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凹凸
結婚13年目で待望の第一子・栞が生まれた日から、その夫婦は男女の関係を断った。 やがて夫の正幸と決別することを選んだ絹子は、栞を守るため母親としての自分を頑ななまでに貫こうとする。 しかし、絹子のもとを離れ24歳になった栞は、〈あの日〉の出来事に縛られ続け、 恋人の智嗣と実の父親である正幸を重ね合わせている自分に気が付いてしまう。 家族であり、女同士でもある、母と娘。 小説デビュー作『最低。』で若い女性から圧倒的な支持を集めた著者が、 実体験を基につづった、母子二代にわたる性と愛の物語。 -
王妃アリエノール・ダキテーヌ リチャード獅子王の母
英仏ふたりの王と結婚し、ヨーロッパ中世を変えた華麗なる女傑 フランス王妃の地位を捨て、ついでイングランド王妃となったアリエノール・ダキテーヌ。彼女は、英仏にまたがる広大なプランタジネット帝国建設の夢を抱きながら、親子、兄弟、夫婦の骨肉の争いに、あるいは国と国の利害をめぐる闘争に引き裂かれていく。吟遊詩人たちの理想の貴婦人であり、逆境にあっても絶望することなく、波乱に満ちた中世を雄々しく生き抜くアリエノールの生涯を描く傑作評伝。電子化にともない内容を大幅に加筆修正。 ●桐生操(きりゅう・みさお) パリ大学(ソルボンヌ大学)、リヨン大学に留学。主にフランス文学、歴史を専攻。帰国後、西洋史人物の評伝を初め、歴史の裏面に隠された興味深いエピソードを次々と発表して、好評を博す。ミリオンセラーになった『本当は恐ろしいグリム童話』をはじめ、『世界ボーイズラブ大全』『世界エロス大全』『美しくもしたたかな女たちの源氏物語』『やんごとなき姫君たちの秘め事』『魔性のダンサー ローラ・モンテス』など、著書多数。 -
王妃の帰還 新装版
『BUTTER』で世界中を魅了する著者が贈る 最高に愛おしいガールズ青春小説! 学園の王妃(プリンセス)はお城に 帰ることができるのか―― 滝沢さんを再び王妃に―― 少女たちの革命が始まった! 聖鏡女学園中等部に通うノリスケこと範子は2年B組の頂点に君臨する姫グループのトップ・滝沢さんを心の中で「王妃」と呼んでいた。 しかし、クラスで起きた腕時計事件で王妃は失脚。範子の地味グループに迎え入れたものの、我がままな彼女の振る舞いに気疲れするばかり。 穏やかな日常を取り戻すため、範子たちはある作戦を立てることにするが……。 誰だって、誰かの大事なプリンセスなのだ。 柚木麻子の物語に登場する人たちが、今すぐ、あなたの友達になる。 彼女たちはあなたの味方だ。だって、柚木麻子はずっと、 作品を通して女の子たちの背中を押してきた作家だからだ。 ―――瀧井朝世(ライター・解説より) カバーを一新した新装版登場! -
桜風堂ものがたり
百貨店内の書店、銀河堂書店に勤める物静かな青年、月原一整は、人づきあいが苦手なものの、埋もれていた名作を見つけ出して光を当てるケースが多く、店長から「宝探しの月原」と呼ばれ、信頼されていた。しかしある日、店内で起こった万引き事件が思わぬ顛末をたどり、その責任をとって一整は店を辞めざるを得なくなる。傷心を抱えて旅に出た一整は、以前よりネット上で親しくしていた、桜風堂という書店を営む老人を訪ねるために、桜野町を訪ねる。そこで思いがけない出会いが一整を待ち受けていた……。一整が見つけた「宝もの」のような一冊を巡り、彼の友人が、元同僚たちが、作家が、そして出版社営業が、一緒になってある奇跡を巻き起こす。『コンビニたそがれ堂』シリーズをはじめ、『花咲家の人々』『竜宮ホテル』『かなりや荘浪漫』など、数々のシリーズをヒットさせている著者による、「地方の書店」の奮闘を描く、感動の物語。 -
桜風堂夢ものがたり
