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絵馬と脅迫状
医者、患者、病気、医学部、医学研究、医療。 生まれてから死ぬまで、人は病院と医者から離れられない。 「医」と「病」をめぐる6篇の傑作短編小説集。 学生時代に自殺した親友と瓜二つの男が、新人医師として自分が勤務する病院で働きだした。以後、不可解な事件が頻発する。彼は誰なのか?(「「爪の伸びた遺体」」)著書はベストセラー、新聞の人生相談も好評、患者からの信頼も厚い女性精神科医のもとに「二度と人前に出られなくしてやる」と差出人不明の脅迫状が届いた(「悪いのはわたしか」 )。信心がまったくない医学信奉者の内科医が、病院の近所にある神社で同僚外科医の絵馬「手術が無事に終わりますように」を誤って割ってしまった。以降、降りかかる悲劇 (「絵馬」 )。突如として髪が増え始め、若返った元教員・泉宗一(68)の数奇な体験 (「リアル若返りの泉」)など全6篇。 -
腕が鳴る
どんな部屋に住みたいか。 それは、自分の人生を見直すことでもございます。 片付けが、わたくしの使命―― スゴ腕の整理収納アドバイザーが、 驚きのアイデアで散らかった部屋と人生を大そうじ! 人生の棚卸し小説。 夫に先立たれ一人暮らしのタカ子は、ついモノを買い込んで、気づけば家は散らかり放題。整理収納アドバイザーの中村真穂に片付けを依頼すると、棚の奥からタカ子の編んだ大量のセーターが現れた。 タカ子は迷わず「捨てる」と言ったのだが……亡き夫の愛とタカ子の再出発を描く「買い過ぎた家」のほか、クセは強いが腕は確かな整理収納アドバイザーの、人生をも整えるお片付け連作小説。 -
熱夜
南国沖縄でアヴァンチュール 深みに嵌まった7人の女 抜き差しならない夜もある 沖縄に移り住んだ官能作家の「私」が、十年の間に深い関係を結んだ七人の女との性愛の日々を綴る。十八歳年下の奔放な愛人ユキノとのめくるめく火遊び、今はなき花街真栄原新町の娼婦ハルカとの限りなく危険な逃避行、歓楽街松山の秘密クラブで出会った淑女レイコとの行きずりSMプレイ……南国の島の熱い夜を舞台にした名手による読み切り連作官能ロマン。私小説的情炎小説集。 目次 第一話 雨のリゾート──ユキノ・二十二歳 第二話 病める薔薇──ハルカ・二十四歳 第三話 目隠しの夜──レイコ・三十四歳 第四話 夜の海に溶ける──マリコ・三十二歳 第五話 声の限りに──カンナ・二十八歳 第六話 第六話 ロリ顔──ミオ・三十歳 第七話 第七話 無人島へ行こう──トモミ・二十三歳 -
拵屋銀次郎半畳記 俠客
老舗呉服商斬殺事件、大奥内の権力争い、江戸城御金蔵の破壊。銀次郎周辺で起こる怪事件が一本の線に! 剣戟文学の地平を疾駆する「門田泰明時代劇場」大人気大河シリーズ、第3弾! 大坂に新幕府創設!? 密かに話し合われ、準備されているという情報を得た銀次郎は、そのための莫大な資金の出所に疑問を抱いた。しかも、その会合の場所が、仇敵・床滑七四郎の屋敷であったことから、巨大な陰謀のなかに身をおいたことを知る…。老舗呉服商・京野屋の前主人の斬殺事件に端を発し、大奥内の権力争い、江戸城御金蔵の破壊等々、銀次郎の周辺で起きる謎の怪事件が一本の線に繋がったとき…。ベストセラーシリーズ、待望の第3弾! -
SIKIGAMI
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 式神に育てられた少年の成長譚です。少年は晴明と名付けられて式神学校に引き取られました。晴明は学校で式神の作成を学んでいる最中に、祟り神という危険な式神を作り出してしまいます。以後彼は学校を卒業した後も祟り神に狙われ続ける人生を送る事になりました。晴明は祟り神を祓う術を探りながら、ククチの里で様々な任務をこなします。織物工場の労働運動や区画隊による辻斬り事件を経て、樹木の伐採騒動を解決しました。また次第に玉の元で語られた里の成り立ちが交錯して里の陰謀に巻き込まれてしまいます。最後に晴明は海の上で祟り神と対面すると、自分の生い立ちを見つめ直して祟り神を祓う事に成功しました。大人になった彼は式神の作成を学べる学校を設立して新式神論を説きました。 -
あらごと、わごと
【呪師とは、常人にはない異能を持って、古来、魔と戦ってきた者たちである】二人の宿命の子が、汝を討つ! 汝、その定めからは逃れられぬ――血まみれの老呪師は、いまわの際に魔王・藤原千方に言い放ったという。「それが、あらごと、わごとのことと千方は信じておる」苦難の果てにようやく出会えた名呪師の姥の言葉に、あらごとは打ちのめされた。そんな思い込みで父母が殺され、村が滅ぼされ、二人は追われつづけるのか。だがこの先、十五もの通力を持つ魔王と戦うには、“生大刀”“火鼠の皮衣”など各地に散らばる四つの宝の力を借りなければならぬ――姥の教えにより、姉妹の秘宝探しの旅が始まる。それは魔王との凄絶な争奪戦にして最終戦の始まりでもあった! 圧巻平安ダーク・ファンタジー。 -
わが別辞 導かれた日々
