国内ミステリー作品一覧
-
3.0どこまでが真実でどこからが脚色なのか。日常の出来事に微妙な違和感を抱かせ、読み手を異世界へといざなうライト・ホラー短編集! 私の名は進木独行。五年以上前にデビューしたホラー系作家である。本書では、私自身がこれまでの人生で体験してきた奇妙な出来事を元にして、つらつらと話をつづっている。もちろん見聞きしたことも含まれている。本書で楽しむべき肝は、本筋の「奇妙」のみならず、寄り道した部分にも含まれている。実体験をそのまま描いたものもあるが、本書は創作か実体験か判別しづらいことがウリでもある。──さて、今回の第1話は私が中学1年生のときに訪れた石垣島での体験の話。「星の砂」で有名な白い砂浜で海水浴を楽しんだ帰り、世にも奇妙な海の生きものに遭遇したのだった……。
-
3.8
-
3.6
-
3.0
-
4.0
-
3.0神出鬼没の公務員探偵「腕貫さん」を“だーりん”と呼び慕う、美貌の女子大生・住吉ユリエ。同級生の小泊瀬海人から「親族が関わった殺人事件を題材にミステリ小説を書いてみたい」と相談され、大乗り気でストーリー作りに着手。ユリエは腕貫さん顔負けの名推理を披露するが、行き詰まって相談した腕貫さんから、ユリエに厳しい駄目出しが…・・・!? (「ユリエの本格ミステリ講座」) 今作ではほかに、鳥遊葵、阿藤江梨子、安達真緒、水谷川刑事etc.……シリーズ既刊でお馴染みの面々も集結。喪主による殺人、連続不審死、留学生監禁など、腕貫シリーズのホームタウン櫃洗市で続発する、禍々しくも珍妙な事件の真相は!? 解説の浜崎広江さん(今井書店)も激賞の一作、乞うご期待!
-
4.1
-
-もはや戦後ではない、そんな言葉がささやかれるようになった昭和三十五年。だが鳥澤渡の戦後はまだ終わっていなかった。彼は無念の死を遂げた父の仇を討つため、薔薇が咲き誇る壮大な館へやって来た。ここの主人は戦時中は海軍大佐で、かぎりなく妄想に近い人体兵器を発案し、渡の父をはじめ多くの兵士を死に至らしめたのだ。いよいよ、始まる。美しいピアノの調べに乗って、復讐劇の幕はいま開いた。渡は胸の高鳴りを覚えた……。 幻想的な筆致で描く長篇ミステリ小説。電子オリジナル作品。 ●倉阪鬼一郎(くらさか・きいちろう) 1960年、三重県伊賀市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒。同大学院文学研究科日本文学専攻博士課程前期中退。在学中に幻想文学会に参加、1987年に短篇集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。印刷会社、校閲プロダクション勤務を経て、1998年より専業作家。第3回世界バカミス☆アワード(2010年)、第4回攝津幸彦記念賞優秀賞(2018年)。ホラー、ミステリー、幻想小説、近年は時代小説を多数発表、オリジナル著書数は170冊を超える。
-
3.5警官が署内で首吊り!不祥事の裏にある闇。 T県警大貫警察署内のトイレで、地域課の巡査、静谷永人が首を吊っているのが発見された。拝命して三年の若手警官の自殺に、衝撃が走る。事態の調査にあたるのは県警本部に新設されたばかりの警務部事件課のメンバーだ。キャリア部長が実績を残そうと作ったお飾り部署に寄せ集められた六人。その責任者となった明堂薫警部補は奉職三十四年のベテランで、個性豊かな捜査員たちの取りまとめに苦労をしつつ、調べを進めていく。 その頃、九久見警察署管轄内で起きた連続窃盗事件で、犯人の女二人組が逮捕された。だが、そのうちの一件について、犯行時刻に別の場所で二人が目撃されていたという情報が入る。誤認逮捕となれば、県警を巻き込む大問題となる。薫たちは、九久見署敏腕刑事課長として名をはせる藤堂一雄と対峙することになるのだが。 若手警官を自死に追いやったものはなんだったのか。さらに、所轄に渦巻く闇は底知れずはびこっており……。『女副署長』などで警察小説界の新星として注目される松嶋智左の書き下ろし最新作。女性警察官たちの家庭の悩み、人生への懊悩もリアルな筆致で描き出す、警察群像小説の新境地! (底本 2022年11月発売作品)
-
4.0ライブハウスは謎だらけ!? 隠された真実を聴き分けろ! 作家デビュー10周年! シリーズ累計250万部突破! 「珈琲店タレーランの事件簿」 著者最新文庫! 音楽雑誌『ロック・クエスチョン』 で、インディーズバンドを発掘する コラム連載を任された新人編集者・ 音無多摩子。優れた耳を持つという 下北沢のライブハウスのマスター・ 五味淵龍仁の紹介でバンドマンたち を取材する多摩子だが、思いがけな い事件に巻き込まれ……。まぶしく て、切なくて、最高に愛おしい、バ ンド×青春ミステリー! カバーイラスト/ナナカワ 【Contents】 track 1 ブチギレデジタルディレイ track 2 ライブ・フライ・ライブ track 3 ザ・グレート・ベース・エスケープ track 4 ヒステリック・ドラマー track 5 ミュージック・ウィル・ゴー・オン
-
3.6
-
-東京近郊の新興住宅地で、コンビニ帰りの主婦が心臓をひとつきという鮮やかな手口で刺し殺された。現場で目撃されたのは、五月だというのに黒いオーバーコートを翻して走り去った男だった。目撃証言を手掛かりに捜査を進める所轄の刑事たち。だが、血痕の付着したコートを発見した後、またもやコートを着た男に近所の主婦が殺害される。焦りを深める捜査陣の前に、事件を嗅ぎ回る奇妙な男が現れた。あまり仕事熱心とはいえない若手の刑事・久保崎は、ルポライターと称するこの男が気になり、接近してみると……。長篇サスペンス・ミステリ。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
-
-宮嶋美由紀は愛する夫と2人の息子をもつ平凡な主婦。友人の新居パーティーの席上、思いがけず大学時代の不倫が暴露された。いたたまれず飛び出した美由樹は、その新居がかつて愛した男の家のそばであることに気づく。だが、懐かしさで訪ねたそこは廃屋となり、一体の地蔵が残されているだけだった。バス道路に向いて立つ、謎の地蔵。その足元に落ちていた五円玉を何気なく拾ったが、その後、彼女の身に次々と災難が降りかかって……。 家庭の幸せに安穏とする主婦が陥っていく蟻地獄の恐怖を、戦慄のタッチで描く。長篇サスペンス・ミステリ。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
