば忘れられた存在だった。姉妹艦の大和が一貫して脚光を浴び、戦記や映画、アニメなどで繰り返し描かれたのとは対照的である。両者の差はどこから生まれたのか。建造から沈没までの軌跡を追い、さらには戦後日本の戦争観の変遷をたどる。
  • 「生存競争」教育への反抗
    3.8
    我が子の「教育」が苦しい――それはあなた一人の責任ではない。「クラス全員を企業家に育てる」教育にNOと言おう! どうやら企業人や政治家、官僚たちは、日本の経済的低迷を教育で挽回しようとしているようだ。まるで、「最小限のコストで最大限の商品(人材)を納品しろ」と言わんばかりである。そんな社会を生きる私たちの子育て――とりわけ教育は、じつに悩ましい。なぜこんなにも苦しいのか。しかし本書は、「それはあなた一人の責任ではない」と説く。これは社会全体の問題なのだ。では、どうすればいいのか。本書は、明治時代から現在に至るまでの教育の歴史を振り返りながら、私たちが教育に期待すべきこと、そしてその実践の方法を試みる。これは教育学からの反抗であり、絶望に包まれた教育に対する、たしかな希望の書となるだろう。
  • ドリーム・ハラスメント 「夢」で若者を追い詰める大人たち
    4.2
    <各界絶賛> ■武道家 内田樹氏 呪符として機能している「夢を持て」「自分らしく生きろ」という言葉の負の効果に、 我々はもっと恐怖心を持つべきである。 ■思想家 田坂広志氏 若者に「夢を持て」と語る大人は、必読! ■教育改革実践家 藤原和博氏 私には夢がなかった。リクルートに憧れはなかったし民間校長になる夢を見たこともない。 「教育改革実践家」は52歳の私があとづけで付与した肩書きだ。 ■経営学者 野中郁次郎氏 計画・分析偏重の呪縛から逃れよ。「いま・ここ」の直接経験から見えてくるのが「生き方」だ。 夢の強要。その罪と害 犯行の凶器は、「夢」でした。タチの悪い悪意無き共犯者たちによる「夢を持て」の大合唱。その陰に隠れて黙殺されてきたドリーム・ハラスメントという実態。数々のインタビュー・文献調査から浮き彫りになったのは、夢を持てずに苦しむ直接的被害者と、意外な間接的被害者の存在。誰も夢から逃れられないのに、誰も夢の持ち方は教えてくれない。夢に支配されない生き方も提示されない。只々「夢は善」と妄信させるだけ。夢を持てないとヒトは死ぬのか。そんなにも社会は生きづらいのか。教育関係者自らが、教育界の長年のタブーをえぐり出す。 【目次】 はじめに 第一章 夢に食い殺される若者たち 第二章 職業以外の夢が認められない異常 第三章 タチの悪い悪意無き共犯者たち 第四章 夢を持たないとヒトは死ぬのか 第五章 それでも夢を持たせたいならば おわりに
  • 感染症対人類の世界史
    3.7
    新型コロナウイルス感染拡大を歴史に学ぼう。人類は感染症とどう向き合い、克服してきたか――?天然痘、ペスト、スペイン風邪……そしてコロナウイルス。シルクロードの時代から人と物の行き来がさかんになり、暮らしが豊かになるにしたがって、感染症も世界中に広がっていった。感染症の流行が、人類に問うてきたことから、冷静に感染症と向き合う術を学ぶことができる。
  • すばらしき日本語
    5.0
    漢字仮名まじり文に五十音、あたりまえに使っている日本語のルールは、実は画期的な発明だった! 日本で生まれ育った日本語ネイティブ(大多数の日本人)たちが「えっ、そうだったの!?」と驚く日本語知識が満載。海外からの留学生に日本語を教えてきた「日本語のプロ」が、軽やかでユーモアあふれる文章でそのおもしろさ、奥深さを伝えます。日本語への愛にあふれた、目からウロコの日本語講座!
  • シベリア出兵 近代日本の忘れられた七年戦争
    4.3
    1917年11月に勃発したロシア革命。共産主義勢力の拡大に対して翌年8月、反革命軍救出を名目に、日本は極東ロシアへ派兵、シベリア中部のバイカル湖畔まで占領する。だがロシア人の傀儡政権は機能せず、パルチザンや赤軍に敗退を重ねる。日本人虐殺事件の代償を求め、北サハリンを占領するなど、単独で出兵を続行するが……。本書は、増派と撤兵に揺れる内政、酷寒の地での7年間にわたる戦争の全貌を描く。
  • 菅原道真 学者政治家の栄光と没落
    4.0
    学者ながら右大臣に昇進するが、無実の罪で大宰府に左遷された菅原道真(845~903)。藤原氏の専横が目立ち始めたこの時期、学問を家業とした道真は、英邁で名高く、宇多天皇に見出され異例の出世を果たす。天皇による過大な評価・重用に苦悩しつつも、遣唐使派遣など重大な国政に関与。だが藤原氏の策謀により失脚する。本書は、学者、官僚、政治家、漢詩人として、多才がゆえに悲劇の道を辿った平安貴族を描き出す。
  • 織田信忠―天下人の嫡男
    4.0
    織田信忠は、父信長から才覚を認められ、十九歳の若さで家督を継承した。大軍の指揮を任され、紀伊雑賀攻めに続き、謀叛した松永久秀の討伐に成功。さらには先鋒の大将として信濃・甲斐に攻め入り、宿敵武田氏を滅ぼして信長から称賛される。だが凱旋からほどなく、京都で本能寺の変に遭遇。明智光秀の軍勢に包囲され、衆寡敵せず自害した。実績を積み重ね、将来を嘱望されながらも、悲運に斃れた二十六年の生涯をたどる。
  • キリスト教と死 最後の審判から無名戦士の墓まで
    4.3
    人は死んだらどこへ行くのか――。古来、人々は死後の世界をさまざまにイメージしてきた。本書では天国と地獄、「最後の審判」、幽霊など、キリスト教の世界観を紹介し、とりわけイギリス社会に大きな影響を与えることになったカトリックとプロテスタントの違いを指摘。キリスト教の死生観が生み出してきた墓やモニュメント、シェイクスピアらの文学や映画、芸術作品など、「死の文化」の豊かな世界をめぐる。
  • 独ソ戦 絶滅戦争の惨禍
    4.3
    「これは絶滅戦争なのだ」。ヒトラーがそう断言したとき、ドイツとソ連との血で血を洗う皆殺しの闘争が始まった。日本人の想像を絶する独ソ戦の惨禍。軍事作戦の進行を追うだけでは、この戦いが顕現させた生き地獄を見過ごすことになるだろう。歴史修正主義の歪曲を正し、現代の野蛮とも呼ぶべき戦争の本質をえぐり出す。

    試し読み

    フォロー
  • 地名崩壊
    3.3
    「ブランド地名」の拡大、「忌避される地名」の消滅、市町村合併での「ひらがな・カタカナ地名」の急増。安易な地名変更で土地の歴史的重層性が失われている。地名の成立と変貌を追い、あるべき姿を考える。
  • 藩とは何か 「江戸の泰平」はいかに誕生したか
    3.9
    戦乱の世から泰平の世へ。16世紀後半から17世紀前半にかけて、日本社会は激変した。徳川家康が開いた江戸幕府による藩の創出こそが、戦国時代以来の戦乱で荒廃した地域社会を復興させたためである。地方の王者たる戦国大名が、いかにして「国家の官僚」たる藩主へと変貌したのか。本書は家康の参謀・藤堂高虎が辣腕を振るった幕藩国家の誕生過程をたどり、江戸時代の平和の基盤となった藩の歴史的意義を明らかにする。
  • アメリカ黒人の歴史 新版
    4.1
    合衆国総人口の約十二パーセント、三千万人以上を占める黒人たち。人間としての、市民としての平等を求める彼らの闘いは、どのようなものであったのか。合衆国独立前から南北戦争を経て公民権運動へ、さらに真の解放を目指す現在までの長い苦闘の歩みを歴史的発展とともにたどる。旧版以後二十七年の変化を見据え、大幅に書き改めた。

    試し読み

    フォロー
  • ヨーロッパとは何か
    4.2