昭和51年(1976年)没の檀一雄、舟橋聖一から平成6年(1994年)没の吉行淳之介まで、冥界に先に旅立った22人の師友に捧げられた感謝と惜別の情。 若き日より老年に至るまで文学を自らの道と定めて険しい道を生きた作家・水上勉が、文学についての語らい、旅、酒席やゴルフなど、さまざまな時間をともに過ごした文士たちを想い、心を込めて綴った追悼文集の白眉。 とくに小林秀雄に7篇、大岡昇平と中上健次には5篇が捧げられており、著者より年長年少を問わないその交わりの深さと追悼の念の痛切さに、読む者として感慨を禁じえないのである。 -
夜幻水鏡抄
水鏡の前に立つ人型の影。その存在は何を視、何を識るのか。 そして、揺らがぬ宿命など存在し得るのか── 闇に咲く黒百合、暁に輝く紅薔薇、風に舞う桜―― 時代と世界を超えた哀しみや希望を、幻想的な花々が紡ぎ出す。 さまざまな人の思いや運命を描き出した、妖しくも美しい短編集。 深い森に囲まれた由緒ある別邸。そこには、生まれつき特異な性質を持つ双子が、世間から切り離された静寂の中で育てられていた。 幼少期から心を通わせ、特別な絆で結ばれていた二人だが、成長とともに訪れる変化や、新たに配属された警護役の登場により、その関係は揺らぎはじめる。 十九歳の春、双子は美しい桜が咲き誇る中、運命的な事件に直面する。 閉ざされた空間で繰り広げられる愛憎と葛藤、そして避けられぬ悲劇の末に、二人の絆はどのような形で結実するのか──。(「満月桜舞」より) -
螢草
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「縁側近くの庭先で泰山木が咲いている。梅雨曇りの思い空を支えて、木蓮に似た盃状のこの大きな白い花は、軒先から程遠からぬところで豊かな幅の広い花びらをひらいているが、匂いは溢れて、部屋の真中にぽつねんと坐っている私の皮膚にまで深くしみてくる。 木斛や松などと一緒に、東向きの縁側に沿ってならんでいるのだが、ここで花を見るのは始めてである。家へ入るのに、隣の家の向う横についている細い貝殻道を通って迂廻して来なければならない。その隣の家の門あたりまでくると、花の匂いはもう私に呼びかけてきた。 ・・・ 戦争中でもこのように穏やかだったのだろうか、と思った。 この内海の、平凡な、単調な風景は、自分の家の池のように親しいのであったが、長い戦争の歳月は、苛立たしいほどの空白を私に押しつけてくる。それはあまりにかたくなで、眼前のこの内海に対する私の感覚が、屡々錯覚であるかのような戸惑った思いを抱かせる。私は、なにやら違った歳月の中を歩いてきた旅人のように、遠慮深い眼で、久しぶりの海の青さに見とれていた。」(「序の章」より) 【目次】 序の章 轉身 螢草 柿ノ木坂 落落の章 あとがき ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
鎮魂曲 短篇集
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「作家にはいつも人生の大きな問題で騒がしい言をたてる人があり、また好んで身辺さじに眼をとめて、さりげなくかたるタイプがある。そんないわば小さい作家の小さい作品にしばしば私たちが深く心を動かされるというのも、つまり私たちがパスカルのいう葦の葉で、ささやかな人生の悲喜にもうち砕かれたり、心おどらせたりする存在だからにちがいない。結城君はこのささやかなものを大切にし、その一本一本の糸をたどり織りあわせて、入念で美しい人生図を浮上させる名人だ。見かけはあくまで燻銀のように光を沈めて典雅ななかに、時の思いがけないパセテッィクな慟哭を迸らせるものがあるのは、氏が熱い浪漫家の夢を心の奥に秘めていて、いつもつねに死と隣り合いで住んでいるからであろう。一行一行を遺書のつもりで書くことはこの作家の戒律であるらしい。この寡作の良心の作家の久しぶりに世に問う作品集が少しでも多くの人の眼に触れることを願わずにいられない」(底本・オビより) 【目次】 「鎮魂曲」 「湖畔」 「夜の庭」 「インドネシアの空」 「木蓮」 あとがき ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
許嫁幼馴染が弟に純愛寝取られたので、俺は変わることにした。
せっかくギャルゲー世界に転生したが、転生先は主人公の出来損ないの兄 海道清澄というモブだった。 そして、高校一年の夏休み初日、目の前で、許嫁を純愛寝取られされた俺は、今はもう居ない海道清澄というモブの無念を晴らす話。 注意書き この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません ※本作はwakaba1890の個人誌作品の電子書籍版となります。【301ページ】 -
東京カルテル
2036年。BBCジャーナリスト・綾賢一は、独立系のネット掲示板に投稿された、とある動画が発端になり東京出張を言い渡される。 東京に到着して、待っていたのはなんでもない幼い頃の記憶から、より洗練されたクールジャパン日本だった。 だが、東京都を含めた首都圏は、大幅な規制緩和と経済、金融、観光特区を設けた結果、世界中から企業と優秀な人材、莫大な投機が集まり、東京都の税収は年16兆円を超え、名実ともに世界一となった都市は更なる独自の進化を進めていた。 その掴みきれない光の裏に、綾賢一は知らず知らずの内に飲み込まれていく。 ※本作はwakaba1890の個人誌作品の電子書籍版となります。【176ページ】 -