-
-フリーカメラマン・郷原八斗は、婦人雑誌の取材のため、編集者・辻井と連れだち、丹波篠山を訪れる。新緑まぶしい6月の半ばであった。郷原は藪の中で、木洩れ日に妖しく煌く朱色の光を見た。それは、雨曝しのまま佇む石仏の掌上に燃えたつ、ひとつの鬼灯(ほおづき)の精巧なやきもの。郷原は息を呑み、心を奪われた。そして辻井が消息を絶ったのは、その直後だった。辻井失踪の鍵を握るのは、12年前に起きた不可解な殺人事件で嫌疑を問われた陶芸家・市田、それに郷原の心の中に揺らめきたつ、あの紅く燃える鬼灯であった……。 人間の業の轍のうえに錯踪する男と女の愛憎と哀しみを詩情豊かに謳う、珠玉の本格長編ミステリ。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
-
-その村では、いじめは娯楽の役割を果たしていた。そして、村の決めごとで、いじめの対象とされている“サント”とは……。おぞましい因習が残る、青森県P集落。大学の同僚教授・三崎忍に同行し、二十年ぶりに帰郷する「私」には、苦い思い出の土地だった。途中の新幹線で、「私」たちは同じ場所を目指す心理カウンセラーの桜木と出会う。だが、雪で閉ざされた縁切り寺で「私」たちを待ち受けていたのは、世にも奇怪な、連続殺人事件だった……。長篇ミステリ小説。電子版あとがきを追加収録。 ●矢樹 純(やぎ・じゅん) 小説家、漫画原作者。1976年、青森県生まれ。実妹とコンビを組み、加藤山羊の合同ペンネームで2002年、「ビッグコミックスピリッツ増刊号」にてデビューする。『あいの結婚相談所』『バカレイドッグス』などの原作を担う。2012年、「このミステリーがすごい!」大賞に応募した『Sのための覚え書き かごめ荘連続殺人事件』で小説家としてデビュー。2019年に上梓した短編集『夫の骨』が注目を集め、2020年に表題作で日本推理作家協会賞短編部門を受賞する。他の小説作品に『がらくた少女と人喰い煙突』『妻は忘れない』『マザー・マーダー』『残星を抱く』がある。
-
-
-
-“石川啄木詩情の旅”ツアー最終日、滞在先の盛岡のホテルで、参加者の一人・折原香奈子が殴殺された。凶器は南部鉄の水盤。だが捜査は難航し、事件は迷宮入りの様相を濃くしていた。一方、新進作家・千波由紀はツアー仲間と、啄木のある謎の研究を続けていた。その矢先、死んだ香奈子が啄木日記の欠落部分を入手していたことが判明、事件は意外な展開を見せ始めた。やがて浮上する、啄木の恐るべき秘密とは? そして第二の殺人が……。綿密な資料調査と取材をもとに贈る、歴史&本格推理の傑作。 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
-
3.8
-
-新宿・花園神社で男の惨殺死体が発見された。臓器は切り出され、性器まで切り落とされていた。そして、手には赤い布地のネッカチーフが…。ベテラン刑事・深森とソイチ(組織犯罪対策部)の浅尾は、被害者の足取りを追っていくうち、“ZERO”と題されたパスワード付きメールに辿りつくが…。天安門事件、黄色い雀たちの行動、ジェノサイド・オリンピック、エイズ村、盲流(マンリュウ)、臓器売買ビジネス、狂乱の中国株市場、習近平の金脈、香港の学生デモ、気功集団の学習者弾圧……。政治・経済の両面から浮かび上がってきたキーワードが、中国共産党の本質をあぶり出す。 ノンフィクション作家が描く、事実に基づいた驚愕の長篇サスペンス。電子オリジナル作品。●森田靖郎(もりた・やすろう)作家。1945年、兵庫県出身。文革中に、中国・チベット地区を訪れ、辺境地に下放された都市青年との交流から中国への興味を抱く。その後、シルクロードやロングマーチ(長征)など中国各地への旅を繰り返す。改革開放、天安門事件、香港返還などを常に現場から発信し、中国をフレームにして日本への同時代メッセージを送り続けるルポで定評がある。
-
3.5
-
4.0
-
3.4女性教師が自宅で変死-- 謎が謎を呼び、推理が推理を呼ぶ 貫井徳郎 本格ミステリの最高傑作! 女性教師はなぜ死んだ? 多重解決ミステリの神髄!! 小学校の女性教師が自宅で死体となって発見された。ホワイトデーにチョコレートを送った同僚の男性教師が容疑者として浮かび上がり、事件は簡単に解決すると思われたが……。浮かんでは消える容疑者たち。いったい誰が犯人なのか? 死んだ女性教師は何者だったのか。推理が推理を呼ぶ、超絶技巧の挑戦作であり、ミステリの常識を超えた衝撃作! 解説/千街晶之 【目次】 Scene1 虚飾の仮面 Scene2 仮面の裏側 Scene3 裏側の感情 Scene4 感情の虚飾 解説 千街晶之
-
-両親に先立たれ、病身の弟をかかえる朝吹沙枝子は、偶然知りあった女性の好意で、東京・青山の宝石店に就職した。だがある日、店から消えたダイヤの指環が沙枝子のコートのポケットから見つかり、正体不明の女から脅迫電話がかかってきた。身に覚えのない“証拠写真”を持っているという。不運の身を嘆く沙枝子だったが、さらに恐るべき罠が彼女を待ちうけていた。女の意のままに操られるうちに、思いがけず人を殺めてしまい……。長篇サンペンス・ミステリ。 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
-
4.5会社をリストラされ突如無職となった澪(みお)は、祖母が遺した小さな人形店を継ぐことにした。人形マニアの青年・冨永と謎多き職人・師村の助けを得て、いまでは人形修復を主軸にどうにか店を営んでいる──自分がモデルになったという、顔を粉々に砕かれた創作人形の修復を希望する美しい女性。だが、その人形が創られたのは、彼女が生まれた頃と思しい三十年以上前のことだと判明する(「毀す理由」)。ほか、伝統的な雛人形を有する旧家の不審死、チェコの偉大な人形劇団の秘密など、名手が人形を通して人の心の謎を描く珠玉の短編を収める。書き下ろし短編「回想ジャンクション」を収録。/解説=紅玉いづき
-