「会いたかったひとに会える奇跡」があるなら、あなたは誰に会いたいですか? 小さな町の書店と、そこに関わる優しいひとびとの姿を描く、本屋大賞ノミネート『桜風堂ものがたり』シリーズ! 月原一整がいる桜風堂へ向かう道。それは「会いたい人に会える」、という奇跡の起こる道。今回も「温かい涙」が流れます! ●第一話「秋の怪談」桜風堂に月原一整がやってきたことで救われた少年・透。彼は友人たちと、町外れにある「幽霊屋敷」に冒険に出かけるのだが…… ●第二話「夏の迷子」一整のかつての上司、銀河堂書店の優しい店長・柳田。彼は桜風堂書店を訪ねた帰り道で迷子になる。不安に襲われた彼に語り掛けてきた声とは。 ●第三話「子狐の手紙」一整のかつての同僚、三神渚砂は桜風堂へ向かう途中、両親の離婚でもう何年も会っておらず、今は病床にいるはずの父と出会う。 ●第四話「灯台守」かつて家族と哀しい別れをして天涯孤独の一整。しかし、彼と暮らす猫は、ずっと一整のことを見守っている人物の気配に気づいていた。 -
逢魔ヶ時あやいと倶楽部
雪のように白い肌。黒檀のように黒い髪。血のように赤い唇。その美少女の名は、紫榊銘といった。彼女は、感情が高ぶると、無意識に妖怪を“召喚”してしまう体質であった。制御できない妖怪に狙われる銘。そんな彼女を守るため、『弁慶』と名乗る少年が付き従う。彼の正体は、“社人形”―少年の姿をした対妖怪用呪術戦闘機。銘の日常が、『非日常』に変わる―。これは、不思議な学園異能奇譚。 -
王稜五閣の花姫御殿
五国が交わる世界の中心には、神への舞を奉納するための巨大な演台、そして五国がそれぞれに建てた御殿がある。祭事を行い、世の安寧を司るのが祭神であり、各国の花姫候補から選ばれた祭神の伴侶が花姫だ。神気満ちる御殿の中では花の絵が実体化し供物として捧げられたという伝説より、絵心のある者が選ばれることが多く、舞の際にささげる花を育て、懐妊するまでを御殿で過ごす。懐妊後は祭神とともに国へ戻るが、祭神は国へ豊穣をもたらすため、各国は花姫を輩出すべく必死になる。だがどれも、貧乏な庶民の蘭花には関係のない話のはず――だった。しかし、ある出来事から絵の実力を買われた結果、花姫候補の姫君の側近として都で仕えることになる。さらには、病を罹った姫の身代わりまですることになってしまい・・・? 和製シンデレラロマンス! -
おえん殿始末 若さま侍捕物手帖
将軍家の寵妾おえんの方付の奥女中が、宿下り中、謎の矢に射られて死んだ。その背後に秘められた大事件!? ――「ここは柳橋米沢町、船宿喜仙の大川に沿った二階屋敷。齢のころなら三十四五……」一向に格式張らず、何の屈託もなさそうな至極のびのびと育った人柄の若さま。船宿の一人娘で今年19のおいと。二人の閑談をいつも邪魔して無粋さをおいとにうらまれる御用聞き、遠州屋小吉。……ご存じ、若さま侍捕物手帖『おえん殿始末』は、将軍家の寵妾・おえんの方という歌川の局付の奥女中が、宿下りして謎の矢に射られて死んだことから、大奥を舞台に豊臣家遺臣の謀叛事件が発覚する。その底深さに挑戦する若さまの鋭い推理と、優美な剣の冴えが、錦絵さながらに繰り広げられる巨篇。 -
おおあんごう
「僕のつま先を車で轢くという遊びをしていた父をモデルに書きました」 大好きな母、ふんわりしたおばあちゃん、無二の親友――。 守りたかった。離れないでいてほしかった。 これは、傷を抱えたぼくが「笑い」に出会い「夢」へと走り出す物語。 岡山県の小さな田舎街。小学生のぼくは、理不尽で自分勝手な父に振り回されてばかりだった。自分の心と大好きな母を守るため、勇気を出し父にある言葉をぶつける。純粋な願いを聞いた父は改心すると思っていたが……。苦しくて悔しいのにどこか笑える家族の日常を描いた、「かが屋」加賀翔の初小説! 「なぜか、涼やかな風が吹きとおった。 うつむくと胸もとに、 ビール缶みたいな穴がまんまるく空いていた」 いしいしんじ 「私もこの絶望を知っている。悔しくて恥ずかしくて、それでもまた期待してしまう。そして当然に裏切られる。 少年には憐れみも情けもいらなかった、笑いとなることだけが救いになった。 自然をかき分けて歩き続けた日々を、カエルのぬいぐるみと一緒に抱きしめたい」 吉澤嘉代子 「理不尽な父の言動に早く大人になるしかなかった少年が、生きる。 苦しくて、優しくて、悲しくて、笑えて。 岡山の鮮烈な言葉がざくざく刺さる、とてつもない小説です!」 東 直子 「読みだした時は、相方だからか照れ臭かったのですが、 気付いたらいつの間にか、悲しくなったり、思わず吹き出したり、ムカついたり。 皆、幸せになって欲しいです」 「かが屋」賀屋壮也 -
おゝい、雲!