宙ごはん
本屋大賞ノミネート作、待望の文庫化! 宙には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいる。厳しいときもあるけれど愛情いっぱいで接してくれるママ・風海と、イラストレーターとして活躍し、大人らしくなさが魅力的なお母さん・花野だ。二人の母がいて「さいこーにしあわせ」だった。 宙が小学校に上がるとき、夫の海外赴任に同行する風海のもとを離れ、花野と暮らし始める。待っていたのは、ごはんも作らず子どもの世話もしない、授業参観には来ないのに恋人とデートに行く母親との生活だった。 代わりに手を差し伸べてくれたのは、商店街のビストロで働く佐伯だ。花野の中学時代の後輩の佐伯は、毎日のごはんを用意してくれて、話し相手にもなってくれた。ある日、花野への不満を溜め、堪えられなくなって家を飛び出した宙に、佐伯はとっておきのパンケーキを作ってくれ、レシピまで教えてくれた。その日から、宙は教わったレシピをノートに書きとめつづける。 ──きっと、この物語はあなたの人生を支えてくれる。 文庫化にあたり、単行本の初版カバーに掲載した掌編に加え、書き下ろし掌編を収録。 解説は、作家の寺地はるなさん。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『宙ごはん』の文庫版となります。 -
今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は
福徳秀介のデビュー小説にしてベストセラー。 大学2年生の「僕」は、入学前に憧れていた大学生活とはほど遠い、冴えない毎日を送っていた。日傘をさしていつも人目を避け、青春を謳歌している学生グループを妬ましく思う、そんな日々。友人は一人。銭湯掃除のバイトと孤独な大学生活だけの毎日。 そんなある日、大教室で学生の輪を嫌うように席を立つ凜とした女子学生に出会う。その姿が心に焼き付いた「僕」は次第に深く強く彼女に惹かれていく。やっとの思いで近づき、初デートにも成功し、これからの楽しい日々を思い描いていたのだが・・・・・・。 ピュアで繊細な「僕」が初めて深く愛した彼女への想いは実るのか。そして、僕の人生の、その先は---。 著者自身の私小説を思わせるピュアな恋愛小説ながら、「生きる」ことそのものについても考えさせられる、心に刺さるホロ苦恋愛小説です。 文庫化にあたり、巻末には、映画出演の萩原利久さん、河合優実さんの特別対談を掲載。こちらも、見逃せません。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『今日の空が一番好き、とまだ言えない』の文庫版となります。 -
小さな神たちの祭り
3.11を忘れない――。感動のTVドラマを作者・内館牧子 自らの筆で書き下ろした小説版が文庫で登場! 巻末にはドラマで主役を演じた 俳優・千葉雄大氏 感動の解説を掲載! ◎あらすじ◎ 谷川晃は宮城県南部の街・亘理のいちご農家の長男。 家業を継ぐ気はなく、東京の大学に進学することに。 2011年3月11日は、アパートの契約などのために上京していた。 その間、晃を除く家族全員が津波に呑まれてしまい、8年経っても誰一人見つかっていない。 大学卒業後、東京で就職するも志半ばで仙台に戻った晃の目には、 人々がすっかり震災のことを忘れてしまっているかのように映っていた。 そんな晃を支えてくれたのは、恋人の岡本美結。 しかし、家族のことを考えると「自分だけが幸せになれない」と、晃は苦しんでいた。 そんな時、二人の前に1台のタクシーが現れる。 -
武漢コンフィデンシャル
インテリジェンスは人類を救う。 新型コロナウイルスの「発生源」として世界を震え上がらせた武漢は、中国革命の地にして、国共内戦の要衝でもあった。十歳でこの地に流れ着いた李志傑は、己の才覚を頼りに動乱の時代を駆け抜けたが、文革の嵐に見舞われ、家族は国を追われてしまう――。 それから五十年後、李一族の「業」は、MI6の異端児スティーブン・ブラッドレーと相棒マイケル・コリンズを巻きこみ、“謀略の香港”に降り立った。感染爆発は、なぜ武漢から始まったのか? トランプ再登板で改めて、ウイルス起源が取り沙汰されるなか、米中の最高機密にインテリジェンス小説の巨匠が挑む。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『武漢コンフィデンシャル』 の文庫版となります。 (底本 2025年3月発売作品) -
ミナミの春