-警視庁殺人課の刑事・宮浦江利子は、恋人の赤峰真治が自殺したのを機に警察を辞めた。彼は叔母殺しの容疑をかけられた上、江利子と同業の刑事たちに追い詰められて、無念の死を選んだのだった。四年後、その経歴を買われて探偵になった江利子は偶然、真治の事件に関する新たな警察情報を得る。真治はなぜ死ななければならなかったのか? 当時の警察捜査は適正なものだったのか? 手負いの野獣として生きてきた元女刑事は、復讐を誓って真相を追いはじめる……。長篇サスペンス・ミステリ。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
-
-毛糸の焦げるような厭な臭いに、女は一台だけ動いている乾燥機の方へ近づいていった。洗濯物に混ざってゴム手袋のようなものが見える。それにしては小さすぎた。不意に背筋が震えた。キナ臭いにおい。喉の奥がむかつく。血が引いてゆく。それでもガラスドアから目を離すことができない。どう見てもそれは人間の手だ。それも、子供の手だ……。 東京・田園調布。高級マンションのコインランドリーから女児の死体が見つかった。誰がこんな残虐なことを? ワイドショー番組の特派記者である浅見恭介は、次第に事件取材にのめりこんでゆく。長篇サスペンス。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
-
3.3人気コミックのドラマ原作小説が講談社文庫版で堪能できる! 高校の元クラスメイトが住む雲場村(くもばむら)を訪れた 金田一一(きんだいち・はじめ)と美雪(みゆき)。 その村では雷を崇める夏祭りが催されるという。 雷鳴の轟音が祭りの始まりを告げたのち、友人の屋敷で ”空蝉”(うつせみ)――蝉の抜け殻に覆われた死体が発見される。 この空蝉は、雷に捧げられた呪わしき供物なのか。 陽炎の中から現れた美少女の悲しき秘密とは--。 ハジメは事件現場から消えた足跡のからくりを見破れるのか。 表題作のほか短編「共犯者X」と「迷い込んできた悪魔(デモン)」の2編を収録。
-
3.5孤島のホテル「オペラ座館」。かつて惨劇の舞台となった場所を、 金田一一(きんだいち・はじめ)少年は再び訪れる。 新劇場の完成を祝い上演される『オペラ座の怪人』。 だが、それはファントムの手によってまたも死の演目となってしまう! 劇団『幻想』メンバー達の裏に隠された不穏な人間関係。 そして四年前に起きた、黒沢オーナーの娘・美歌の自殺……。 かつての惨劇の舞台「オペラ座館」の悪夢は、再び繰り返されようとしていた! ガールフレンドの七瀬美雪と過ごす、楽しいはずのバカンスは、 新たな殺人によってまた血に染められた。ファントムと名乗る怪人の正体を金田一少年が追う。 不朽の名作コミックがオリジナル・ストーリーで小説化。
-
-若き呪い師と争乱の張本人は、真正面対決へ! 神宝聖堂の王国に乱を成すフマイヨ王の真のねらいとは? 力をためる若い呪い師と幼い姫たちは試練を受け止められるのか? 超古代ファンタジ-巨編、愈々佳境に! ーー若い大神官・リバスが神宝聖堂を護(まも)るギセア王国の幼姫・ファネラには、未開花の神賜力が備わっていた。敵王・フマイヨは、ファネラを妻に奪い取ろうと企み、霊の力を用いて戦士・カナーンの命を脅(おびや)かし、ファネラを敵国へと連れ出す。リバスらはファネラを連れ戻そうと、敵国に忍び込むが……。「神宝聖堂」シリーズ続編、傑作ファンタジー・ノベル。幼姫を妻に奪い取る敵王の陰謀を打ち破れ!
-
2.0宮崎県沖の孤島・吐雷島で殺人事件が発生、容疑者・菱沼は台風襲来で脱出不可能なはずの島から姿を消した……。十年後、映像制作者・守谷達司の周囲で、突如不可解な出来事が続発。「吐雷島事件の犯人を見た」と電話してきた男が殺害され、さらに奇妙な電話が相次いだ。守谷は、偶然知り合った美少女・絵梨菜と共に調査を開始するが、直後、またも事件に関わる二人の男が謎の死を迎える。はたして事件の真相は? 消えた菱沼の行方は……。 1884年に起きた日本近代史上最大の農民蜂起「秩父事件」を下敷きに、名手が会心のトリックで贈る正統派本格推理。 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
-
-音響機器メーカーに勤める早瀬喬は、人生の恩人である宗田克人の突然の訃報を聞き、愕然とした。しかも、宗田が亡くなる直前に書き上げた原稿がなくなっているという。早瀬は通夜の席で知り合った女性と、宗田が列車に轢かれたという山梨県上野原町の現場を訪れ、宗田の死に不審の念を強くする。原稿は下山事件……昭和二十四年に起こった下山定則初代国鉄総裁の轢死事件の驚くべき真相について書かれていたというが、その内容を知るものはいない。早瀬が女性編集著の協力を得て、消えた原稿の行方を追ううちに、二つの轢死事件の接点が見え始めた……。 戦後史最大の謎とされた怪死事件に肉迫する著書渾身の現代史推理。 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
-
4.2この国に生を受けただけなのに、希望はどこにある―― 平壌郊外の保安署員クム・ヨンイルは11年前の殺人・強姦事件の再捜査を命じられた。犯人として収容されている男と面会し記録を検証するが、捜査の杜撰さと国家の横暴さを再認識するだけだった。実はヨンイルの父は元医師。最上位階級である「核心階層」に属していたが、大物政治家の暗殺容疑をかけられ物証も自白もないまま収容されている。再捜査と父への思いが重なり、ヨンイルは自国の姿勢に疑問を抱き始める。そしてついに、真犯人につながる謎の男の存在にたどりつくが……。鉄壁な国家が作り出す恐怖と個人の尊厳を緻密に描き出す、衝撃の社会派ミステリ長編。
-
-名古屋駅裏の商店街に放置された黒い布製の旅行カバン。その中には女性の絞殺死体が収まっていた。誰が、なんのために? 殺人者にとって、死体を晒すよりも隠す方が格段に安全なのに。目黒区碑文谷で翻訳仕事に携わる吉本紀子は、被害者となった義母の無念を晴らすため、単身で事件の調査を始めた。福井県秋津村、静岡県浜松市、滋賀県余呉湖、長野県伊那……。愛知県警察本部所属の広域捜査官・上島透警部の協力を得て、少しずつ真相に近づいていくが、真犯人は鉄壁とも言えるアリバイで身を防御していた! 第2回鮎川哲也賞受賞作品である『不連続線』が、30年の時を経て全面改稿。また、美貌の推理作家・吉本紀子シリーズの出発点となる傑作ミステリ。 ●石川真介(いしかわ・しんすけ) 1953年、福井県鯖江市生まれ。東京大学法学部卒。トヨタ自動車に40年間勤務。1991年に『不連続線』で第2回鮎川哲也賞を受賞。推理作家・吉本紀子を主人公にして、錯綜したストーリーと堅牢な構成、女性の数奇な運命と斬新な社会テーマ、丹念な現地取材に基づくローカル描写とグルメ、そして奇抜なアリバイ崩しの長編旅情ミステリーを得意にしている。『女と愛とミステリー』(テレビ東京)、『木曜ミステリー』(テレビ朝日)でドラマ化。福井ふるさと大使。鯖江市ふるさと大使。日本推理作家協会会員。