    ヨーロッパの思想や制度を熱心に受け入れることにより、驚異的ともいえる近代化を達成してきた日本。それでいて、ヨーロッパとは何かについて、真に学問的な深さで洞察し、議論した書物は意外に少ない。本書は、ヨーロッパの社会とその精神の成り立ちを明らかにし、その本質的性格に迫ろうとする「ヨーロッパ学入門」。

    試し読み

    フォロー
  • 明治維新に不都合な「新選組」の真実
    -
    1巻946円 (税込)
    土方歳三戦没150年… 新選組は「賊軍」「敗者」となりその本当の姿は葬られてきたが「剣豪集団」ではなく、近代戦を闘えるインテリジェンスを持った「武装銃兵」部隊だった! いまこそ「官軍の正義」を疑え! 「新選組の歴史」が変わる! 初公開を含む「豊富な図版点数」を収録。 いまこそ「新選組」の本当の姿をお伝えしよう ◆ 長州&土佐は上洛直後の新選組のスカウトに動いた ◆ 新選組は剣豪集団ではなく「武装銃兵」部隊だった!! ◆ 「俺たちはいくらでも近代戦を戦える!」 ―――――そう語ったと読み取れる土方歳三の言葉とは!? ◆ 新選組の組織と理念は、本当は芹沢鴨が作った? ◆ 近藤勇より格上の天然理心流師範が多摩に実在! ◆ 新選組は幕末アウトロー界の頂点に君臨していた!? ◆ 幕末の「真の改革者」はみな江戸幕府の側にいた!! ともすると幕末・明治は、国論が「勤王・佐幕」の2つに割れて、守旧派の幕府が、開明的な近代主義者の「維新志士」たちによって打倒され、「日本の夜明け」=明治維新を迎えたかのような、単純図式でとらえられがちです。ですが、このような善悪二元論的対立図式は、話としてはわかりやすいものの、議論を単純化するあまりに歴史の真実の姿を見えなくする弊害をもたらしてきました。 しかも歴史は勝者が描くもので、明治政府によって編まれた「近代日本史」は、江戸時代を「封建=悪」とし、近代を「文明=善」とする思想を、学校教育を通じて全国民に深く浸透させてきました。 そんな「近代」の担い手たちにとって、かつて、もっとも手ごわかった相手が新選組でした。新選組は、明治政府が「悪」と決めつけた江戸幕府の側に立って、幕府に仇なす勤王の志士たちこそを「悪」として、次々と切り捨てていきました。 新選組の局長近藤勇は、自己の置かれている政治空間と立場を体系的に理解しており、一介の浪士から幕閣内で驚異的な出世を遂げた人物です。そんな近藤の作った新選組という組織を、原資料を丁寧に読み込み、編年形式で追いながら、情報・軍事・組織の面から新たな事実を明らかにしていきます。 そこには「明治維新」にとって不都合な真実が、数多くみられるはずです。
  • 江戸の終活~遺言からみる庶民の日本史~
    3.5
    天下泰平の世に形成された「家」は肉親の死を身近にし、最期を悟った者は自らの教訓を込めて遺書を記した。それは万感の心情が表れた文章であるとともに、当時の社会が分かる貴重な「史料」である。私たちが教わってきた歴史とは、有名人の業績と大事件のあらましだが、本書では教科書に載らない市井の人々の声に耳を傾ける。遺書という史料を読むことで歴史学を体感しつつ、異なる時代の人生から今に通じるヒントを得る。
  • 「豊臣政権の貴公子」宇喜多秀家
    4.0
    瀬戸内の小領主から備前美作両国を治める大大名にまでなった宇喜多氏。“表裏第一の邪将”と呼ばれた父・直家の後を継ぎ、宇喜多秀家は若くして豊臣政権の「大老」にまで上りつめる。しかし、その運命は関ヶ原での敗北を境にして一変し、ついには八丈島に流罪となる。なぜ秀家はかくも秀吉に愛されたのか。なぜ西軍大将格でひとりだけ生き延びることができたのか。なぜ、その一族(宇喜多一類)は現代まで続いたのか。激動の時代を生き抜いた執念の男の実像を、最新研究をもとに描きだす決定的評伝!
  • 伝説となった日本兵捕虜 ソ連四大劇場を建てた男たち
    5.0
    「日本人として恥ずべき仕事はしない」 シルクロードに伝説を刻んだ若き兵士がいた!! 1945年、夏の終わり。ウズベキスタンに抑留された工兵たちがいた。 彼らに課されたのは「ソ連を代表する劇場を建てること」。 捕虜生活の下、457名の隊を率いてプロジェクトを完遂したリーダーは、まだ24歳の将校だった。 「日本人の誇りと意地にかけて、最良のものをつくりたい」 彼らの仕事は、ソ連四大劇場の一つと称賛され、大地震にも耐えたオペラハウス「ナボイ劇場」として結実した。 堅牢な造り、美麗な内装。彼らの誇りと意地をかけた仕事は、収容所長をはじめ、現地の人々の心を動かし、語り続けられ、日本人伝説となった。 敗戦後、日本兵は一大プロジェクトを闘っていた!! 埋もれた偉業が明かされる! ■ボリショイ劇場建設という特殊任務 ■収容所長アナポリスキーとの対峙 ■隊員に起きた転落事故死 ■手作りの芝居、演芸大会でウズベク人と触れ合う ■永田隊長の最後の仕事は名簿の暗記だった etc ※本書は2015年9月に小社より刊行した『日本兵捕虜はシルクロードにオペラハウスを建てた』を 改題の上、加筆修正し、新書化したものです。
  • 火付盗賊改 鬼と呼ばれた江戸の「特別捜査官」
    3.8
    江戸の放火犯・盗賊・博徒を取り締まった火付盗賊改。時代小説では颯爽たるイメージだが、江戸庶民の評判は必ずしも芳しくなかった。不透明な捜査手法、苛酷な取調べには幕閣も眉をひそめた。捕物名人と呼ばれて人気を博し、無宿人対策の人足寄場創設に尽力した長谷川平蔵などは例外的であった。当時の随筆や世相風聞録をも博捜し、時の権力者や大盗賊たちとの関わりも絡め、功罪相半ばした火付盗賊改の活動の実態に迫る。
  • アジア近現代史 「世界史の誕生」以後の800年
    3.3
    世界人口の約6割を抱え、広大な面積を占めるアジア。本書はそのアジアの歴史を、各国史ではなく一体のものとしてとらえる。各地の土着国家の盛衰と13世紀のモンゴル帝国の誕生から説き起こし、欧米による植民地化、日本の占領統治の影響、第2次世界大戦後の独立と経済発展、そして「アジア共同体」の模索まで。アジア域内の交流と、欧米など外部勢力との相互作用の双方に着目しながら、「アジアとは何か」を探る。
  • 物語 イギリスの歴史(上) 古代ブリテン島からエリザベス1世まで
    3.9
    1~2巻946円 (税込)
    5世紀以降、ケルト人を駆逐しアングロ・サクソン人が定住したブリテン島。11世紀、大陸のノルマン人が征服するが、常にフランス領土を求め戦争を繰り返した。その間、島内では諸侯が伸張。13世紀にはマグナ・カルタを王が認め、議会の原型が成立する。その後も百年戦争の敗北、教皇からの破門と、王の権威低下が続いた。上巻は、大陸に固執する王たちを中心に、16世紀半ばイングランドにエリザベス1世が君臨するまでを描く。
  • 残留日本兵 アジアに生きた一万人の戦後
    3.9
    「恥ずかしながら帰って参りました」――。残留日本兵といえばすぐに思い浮かぶのが、横井庄一や小野田寛郎、そして、“水島上等兵”。彼らの苦難の歳月は、自伝をはじめ多くの書籍や映像で描かれてきた。だがいずれも悲劇の英雄として語られ、時々で話題を集めたにすぎない。本書は、アジア各地で綴られた全記録を辿り直すことで、「大日本帝国崩壊後」の残留日本兵たちの真の姿を明らかにする、初の試みである。
  • 毛沢東の対日戦犯裁判 中国共産党の思惑と1526名の日本人
    3.7
    1950年代、満洲国や日中戦争などに関与した日本人1526名が、建国直後の中国で戦争犯罪人とされた。戦犯管理所では5年間に3段階の思想改造が行われた結果、裁判での死刑はなく、東京裁判やBC級戦犯裁判と比べ、極めて寛大な判決が下される。その背後には何があったのか。新たに公開された史料から、戦犯らの犯罪行為、思想改造、日本人への怨嗟が渦巻く中、毛沢東や周恩来ら指導者が抱いた思想と戦略を明らかにする。
