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王朝の夜は、一寸先も見えない漆黒の闇だった。その闇の中を、鬼は、御所の内に、橋のたもとに、北山に、時に天空を翔り、彼岸・此岸をも自在に往来し、わが物顔に徘徊した――。若く美しい人間の女房をもてあました、中年のユーモラスな鬼、当代随一の歌よみに挑んだ芸術鬼など、さまざまな鬼の姿を軽妙洒脱な語り口で描く、鬼ものがたり六話。
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Posted by ブクログ
鬼にまつわる話の数々で、読みやすく、面白い本。 禁断萌えなワタクシとしては、表題になった話が好き。『小野篁』の若き頃の悲恋。 しかし、この本は手に入り辛いか・・・
田辺聖子の百人一首という本の中に同書の名前が出てきて気になったので読んでみた。小説かなと思って買ったけど小説ではない、、解説本みたいな感じ。 古典作品中の鬼にまつわる話。今昔物語からの引用が多い。 鬼に纏わり付かれる人の話や芸術に通じてる鬼、恋焦がれて鬼になる人…恐ろしさもあるが、それぞれ人間味も...続きを読むある。 昔(平安時代や鎌倉時代など)はあやかしや鬼がいると当たり前に信じられてきて、現代ではなかなか鬼がいる、とは信じられていない。 だが本当は、鬼というものは人間の心に潜むものであって、誰しも鬼になり得るし、現代でも自分でも起こり得るのだなと感じました。(シャーマンキングという漫画で、アンナが鬼を生み出していたのを思い出した) 「水に溶ける鬼」という小野篁の話が一番好き。 亡くなって幽霊になった妹をいつまでも愛し続ける篁…素敵でした。
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