-
-推理作家・吉本紀子の元に、突然の招待状が届いた。真珠宝飾品の販売を全国展開しているミホコ真珠の社長・原田美穂子から、伊勢志摩の高級ホテルへの滞在を呼びかけられたのだ。長年の捜査パートナーである上島透警部が昇進して警視になった今、紀子の特任捜査官の資格は取り上げられ、さらに小説本来の仕事が先細りしている現状では、刺激的でありがたい申し出だった。とはいえ、世の中に甘い話などあるわけがない。いささかの厄介物が待ち構えていることは察しがつく。どんな相談を持ちかけられるやら。そう警戒していたのだが、まさかホテルに到着したその夜に、凄惨な殺人事件が起きるとは……。 美貌の推理作家・吉本紀子が活躍する人気ミステリシリーズ。完全書き下ろしの電子オリジナル作品。 ●石川真介(いしかわ・しんすけ) 1953年、福井県鯖江市生まれ。東京大学法学部卒。トヨタ自動車に40年間勤務。1991年に『不連続線』で第2回鮎川哲也賞を受賞。推理作家・吉本紀子を主人公にして、錯綜したストーリーと堅牢な構成、女性の数奇な運命と斬新な社会テーマ、丹念な現地取材に基づくローカル描写とグルメ、そして奇抜なアリバイ崩しの長編旅情ミステリーを得意にしている。『女と愛とミステリー』(テレビ東京)、『木曜ミステリー』(テレビ朝日)でドラマ化。福井ふるさと大使。鯖江市ふるさと大使。日本推理作家協会会員。
-
4.0
-
-性権交代!? 秘蜜の政策で逆転勝利!! 記者から女性総理を目指せ! 前代未聞のポリティカル・セクシー小説! 続々とトラブル発生! 警護するのは処女刑事!! 中林美香、37歳。 日東テレビ報道記者から転身した、 1回生の民自党参議院議員だ。 彼女のもとに、衆議院小選挙区への鞍替え依頼が舞い込む。 辛くも激戦区で勝利するも、次々とトラブルが押し寄せる。 警護するのはSP真木洋子。 前総理・安藤真太郎、古手川涼子都知事など、 錚々たる政治家が蠢くなか、 美香は女性総理になれるのか!? <目次> プロローグ 第一章 国会議事堂と一発 第二章 勝者不在 第三章 性権交代 第四章 国会議事堂で二発 第五章 政治は芝居 第六章 スケべが国を変える
-
3.8
-
3.9その「偶然」は仕組まれたものかもしれない。 出会いと別れ、栄光と挫折、幸福と不幸、そして生と死……。 あなたの人生を左右した「偶然」や「運命」は、実はすべて仕組まれていたのかもしれない。奴らによって――。 弁護士試験に挫折して就職活動中の水氷里美は、ある日、電信柱に貼られた「オフィス油炭」という会社の求人広告を見つける。藁にもすがる思いで連絡を入れると、面接場所に指定されたのは、なんと錦糸町のパチンコ屋!? 数々のミッションをなんとかクリアして、入社が認められた里美に与えられたのは「アクシデントディレクター」という聞き慣れないお仕事だった――。 確率に異常にこだわる社長の油炭、かわいいけれど戦闘能力の超高い女子中学生・クロエとともに、里美はクライアントからの依頼を遂行していくが、あるとき「偶然屋」たちの前に、悪魔のような男の存在が浮かび上がる……。 ブラックユーモアミステリーの名手が本領発揮! こんな展開、予測不能!! 『ドS刑事』シリーズで人気の著者、新たなる代表作。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた作品の文庫版となります。
-
-東京都内のクリーニング店の裏庭より、ミイラ化した子供の遺骸が発見された。管轄の下山署では、遺体の身元確認を急ぐとともに、行方不明となっているクリーニング店の家族の捜査に全力をあげている。事件が発覚したきっかけが「クリーニング店の敷地内に子供の死体が埋まっている」というインターネットの投稿だったこともあり、ネット上では白熱した議論が続く。やがて、店の隣人や事件関係者を名乗る人間が書き込みを始め、ついには“犯人”までが参加するが……。 インターネット上で推理される殺人事件の様相と犯人捜し。事実、噂、偏見、憶測、虚言が渦巻く虚構世界で、あなたは真実という名の結末を迎えることができるか? 新感覚・安楽椅子探偵ミステリ。 ※本書は著者の意向により本文横書きで制作されています。 ●村上政彦(むらかみ・まさひこ) 作家。1987年『純愛』で福武書店(現・ベネッセ)主催の「海燕」新人文学賞を受賞。以後『ドライヴしない?』『ナイスボール』『青空』『量子のベルカント』『分界線』で5回の芥川賞候補に。また『ナイスボール』は相米慎二監督により『あ、春』として映画化、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。アジアの物語作家を自任している。近著に『台湾聖母』(コールサック社)。日本文藝家協会常務理事。日本ペンクラブ会員。文化庁国語分科会委員。「脱原発社会をめざす文学者の会」事務局長。
-
-殺された当日、沢渡自身が吹き込んでいたボイスレコーダーの内容……。それによって少なくとも足取りはわかるだろうし、もしかすると沢渡が吹き込んだ内容の中に、事件解決の糸口があるかもしれない。沢渡が最後に回った地下街は、全部で六ヵ所。梅田の『ホワイティうめだ』、京橋の『コムズガーデン』、難波の『なんばウォーク』と『NAMBAなんなん』、天王寺の『あべちか』、そして堂島の『ドージマ地下センター(ドーチカ)』である。たぶん沢渡の頭の中では何らかの必然性があって、最終的な取材をこの六ヵ所に絞ったものと思われる。(「オルフェウスのダンジョン」より) 大阪府下の地下街を舞台にした表題作の他、福井県の越前海岸を舞台にした「Murder in memory」、三重県名張市を舞台にした「うつし世は悪夢」、京都府の丹後半島を舞台にした「そして天女は舞い降りた」の中篇ミステリ4本を収録。電子オリジナル作品。 *Murder in memory *オルフェウスのダンジョン *うつし世は悪夢 *そして天女は舞い降りた ●石井敏弘(いしい・としひろ) 1962年、岡山県倉敷市生まれ。岡山商科大学卒業。1987年、第33回江戸川乱歩賞を『風のターン・ロード』で受賞。ミステリー・イベント用原作小説の書き下ろし他、現在は脚本家としても活動。