  • ナポレオン四代 二人のフランス皇帝と悲運の後継者たち
    3.9
    18世紀末、コルシカ島出身の一軍人から皇帝にのぼった英雄ナポレオン。父帝に憧れ軍功を焦るが、病のため夭折した2世。二月革命を経て大統領に当選、その後クーデタで皇帝となった甥の3世。帝政復興の期待を背負うも、英兵として赴いた戦地で落命した4世。二組の父子、そして一族は栄華と没落という数奇な運命を辿る。革命と激変の時代に「ナポレオン」はどう生き、民衆に求められたか。ボナパルト家から近代史を読む。
  • 一日で一気に学ぶ超日本史――「歴史」がつながらないアナタに
    -
    日本史がこんなにわかっていいのかしら? 一年から二年も丁寧に教わるはずなのに……どうして日本史というと、トピックがバラバラでつながっていないのだろう? そんなアナタに贈る、日本史を一気に理解できる画期的な本! ※本書は1996年9月に小社より発行された『「超」日本史』を改題し、一部改稿と新たな書きおろしを加えたうえで新書化した。
  • トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち
    4.1
    1892年にアメリカで発明されたトラクターは、直接土を耕す苦役から人類を解放し、穀物の大量生産を可能にした。文明のシンボルともなったトラクターは、アメリカでは量産によって、ソ連・ナチ・ドイツ、中国では国策によって広まり、世界中に普及する。だが、化学肥料の使用、土地の圧縮、多額のローンなど新たな問題を生み出す。本書は、一つの農業用の“機械”が、人類に何をもたらしたのか、日本での特異な発展にも触れながら、農民、国家、社会を通して描く。 ●目次 まえがき 第1章 誕 生――二〇世紀初頭、革新主義時代のなかで    1 トラクターとは何か    2 蒸気機関の限界、内燃機関の画期    3 夜明け――J・フローリッチの発明 第2章 トラクター王国アメリカ――量産体制の確立    1 巨人フォードの進出――シェア77%の獲得    2 専業メーカーの逆襲――機能性と安定性の進化    3 農民たちの憧れと憎悪――馬への未練 第3章 革命と戦争の牽引――ソ独英での展開    1 レーニンの空想、スターリンの実行    2 「鉄の馬」の革命――ソ連の農民たちの敵意    3 フォルクストラクター――ナチス・ドイツの構想    4 二つの世界大戦下のトラクター 第4章 冷戦時代の飛躍と限界――各国の諸相    1 市場の飽和と巨大化――斜陽のアメリカ    2 東側諸国での浸透――ソ連、ポーランド、東独、ヴェトナム    3 「鉄牛」の革命――新中国での展開    4 開発のなかのトラクター――イタリア、ガーナ、イラン 第5章 日本のトラクター――後進国から先進国へ    1 黎 明――私営農場での導入、国産化の要請    2 満洲国の「春の夢」    3 歩行型開発の悪戦苦闘――藤井康弘と米原清男    4 機械化・反機械化論争    5 日本企業の席巻――クボタ、ヤンマー、イセキ、三菱農機 終 章 機械が変えた歴史の土壌
  • 帝国議会―西洋の衝撃から誕生までの格闘
    4.0
    1890年11月、貴族院と衆議院からなる帝国議会が誕生した。ペリー来航後、強く主張される「公議」「公論」による政治の一つの到達点である。 体制の安定を第一とした伊藤博文ら政府と、早期設置を求める板垣退助ら自由民権運動の角逐のなか、政府は1881年に9年後の議会開設を約束した。今も昔も政治の世界で9年後の約束が守られることはほとんどない。だが明治政府の面々は、自らの権力を失ってもなお、公議実現のため議会開設を志向し、実現する。 本書は、西洋で200年かかった議会が、どのようにして明治維新から約20年で創られたのか、帝国議会に関わった人々の構想と試行錯誤の軌跡を追う。憲法制定と並ぶ近代日本の一大事業の全貌を明らかにする。
  • 海賊の世界史 古代ギリシアから大航海時代、現代ソマリアまで
    4.0
    古代ギリシアのヘロドトスは海賊たちを英雄とみなし、ローマのキケロは「人類の敵」と罵倒した。スペインとオスマン帝国が激突したレパントの海戦の主役は海賊であり、大英帝国を裏面から支えたのもカリブ海に跋扈するバッカニア海賊だった。19世紀、欧米の覇権主義で海賊は滅びたが、現代のソマリア海賊として甦る。キリスト教とイスラームの対立、力と正義の相克など、多様な視座で読み解く、もう一つの世界史。
  • 中国と日本がわかる最強の中国史
    4.0
    中華思想は「幻想」でしかない! 韓国とは違って、中国の属国ではなかった日本から見た、目からウロコの中国4千年史。「日本史」「世界史」「韓国史」に続く、大好評の「最強シリーズ」第4弾! ◎冊封体制論は日本特有のガラパゴス史観の虚構◎弥生人は朝鮮半島でなく江南からやってきた◎始皇帝が信長・秀吉なら漢の劉邦は家康に似ている◎帰化人のほとんどは半島人でなく漢民族◎漢や唐の栄華は中国より日本に残っている◎元寇と倭寇の敗北で日本には勝てないと思う中国人◎秀吉が死んだ隙に清が中国を統一した◎沖縄が中国であったことはない◎孫文は親日的だったのか?容共だったのか?◎抗日戦争から逃げて生き延びた中国共産党◎「一帯一路」は「大東亜共栄圏」の焼き直し◎習近平は安倍首相との外交戦争に負けた
  • 日本海 その深層で起こっていること
    3.9
    1~2巻946~1,100円 (税込)
    わずか8000年前まで"死の海"だった日本海。生命の宝庫へと変貌した背景には、最下層にひそむ、厚さ1000メートルにおよぶ「謎の水」の存在があった。この海特有の海水は、なぜ生まれたのか? そして、環境変化を先取りする「ミニ海洋」の異名をもつこの海に、いま生じつつある大きな異変とは? 「母なる海」の知られざる姿を解き明かす、海洋科学ミステリー。
  • 天皇と儒教思想~伝統はいかに創られたのか?~
    -
    8世紀の日本で、律令制定や歴史書編纂が行われたのは、中国を模倣したからだ。中国でそうしていたのは儒教思想によるものだった。そして、江戸時代末期から明治の初期、いわゆる幕末維新期には、天皇という存在の意味やそのありかたについて、従来とは異なる見解が提起され、それらが採用されて天皇制が変化している。そして、ここでも儒教が思想資源として大きく作用した。本書は、その諸相を取り上げていく。
  • 帝国大学 近代日本のエリート育成装置
    3.3
    今なお大きな存在感を持つ旧七帝大。明治維新後、西欧の技術を学ぶため、一八八六年の帝国大学令により設立が始まった。本書では、各地域の事情に応じて設立・拡充される様子、帝大生の学生生活や就職先、教授たちの研究と組織の体制、予科教育の実情、太平洋戦争へ向かう中での変容などを豊富なデータに基づき活写。建学から戦後、国立総合大学に生まれ変わるまでの七〇年間を追い、エリート七大学の全貌を描く。
  • 「系図」を知ると日本史の謎が解ける
    4.0
    なぜ、あのとき、あの武将は思いがけない行動をとったのか? 天下の一大事で家来に裏切られたのはなぜか?──歴史の謎は「系図」が教えてくれる。戦国時代から幕末まで、表舞台からは見えてこない歴史を動かす深層を明らかにした一冊!
  • 幕末雄藩列伝
    4.5
    「藩」という組織が明暗を分けた要因とは? 幕末を語る上で外せない“十四の雄藩”が直面した「岐路」と「決断」を考察。「藩」という枠組みから捉え直す、新たな幕末・明治維新像!
