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度重なる自然災害によって国土は破壊され、資本主義の行き詰まりにより、国民はもはや経済成長の恩恵を享受できない。何のヴィジョンもない政治家が、己の利益のためだけに結託し、浅薄なナショナリズムを喧伝する――「平らかに成る」からは程遠かった平成を、今上天皇は自らのご意志によって終わらせた。この三〇年間に蔓延した、ニヒリズム、刹那主義という精神的退廃を、日本人は次の時代に乗り越えることができるのか。博覧強記の思想家が、政治・経済・社会・文化を縦横無尽に論じ切った平成論の決定版。
...続きを読むPosted by ブクログ 2019年04月07日
片山杜秀氏が相変わらずの切れ味を発揮。
良質で安価な労働力を際限なく求める資本主義と、そこに国民を参加させるための仕掛けとしての民主主義は足並みをそろえてきた。という論。
グローバリズムと国民国家は対立する、という論調を片山氏は採っていない。
でも、もうわが国(というか世界どこでも)、国家は成長...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年12月23日
本書は『平成精神史』という題名だが、内容に関しては「思想史的な観方で考えてみる平成」ということになるのだと思った。
後から振り返って好い時代でも好くない時代でも、とりあえず生きて来た訳だ…過ぎた時代は「こうだったのではないか?」と考える対象になるばかりのことだが、次の時代は未だ何がどうなるか、自身...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年12月27日
平成を日本が後退した暗い時代としてとらえ、今後についても、昭和初期と重ねて悲観的な見方をしている。
AIが支配する資本主義社会では、人間の役割がなくなるとしているが、供給側の側面のみ強調しすぎていないか。需要側、すなわち、モノやコトの消費は人間しかできない。AIによる生産性向上の分け前を人間に再分配...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年02月20日
【幕引きに思う】数多くの災害等に見舞われ、「平らかに成る」という意味とは異なる様相を見せた感のある平成。波乱に満ちたその時代を精神史という形で描き出した作品です。著者は、音楽評論家としても活躍する片山杜秀。
平成、そしてその後の時代に対してもかなり悲観的な見方になっているのですが、憂世の文章にはな...続きを読む
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