-
3.8副業推進で注目されるレッツ株式会社の社長が、移動中のヘリコプターの機内で殺害された。 同乗した副社長、専務、常務の三人は社長の指示でアイマスクとヘッドホンを装着し大音量で音楽を聴いていたという。 物的証拠も自供もないため、警察は三人を釈放せざるをえない。三人は、会社に戻っても沈黙を続ける。 そこで、副業推進部長の若槻早苗が頼ったのは、お客様相談室の西園寺係長だ。 彼は類いまれな共感力を活かし、「赦しのサクラメント」なる“懺悔ビジネス”を立ち上げ、二足の草鞋を履き業績を上げているからだ。 紆余曲折の末、三人は懺悔をすることになるが、西園寺は守秘義務を盾に何も語らない。 果たして犯人は? そして物語はどんでん返しの結末を迎えることとなる。 第19回『このミステリーがすごい!』大賞の「隠し玉」作品。 大森望氏推薦「クレーム対応の達人が“赦し”ビジネスで驚異的な才能を発揮する展開など、企業コメディとしてはじゅうぶん魅力的」。
-
-
-
3.9あなたの罪は、生き延びてしまったことです。 夜闇に輝くパレード、大好物ばかりのご馳走、笑顔の父と母。 家族で遊園地に行ったあの日、幸子は夢のような時間を過ごした。 そして―― 両親は家に火をつけて一家心中を図り、幸子だけが生き残った。 工場の事務員として働き始めた幸子は、桐生隆哉と出会い、惹かれ合うようになる。しかし、幸子は隆哉に「一家心中の生き残り」であることを告げられずにいた。隆哉の部屋で料理を作ろうとした幸子は、コンロの火を見てパニックを起こしてしまう。 過去に決別しようと両親の墓を訪れた幸子は、雪絵という女性に出会う。 「あたしが、子供たちを殺したんです」 子供たちを乗せた車で海に飛び込み、一家心中を図ったシングルマザーの雪絵は、生き残ってしまったのだという。 彼女は、墓地から蘇った母だった。 雪絵との運命的な出会いにより、幸子の人生が大きく動き出す。 そして、加害者と被害者の思いが交錯した時、衝撃の真実が明らかになる―― 『闇に香る嘘』『黙過』『同姓同名』で最注目の乱歩賞作家が放つ慟哭のミステリー!! ※この作品は単行本版として配信されていた作品の文庫本版です。
-
-……綬那山の山頂近くに、大蛇ヶ池いう大きな池があって、その先に浄土ヶ島いう聖地があってなぁ。その森の奥深くに丹波一族が奉じてはるジュナ院いうお社があるんやて。そこには不老不死の“ジュナ”いう神さまがいはるて言い伝えられてる。そやけど、祭で“ジュナ”の託宣をいただくはずやった“蛇子”いう役目の里の若者が……ジュナ院に上がったきり、行方を断ってしもうたんや……。 京都・山科の山麓に祀られる不老不死の神“ジュナ”。人喰い鬼と恐れられ封印された神と、愛を渇望した魂が出会った至福の世界とは? 本格耽美サスペンス。「電子版あとがき」を追加収録。 ●榊原史保美(さかきばら・しほみ) 東京都出身。立教女学院を経て中央大学文学部哲学科卒。1982年『小説JUNE』創刊号の最優秀投稿作に選ばれ、「螢ケ池」でデビュー。1985年、初の単行本、『龍神沼綺譚』を上梓。以降、民俗学、宗教学の素養を生かし、形而上学的テーマを昇華させた作品『鬼神の血脈』『荊の冠』等、多数発表。美意識に貫かれた作風により、「耽美小説の草分け的存在」と称されることも多い。1995年発表の『蛇神 ジュナ』より、ペンネームを「榊原姿保美」から現在のものに改めている。趣味は、陶芸、写真、近代建築・ギャラリー巡り。
-
3.0むき出しの衝動と欲望。子供たちは無邪気で残酷だ。 小学校5年のクラスで、女子生徒が標的となったとある「遊び」。道徳の時間、その犯人捜しが行われるが、小さな嘘によって事態は紛糾し─(「道徳の時間」)。 孤高の幼稚園児タカシは、保育園上がりのコウジとともに、園内で強大な権力を持つクラトに闘いを挑むが…!?(「園児の血」)。 鬼才・前田司郎による、恐るべき子供の世界を描いた2編、待望の文庫化。 少年少女から繰り出されるキラーワード達はたちまち幼少時代の生臭さや、無意識に感じていた羞恥心、心の憤りなどさまざまな感情を呼び起こした。──森山直太朗
-
3.6
-
5.0北の後継者暗殺の裏側を描いた衝撃作! 読書メーターなど、ネット・レビューでも「名作」と賞される大藪春彦賞受賞作『スリー・アゲーツ』に続く、待望のシリーズ最新作! 日本と北朝鮮、二つの国に二人の子を遺して男は死んだ。 米国国防総省(ペンタゴン)直轄の情報機関に所属する葉山隆(はやまたかし)の元に、男から52本もの古いカセット・テープが届く。 録音されていたのは男の告白。北の情報機関〈三号庁舎〉の一員として知るかぎりのすべてを語った内容だった。 その中で、北の完璧なるスパイ“石英(ソギョン)”の存在が明かされる。そして大がかりな情報網を統べるというもう一人の大物スパイ“カタツムリ”。 北が作った精巧な偽ドル紙幣“スーパーK”の流通を阻止しようと米韓合同で行われたソウルでの摘発作戦は、米韓に多数の死者を出すというさんざんな結果に終わったが(前作)、その原因は、米韓の情報網に開いた巨大な穴からの情報漏洩だったという。 葉山はその巨大な穴に、石英とカタツムリが関与していると見て、調査を始める。 一方、米日の経済制裁に反発して、北朝鮮は突然、国境近くの経済特別区・開城(ケソン)工業団地を封鎖した。 巨額の投資をしていた京星(キョンソン)グループの代表・重貞高平(しげさだたかひら)は、一千億ウォンに及ぶ損失を取り返すべく、米日にある取引を持ちかける。 その内容とは、北の後継者の一人だった“ヨハン”亡命の手引きだった。 ヨハンは、北朝鮮が国を挙げてアメリカを標的とする大量殺戮兵器を開発しているという確実な証拠を握っていた――。 「他の血を残しておけば、それは必ずや新たな災いを呼び起こす。誰かがその血を利用しようとするからだ」 日本人の想像を絶する北朝鮮という国の実態。 米韓の隙を突いてマレーシアの空港で起こる“ヨハン”暗殺事件。そして切り札をなくした取引の行方は?