  • コルチャック先生
    4.5
    「私は子どもたちの父親なのです。私だけがどうして」自分だけにさしのべられた救いの手を拒絶し、教え子たちとともに死の収容所トレブリンカ行きの貨車へ……。ポーランド系ユダヤ人で「子どもの権利条約の精神的な父」と言われる教育者コルチャック(一八七九‐一九四二)の壮絶な生涯を描き、その先駆的な人権思想を辿る。

    試し読み

    フォロー
  • 天皇125代と日本の歴史
    4.7
    天皇の退位を巡る議論が有識者会議で行われ、天皇の地位や権限、譲位や後継者について国民の関心が集まっている。本書は、神武天皇から今上天皇まで日本の天皇125代を振り返る、東京大学史料編纂所の名物教授による画期的天皇史である。天皇を知れば、日本史がわかる。国家が見える。生前退位を知るためにも今、押さえておきたい一冊。
  • 本当に悲惨な朝鮮史 「高麗史節要」を読み解く
    4.0
    人気本『本当に残酷な中国史』に続く著者第2弾新書! 日本人、それと同時に韓国、北朝鮮の人たちに、現在の南北朝鮮両国の直系の先祖である高麗の本当の姿を知ってもらいたい――これが本書の出発点だ。 現在の日韓、日朝関係をこじらせている原因は何も韓国と北朝鮮だけにあるのではなく、朝鮮の人々の価値観や倫理観を正しく理解していない日本にもある。ここで書くのは高麗の歴史でもないし、高麗史や高麗史節要の解説書でもない。ましてや嫌韓本や侮韓本などではさらさらない。高麗の人々の生き様、人間模様を描くことである。我々日本人に必要なのは、高麗の人々の言動を通して、その行動の裏にある価値観や倫理観をしっかりつかむことだ。そうすることによって始めて現代の韓国・北朝鮮の状況を正しく解釈することが可能になるのだ。
  • 歴史が遺してくれた 日本人の誇り
    -
    上智大学名誉教授・渡部昇一氏絶賛!!「読むほどに日本人としての自信が湧き上がってくる名著である」古今東西の書物に精通した当代随一の“知の巨人”であり、“人間通”の著者が、人生をより豊かに生きるための「歴史との向き合い方」を語り尽くした一冊。装いも新たに、待望のリニューアル復刊!
  • 江戸幕府と儒学者 林羅山・鵞峰・鳳岡三代の闘い
    3.0
    林家は、朱子学者・林羅山を始祖とする江戸幕府に仕えた儒官の家柄である。大坂冬の陣の発端となった方広寺鐘銘事件から、史書『本朝通鑑』の編纂、湯島聖堂の創建、大学頭叙任、赤穂浪士討ち入り事件への対応、そして新井白石との対立まで――。初代羅山・二代鵞峰・三代鳳岡は、歴代将軍の寵用と冷遇に翻弄されながらも、江戸期朱子学の確立に奔走した。その林家三代一五〇年の闘いと事績を描く。
  • 道路の日本史 古代駅路から高速道路へ
    4.6
    邪馬台国の頃には獣道しかなかった日本列島も、奈良時代になると幅12mの真っ直ぐな道が全国に張りめぐらされ、駅馬の制度が設けられた。中世には道路インフラは衰退したが、徳川家康は軍事優先から利便性重視に転換して整備を進める。明治以降は奥羽山脈を貫くトンネルを掘った三島通庸、名神高速道路建設を指揮したドルシュなど個性溢れる人物の手によって道路建設が成し遂げられる。エピソード満載でつづる道路の通史。
  • 常用漢字の歴史 教育、国家、日本語
    -
    10万字以上の漢字のなかで、日本語の読み書きに使う目安となる常用漢字は2,136字。これに人名用漢字を加えた約3,000字で過不足はないのか。選択の基準はどこにあり、字体や音訓はどのように決められたのか。本当に常用されているのか。国家が漢字と音訓を制限することの功罪とは。本書は江戸時代の常用漢字を推測する実験から説き起こし、明治以降のさまざまな漢字表を紹介。常用漢字でたどる日本語の150年史。
  • 日清戦争 近代日本初の対外戦争の実像
    3.8
    1894年の夏、日清両国が朝鮮の「支配」をめぐり開戦に至った日清戦争。朝鮮から満州を舞台に戦われた近代日本初の国家間戦争である。清の講和受諾によっていったん終わりをみるが、割譲された台湾では、なお泥沼の戦闘が続いた。本書は、開戦の経緯など通説に変更を迫りながら、平壌や旅順の戦いなど、各戦闘を詳述。兵士とほぼ同数の軍夫を動員、虐殺が散見され、前近代戦の様相を見せたこの戦争の全貌を描く。
  • パズルでひらめく 補助線の幾何学 “魔法の補助線”を見つけよう
    4.0
    もう一度、味わってみませんか? 補助線1本ですっと解けた、あの爽快感! 補助線を使って、魔法のように解く。いくら考えても解けなかった難問が、1本の補助線ですっと解ける快感! 見方を変える。発想を転換する。ひらめきを鍛える。あなたは、"魔法の補助線"をいくつ見つけることができるでしょうか。入門から超難問まで、選りすぐりの76題。中学生から楽しめます。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • DNA複製の謎に迫る 正確さといい加減さが共存する不思議ワールド
    5.0
    DNA複製とは一体どういう反応なのだろうか? 私たちの体の細胞が分裂するとき、細胞の中では必ず、DNAが複製される。生命現象の根幹を担うこの反応は、一糸乱れぬ正確さで行われると考えられがちだが、じつは思った以上に不完全で、結構"いい加減"なのである。なんともユニークで"人間くさい"複製のしくみを知れば、「えぇっ!?こんなふうにやってるの!」と驚きの声を上げられるに違いない。
  • 高校生のための逆引き微分積分 関数から判る解法のテクニック
    4.5
    問題を見たとき、どのように解くかが判るようになる! 教科書は、問題ではなく、手法で分類しています。でも、本番の試験問題には、手法は書いてありません。本書は、関数の種類別に解法のテクニックをまとめた、実戦に即した、ユニークな微分積分の解説書。解き方が判らないのは、教科書が問題ではなく、答え(手法)で分類しているからです。本書では、個々の関数(問題)→手法の逆引き方式によって、解法の定石を解説します。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 漢和辞典の謎~漢字の小宇宙で遊ぶ~
    -
    一家に一冊ある漢和辞典。頑固者のようで以外と可愛いヤツかもしれません。◆「漢和辞典」と「漢字辞典」は何が違うのか?◆「おおざと」「こざとへん」は「のぼりざる」「こざるへん」だった!?◆日本人のある欲求から生まれた「鰯」という漢字◆目当ての字になかなか辿り着けない拷問!?◆キラキラネーム・ドキュンネーム用辞典はこんなに昔から……◆外国人が作った不思議な漢字辞典……etc. 時空を超えた言葉の世界を大解剖!