健哉、三和子、十郎の3人の大きな子供たちを抱えてやもめ暮しの西條健吾は、秀れた才能を持つ建築家だが、純粋さの故に世に容れられない。子供たちは、ふとしたことから三島家の美しい2姉妹と知り合い、姉妹の母で未亡人の建築雑誌社社長・房子と父親との恋愛を嗅ぎつける。しかし、房子に横恋慕する評論家・江見は、スポーツランド設計に情熱を燃やす健吾を卑劣に中傷する……。それに対して、両家の子供たちは、その友人たちと協力して陰謀に立ち向い、親たちの婚約を実現させようと活躍する……。恋と夢にあふれたエネルギッシュな若者と理解ある親たちとの、明るいパンチのきいた長篇。 -
大江いずこは何処へ旅に
旅をとおして心の再生に出発! マルコ・ポーロにいざなわれ、京都、春日井、若狭、伊豆、尼崎へ。 今日はいずこへ明日はいずこへ。大江いずことマルコ・ポーロのぶらり珍道中。 別れた彼氏のことを引きずる大江いずこ。普段の仕事でも集中力を欠く日々が続く中、帰りがけに呼び止められた道端のアクセサリー売りから思いがけず安物のペンダントを買ってしまう。その夜、マルコ・ポーロを名乗る不思議な声が聞こえ……姿を現した自称マルコと、ドタバタとやりとりしながら、日本各地を旅するいずこ。行く先々で出会う人々と、旅ならではの出来事をとおして、次第に自分を取り戻していく。 大宮いお・装画 -
大江健三郎全小説全解説
新聞記者として長年大江健三郎を取材してきた著者による、わかりやすい大江健三郎入門書。『大江健三郎全小説』(全15巻)を通して書かれた解説を一冊にまとめる。大江健三郎全小説のあらすじから説き起こしつつ、個々の作品発表当時の文芸批評家による主要評論に言及、その作品がどのように受容されてきたかを論じる。またときに作家へのインタビューを引用しながら作品の意義を明らかにする。大江文学がどのように生まれ、どのように読まれ、さらにこれからどのような研究課題がありえるのかを総合的・俯瞰的に論じた大江評論の決定版。 目次 はじめに よろしい、僕は地獄に行こう! 惨憺たる青年たち 封印は解かれ、ここから新たに始まる 復元された父の肖像 神話としての「個人的な体験」 知と懐かしさの容れ物として ノーベル賞はいかにしてもたらされたか 果てしなく多義的な偽史をめざす アメリカの影が差す女性たち 予戒としての近未来SF 青年の夢想と酷たらしさ 世紀末に集中した「魂のこと」 再びの「カラマーゾフ万歳!」 永遠のモラリスト、伊丹十三 「晩年のスタイル」こそ苛烈に 大江健三郎年譜 『大江健三郎全小説』収録作リスト 文献一覧 索引 -
大江健三郎と「晩年の仕事」
1994年にノーベル文学賞を受賞した大江健三郎は、その受賞後に数々の傑作・問題作を書きつづけた、世界的に稀有な小説家だが、とくに2000年の『取り替え子』から東日本大震災を経て2013年に完成した『晩年様式集』へと至る「晩年の仕事」(レイト・ワーク)は、透徹した知性で時代を見据えた予言的で豊饒な作品群である。この、さまざまな文学的技巧やたくらみに満ちた難解な作品群を、ときにセルバンテス、フローベール、プルースト、ジョイス、エリオット、ナボコフ、渡辺一夫、埴谷雄高、大岡昇平らの作品や言葉に触発され、ときに大江の盟友サイードとの友情と文学に導かれながら繙いていく。大江健三郎の真の偉大さを明かす、力作評論。 -
大江戸火龍改
江戸の町で人外のものを狩り鎮める、謎めいた美しき男がいた――。 「江戸版陰陽師」ここに開幕! 江戸時代、凶悪犯を取り締まる火附盗賊改の裏組織が存在した。 専ら人外(にんがい)のものを狩り鎮めるその名は、火龍改。 満開の桜の下で茶会を催していた一行から悲鳴が上がった。 見れば大店のお女将の髪が逆立って、身体ごと持ち上がっていき、すっかり桜の花に隠れてしまった。 見上げる者たちの顔に点々と血が振りかかり、ぞぶ、ぞぶ、ごり、という音のあと、 どさり、と毛氈の上に女の首が落ちてきた――。 遊斎は、飴売りの土平、平賀源内らとともに、この怪奇な事件の謎を追う(「桜怪談」)。 短篇「遊斎の語」「手鬼眼童」「首無し幽霊」も併録。 -