-
3.8
-
-人気絶頂のロックバンド「ビートクラブ」のボーカル・藤原七瀬が何者かに拉致誘拐され、その直後、富山の奥深い行者村で彼と瓜二つの男の死体が発見された。誘拐事件との関連を調べるため富山にとんだ第三埠頭署の島津享平刑事は、土地を二分する宝生家と首藤家の確執、そして現場付近に何百年にもわたって伝わる「辰子姫伝説」を知る。一方、この伝説を小説化し、脚光を浴びていた美人作家・水村若子の父親が殺害され、彼女も消息を絶った。二つの事件をたぐりよせた「辰子姫伝説」の怨念とは……。 長篇耽美ミステリの傑作。過去に刊行された廣済堂ブルーブックス、天山文庫、立風書房、アテール文庫での歴代あとがきをすべて巻末に収録。 ●榊原史保美(さかきばら・しほみ) 東京都出身。立教女学院を経て中央大学文学部哲学科卒。1982年『小説JUNE』創刊号の最優秀投稿作に選ばれ、「螢ケ池」でデビュー。1985年、初の単行本、『龍神沼綺譚』を上梓。以降、民俗学、宗教学の素養を生かし、形而上学的テーマを昇華させた作品『鬼神の血脈』『荊の冠』等、多数発表。美意識に貫かれた作風により、「耽美小説の草分け的存在」と称されることも多い。1995年発表の『蛇神 ジュナ』より、ペンネームを「榊原姿保美」から現在のものに改めている。趣味は、陶芸、写真、近代建築・ギャラリー巡り。
-
3.8
-
-十七世紀イタリア。バーニャイア侯爵家別邸の豪奢な庭園は、亡き女主人が丹精込めて造ったものだったが、その泉で男の死体が発見される。さらに次々と起こる当家に関わる者たちの不可解な死。果たして犯人の目的は? 謎めいた庭園に隠された秘密とは? そして“呪われた庭”を起点に開始される死の舞踏が、最後に見せた真実のメッセージとは……。長篇幻想ミステリ小説。 ●篠田真由美(しのだ・まゆみ) 1953年、東京生まれ。1977年、早稲田大学第二文学部卒業。1992年、第2回鮎川哲也賞の最終候補に残った『琥珀の城の殺人』(東京創元社)でデビュー。1994年に『ドラキュラ公 ヴラド・ツェペシュの肖像』『未明の家 建築探偵桜井京介の事件簿』(講談社)を発表。以後、ミステリ、幻想、伝奇ジャンルで執筆。
-
-十八世紀ヨーロッパ山中、雪に閉ざされたベルンシュタインブルク城館。密閉された書庫内で、当主の伯爵が背中を短剣で刺されて絶命していた。さらに、礼拝堂に安置された遺体が一瞬にして消失し、謎の女が城内を徘徊する。近親憎悪が渦巻く呪われた城館で、探偵役に指名された異邦人のフランチェスコ・プレラッツィが、怪事に挑む。長篇幻想ミステリ小説。 ●篠田真由美(しのだ・まゆみ) 1953年、東京生まれ。1977年、早稲田大学第二文学部卒業。1992年、第2回鮎川哲也賞の最終候補に残った『琥珀の城の殺人』(東京創元社)でデビュー。1994年に『ドラキュラ公 ヴラド・ツェペシュの肖像』『未明の家 建築探偵桜井京介の事件簿』(講談社)を発表。以後、ミステリ、幻想、伝奇ジャンルで執筆。
-
4.1
-
-総理大臣が入院している大病院の看護師・佐伯明日香が自宅近くで死体となって発見された。 恋人の男性も死亡が確認され、自殺か心中とみられたが、十津川警部は、病院の不審な動きと二人の死は関係があると捜査を始める。 佐伯の曾祖父が戦時中の東條英機首相暗殺計画に加わっていたという証言に事件の糸口が…? 十津川が歴史と事件の扉を開ける! 第一章 それは静かに始まった 第二章 幻の東條首相暗殺計画(昭和十九年) 第三章 現代の首相暗殺計画 第四章 沈黙のサムライたち 第五章 野崎英太郎の手記(続き) 第六章 危険の確率(千人の会員による最後の審判) 第七章 第二の首相暗殺計画 第八章 十津川の責任(沈黙の戦場) 解説 山前 譲
-
3.5三億円の遺産がかかった失踪事件を追う! さいたま市の古い荒ら屋で、老婆が亡くなった。中原トミ、九十七歳。夫に先立たれて三十年、一人でつましく暮らしていたトミには三億円の遺産があった。 相続人は三人の孫たち。しかし、「三男の子の薫にすべての遺産を与える」と書かれた遺言書が見つかった。薫は就職して二年目に失踪しており、二人の孫は遺産を得ようと、薫の失踪宣告を申し立てる。 さいたま家庭裁判所の家事調査官・加賀美聡子は、薫が生死不明になった時期を特定するため、彼の消息を調べ始める。その中で浮かび上がってきたのは、幼少時から児童養護施設で育ち、母親の咲江に歪な形で支配されてきた、薫の壮絶な人生だった―― 一方、東京家裁の離婚調停で“替え玉事件”が発生する。愛人の子を妊娠した妻が出頭させたのは“偽物の夫”だった。 欲にまみれた人々の争いの渦中に身を置きながら、調査を進めていく聡子が辿り着いた衝撃の真実とは。 『誤算』で注目を集めた稀代のストーリーテラーが放つ、緊迫のクライム・サスペンス。
-
-鮎川哲也本人による出講が目玉企画となった鎌倉小説教室。その受講者であった五人の男女は、互いにマニアックな鮎哲ファンだと知り、長編の純本格ミステリを共同創作しよう、と意気投合した。残念ながら応募した第二回鮎川哲也賞は二次予選落ちとなったものの、手応えを掴んだ彼らは、二十五年後に再会することを誓い合う。だが、長い年月は彼らに深刻な影響を及ぼしていた……。中年となった彼らの人生に、何が起きたのか。安楽椅子探偵と化したメンバーが、それぞれの人生経験を持ち寄って、不可解な謎を解き明かしてゆく。そして最後に浮かび上がった驚愕の真実とは……。 構想四十年、石川真介のライフワーク、ここに誕生。弟子から師匠・鮎川哲也に捧げる本格推理巨編。電子オリジナル作品。 ●石川真介(いしかわ・しんすけ) 1953年、福井県鯖江市生まれ。東京大学法学部卒。トヨタ自動車に40年間勤務。1991年に『不連続線』で第2回鮎川哲也賞を受賞。推理作家・吉本紀子を主人公にして、錯綜したストーリーと堅牢な構成、女性の数奇な運命と斬新な社会テーマ、丹念な現地取材に基づくローカル描写とグルメ、そして奇抜なアリバイ崩しの長編旅情ミステリーを得意にしている。『女と愛とミステリー』(テレビ東京)、『木曜ミステリー』(テレビ朝日)でドラマ化。福井ふるさと大使。鯖江市ふるさと大使。日本推理作家協会会員。