愛する娘を傷つけたくない。著者渾身の人情譚 痛みも後悔も乗り越えて、いつかみんなできっと笑える。 『銀花の蔵』で直木賞候補、 いま注目の作家が放つ“傑作家族小説”! 売れない芸人を続ける娘、夫の隠し子疑惑が発覚した妻、父と血のつながらない高校生…… 大阪・ミナミを舞台に、人の「あたたかさ」を照らす群像劇。 ◎松虫通のファミリア 「ピアニストになってほしい」亡妻の願いをかなえるために英才教育を施した娘のハルミは、漫才師になると言って出ていった。1995年、阪神淡路大震災で娘を亡くした吾郎は、5歳になる孫の存在を「元相方」から知らされる。 ◎ミナミの春、万国の春 元相方のハルミが憧れた漫才師はただ一組、「カサブランカ」。ハルミ亡き後も追い続けたが、後ろ姿は遠く、ヒデヨシは漫才師を辞めた。2025年、万博の春に結婚を決めたハルミの娘のため、ヒデヨシは「カサブランカ」に会いに行く。 (他、計6篇) -
檻の中のワルキューレ(第8回大藪春彦新人賞受賞作)
檻の中のワルキューレ(第8回大藪春彦新人賞、映像化奨励賞W受賞作) 伽村あきら(著) 新進作家の登竜門、第8回大藪春彦新人賞、映像化奨励賞W受賞作! ●今野敏 選評(抜粋) 格闘シーンに迫力があり、人間関係もうまく書けている。文句なく受賞作に推した。 ●馳星周 選評(抜粋) キャラクター設定も上手で、話者の職業、性格設定もうまくできている。この作品が最上位になるのは必定だ。 ●徳間書店文芸編集部編集長 選評(抜粋) 普段格闘技に親しんでいない私でも、闘う様子がありありと脳内に浮かんできて、手に汗を握りました。 ●あらすじ 女子総合格闘技「ワルキューレ」の王者、マーヤ。 ベテラン美女ファイターに、リング上で突然挑戦状が叩き付けられる。 「同時代に敵なしの選手が二人いたら、本物を決めるしかないよな!」 ワルキューレの興行主・原木山徹のサプライズ演出だった。 突然持ちかけられたマッチメイクの相手は、五郎丸真希。 レスリング五輪銀メダリストであり、未来のスターであり、そしてマーヤの妹分だった。 ――後楽園ホール、1600席完売の大晦日、戦いの火蓋が切られる! ※受賞作のほか、選評および受賞の言葉を収録 -
毒をもって僕らは
もう、恥ずかしくなんかない――。どんな不運もみじめさも蹴散らしていく青春の輝き、第11回ポプラ社小説新人賞特別賞受賞作。 -
泣きたい午後のご褒美
どんなときでも「喫茶店」でのひと休みと「物語」が私たちを癒してくれる。お茶の時間に交錯する人間ドラマを紡ぐ短編集。 -
YOKOHAMA 119 要救助者1623名
累計80万部突破!「行動心理捜査官・楯岡絵麻」シリーズ著者が描く 消防×ミステリー 船上で業火に包まれる1623名、全員を救出できるのか!? 横浜市消防局港消防署の女性消防士、高柳蘭。消火活動や訓練に加え、署内の雑務にも追われる日々のなか、蘭の消防道具である空気呼吸器の空気が抜かれていることが発覚。さらに辞職を迫る脅迫状まで届き……。犯人は同僚? そんな折、横浜に寄港した世界一周クルーズ中の豪華客船上で火災が発生したとの報が。要救助者1623名。全員を救出するため、業火に包まれる船上への出動命令が蘭たちに下る! ※本作は2012年6月に小社より刊行した単行本『消防女子!! 女性消防士・高柳蘭の誕生』を2013年6月に文庫化し、改題・加筆修正したものです -
どうせそろそろ死ぬんだし
2025年第23回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリ受賞作 余命宣告された人々が集まる山荘で起きた、ある一人の突然死。 自然死か殺人か――。超新星の二度読み必至「館」ミステリー! 「最初から最後までずっと罠ばかり。最大の罠は作風そのものかも」麻耶雄嵩(作家) (あらすじ) 探偵業を営む七隈は、余命宣告された人々が集う交流会のゲストとして、助手の律と共に山奥の別荘に招かれた。 二人は交流会の参加者と食事をし、親交を深める。しかし翌朝、参加者の一人が不審な死を遂げる。 自然死か殺人か。殺人であれば、余命わずかな人間をなぜわざわざ殺したのか。七隈たちは死因の調査を始め――。 やがて明かされる驚愕の真相とは? 【著者について】 香坂鮪(こうさか・まぐろ) 1990年、熊本県生まれ。大阪府在住。現在、循環器を専門とする特定機能病院に勤務。第23回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリを受賞し、本作でデビュー。 -
あの空に花が降るとき、僕はきっと泣いている
Netflixにて大人気配信中の映画「よめぼく」の森田碧が放つ渾身の最新作! 心が震えて涙が溢れる、函館が舞台の純愛小説 -
死神姫の白い結婚
異形を狩ることを生業とする、祓い屋の名家の娘・神崎雛乃。近付くものの生命力を吸い取る異能を持つ彼女は「死神姫」と呼ばれ、周囲に疎まれ孤独に生きてきた。 そんなある日、敵対する一族の元当主・龍ヶ峰雪嗣への嫁入りの話が舞い込む。形式上の婚姻ととらえる雛乃だったが、「不老不死」の異能を持つ雪嗣は、雛乃の傍にいることができる唯一の人だった。ふたりは運命に導かれるように惹かれ合うが…? -
かくりよ調査委員会
人の世と隔絶された異界――“隔世”、それらを管理する国の特務機関『隔世調査委員会』に、不幸を呼び寄せる少女が雇われた。 -
大正仇恋戯曲
【電子書籍だけのショートストーリーつき特別版!!】 憎悪で結ばれた両家の跡取り同士が、華の帝都を舞台に繰り広げる切なく美しい恋。「和風ロミオとジュリエット」開幕! -
