1988年から2021年のクーデターまでのミャンマーの現代史を描いた本。
軍部と民主化を目指す団体との対立という単純な構造ではなくて、軍内対立や、少数民族、欧米、ロシア中国の思惑がこんがらがって現在の状況となっていることがわかる。
この本を読み終わっても、何が正解かがわからなくてもやもやする。
...続きを読む 例えば、統治の形。独裁はトップ次第な部分があって不安定だし、政党政治は党派争いばっかりして自己利益追求してしまう。
独裁から民主化に舵を取るにしても、急に軍人ポストを減らすと実務が滞るし、残してても軍事政権イメージが拭えない。
クーデターという結果になる前にどうしたらよかったのかってのを考えさせられる。
ミャンマーの現代史ではあるけれど、他の国や自分の会社にでもそれとなく当てはまりそうな普遍的なケースに思える。ミャンマーってどうしてこうなったの?っていう疑問は解消されるけど、これからどうしたらいいんだろうと新たな疑問が出てきて、考えさせられる本だった。