大江戸弘メ帖 第一編 東錦絵
「東錦絵」に惚れた男、大倉屋松七郎の活躍。 江戸時代、幕府の樹立により、政治の中心は京都から江戸へと移行。しかし、それでもなお京都は文化の中心であるという人々の意識は強かった。そんな人々に、東錦絵に惚れた大倉屋松七郎は、江戸が育んだ文化を知らしめようと奮闘する。 主人公・松七郎のほか、繊細な表情の美人画で人気を博した鈴木春信や九代目市村羽左衛門など、実在した人物も登場。江戸中期の人々の暮らしや生き様が垣間見える長編歴史エンタメ小説。 深川の色/旗本の知恵/金色の朝/役者の見世/二丁町/客という教師/二代目瀬川菊之丞/菊之丞油見世/大倉屋喜七/江戸の変化/旗本の町/坐鋪八景/一番美しい物/菊酒/鈴木春信/大小絵暦交換会/大倉屋/田沼意次/家訓/京橋弓町大倉屋/おまつ様/京の美人/武士から商人に/江戸の町/輪王寺宮一品法親王/御隠殿の出会い/江戸の商人/田沼への報告/田沼一族/川上不白/江戸の町の才能/創意工夫/江戸千家/坐鋪八景/江戸の名物/東錦絵/高い売り物/御側御用人の仕事/江戸の名誉/日光社参/事態急変/体の変調/金竜山浅草寺/鱗形屋孫兵衛/王子稲荷の前の茶屋/江戸の温かみ 〈著者紹介〉 渋谷松雄(しぶや・まつお) 1946年、東京生まれ。芝中・高を卒業。早稲田大学商学部入学。広告管理論専攻。 広告会社に勤務。その後、広告会社を設立。 -
大奥
咲くのは恋か、裏切りか。フジテレビ系木曜10時ドラマ、5年ぶりに復活を遂げた『大奥』を完全ノベライズ! “愛”をテーマにした『大奥』史上、最も切なくて美しいラブストーリーがいまここに 東山天皇の皇子・閑院宮直仁親王の娘で皇室の血を引く公家の娘・五十宮倫子。 政略結婚の嫁ぎ先である徳川家治が、先代将軍の死をきっかけに第十代将軍となり、それに伴い、倫子も男子禁制の大奥に渡ることに。 さまざまな人間の思惑、嫉妬、憎悪、悲哀が渦巻く“女の社会の縮図”、大奥を舞台に、倫子は逃れられない運命に翻弄されることになる……。 -
大奥の陰陽師
時は徳川が統べる江戸時代。安倍晴明の血を引く雲雀は、町で噂の陰陽小町。物の記憶を覗ける妖狐の式神、葛忌ととともに、父の仕事を手伝い暮らしていた。そんな平穏な日々が、ある日急転する。 雲雀はその腕を買われ、将軍吉宗お抱えの陰陽師として大奥の隠密の命を賜ることに。 憧れの将軍に仕えることを喜ぶ雲雀。だが、大奥は伏魔殿とも揶揄される女の園。女達の愛憎渦巻く陣中、雲雀と葛忌は「大奥の陰陽師」として、伏魔殿に潜む怪異の正体を暴くため奮闘する。 -
大奥の御幽筆
亡霊が見えるせいで呪われた子だと家族から罵られてきた里沙。 自分の力を忌避し、生きる意味を見失いかけていた彼女を繋ぎ止めたのは、奥勤めをしている叔母・お豊からの一通の手紙だった。 『そなた、大奥へ来ぬか――』 そこは男子禁制で全てのお役目を女が勤め、皆いきいきと働いているという。 こんな私でも誰かの役に立てるのならばと、お豊の力添えで奥女中となる決意をする里沙だったが、そこでは、とある亡霊騒ぎが起きていて――。 霊視の力を持つ奥女中・里沙と記憶を失った侍の亡霊・佐之介が、 大奥に現れる亡霊たちの心残りを解き明かす、感動のお江戸小説。 -
狼様の運命の花嫁