  • 人間・始皇帝
    3.7
    苛烈な暴君か、有能な君主か。中国最初の皇帝の生涯は謎に満ちている。出生の秘密、即位の背景、暗殺の経緯、帝国統一の実像、焚書坑儒の実態、遺言の真相──。70年代以降に発見された驚くべき新史料群に拠り、『史記』が描く従来の像を離れ、可能な限り同時代の視点から人間・始皇帝の足跡をたどる画期的な一書。

    試し読み

    フォロー
  • 語彙力こそが教養である
    4.0
    ビジネスでワンランク上の世界にいくために欠かせない語彙力は、あなたの知的生活をも豊かにする。読書術のほか、テレビやネットの活用法など、すぐ役立つ方法が満載!読むだけでも語彙力が上がる実践的な一冊。
  • なるほど高校数学 ベクトルの物語 なっとくして、ほんとうに理解できる
    3.0
    高校の数学って、こんなに役に立つんだ! 基礎知識が全くなくてもベクトルが理解できる。高校で学ぶ数学を、テーマ別に「わかりやすく、自由に、広がりを実感できる」ように語る、新シリーズ。ベクトルとはなにかから、ベクトルの計算、図形への活用、線形代数の入り口までを、誰でも理解できるように、ゆっくり語ります。ベクトルというのは、単なる矢印です。ただしその矢印を、足したり引いたり、2倍したり、あたかも数のように扱うことができます。ベクトルは、磁気や電気、重力など、自然界の力の理解には欠かすことができません。また、2次元や3次元の図形を調べるときにたいへん有用です。本書はベクトルについてまったく基礎知識がなくても、十分に理解できるように書かれています。(ブルーバックス・2008年5月刊)※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 波のしくみ 「こと」を見る物理学
    -
    水の波、音、弦の振動、光、電波…… 波の物理学は、「もの」(媒質)ではなく、「こと」がどのように起こるかに注目し、その中に目ざとく「こと」の秩序を見出した。波から生みだされた物理学や数学の概念の豊富さは、他を圧倒している。波の物理現象を俯瞰しながら、波という「こと」のしくみを覗いてみよう。(ブルーバックス・2007年11月刊)※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • シンプルに使うパソコン術 傑作フリーソフトでつくる快適環境
    3.8
    朝日新聞の土曜版「be」で好評を博したパソコンの連載『ソフ得!』が大幅加筆で待望の新書化! パソコンを快適に操作できていますか? 新しいOSが出て、市販ソフトのバージョンが上がるたびに、パソコンは複雑化してきました。動きが重くなり、ひどいときには固まってしまうこともあります。それを防ぐには、パソコンの不要な機能を削除して、フリーソフトを活用すればいいのです。「パソコンをシンプルに使いたい」という願いのもと、朝日新聞「be」で4年間続いた連載コラム「ソフ得!」のなかから傑作ソフトを選び、大幅に加筆、再構成した一冊。(ブルーバックス・2007年8月刊)※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 絵で見る物質の究極 極微の世界で踊る素粒子
    -
    物をどこまでも細かく分割していったら、最後にはどうなるか? 物質の究極に挑む。究極の「基本粒子」、究極の「基本の力」とは? イラストをふんだんに使い、「原子の世界」→「原子核の世界」→「素粒子の世界」と順を追って物質の究極に迫る。そこではどんな粒子が、どんな力の作用で、どんな舞を演じているのだろうか? また、宇宙物質にも目をむけ、物質の究極の謎にもふれる。(ブルーバックス・2007年4月刊)※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 生命のセントラルドグマ RNAがおりなす分子生物学の中心教義
    4.3
    2006年ノーベル賞W受賞(生理学医学賞+化学賞)テーマ。RNA(セントラルドグマの主役)をわかりやすく解説! 「遺伝子からタンパク質が作られる」という中心教義の深奥にせまる! 私たちが生きているのは、遺伝子からつねにタンパク質が作られ続けているから。このとき、DNAの遺伝情報は、いったんRNAという物質にコピーされタンパク質に翻訳される。この流れが「分子生物学のセントラルドグマ」といわれるものだ。その主役はRNA。多彩なしくみでなりたつセントラルドグマの世界を、RNAを中心にわかりやすく解説する。(ブルーバックス・2007年2月刊)
  • 新しい電池の科学  高性能乾電池から燃料電池まで
    4.0
    電池に充電できるものとできないものがあるのはなぜ? 電池は進化し続けている。身近な乾電池や鉛蓄電池から、急激に普及したリチウムイオン電池、そして次代のエネルギーとして期待される燃料電池まで、さまざまな電池の原理を解説。コンパクトな電池にも、高出力、長寿命、安全性を獲得していった技術革新の歴史が詰まっている! (ブルーバックス・2006年9月刊)※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 門田先生の3Dプリンタ入門 何を作れるのか、どう役立つのか
    3.5
    技術教育講座の准教授で、ものづくりの市民工房「ファブラボ」のディレクターでもある著者が、3Dプリンタの原理や構造、利用法などを一般向けにやさしく解説する。3Dプリンタの普及と共に盛り上がる「ものづくり」の現状や今後の展望もひと通り理解できる。これ一冊であなたも「メイカーズ」の仲間入り。(ブルーバックス・2015年10月刊)
  • 輪廻する宇宙 ダークエネルギーに満ちた宇宙の将来
    4.3
    インフレーションとビッグバンからはじまったこの宇宙はこれからどう進化していくのか。一般相対性理論と場の量子論に立脚した現代宇宙論は、わたしたちの想像をはるかに越えた宇宙の将来を予言する。宇宙のはじまりと終わりを結びつけて宇宙を再生しようとする、現代物理学の挑戦を分かりやすく解説。(ブルーバックス・2015年10月刊)
  • 天野先生の「青色LEDの世界」 光る原理から最先端応用技術まで
    4.0
    本当にすごいのはこれからだ! 青色LED技術の革新が分かる。1500回を超える実験の末に生まれた青色LEDの本体、窒化ガリウム結晶。今では電力ロスを10分の1に減らすパワー半導体や、水問題を解決する水質浄化装置など、たんなる「照明」にとどまらない多様な可能性に世界が注目しています。青色LEDはなぜ夢のある技術なのか、その原理と研究の最前線を開発者自らが分かりやすく紹介します。(ブルーバックス・2015年9月刊)
  • 物語で読む日本の刀剣150
    3.3
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 刀匠たちの手によって生み出され、一振りごとに時代や所有者の物語を宿した名刀たち。源頼光が大江山の酒呑童子を退治したといわれる「童子切安綱」、戦国の世で和睦交渉に奔走しつづけた板部岡江雪斎の「江雪左文字」、斬る真似をしただけで骨がくだけるとして名付けられた「骨喰藤四郎」、幕末を駆け抜けた土方歳三の愛刀「和泉守兼定」等、逸話の数々を一挙網羅。 ※電子書籍版では「名刀ギャラリー」ページが掲載されていません。
  • 薬学教室へようこそ いのちを守るクスリを知る旅
    4.5
    クスリの飲み方、クスリの高等の副作用・代謝、創薬について知りたい、薬学部を目指したい、薬剤師になりたい、そんな人たちのための薬学の入門書。クスリを知る旅にいっしょに出かけませんか。(ブルーバックス・2015年8月刊)
  • デジタル・アーカイブの最前線 知識・文化・感性を消滅させないために
    3.7
    古来、人類はさまざまな「知」を記録し、蓄積してきました。だからこそ人類は地球生物の王者たりえたといえます。ところが、このかけがえのない知的財産がいま、次々と失われています。劣化する活字・映像、守るべき人々がいなくなり消滅する芸術や伝統技術。このままでは現代は、後世から見て「記録が空白」の時代となってしまいます。この危機に瀕した「知」を守り、未来に遺そうという取り組みが「デジタル・アーカイブ」です。(ブルーバックス・2015年2月刊)
  • 秀吉を襲った大地震
    4.3
