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盛岡のレストランで宮沢賢治の童話朗読会が開かれた。取材に赴いた夕刊紙記者・可能克郎は奇妙な出来事に遭遇。台本に賢治作品の贋物が紛れ込んでいたのだ。参加者を震撼させた“贋作騒動”は未解決。ところが二か月後、参加者の一人・倉村が変死する。朗読会に出演したタレント三木七重と参加メンバーの関係に不審を覚えた克郎は調査を進めるが……。
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Posted by ブクログ
宮沢賢治について取材をしている記者・可能が、盛岡で「銀河ステーション」なるレストランをオープンさせた後輩の後藤に会いに行くことから事件ははじまる。 宮沢賢治作品の朗読会のシナリオに紛れ込んだ、贋作童話「プラネトーとマグネトー」。 大学の賢治サークル「羅須地人クラブ」のメンバーが、賢治作品になぞろえ...続きを読むられて殺害されていく。 宮沢賢治の「アメニモマケズ」の境地に、生きながら辿り着いていた三木司郎という青年の死。 殺人事件ミステリとして、というよりも、宮沢賢治作品のすばらしさを改めて感じさせてもらえた。 そういう意味でのおもしろさが上回った。 ラストは、ありがちな感じするけど、悲しい恋の結末。 この作品は1996年発表なんですねぇ。今からおよそ30年前か、ひょえー。 でもあんまり古臭くないですね。言葉も古くない、バブル臭もないし。携帯が出てこないのと、若い女性のノリが若干古いくらいかな。全然今でも読めます。 辻真先先生、あとがきで色々言い訳?みたいなことを書いてたけど、私は楽しかったです。
ミステリとしてみた場合、トリックがかなりちゃち。作中に使い回しのトリックであることを仄めかす描写があるので、これは言い切ってよかろう。フーダニットとしても、ロジックとは無縁に、多分、この辺が犯人だなあで、なんとなく(動機込みで)分かってしまうタイプ。とはいえ、プロのお仕事で読んでる間は充分楽しませて...続きを読むくれる。うまいですねえ。それより宮沢賢治のダークサイドについて、作者さんは語りたかったのかなという気もする。
ポテトとスーパーのシリーズではワトスン役と言うか、脇役のスーパーの兄・可能克郎が探偵役。流石にシリーズの時よりしっかりしているけど、やっぱり頼りない。克郎のシリーズも読み返したいな。
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