番という形で結ばれたふたり、そこに愛がなかったはずなのに―― 異能を持つ家系に生まれた椿は貧しくも幸せな生活を送っていたが母の死後、父親の再婚によって生活が一変し、椿は義母から下働きのように雑用を押しつけられていた。しかしある日突然、神の末裔である真神家の次期当主から婚姻の申し出が…!? 神様には、生まれつき運命の花嫁となる『番』という特別な人間がいて、椿がその『運命の番』だという。番という形で結ばれた椿だったが次第に彼の力になりたいと思うように…。 【電子特典付き】 御守いちる先生書き下ろしショートストーリー『椿と薔薇の花』を収録! 序章 一章 二章 三章 四章 五章 終章 ■著者 御守いちる(みもり・いちる) 2016年『お前を、祝ってやろうか!?』で第5回講談社ラノベ文庫新人賞の佳作を受賞し、作家デビュー。2018年第1回小説家になろう×スターツ出版文庫大賞で『あやかし食堂の思い出料理帖』がほっこり人情部門を受賞。著書に『白龍神と月下後宮の生贄姫』(スターツ出版)、『鬼束くんと神様のケーキ』(アルファポリス)、『平安陰陽怪異譚』(マイナビ出版)などがある。 ■イラストレーター 白谷ゆう -
狼の吐息/愛憎一念 藤澤清造 負の小説集
蘇える木枯しの文士“どうで死ぬ身の一踊り”を実践し、自ら破滅へと向かった大正・昭和初期の私小説家。その生涯を賭した、不屈の「負」の結晶。藤澤清造生誕一三〇周年貧苦と怨嗟を戯作精神で彩った作品群から歿後弟子・西村賢太が精選し、校訂を施す。新発見原稿を併せ、不屈を貫いた私小説家の“負”の意地の真髄を照射する。芝公園で狂凍死するまでの、藤澤清造の創作活動は十年に及んだ。貧苦と怨嗟を戯作精神で彩ったその作品群から歿後弟子・西村賢太が十九篇を精選、校訂を施す。不遇作家の意地と矜恃のあわいの諦観を描く「狼の吐息」、内妻への暴力に至る過程が遣る瀬ない「愛憎一念」、新発見原稿「乳首を見る」、関東大震災直後の惨状のルポルタージュ等、不屈を貫いた私小説作家の“負”の真髄を照射する。西村賢太登場時すでにして古めかしいと評され、冷笑視されてもいたその文体だが、当然、小説が日記やレポートの類と違うのは、それが読者に読ませるものでなければならない点にある。その上では何んと云っても文体がモノを言ってくるわけだが、清造の場合、自らの古風、かつ独自の文体をより強固に支えるに戯作者の精神を持ってきた。そこが良くも悪くも、凡百の自然主義作品とは大きく異なるところである。「解説」より -
狼よ、はなやかに翔べ
超一流の流行作家だった藤原審爾が放った動物小説集だ。 読み応え十分の中編が4作品。 狼が主人公で傑作との評価される「狼よ、はなやかに翔べ」、サーカスの目玉だった黒豹を描いた「黒豹よ、魔神のごとく襲え」、熊の哀しみと人間の無慈悲な凶悪ぶりを対比が見事な「赤い人喰熊」、そして、飼い犬として可愛がられた犬たちが野生化し、野犬となり、人間たちの憎悪の対象となっていく様に迫った「山犬たちが吠える雪夜」。 評論家の中島河太郎は、文庫版の解説でこうつづっている。「著者の動物小説の特色は、主役となった動物の側から描かれて、その心情と行動を見事に捉えている。人間との係わりもあるにしても、かれらの視点から人間の信頼と不信、ないし不可解さを導きだしたたしかさに驚嘆させられる」と。 必読である。 -
大きな玉ねぎの下で
今夜、武道館で。切なく響く約束の物語。 80年代。小田原の高校で放送部に所属する虎太郎は、部長の大樹がFM雑誌の文通コーナーに気まぐれで募集をかけた高校生・今日子との文通の代筆を頼まれる。お互いの写真交換をしてテンションのあがる大樹に、書道二段の虎太郎は断れなかった。まわりで話せない好きなハードロックの話でしだいに盛り上がるふたり。やがて、虎太郎は今日子に好意を抱くようになっていた。 現代。都内の美大に通う美優は、卒論制作に気持ちを傾けることが難しくなっていた。まわりのレベルの高さと自分を比べてしまい、心の支えになっていたはずの恋人の彰も社会人になり、距離を感じる日々が続いていたのだ。そんな美優は、あるラジオ番組に耳を傾け続けていた。 映画『大きな玉ねぎの下で』ストーリー原案者が贈る、もうひとつの約束の物語。 (底本 2024年8月発売作品) -