スタッフロール
私たちは映画に魔法をかける 『戦場のコックたち』『ベルリンは晴れているか』著者が放つ、 才能や評価で悩んだことのある、すべての人へ贈る物語 圧巻のエンターテインメント長篇! 【あらすじ】 1980年代のハリウッド、圧倒的に男性優位な映画界で もがき奮闘する特殊造形師のマチルダ。 現代ロンドンで、ある出来事をきっかけに 自分の才能を見失い葛藤する CGクリエイターのヴィヴ。 映画の特殊効果に魅せられた二人の人生が 一本の映画を通じて繋がり合う。 創作者の情熱と苦悩を、リアルかつ力強く描いた直木賞候補作。 文庫化にあたり、2024年にアカデミー賞〈視覚効果賞〉を受賞した 『ゴジラ-1.0』などについて熱く語った「文庫版あとがき」を収録。 単行本 2022年4月 文藝春秋刊 文庫版 2025年3月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
【合本版】世界99
この世はすべて、世界に媚びるための祭り。 性格のない人間・如月空子。 彼女の特技は、〈呼応〉と〈トレース〉を駆使し、コミュニティごとにふさわしい人格を作りあげること。「安全」と「楽ちん」だけを指標にキャラクターを使い分け、日々を生き延びてきた。 空子の生きる世界には、ピョコルンがいる。 ふわふわの白い毛、つぶらな黒い目、甘い鳴き声、どこをとってもかわいい生き物。 当初はペットに過ぎない存在だったが、やがて技術が進み、ピョコルンがとある能力を備えたことで、世の中は様相を変え始める。 私たち、ピョコルンに、全部捨てられるようになりましたよね。 性欲を。出産を。育児を。介護を。人生の時間を食いつぶす、あらゆる雑務を。 14年前、「リセット」を経験した人類は混乱の最中にあった。 しかしラロロリン人の考えた「人間リサイクルシステム」がうまく機能し、やがて社会は再生を迎える。 そして49歳になった空子は「クリーンな人」として、美しく優しい世界を生きている。生まれ育った街「クリーン・タウン」の実家に戻り、同級生の白藤遥とその娘・波とともに。 ようやく訪れた穏やかな社会の中心には、さらなる変貌を遂げたピョコルンがいた。 村田沙耶香渾身の大長編、ここに完結。 都合の良い「道具」・ピョコルンを生み出した果てに、人類が到った極地とは――。 『世界99 上』『世界99 下』を1冊にまとめた合本版! 【著者略歴】 村田沙耶香(むらた・さやか) 1979年千葉県生まれ。玉川大学文学部芸術文化学科卒。2003年『授乳』で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)受賞。2009年『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、2013年『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島賞、2016年『コンビニ人間』で芥川賞受賞。著書に『マウス』『星が吸う水』『ハコブネ』『タダイマトビラ』『殺人出産』『消滅世界』『生命式』『変半身』『丸の内魔法少女ミラクリーナ』『信仰』などがある。 -
桜川ピクニック
驚いたり、悩んだり、考えたり、嬉しかったり、働く父親が育児を歩む短編集 収録: 「青のウルトラマン」 「前線」 「うんてんしんとだっこひめ」 「夜明け前」 「おしり関係」 「親水公園ピクニック」 -
人生劇場
『ラブレス』『ホテルローヤル』等、家族の光と闇を描き続ける直木賞作家・桜木紫乃のルーツ! 夢に生き、夢に死ね―― 昭和の北海道。 己の城を求め、男は見果てぬ夢を追う。 【著者コメント】 書きながら改めて、生きることは滑稽だと感じました。 滑稽でいいと思うところまで、書けた気がします。 やせ我慢人生を歩いてきたすべての先人に、愛を込めて――人生劇場。 何もかもが赤く染まった鉄鉱の町・室蘭。 四人兄弟の次男に生まれた猛夫は、兄にいじめられ、母には冷たくあしらわれながら日々を過ごしていた。 心のよりどころは食堂と旅館を営む伯母のカツ。やがて猛夫はカツのもとで育てられることになる。 中学卒業後、理容師を目指し札幌に出た猛夫だが、挫折して室蘭に帰る。 常に劣等感を抱えるようになった猛夫は、いつか大きくなって皆を見返してやりたいと思うように。 理容師として独立、ラブホテル経営と、届かぬ夢だけを追い続けた男の行く末は。 自身の父親をモデルに、直木賞作家・桜木紫乃が北の大地で生きる家族の光と闇を描く。 【目次】 一章 鉄の町 二章 修業 三章 別れ 四章 長男 五章 夫婦 六章 闘い 七章 新天地 八章 落城 -
想いをつなぐハイウェイ 幸せジャンクション2