    天下統一の前後、豊臣秀吉は大地震に襲われた。大坂に逃げ帰った天正地震、城が倒壊した伏見地震-。しかしこれは遠い昔のことではない。大地震が続いた秀吉の時代と同じく、私たちも、活断層が活発な「内陸地震の時代」に生きているのだ。「地震考古学」で読み解く、大地に刻まれた「地震」と「人間」の歴史。
  • 謎解き・津波と波浪の物理 波長と水深のふしぎな関係
    5.0
    先を急ぐ波、ゆっくり進む波。孤高の波、群れる波。生まれたての波、成熟した波。そして、海底を感じる波、感じない波――。波が海底を感じるとはどういうことか? 波のふるまいを左右する「波長」と「水深」のフクザツな関係とは? 身近なふしぎ現象を、数式なしでわかりやすく解き明かす。(ブルーバックス・2015年7月刊)
  • 理系のための研究ルールガイド 上手に付き合い、戦略的に使いこなす
    -
    実験、論文、学会発表、研究費、特許など、サイエンスの世界で生きる研究者には、知っておくべき数多くのルールがある。研究者として成功するには、ルールを熟知したうえで、ルールを思い切り使いこなす必要がある。本書では、サイエンスの世界の基本的なルールをわかりやすく解説したうえで、「ルールを戦略的に使いこなす」ためのノウハウを多く盛り込んで解説する。(ブルーバックス・2015年6月刊)
  • ようこそ「多変量解析」クラブへ 何をどう計算するのか
    3.7
    多変量解析はさまざまなデータを自在に分析できる強力な統計手法。統計ソフトを前に、どの統計手法を選べばいい? どのデータから分析すればいい? 結果はどのように解釈できる? と困ったことはありませんか。計算法がわかれば多変量解析はこわくありません。それぞれの統計手法で何が行われているのか? 計算の過程を追いながら、本質が理解できる実戦的解説書。(ブルーバックス・2014年11月刊)※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 驚異の小器官 耳の科学 聞こえる仕組みから、めまい、耳掃除まで
    -
    まっすぐ伸ばしても3.5センチ。小さな蝸牛はナノテク満載の超細密測定器! 雑音の中から声を聞き分け、音楽に感動する。原子1個分、約0.003度の傾きを感じる有毛細胞。ヘッドホン難聴やめまい、メニエール病。精神をも蝕む、耳鳴や幻聴。あらゆる耳の不思議を科学する。(ブルーバックス・2014年10月刊)
  • 小事典 からだの手帖 新装版 薬よりよく効く101話
    3.0
    あなたの「からだ」のガイドブック。神経系の小径をたどって感覚器に至り、血液のダイナミックな流れにのって、心臓から血管、リンパ管を抜けて行く。広大な呼吸器のガス交換現場を一望し、長い消化管をくぐって化学プラント肝臓へ、そして神秘の内分泌器官へ迫る……。名ガイドの案内で行く人体ワンダーランドの旅。(ブルーバックス・2011年2月刊)
  • 超越数とはなにか 代数方程式の解にならない数たちの話
    3.5
    無理数の中には、さらに「超越数」と呼ばれる不思議な数たちがいます。πやe、2のルート2乗がその代表です。超越数は無理数の中でも、「代数方程式の根にならない無理数」のことです。つまりπやeは、どのような代数方程式を作っても、その根になることはありません。本書では超越数の性質やその調べ方を、できるだけ易しく解説します。数学好きの読者へのプレゼントです。(ブルーバックス・2015年4月刊)※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 禹王と日本人 「治水神」がつなぐ東アジア
    3.5
    1巻946円 (税込)
    日本と中国には共通の神がいた 日本各地の川のそばには、数多くの石碑「文命碑」が立つ。“文命”とは古代中国・夏王朝の「禹王」の別名で、その伝承は治水の思想のほか、「平成」「疎通」などの言語、相撲の四股など、日本語と日本文化に深い影響を与えてきた。日中での伝承の実像と日本に渡来した経緯を解明し、文化的な相互理解の可能性を探る。 [内容] 序章 「治水神」の渡来 第一章 禹王はいかにして日本の神となったか 第二章 なぜ、京都御所の襖絵に禹王が描かれたのか 第三章 なぜ、九尾狐は禹王にとりついたか 第四章 どのように禹王は現代に生きているか 終章 東アジアで共有される禹王
  • ビスマルク ドイツ帝国を築いた政治外交術
    4.1
    一九世紀ヨーロッパを代表する政治家、ビスマルクの業績は華々しい。一八七一年のドイツ帝国創建、三度にわたるドイツ統一戦争での勝利、欧州に同盟システムを構築した外交手腕、普通選挙や社会保険制度の導入――。しかし彼の評価は「英霊」から「ヒトラーの先駆者」まで揺れ動いてきた。「鉄血宰相」「誠実なる仲買人」「白色革命家」など数多の異名に彩られるドイツ帝国宰相、その等身大の姿と政治外交術の真髄に迫る。
  • 巨大ウイルスと第4のドメイン 生命進化論のパラダイムシフト
    3.7
    最近発見された「パンドラウイルス」という巨大ウイルスは、これまでのウイルスと姿が大きく異なっている。ひょっとしたら、これまでに全く知られていない新たな生命の形なのではないか。現在、生物の世界は3つのグループ(ドメイン)に分けられることになっているが、ウイルスはそれにあてはまらない。しかし、今後、新たな「第4のドメイン」が付け加わることになるかもしれない。生物とは何かを問いなおすミステリー。(ブルーバックス・2015年2月刊)
  • あっと驚く科学の数字 最新宇宙論から生命の不思議まで
    1.5
    森羅万象を科学の数字で見るとびっくり。宇宙の大きさは470億光年。太陽の中心を出た光が地球に届くまで1000万年。地球上の生物の種類は174万種。宇宙全体で観測できる物質の割合はたったの4.9%。1人の人間が持つDNAをすべてつなぐと、地球と太陽を400往復する長さに。日本人が一生の間にするウンチの量は約5トン。──つい誰かに話したくなる話題満載。科学が10倍面白くなる! (ブルーバックス・2015年3月刊)
  • 大学入試 担当教員のぶっちゃけ話
    3.5
    AO、推薦の導入。センター試験の廃止(?)等々、複雑に進化し続けるニッポンの大学受験。今、入試は教員の「最大の業務」となっている。たとえば高校へのセールス活動、入試問題作成のドタバタ劇、試験監督官で悪夢のトラブル対応、合否判定・通知の神経戦……。「へぇー、こうなっていたのか!」と驚きの情報が満載。受験生、大学、社会にとって三方良しの方策とは? 前著『大学教員 採用・人事のカラクリ』で好評を博した著者が贈る。
  • 算法勝負! 「江戸の数学」に挑戦 どこまで解ける? 「算額」28題
    4.0
    数学の問いを記した絵馬を神社仏閣に掲げ、公開の場で算法勝負をする「算額」。大名から庶民まで、身分の上下を超え当時の数学ファンがこぞって熱中しました。本書では今も記録に残る算額から、オリジナリティ溢れる問題を厳選。数学を娯楽として楽しんだ粋な江戸人から現代人への算法勝負です。ベストセラー小説『天地明察』の冲方丁さんも挑戦、「とにかく楽しい! これは江戸時代の技術であり『娯楽』です」 (ブルーバックス・2015年1月刊)※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • かなづかいの歴史 日本語を書くということ
    3.0
    中学・高校の古文の授業で私たちは「歴史的かなづかい」に出会い、例えば現在「カワ」と発音する語がかつては「かは」と書かれたことを知る。なぜ発音と表記は違うのか、表記はいかに揺れてきたのか。仮名が生まれた十世紀の『土左日記』に始まり、藤原定家の「定家かなづかい」、中世の実用的な文書、契沖のかなづかい。そして明治期の小学校教科書や野口英世の母の手紙まで。「かなづかい」でたどる日本語の歴史。
  • 天下統一 信長と秀吉が成し遂げた「革命」
    4.1
    織田信長の上洛から二〇年、豊臣秀吉により天下は統一された。集権化や実力主義を推進した信長と秀吉の政策はまさに「革命」であり、他の戦国武将と一線を画していたのである。本書はさらに、足利と織田、そして織田と豊臣の各政権が併存したことを指摘しつつ、軍事革命にともなうスペイン・ポルトガルの東アジア進出といった世界史的視野からも戦国日本を捉え直す。旧来のイメージを大胆に覆し、「革命」の本質に迫る。