おおぎりぼっち 大喜利百題百答
芥川賞作家でお笑い芸人の「ピース・又吉直樹」も推薦、「赤嶺総理は、面白い言葉を生み続けている。日常を掘り下げ、世界を拡張し、純性の愚かさで笑わせる。大喜利界、異端の旗手だと思う。 」ーーー。大喜利最強芸人の頭の中が丸分かり。「こんな学校はイヤだ」をテーマに赤嶺総理自身がお題をアレンジ。「こんな〝少年漫画みたいな〟学校はイヤだ」のような自作アレンジお題が100題ズラリと並ぶ、。そのお題にストイックに打ち返していく姿は、まさに大喜利100本ノック。R藤本、ザ・ギース高佐との共作のお題・回答も収録。読むだけで少し大喜利が得意になった気になれる至極の一冊。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 -
大阪のお母さん
朝ドラ「おちょやん」主人公のモデル 貧しい家庭で育った南口キクノは5歳で母親を亡くし、父親は見知らぬ女と蒸発。過酷な丁稚奉公時代を経て、19歳になると知人に誘われ役者の道へ。やがて浪花千栄子として女優になり人気役者と結ばれるが、裏切られ離婚。苦悩の末に自殺を考える。しかし、それでも負けなかった浪花千栄子は、人々から“大阪のお母さん”として愛され続けるのだった。その波乱万丈の生涯を辿る。 宮本輝氏 絶賛! 「浪花千栄子は勝利者や成功者などではなく、最後まで負けなかった女性なのだと思う。ゆえに彼女は、舞台で人々を魅了し、人生を輝かせていくことが出来たのだろう」 -
大阪の風
しがないサラリーマンの大川清吉と朝子夫妻、その子どもたちの久子、一郎、次郎3人の成長の物語。清吉が東京支店に左遷させられた後、子どもたちは大人たちの生き方を見て、それぞれの形で自立していく。久子は台湾人との結婚を宣言、清吉と朝子は衝撃を受けるが、一郎と次郎は受け入れる……。長門裕之、南田洋子、浅丘ルリ子らが演じてで映画化された家族物語。 -
大関 和 看護に人生を捧げた日本のナイチンゲール
今は病院に看護師がいるのは当たり前だが、江戸から明治に変わった当時の日本では違った。感染症などの知見もまだ少なく、「看病人」と呼ばれ、看護の知識もない素人が行うことが多かった。 そんな時代に、日本の看護を根づかせるために、いち早く学んだ人物が大関和だった。 生まれ故郷の黒羽を離れて上京し、東京から新潟、そしてまた東京へ。場所は違っても看護の仕事に従事し、「私が助けなければ誰が助けるのか」という情熱をもって仕事に取り組んだ。 そして、当初は見下されていた立場であったが、彼女らの長年の看護実績が実を結び、「当たり前の存在」として変わっていった。 本書は、そんな大関和の激動の人生を追う一冊。 -
大空への旅立ち がんと闘いながらも夢見ていた未来
2013年「24時間テレビ」ドラマスペシャル「今日の日はさようなら」原作本。 悪性リンパ腫のため27歳1ヶ月で亡くなった息子の闘病の様子を、息子本人の日記と母親の日記を中心に描いた記録。 死を目前にした息子が家族に残した「ラスト・レター」には情愛が溢れ、涙なしには読めない。 (本書は2013/5/23に文芸社より刊行された書籍を電子化したものです) 目次 はじめに 第一章 昌彦二十七年の記録 第二章 闘病の記録 第三章 移植 第四章 再発そして別れ 第五章 ラスト・レター
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