出会いの数だけ、道がひらける。 退職金代わりに手に入れたキャンピングカーで、東へ西へ、人助け。 小さな優しさが奇跡を起こす、人情ロードノベル! 勤務先の運送会社が倒産し、 退職金代わりにキャンピングカーを手に入れた主人公・浜浦遼二。 困っている老婦人に手を差し伸べたことをきっかけに、 介護福祉士の多智花夕夏とともに「ちょっとした手助けの旅」に出ることに。 今回の旅のミッションは、名古屋から東京へのアロワナ運送。 そしてその帰り道に、老婦人を兵庫まで送り届けるというものだった。 ところが、新しい依頼が舞い込んだことによって 旅は思いがけないほうへ進んでいく。 道中、たくさんの出会いがあるなかで 浜浦と多智花の異色コンビは、また新たな人生の分岐点を迎えるのだった―― 「心があたたかくなる」「爽快感が心地いい」と大好評の 『幸せジャンクション』の名コンビが、今度はいったいどんな旅に出るのか。 ぜひ、お楽しみください。 ▼目次 第1章 いざ東へ 第2章 再会そして新たな出会い 第3章 それぞれの終着点 あとがき -
とりかえばや陰陽師とはぐれ検非違使
黒衣と白衣。真逆のふたりが都を走り難事怪事を解決! 時は平安。邪な心を持つ人間から都の平穏を護るため、本来なら交わるはずもない検非違使と陰陽師が手を組むことになった。しかし、猪より速い足が自慢だがはぐれ者の検非違使・三浦貞頼と、安倍晴明の再来と誉れ高い陰陽師・安倍菊月は、何かといがみ合い相容れない。しかも、菊月は男装の麗人だが、兄弟子死亡の暗い影を纏っていて……。異色のバディが都の難事怪事を解決する平安ファンタジー。 序 第一章 白き陰陽師と黒き検非違使 第二章 蔵人所の変異と届かない言葉 第三章 女御への呪い 第四章 安倍晴明の再来と消えた絹布 結び ◆著者 遠藤遼(えんどう・りょう) 東京都生まれ。著作に「平安あかしあやかし陰陽師」「平安後宮の薄紅姫」(どちらも富士見L文庫)、「平安姫君の随筆がかり」(講談社タイガ)、「晴明の事件帖」(ハルキ文庫)、「源氏物語あやとき草子」(双葉文庫)各シリーズのほか、『きみの最後の一カ月、恋はオパール色になって』(二見サラ文庫)、『夫婦包丁のおしながき』(ポプラ文庫)など多数。 ◆イラスト 春野薫久(はるの・たく) -
ディア・オールド・ニュータウン
町も変わる。人も変わる。 変わることは、始まることだ。 「歳をとったニュータウン。オールド・ニュータウン。 おれが育った町。離れて、戻った町。離れる前よりは根づけたような気がする」 母が亡くなったことを機に会社をやめ、父が遺した日本そば屋を継いだ鳴樹。父の時代にやっていなかった出前サービスで商機を見いだそうとした鳴樹は、幼なじみの小枝に声をかける。気持ちを新たに二人で再開した『ささはら』には、徐々に客も増えてきた。そんなある日、出前先で再会した顔見知りの和太は少しヤンチャな青年になっていた。どこか気にかかる鳴樹は、和太にある提案をしてみるのだが――。この町に暮らし、さまざまな結びつきを持つ人々が織りなす、心に染み入る人間模様。 -
テンセイゲーム
【デスゲーム×異世界転生】 デスゲームを全員で生き残れ。 負ければ即死。勝てば異世界転生? 寄せ集めの5人が殺し合わずにクリアを目指す異色の頭脳バトル! エブリスタ〈竹書房×エイベックス・ピクチャーズ コラボコンテスト〉 最恐小説部門・受賞作! 「おめでとうございます。ここにいるのは、勇者の資格を持つ者達です。 皆さんは、異世界に転生して、魔王を退治する勇者の候補として女神様に選ばれました。 ですが、女神様の魔力にも限界があります。たくさんの人を一気に転生させるようなことはで きません。 ですので、その中で特に勇者に相応しい、強い人を選ぶことに決めました。 これは、その転生を賭けた究極のゲーム、テンセイゲームなのです。 まずは皆さんに、この部屋から脱出していただきます。 タイムリミットは、皆さんが死ぬまで。 では、頑張ってみてください――」 第一のゲーム「密室を脱出せよ」 第二のゲーム「英雄を選出せよ」 第三のゲーム「金庫の鍵を探せ」 最終ゲーム「姫と騎士のゲーム」 異世界人に拉致され、突然デスゲームに放り込まれた5人の男女。 誰かがボタンを押し続ける間のみ開くドア。 三人喰えば休眠状態に入る化け物。 誰かを犠牲にすれば他の者が生き残れるゲームに、真っ向から立ち向かう五人の運命はいかに!? -
spring プレミアムブックレット
2025年本屋大賞ノミネート! 稀代のストーリーテラー・恩田陸の新たな代表作! 一人の天才少年をめぐる、傑作長編バレエ小説『spring』のこれまでの軌跡を振り返るプレミアムブックレット。(非売品) 立ち読み感覚で、本書からの抜粋や読者が選んだ推し文を試し読みできます。登場人物の詳細なプロフィールや朝井リョウさんの感想などを紹介。本屋大賞ノミネートに寄せた著者からのメッセージ、キャリア30年を迎えた作家・恩田陸さんのデビューから現在までの作品年表なども収録。『spring』をまだ読んでいない人も、すでに読んだ人も楽しめる一冊! (筑摩書房編 恩田陸さん協力) -
女力士右近
土俵の上で輝けるのは、強い心を持つ者だけ。 戦後、占領軍により男相撲が禁止され、代わりに女相撲が盛り上がるように。 長年人気を支え続けてきた桜田部屋だったが、厳しい稽古のせいで入門者が激減し、廃業の危機に直面していた。 そんな中、女将の養女・咲がとんでもない怪力の持ち主だと発覚! マネージャーの道長や妹弟子の雷子と力を合わせ、宿敵・柊部屋の小式部内侍らを倒し、たちまち最強力士「二代目右近」として成長する。 しかし、そこに至るまでには、初代右近として桜田部屋を率いた女将や、女相撲界を支えた後援者・望月の尽力があった――。 2人の右近を中心に、力士たち、後援者、マスコミが織りなす人間模様と、女相撲界の興隆と衰退を描く物語。 -