-
3.5坂道と石段と石垣が多い町、夏流に転校してきたミチル。六月という半端な時期の転校生なので、友達もできないまま夏休みを過ごす羽目になりそうだ。終業式の日、彼女は大きな鏡の中に、緑色をした不気味な「みどりおとこ」の影を見つける。思わず逃げ出したミチルだが、手元には、呼ばれた子どもは必ず行かなければならない、夏の城―夏流城での林間学校への招待状が残されていた。ミチルは五人の少女とともに、濃い緑色のツタで覆われた古城で共同生活を開始する。城には三つの不思議なルールがあった。鐘が一度鳴ったら、食堂に集合すること。三度鳴ったら、お地蔵様にお参りすること。水路に花が流れたら色と数を報告すること。少女はなぜ城に招かれたのか。長く奇妙な「夏」が始まる。(「七月に流れる花」) 夏流城(かなしろ)での林間学校に初めて参加する光彦(てるひこ)。毎年子どもたちが城に行かされる理由を知ってはいたが、「大人は真実を隠しているのではないか」という疑惑を拭えずにいた。ともに城を訪れたのは、二年ぶりに再会した幼馴染みの卓也(たくや)、大柄でおっとりと話す耕介(こうすけ)、唯一、かつて城を訪れたことがある勝ち気な幸正(ゆきまさ)だ。到着した彼らを迎えたのは、カウンターに並んだ、首から折られた四つのひまわりの花だった。少年たちの人数と同じ数――不穏な空気が漂うなか、三回鐘が鳴るのを聞きお地蔵様のもとへ向かった光彦は、茂みの奥に鎌を持って立つ誰かの影を目撃する。閉ざされた城で、互いに疑心暗鬼をつのらせる卑劣な事件が続き……? 彼らは夏の城から無事に帰還できるのか。短くせつない「夏」が終わる。(「八月は冷たい城」)
-
3.5小説(ペン)は剣より強し! 漱石、一葉、子規も大絶賛!? 剣豪武蔵の奇妙な冒険!! 佐々木小次郎との巌流島対決を制した剣豪宮本武蔵。しかしその後は仕官もかなわず不遇の日々。そんな武蔵が大坂の陣で意識を失い、目が覚めると、なぜか時を越え明治時代の東京に。人力車の車夫になった武蔵は、小次郎の妹・夏に瓜二つの樋口一葉の紹介で、夏目漱石、正岡子規ら文士とも知り合うが、つい“小説家志望”と口を滑らせてしまい…!? この面白さ、天下無双! 剣豪が時を超えて小説家に転職!? これが真の二刀流!! 爆笑必至!痛快タイムスリップ時代小説
-
3.8
-
3.5
-
4.2夏休みが終わる2日前。13歳だったぼくたちの人生は、大きく狂いはじめた。 1984年の台湾と2015年のアメリカを舞台に、数奇な運命に弄ばれた少年たちを描く、青春ミステリーの金字塔! 2015年冬、アメリカを震撼させた連続殺人鬼〈サックマン〉が逮捕された。 彼の弁護を担当することになった国際弁護士の「わたし」は、30年前に台湾で過ごした少年時代を思い出していた。 当時、13歳だった「わたし」は〈サックマン〉のことを確かに知っていたのだ――。 台湾を舞台に贈る青春ミステリの金字塔。 織田作之助賞、渡辺淳一賞、読売文学賞小説賞をトリプル受賞! 解説・小川洋子 ※この電子書籍は2017年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
3.4無趣味の元刑事がみつけた道楽は、バスの旅。シルバーパスを利用して、錦糸町、赤羽、池袋、北品川、青梅など東京の各地を巡りながら、謎と事件を追う。バス停で何かを待つ男、神社の狐の前掛けの意味、和菓子屋に通う謎の外国人、殺人鬼が逃げた理由、ミステリー作家の死の真相……。解決するのは、家で待つ麗しき妻!? 謎解きの面白さと旅の魅力が融合した、大人のための〈散歩ミステリー〉。ゆっくり味わいたい、心にしみる一作。大藪春彦賞作家の新境地! トラベルミステリーの新機軸!! 「東京の片隅に生じた小さな謎を解き明かす、 一風変わったトラベルミステリーを どうぞお楽しみ下さい」 西村 健 目次 第一章 バスを待つ男 第二章 母子の狐 第三章 うそと裏切り 第四章 迷宮霊園 第五章 居残りサベージ 第六章 鬼のいる街 第七章 花違い 第八章 長い旅 終章
-
3.3『クリーピー』の現役大学教授作家が贈る傑作ミステリー! “文豪”教授が挑む凶悪犯罪の真相は!? 無双大学文学部の教授で、ミステリー作家でもある芥川竜介。名前が文豪とそっくりなため、学生たちには裏で「文豪」とあだ名されているが、なぜか大学キャンパス内外で起きる事件の相談が次々と持ち込まれる。ゼミの学生らと文豪の名作について議論を交わす間も、話題は自然と事件の推理に――大学教授作家が贈る異色文学講座&犯罪ミステリー! 【目次】 第1講座 天才と変態の芸術概論 課題図書 谷崎潤一郎『少将滋幹の母』 第2講座 心中の現象学―純愛か殺人か― 課題図書 田宮虎彦『足摺岬』ほか 第3講座 美醜と犯罪の比較関係論 課題図書 芥川龍之介『地獄変』 第4講座 身の上相談対処法演習 課題図書 三島由紀夫『獣の戯れ』 第5講座 愛と殺人の公開ディスカッション 課題図書 樋口一葉『たけくらべ』
-
4.6「生きて妻のもとへ帰る」 日本軍敗色濃厚ななか、生への執着を臆面もなく口にし、仲間から「卑怯者」とさげすまれたゼロ戦パイロットがいた......。 人生の目標を失いかけていた青年・佐伯健太郎とフリーライターの姉・慶子は、太平洋戦争で戦死した祖父・宮部久蔵のことを調べ始める。祖父の話は特攻で死んだこと以外何も残されていなかった。 元戦友たちの証言から浮かび上がってきた宮部久蔵の姿は健太郎たちの予想もしないものだった。凄腕を持ちながら、同時に異常なまでに死を恐れ、生に執着する戦闘機乗り――それが祖父だった。 「生きて帰る」という妻との約束にこだわり続けた男は、なぜ特攻に志願したのか? 健太郎と慶子はついに六十年の長きにわたって封印されていた驚愕の事実にたどりつく。 はるかなる時を超えて結実した過酷にして清冽なる愛の物語!