  • 離婚で壊れる子どもたち~心理臨床家からの警告~
    4.4
    三組に一組が離婚に至る現在、乳幼児を抱えての離婚も急増している。両親の葛藤や子の奪い合いに巻き込まれた子どもたちは何に苦しみどう発達していくのか。その現状と解決策。
  • 精選版 偏差値29からの東大合格法
    4.0
    「合格当時のバイブル」(東大合格者)、「効率的で、仕事にも活かせる」(社会人)、「やる気が出た」「チラポイ法が役立った」等々、反響の声が続々! 地方の高校の芸術コースだった著者は、高3秋の模試で数学偏差値29。それでも東大に合格した秘密は?――勉強嫌いだからこそ編み出せた、超効率的にしてやる気が高まる「独学」法77。予備校不要のノウハウを「受験の女神」が公開。話題作『偏差値29からの東大合格』の重要ポイントを厳選。巻末にパックンことパトリック・ハーラン氏との対談「東京大学×ハーバード大学合格秘話」を掲載。
  • エジプト革命 軍とムスリム同胞団、そして若者たち
    4.3
    ムバーラクの三〇年にわたる独裁は、二〇一一年、民衆による「一月二五日革命」で幕を閉じた。しかし、その後の民主化プロセスの中で、軍とムスリム同胞団が熾烈な権力闘争を展開し、革命の立役者である若者たちは疎外されていく――。エジプトの民主主義は、どこで道を誤ったのか。アラブの盟主エジプトが迷走した、二年半におよぶ歴史上の劃期を、軍・宗教勢力・革命を起こした青年たちの三者の視点から追う。
  • ブリュージュ フランドルの輝ける宝石
    3.4
    ブリュージュ、このフランドル地方の都市は、中世において商業や文化の中心地として、訪れた人々を驚かす活況を呈していた。市内に張りめぐらされた水路網を通じて各地から多彩な商品が運び込まれ、街は豪奢で美しいゴシック建築で満ち溢れていった。こうした都市空間の整備と文化の振興は、フランドル絵画に代表される「もう一つのルネサンス」の華々しい開花を準備する。〈北方のヴェネツィア〉の歴史的豊かさを活写。
  • 外邦図――帝国日本のアジア地図
    3.0
    明治初期から第二次世界大戦終結まで、日本がアジア・太平洋地域について作製した「外邦図」。陸軍が中心となり、戦争と植民地統治の「道具」として、朝鮮、中国、東南アジアと、進出に先駆けて作られた。その手段は、複製、秘密測量、空中撮影であり、現地での衝突も少なくなかった。本書は、初期の陸軍将校たちの偵察測量、日露戦争戦場での争奪、越境空撮など、従来知られていなかった作製の内実と利用の歴史を明らかにする。
  • 広田弘毅 「悲劇の宰相」の実像
    3.9
    日露戦争後、職業外交官の道を歩み始め、欧米局長・駐ソ大使など要職を歴任した広田弘毅。満州事変以降、混迷を深める一九三〇年代の日本で、外相・首相として、欧米との協調、中国との「提携」を模索する。しかし、二・二六事件以降、高圧的な陸軍と妥協を重ね、また国民に広がる対中国強硬論に流され、泥沼の戦争への道を開いた。東京裁判で唯一文官として死刑に処せられ、同情論が多い政治家・広田の実像に迫る。
  • 鳥羽伏見の戦い 幕府の命運を決した四日間
    4.0
    「歴史にイフはない」なんて誰が言ったのか-幕府の命運を決した慶応四年(一八六八)一月三日から六日にかけての四日間の戦いは、さまざまな偶然に満ちている。なぜ幕府歩兵隊の銃は装弾していなかったか、吹きつける北風は幕府軍にどう影響したのか、そして慶喜の判断はなぜ揺れ動いたのか-。誰もがその名を知っているけれど、詳しくは知らないこの戦いをドキュメンタリータッチでたどる。
  • ヴィクトリア女王 大英帝国の“戦う女王”
    4.1
    植民地を世界各地に築き、「太陽の沈まない帝国」と呼ばれた19世紀イギリス。18歳で即位し、この繁栄期に64年間王位にあったのがヴィクトリアである。後に「君臨すれども統治せず」の確立期と言われ、女王の役割は小さいとされたが、実態は違う。自らの四男五女で欧州各王室と血縁を深めた女王は、独自外交を繰り広げ、しばしば時の政権と対立した。本書は、全盛期の大英帝国で、意思を持って戦い続けた女王の実像を描く。
  • ホロコースト ナチスによるユダヤ人大量殺戮の全貌
    4.1
    ヒトラー政権下、ナチ・ドイツによって組織的に行われたユダヤ人大量殺戮=ホロコースト。「劣等民族」と規定されたユダヤ人は、第二次世界大戦中に六〇〇万人が虐殺される。だが、ヒトラーもナチ党幹部も、当初から大量殺戮を考えていたわけではなかった。本書は、ナチスのユダヤ人政策が、戦争の進展によって「追放」からアウシュヴィッツ絶滅収容所に代表される巨大な「殺人工場」に行き着く過程と、その惨劇の実態を描く。
  • 物語 イタリアの歴史 解体から統一まで
    4.5
    皇女ガラ・プラキディア、女伯マティルデ、聖者フランチェスコ、皇帝フェデリーコ、作家ボッカチオ、銀行家コジモ・デ・メディチ、彫刻家ミケランジェロ、国王ヴィットリオ・アメデーオ、司書カサノーヴァ、作曲家ヴェルディの十人を通して、ローマ帝国の軍隊が武装した西ゴート族の難民に圧倒される四世紀末から、イタリア統一が成就して王国創立宣言が国民議会で採択される十九世紀末までの千五百年の「歴史=物語」を描く。
  • 物語 ラテン・アメリカの歴史 未来の大陸
    3.9
    かつては高度の神殿文化を生み出しながら、一六世紀以来ラテン・アメリカは常に外部の世界に従属してきた。スペイン、ポルトガルの征服と植民地支配、イギリスはじめ列強の経済的支配、アメリカの政治的影響。独立後も独裁制から民主制へ、統制経済から自由経済へと激動が続く。ラテン・アメリカ諸国は共通の文化的伝統を基盤に、いかに苦悩の歴史と訣別し、自立と自己表現を達成するか。恐竜の時代から現代まで、長大なタイムスケールで描く。
  • 奥羽越列藩同盟 東日本政府樹立の夢
    3.9
    鳥羽伏見の戦いに敗れた会津藩救済を当初の目的とした列藩同盟は、いつしか明治天皇を奉戴する薩長閥政権に対抗して、輪王寺宮公現法親王を擁立する東日本政府樹立に向かって結束を固めていく。なかでも仙台藩の玉虫左太夫は、渡米体験をもつ国際派参謀として精力的に活動する。凄まじく厳しい権力抗争の渦中に身命を投じて敗者となった仙台、米沢、会津、庄内、秋田、長岡諸藩の志士の動向に、秘められた戊辰戦争の諸相をみる。
  • 物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国
    3.7
    ロシア帝国やソヴィエト連邦のもとで長く忍従を強いられながらも、独自の文化を失わず、有為の人材を輩出し続けたウクライナ。不撓不屈のアイデンティティは、どのように育まれてきたのか。スキタイの興亡、キエフ・ルーシ公国の隆盛、コサックの活躍から、一九九一年の新生ウクライナ誕生まで、この地をめぐる歴史を俯瞰。人口五〇〇〇万を数え、ロシアに次ぐヨーロッパ第二の広い国土を持つ、知られざる「大国」の素顔に迫る。
  • 物語 オーストラリアの歴史 多文化ミドルパワーの実験
    3.6
    APEC構想、カンボジア和平への国連提案、農業貿易の自由化など、オーストラリアは国際社会の新構想を次々と提案してきた。中規模な国家ながらベンチャー精神にあふれた対外政策はどこから生まれてきたのか。さらにアジア系移民が暮らす多文化社会は、かつての白豪主義からの180度の転換であり、社会革命といえる。英帝国、米国、アジアとの交渉を軸に150年の歴史空間を描き、新しい国家像の核心に迫る。
  • 物語 アイルランドの歴史 欧州連合に賭ける“妖精の国”
    3.8
    アイルランドは人口僅か三五〇万余の小国ながら現在、世界各地に住むアイルランド系の人々は七千万を超すといわれる。現大統領メアリー・ロビンソンは就任演説で「七千万同胞の代表として」と抱負を語った。紀元前数世紀いらいの古いケルト文化と伝統を継承するこの国は、いま統合ヨーロッパの息吹の中で、新たな飛翔を試みている。本書は五千年に及ぶ民族の哀歓の歴史を跡づけ、北アイルランド問題の本質にも迫ろうとする。
  • 本能の力
    4.6
    生気のない顔つきの子供がなぜ増えたのか。無気味な少年犯罪が連続するのはなぜなのか。現代日本の歪みは、すべて「本能の力」を軽視したことのツケである。「不快感が子供を育てる」「体罰は進歩のためにある」「非行と不良は別物」「“正しいいじめ”には意義がある」「脳幹を鍛えよ」等。建前論を排し、安易な復古主義にも与せず説く。徹底的に経験に基づいて作り上げた戸塚理論の精髄がここにある。