風の向こうへ駆け抜けろ3 灼熱のメイダン
人気シリーズ最終章!戦いの舞台は世界へ! 女性ジョッキーとして、かねてからの大きな願いを叶えた芦原瑞穂。 それは、夢だった中央競馬の最高格付けG1レース・チャンピオンズカップを制したこと。宿願を果たした瑞穂だったが、馬を、居場所を、厩舎を護るため、勝利に浸っている時間はなかった。日々はめまぐるしく過ぎ、次の大きな挑戦が目前に迫ってくる。それは、「ドバイワールドカップ」。メイダン競馬場で熱狂の中行われるレースから、昨年チャンピオンズカップを勝った名馬フィッシュアイズが招待されたのだ。「次世代を担う人になれ」・・・・・・。かつて瑞穂が、調教師の光司に言われた言葉。その言葉を胸に、渾身の熱意を込めていざレースに挑む瑞穂を始め、馬主や調教師、牧場主や厩務員などのスタッフたち。ライバルでもあり、同志でもある日本からの参戦者たち。そして、日本からそれぞれの想いを込めてレースを見守る人々。 多くの人の熱い心をのせて、華々しく火蓋を切ったレースの結果は。 そしてフィッシュアイズはレース後にどのような運命を歩むことになるのか。 一丸となった愛すべき緑川厩舎の面々の挑戦は、まだまだ続く。 己との闘いは、どこまでもどこまでも。 -
アサイラム
大学生の時に友人からの性暴力にあったスミレ。 限界に達した心を抱え、困難な状況にある人たちをケアする街に辿り着く――。 『消えない月』『神さまを待っている』『若葉荘の暮らし』、 現代女性の寄る辺なさに真摯に向き合い、そっと軽くする――著者最新作! === 「それぞれに過去はあって、これからどう生きていくのか悩んで、 闘っていることはわかるから、気にせずに自分のことだけ考えていればいいの」 大学生の頃、自分のことを好きだという友人から性暴力を受けたスミレ。 忌まわしい記憶を胸中に押し込めながら社会人として過ごしていたが、久しぶりに会った女友達から、 彼が当時のことを美しい思い出として吹聴していたことを聞いて、何もできなくなってしまう。 行政がケアを目的に作り上げた街で暮らすことになり、 いじめや虐待など、暴力を受けてきた人々と関わりながら、自分はどう生きていくのか、模索していくが――。 人の心は、あまりにも繊細で複雑だ。 痛みと再生を真っ向からとらえた物語。 -
現代ユウモア全集 4巻 『奇妙な精神病者』 長谷川如是閑
明治~大正~昭和の3時代に渡り活躍したジャーナリスト兼作家の、入手困難で貴重なユーモア作品20編を収録。 ジャーナリスト、評論家、作家と様々な肩書きで、明治~大正~昭和という、激動の時代に活躍した著者の、明治~大正にかけて発表された、入手困難で貴重なユーモア作品、計20編を収録。 雅号=如是閑は「にょぜかん」と読む。友人による命名で、「是(かく)の如く閑」、つまり「こんなに閑」となっているが、日本新聞社→大阪朝日新聞に入社、天声人語を担当し、社会部長として、全国中等学校優勝野球大会(後の夏の甲子園)を企画創設し、大正デモクラシーを代表するジャーナリストとして進歩的、反権力的な立場で論陣を張り、戦後は最後の貴族院勅撰議員として日本国憲法の制定に携わり、実際は94歳の長寿で亡くなるまで、多忙を極めて駆け抜けた。 現在、如是閑のユーモア作品を手軽に読むことはできない。ジャーナリスト、評論家としての作品に重きが置かれ、作家としての、とくにユーモアを活かした戯曲、小説は雑文として軽視されているようだ。理由は、そのユーモアの難しさにある。 例えば、「無線電心機」では、機械文明が人間に利益を与えながら不利益を生むが、そこに思わぬ利益が起こる可能性があることを明らかにする。この文明批判的な眼力で現実を見抜く点が、如是閑の「ユーモア」となっている。 その他の作品でも、落語や講談のような直接笑いを取るユーモアではないので、多くの読者は「これがユーモア?」と感じてしまう。『現代ユウモア全集』の一巻だから、どこかに「ユーモア」はある。それを読み取るのも本巻を読む楽しみだ。 発刊当時の旧字体総ルビに加えて、より読みやすくした新字体バージョンも新たに追加収録している。解説文は日本のユーモア文学研究の第一人者・浦 和男。付録には、当時の月報ほか、貴重な資料を収録する。 (電子版 2025年2月28日配信開始) ※この作品は一部カラーが含まれます。 -
我らが緑の大地
森のあらゆる生物が襲い来る! 植物の「魔の手」から 逃れられるか!? 人類の命運を託されたのは、 ワーママ研究者と、その息子 震撼のパニックサスペンス! スタートアップ企業・グリーンプラネットに勤める村岡野乃は、植物の「会話(コミュニケーション)」について研究している。コマツナは虫にかじられると毒を合成したり、SOSを出して虫の天敵を呼び寄せたりするなど、植物もほかの生物と同様、驚くべき知性を持っていることがわかってきた。ある日、農場の視察に訪れた企業の社員が、改良された大豆を食べて緊急搬送される事件が発生。さらには、原因不明の山火事や、飢えて狂暴化した猿による襲撃、森を走る「謎の野人」の目撃情報など、奇怪な出来事が相次いでいた。野乃は一連の事件を「植物による反乱」ととらえ立ち向かおうとするが……? -
