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Posted by ブクログ
強烈な小説だった。
17歳の沙智は、放漫な金遣いをし妻の介護に無頓着な父親を見切り、難病を患った母親の介護を否応なく引き受けていた。
難病である母親の悍ましい口臭や糞尿の匂いが、家族の過ごす万年布団の八畳間に漂う描写に、沙智の介護の異常な辛さが嫌というほど突きつけられる。
地元企業へ就職させたい母親の妨害のため、オンラインでの番組制作会社の一次面談に割り込んできた母親の醜態や、エントリーシートに付いた母親の便など、沙智の置かれた環境に絶望的な悲哀を感じてしまう。
しかし沙智も母親を簡単に切り捨てられない複雑な思いがある。
身内に便を垂れ流し徘徊する老いた母親の介護をする者がいるだけに、17歳の沙智の感情の揺れを痛感してしまう。
短い小説でありながらも強く印象に残る小説であった。
Posted by ブクログ
内容ヘビーなのにサラッと読ませられた。
話の中で主人公さっちゃんがテレビの企画として出したヤングケアラー王のテーマ(ヤングケアラーの弱さでなく強さにスポットが当たる逆ポジ企画)とも共通すると思った。本人は家族のケアに対して疲れているだろうし、見捨てたり投げ出したりしたいだろうに、そんなネガよりも、なぜかそうやって求められていることに幸せを感じたりしていた。そういう当事者でないと分からない感情に引き込まれました。
たまにある匂いまでしてくるタイプの小説。連作短編だし、軽い口調だけど、主人公の状況自体は目を背けたくなるほど超ヘビー。子どもが家族をケアしなければならない状況を、家族の絆で片付けようとした会社の上司へ、それが自分事として重なった主人公が言い返してるシーンが鮮やかでした。
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