-
4.8
-
3.5
-
-九頭竜興産会長令嬢にして市長まで上り詰めた、人権弁護士・水野至保。だが、大喝采を浴びた彼女の弁護活動の裏で、刑事補償金の着服という疑惑が持ち上がった。週刊スクープから依頼された推理作家・吉本紀子が取材を申し込むと、水野市長は「自身と接点のある企業経営者三人と共に、別荘に招待する。そこで全てを明かす」と語った。……招待客全員のスマートフォンは取り上げられ、監禁状態となった孤島の館。悪魔に占拠されたかのような長い緊張が続く中、かねてより練られていた計画が実行に移される……。 美貌の推理作家・吉本紀子が活躍する人気ミステリシリーズ。完全書き下ろしの電子オリジナル作品。 ●石川真介(いしかわ・しんすけ) 1953年、福井県鯖江市生まれ。東京大学法学部卒。トヨタ自動車に40年間勤務。1991年に『不連続線』で第2回鮎川哲也賞を受賞。推理作家・吉本紀子を主人公にして、錯綜したストーリーと堅牢な構成、女性の数奇な運命と斬新な社会テーマ、丹念な現地取材に基づくローカル描写とグルメ、そして奇抜なアリバイ崩しの長編旅情ミステリーを得意にしている。『女と愛とミステリー』(テレビ東京)、『木曜ミステリー』(テレビ朝日)でドラマ化。福井ふるさと大使。鯖江市ふるさと大使。日本推理作家協会会員。
-
4.0ハンサムな青年実業家は、実は幽霊だった!? 彼に頼まれ、殺人犯を探す有利だが、 第二の殺人に遭遇し――。 彼を殺した犯人は誰? OL探偵・有利の大活躍。 伊原有利はNデパートに勤めている、二十六歳。 容姿は人並みだが彼氏なし。 素敵な出逢いを求めて出席するパーティーでは いつも壁の花。そんな有利の平凡な人生が一変した。 いつものように出席したパーティーで、 ハンサムな青年実業家・沢本徹夫にダンスを申し込まれたのだ。夢心地の有利。 だがなんと、彼は幽霊だった! 驚く有利に沢本は、 自分を殺した犯人を捜してほしいと頼む。 彼を殺した犯人は誰!?
-
4.0死刑判決を免れた殺人犯の家族が次々と殺されていく――。 驚愕の結末待ち受ける社会派ミステリ! 死刑判決を免れた殺人犯たちの家族が犠牲となる連続殺人事件が発生。 殺害現場に残されていたのは、ギリシャ神話に登場する「義憤」の女神“ネメシス”の血文字。 『テミスの剣』の渡瀬刑事が謎を追う。 事件は遺族による加害者への復讐か、はたまた司法制度への挑戦か? “ネメシス”の真の狙いとは!? 〈ドンデン返しの帝王〉が司法システムと死刑制度の矛盾に正面から挑む傑作社会派ミステリ! 解説・宇田川拓也 ※この電子書籍は2017年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
-新しい住居に引っ越したゴーストハンターは、東の窓を見た。そこから見えるのは、不気味な七階建てマンション「ブルー・ローズ」。築半世紀くらい経っているとおぼしい。元はもっと鮮やかな青色だったのだろうが、すっかりくすんで随所にむらが見える。黒川が古本屋で仕入れてきた小説の舞台が、そのマンションらしい。最初の所有者は失踪し、現在は奇妙な住人ばかりが生息している。所有者が遺した奇怪な密室ミステリーを手がかりに、黒猫のぬいぐるみを抱えた異能の名探偵・ゴーストハンターが、恐るべき秘密を解き明かす! ●倉阪鬼一郎(くらさか・きいちろう) 1960年、三重県伊賀市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒。同大学院文学研究科日本文学専攻博士課程前期中退。在学中に幻想文学会に参加、1987年に短篇集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。印刷会社、校閲プロダクション勤務を経て、1998年より専業作家。第3回世界バカミス☆アワード(2010年)、第4回攝津幸彦記念賞優秀賞(2018年)。ホラー、ミステリー、幻想小説、近年は時代小説を多数発表、オリジナル著書数は170冊を超える。
-
-「椅子」をテーマに制作された書き下ろしアンソロジー『十三の黒い椅子』。そこに参加した筆者が、ひとり、またひとり死んでいく。インターネット上の掲示板や日記に綴られる不穏な思い。「十三番目は椅子」に座るのは誰なのか。何種類もの伏線が複雑に絡み合い、最後に明かされる驚愕の真実とは。技巧の限りを尽くした鬼才の真骨頂。 ●倉阪鬼一郎(くらさか・きいちろう) 1960年、三重県伊賀市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒。同大学院文学研究科日本文学専攻博士課程前期中退。在学中に幻想文学会に参加、1987年に短篇集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。印刷会社、校閲プロダクション勤務を経て、1998年より専業作家。第3回世界バカミス☆アワード(2010年)、第4回攝津幸彦記念賞優秀賞(2018年)。ホラー、ミステリー、幻想小説、近年は時代小説を多数発表、オリジナル著書数は170冊を超える。
-
4.3
-
4.3
-
-そのフレーズを耳にした瞬間、誰もが息をのんだ。リオデジャネイロのスラム街で撮影されたテレビ番組で、偶然映り込んだ黒人少年ルーシオ。その奇跡の歌声を、カメラが捉えていたのだ。レコード会社、ラジオ局、広告代理店……新人女性ディレクターは、歴戦の音の狩人たちと闘いつつ、少年のデビューに向けて動く。だが、ルーシオは忽然と足跡を絶った。次第に明らかになる音楽業界の闇。F1のエンジン音かまびすしいモナコでのラストまで、息つく暇なく読ませてくれる驚異の音楽サスペンス。 ●斎藤純(さいとう・じゅん) 小説家。1957年、盛岡市生まれ。FM岩手在職中の1988年『テニス、そして殺人者のタンゴ』でデビュー。1994年『ル・ジタン』で第47回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。2005年『銀輪の覇者』(早川ミステリ文庫)が「このミステリーがすごい!」のベスト5に選出される。岩手町立石神の丘美術館芸術監督、岩手県立図書館運営協議委員などをつとめている。