A DAY IN YOUR LIFE
小説家の槙村朗がパーソナリティーを務めるラジオ番組「A DAY IN YOUR LIFE」は、読者から募集した「何でもない一日、奇跡を感じた一瞬、幸せだった日々、不思議なことがあった日」などの〈あなたの一日〉を読みやすい物語に仕立てて、送っている。 じつは、彼は不思議な能力を持っていて、人が書いた文字を見ると、事実か事実でないかがわかるのだ。 その力もあって、投稿内容の真実を見抜き、物語にしている。 そんな槙村も、不思議な体験を子供の頃にしている。誘拐され、助けに来た父親が殺されたのだが、なぜか犯人の男に奇妙な話を聞かされたということが。 彼はその真相を知りたいと思っていたが……。 「東京バンドワゴン」「花咲小路」などの人気シリーズを執筆し、『国道食堂 1st season』で、2024年度の徳間文庫大賞した著者による最新作。 -
魔女のお茶会
惑星アニンの上空100キロに浮かぶ空中庭園では、36日に1度魔女たちのお茶会が行われる。好みのお茶と菓子を持ち寄り、純粋に共生とは言い難い、特異な能力による人間への奉仕があってかろうじて平穏が保たれているような日常を忘れる時間だったはずのお茶会に、その日、異分子が紛れ込んでいた。アニンの2つの月に準えた魔女の2つのグループ、人間との共生を望む「リーフス」と人間を淘汰するべきと主張する「ハーバル」が袂を分かったとの報に広がる動揺の裏で、胡蘭麗(フーランレイ)は銀のナイフを、零式燕(ぜろしきのつばめ)の手の甲に突き立てた。それこそがリーフスとハーバル、そして魔女と人間を巻き込む大きな変革のはじまりだった。地上で零式燕の帰りを待つパートナー・遠野華茂(とおのかも)は、まだそれを知らない――。 小説×音楽×ボードゲームプロジェクトとなる無国籍ファンタジー、ここに開幕!! -
グッナイ・ナタリー・クローバー
第37回小説すばる新人賞受賞作。 霧の町チェリータウンのモットーは「壊れていないなら直すな」。 酒場を経営する町一番の人気者である父スタンリー、部屋にこもりっきりの兄エディ、そして5年前に家を出て行った母。13歳になるソフィアは町から一度も出たことがなく、独りぼっちでうつむいて生きてきた。 ある日、お向かいに住む無口な老人ミスター・ブラックの家に、風変わりな人物がやってくる。自称「毎週生まれ変わる」ナタリー・クローバーは、夏休みの間だけブラックの元に預けられるという。 町長はナタリーが変なことをしでかさないよう、ソフィアに見張り役を頼む。人の目を気にせず自由気ままに町を歩き回り、自分だけの町の地図を作っていくナタリー。やがてソフィアは、長い間押し殺してきた自分の願いに気づいて――。 孤独を抱えた二つの心が奏でる〈ひと夏の、永遠の物語〉。まばゆくきらめく、エバーグリーンな青春小説が誕生! -
超人計画インフィニティ
「我は人間にその存在の意義を教えむとす。即ちそは超人なり、人間の黒き雲より来る雷光なり。」フリードリヒ・ニーチェ『ツァラトゥストラ』(生田長江訳/新潮社) 二十年前、「超人」という光を目指し、孤独と虚無に満ちた引きこもり生活の中で、妄想と哲学を武器に闘った。中年を迎えた著者は再びその旅路を歩み始める。老い、貧困、そして現実の荒野を越え、真の「超人」として生きるとは何か? 中年男性よ、君たちはどこへゆく。僕のゆく道は「超人ロード」だ! 「くっ・・・・・・ダメだ。こんなスペックでは、マッチングアプリではとても戦うことができない!」 人間世界の事情に疎い脳内彼女に、俺は説明してやった。 確かに年収百万超は、俺の感覚ではかなり立派であると感じられる。だがこの人間社会では、年収百万では尊敬されないのだ。 また俺は、自分の身長がちょうどいいサイズ感であると思っている。だが一説によると、この身長の男には人権がないとされていた。 また俺の人生で誇れる数少ないことの中には、高校卒業がある。何年も登校して昼の三時過ぎまで椅子に座るという苦行を、弱冠十八歳の俺は、見事に最後までやり遂げたのだ。だが、誰もそのことを褒めてくれない。 それゆえ俺のスペックをマッチングアプリのプロフィールに書いても、それは負け戦の始まりであり、むしろ俺の存在価値をただめちゃくちゃに毀損されるだけに終わるのだ。 「しかも俺は四十を超えてて頭も禿げてるんだ! このエイジズムとルッキズムに支配された悪の世界では、俺は戦う前から敗者なんだよ!」 「そ、そんな・・・・・・だとしたら滝本さんはもう一生、恋愛ができないじゃない!」 「ああ、その通りだ! 恋愛なんてもういいんだよ・・・・・・」 「た、たいへん! 恋愛から撤退した中年男性は、すぐにセルフネグレクトに陥ってしまうらしいわよ!」 「別にいいんだ。レイ、お前がいてくれるから・・・・・・いつの日か、このアパートの布団の染みになるまで、お前とこうして適当な話をしていられれば、それで俺は幸せなんだ・・・・・・」 ――本文より
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