    試し読み

    フォロー
  • 水の戦争
    4.0
    日本の水が奪われる! AIデータセンター、半導体工場…日本各地でも急増するこれらの施設で膨大な水が消費されている。 水資源の支配者が国家から企業へ移ることで生まれる、新たな不均衡や地政学的緊張――新しい「水の戦争」が始まっているのだ。 私たちの生活と無関係ではないその現状をリポート。 目次 激化する水を巡る争い ◎AIデータセンターに半導体工場 テック企業が水を飲み干す ◎2020年に先物取引が開始 投資対象となった水 ◎軍事攻撃、サイバー攻撃 標的にされる水インフラ ◎アジア、中東、アフリカ・ナイル 繰り広げられてきた水争奪戦 ◎企業vs.自治体住民 地下水や灌漑用水をめぐる見えない綱引き ◎外資に買われる日本の土地 目的は安定した水資源の確保
  • 誰が日本を降伏させたか 原爆投下、ソ連参戦、そして聖断
    3.8
    麻田雅文氏(10万部/読売・吉野作造賞『日ソ戦争』著者、成城大学教授)推薦! 「日本降伏の真因は米国の原爆投下か、ソ連参戦か。本書により、“原爆神話”は解体された。終戦史を再考し、通説を覆す新解釈」第二次世界大戦で日本が降伏した要因は何か。著者は、米国の原爆投下ではなく、ソ連参戦の効果のほうが大きかったと分析。背景にあったのは、和平に向けてソ連の仲介に頼った日本指導層の過信と誤算だった。また、米国は戦争の早期終結をめざしたが、二発の核使用は結果的に正当化できない選択だった。戦後80年、我々は何を教訓とするべきか。戦争終結研究の第一人者が長年の論争に挑む。 【本書の要点】●「ポツダム宣言は核使用の口実だった」は誤り ●戦争終結のために原爆投下以外の選択もありえた ●日本は希望的観測から、ソ連の仲介に頼った ●昭和天皇が東郷外相と面会した本当の理由 ●日米の真の同盟のため、史実を探求するべき 【目次】●第1章:戦後日米は二発の核兵器使用をどう捉えてきたか ●第2章:米国はいかにして核兵器の使用に突き進んだのか ●第3章:核外交かコスト最小化か ●第4章:日本はいかにして降伏を受け入れたのか ●第5章:核要因かソ連要因か ●第6章:「妥協的和平」より「根本的解決」を選んだ米国 ●終章:忍び寄る現代の核の危機
  • 日本海軍 失敗の本質
    3.5
    慢心、隠蔽、虚偽の報告……。太平洋戦争において日本海軍が抱えていた「本質的な問題」とは何か。大和ミュージアムの館長であり、菊池寛賞も受賞した海軍史研究家が後世に残す、戦後80年の総決算! 本邦初公開の写真も収録。(目次より)●序章 昭和海軍と太平洋戦争――日本には何が足りなかったか ●1章 〈真珠湾奇襲(昭和16年12月)の舞台裏〉昭和海軍の誤算――なぜ開戦を止められなかったか●2章 〈セイロン沖海戦(昭和17年4月)〉敗北の序章――英国艦隊に完勝の陰で看過された「失敗」 ●3章 〈珊瑚海海戦(昭和17年5月)〉見落とされた海戦――この「失敗」を戦訓にできなかった昭和海軍 ●4章 〈ミッドウェー海戦(昭和17年6月)〉隠され続けた事実――日本海軍大敗の要因は何か ●5章 〈蒼海に眠った異質の司令官〉山口多聞と日本海軍――なぜその進言は「ノイズ」となったか ●6章 〈連合艦隊司令長官の光と影〉山本五十六と昭和海軍――活かされなかった軍政家としての能力 ●7章 〈ルンガ沖夜戦(昭和17年11月)〉日本海軍の体質――完勝の裏側に見てとれる負の側面 ●8章 〈マリアナ沖海戦(昭和19年6月)〉打ち消された「絶対国防圏の死守」――問われるべき三つの敗因 ●9章 〈敗北の司令官の実像〉小沢治三郎と昭和海軍――マリアナ沖海戦の指揮をどう評価すべきか ●10章 〈レイテ沖海戦(昭和19年10月)〉史上最大にして最後の海戦――「負け方」を知らなかった日本の敗北 ●11章 〈沖縄特攻(昭和20年4月)〉昭和海軍「最後の汚点」――戦艦大和はどう使われるべきだったか ほか
  • 「いじめ」の構造
    4.0
    平成六年、一人の少年が自殺した。遺書には「すべては自分が悪い」と記されていた。さらに、両親は少年がいじめられているということに全く気付いていなかった――いじめは昔から存在した。しかし、被害者が、肉親にも知られず、また全てを自らの責任とするような「いじめ」は、現代特有のものである。現代の「いじめ」を断ち切るために、また、いじめられた子供が自ら死を選ぶという悲劇を避けるために、いま必要なものとは何か。日本人の精神構造に迫り、根本から問い直す。 なぜ、親は気がつかなかったのか/病むこと痛むこと/からかうという遊びといじめ/悪に抵抗しなくてはならないということを教わっていない/自立を重んじて子どもに配慮しない時代の空気/権威のない世界で起こるいじめ/「しごき」と「いじめ」/まわりができること/いじめにブレーキをかける視点/教育界で一番嫌われていることを持ち出す……
  • 第二次世界大戦とは何だったのか 戦争指導者たちの謀略と工作
    -
    陰謀に満ちた世界……戦争の引き金を引いたのは誰か? アメリカ、イギリス、ソ連が決めた日本の運命。盗まれた米国の最新航空技術、ハワイの地方紙が予告していた「真珠湾攻撃」。宣教師による反日プロパガンダ、アインシュタインの原爆開発提案。近現代史の見えざる暗部と、通説を変える事件を日米近現代史研究家が開陳する。「筆者は、読者は高校世界史教科書B程度の歴史知識をもっていることを念頭にして本書を執筆した。そうした読者が、本書を読了すれば、歴史解釈の縦糸が丈夫になり、その結果、一般的歴史解釈(筆者はこれを『釈明史観』と呼ぶ)に幾ばくかの疑念が湧くはずである。その正常な疑念こそが『合理的な歴史解釈』の出発点となる」(「文庫版まえがき」より) 〈目次〉序章 スペイン内戦と作品に隠された政治思想 第1章 ソビエトのスパイ工作とルーズベルトの能天気 第2章 日米開戦前夜の事件 第3章 英米の工作と真珠湾攻撃 第4章 原爆投下をめぐる狂気 第5章 戦争指導者たちの死 終章 戦争のリアリズム
  • 東大生に教える日本史
    4.3
    東大での講義をもとに歴史のポイントを語る 東大史料編纂所に所属する本郷さんはふだん一般の学生への講義はありません。そのなかで2022年、東大駒場の教養課程(1,2年生)で、理系も含め、日本史専攻でない学生に「変革期にあらわれる日本のルール」をテーマに講義をしました。歴史はなぜ、いかにして動くのか? 東大での講義の内容をもとに、より分かりやすく、脱線もよりたっぷりと、新たに語り下ろしたものです。
  • 日本史 敗者の条件
    3.4
    ■「はじめに」より一部抜粋 江戸時代の大名で剣術の達人でもあった松浦静山が説いたように、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」である。華麗な成功は必ずしも「勝利の方程式」に基づくものではなく、偶然や幸運に支えられていただけであることがままある。一方で、敗北や失敗には明確な原因がある。であるならば、むしろ歴史上に無数に存在する凡庸な失敗を反面教師とするほうが役に立つのではないだろうか。景気が悪く退屈な話だったとしても、敗者の失敗に関心を寄せ、同じ轍を踏まないよう心がけるほうが、成功者の派手で華麗なリーダー論に接して気分が良くなるよりも、よほど意義がある。本書では、あえて歴史上の敗者に注目し、彼らがなぜ敗れたか、失敗したのかを考察していく。 ■目次【第一章】現場主義・プレーヤー型 ●源義経:最強プレーヤーはなぜ「独立」に失敗したか ●西郷隆盛:情に流された英雄の末路 ●山本五十六:大作戦を破綻させたコミュニケーションの欠如 【第二章】サラリーマン社長型 ●明智光秀:「三日天下」を招いた決断力不足 ●石田三成:最大の敗因は組織づくりの軽視 ●田沼意次:官僚の枠を超えられなかった改革者の限界 【第三章】オーナー社長型 ●後鳥羽上皇:自身の権威を過信した「名君」の誤算 ●織田信長:部下の謀叛を招いた「ブラック企業」の長
  • 蔦屋重三郎と吉原 蔦重と不屈の男たち、そして吉原遊郭の真実
    3.0
    蔦屋重三郎の原点は吉原にあった。黄表紙や人情本、浮世絵など次々と大ヒットを生み出した。いっぽう幕府による弾圧にもめげず、歌麿に大首絵を描かせたり、政治風刺の黄表紙を出版するなど、反骨精神あふれる蔦重の生涯を天才絵師・戯作者たちと共に描く。

最近チェックした作品からのおすすめ