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  • 悪の紋章
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    小菅刑務所の門を2年ぶりで出て来た稲村清一は、やさしく頬をなでるシャバの風に逆らうように、ペッと唾を吐いた。「悪徳警官」のレッテルを貼られ、麻薬運搬の罪に服した彼は、完全に無実だった。彼は復讐の鬼になっていた。自分を裏切った妻との憎悪の再会、「共犯者」だった男の突然の死、謎の乗用車の追及などが、すこしずつ真相を語りそうになりながら、しかし、事件の背景は複雑にひろがり、政界・財界の大立物の身辺につながって行く。名作『私は貝になりたい』の作者が、新風の文体で現代の悪の姿を描いた本格的な長篇推理小説である。
  • 山本昌邦備忘録
    3.6
    「日本のために残しておきたい」。2002年ワールドカップの「トルシエ・ジャパン」のコーチとして、トルシエの采配、毀誉褒貶(きよほうへん)、朝令暮改ぶり、そして選手・スタッフたちの言動を冷静に分析した貴重な提言。なぜ、どうしての試合の謎がいま明かされる。アテネ五輪サッカー日本代表監督としての手腕が評価された著者の2006年W杯をも目指す革新の書!
  • おはぐろとんぼ 江戸人情堀物語
    4.3
    父の跡を継ぎ、料理茶屋で料理人を務めるおせん。親方の板前とたびたび衝突しては、稲荷堀の水を眺めて心を静めていたが……。江戸下町の堀を舞台に、市井に生きる人々の人情を鮮やかに描いた感動の傑作短編6編を収録。
  • 設楽不動産営業日誌 お客様のご要望は
    3.5
    小学3年生の時に誘拐された経験をもつ設楽真輝。祖母が経営する町の小さな不動産屋で働く彼は、物件にまつわる不可思議な事柄を解決するうち、かつての誘拐事件に繋がる糸を見つけてしまい……。過去と現在が絡み合う、日常謎解きミステリー。
  • カザアナ
    3.8
    1巻880円 (税込)
    監視ドローン飛び交う息苦しい社会で、元気に生きる母・姉・弟の入谷ファミリー。一家は不思議な力を持つ“カザアナ”と出会い、人々を笑顔にする小さな奇跡を起こしていく。読めば心のびやか、興奮とサプライズに満ちた著者待望の長編エンターテインメント!
  • 燃えよ、あんず
    4.0
    1巻1,034円 (税込)
    ある本屋に集うぽんこつたちの人生の喜悲劇。 下北沢にある小さな書店・フィクショネスには、なかなかにぽんこつな面々が集っていた。本を愛しすぎているあまり、商売にはうまく結びつかない店主、物静かだけど筋金入りの「ロリータ」愛読者、大麻合法を真面目に主張する自由人、大手企業で管理職に就く何を考えているかわからない美形男性、そして、決して本を買わずにひたすら店で油を売り続ける、どこか憎めない女子・久美ちゃん。そんな彼女には、しかし、新婚間もなく不幸が訪れる。 それから十数年が経過したある日、久美ちゃんがお店にふらりとあらわれた。同じく懐かしい顔の男を伴って。 ※この作品は単行本版『燃えよ、あんず』として配信されていた作品の文庫本版です。
  • あってるつもりで間違ってる漢字 ――新聞・雑誌の不覚2500
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 連体感、鳥観図、鶏口蛇尾……。天下の新聞・雑誌に堂々と使われている間違いがわかったら、あなたの知力も一流。起こりやすい間違いをパターン別に分析することで、正しい漢字の使い方、書き方がおのずと身についてくる。『読めそうで読めない漢字2000』の「読め漢」博士による、おなじみの豊富な実例と正しい解説で、間違いやすい漢字が一目瞭然。本文オール2色、書き下ろし。巻末には「知力だめし」の実例問題集をつけた。
  • 生命式
    4.2
    夫も食べてもらえると喜ぶと思うんで――死んだ人間を食べる新たな葬式を描く表題作のほか、村田沙耶香自身がセレクトした、脳そのものを揺さぶる12篇。文学史上、最も危険な短編集!
  • ある殺人鬼の独白
    完結
    3.6
    全1巻616円 (税込)
    累計50万部突破!「最後の医者」シリーズの著者、怒涛の4ヶ月連続刊行第3弾!  なぜ殺し、そこに何を思うのか。 これは殺人鬼の記録を集めた残酷で残忍な真実の1冊だ。 【あらすじ】 理想の女性を求めて撲殺を繰り返すホスト。ランナーズハイ殺人鬼OL。子どもの犠牲を正当化する母親。地球を守るために法を犯す女。愛する”肉”を監禁する肉屋。美しいものを”裏返し”続けるテレビマンなど……。それぞれが日本中を震撼させた事件の真実を告白していく。なぜ殺し、そこに何を思うのか? その猟奇的な殺害手段とは? 予測不能の狂気にあなたは必ず戦慄する! 普通の人よりも人間らしい――これは殺人者の記録を集めた一冊。【文庫書き下ろし】 著者について ●二宮敦人 1985年東京都生まれ。一橋大学経済学部卒業。代表作『最後の医者は桜を見上げて君を想う』等、フィクションとノンフィクションの垣根を越えて活躍。著書に『18禁日記』『最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常』『紳士と淑女のコロシアム「競技ダンス」へようこそ』等がある。
  • 世の中に悪い人はいない
    3.0
    「あなたを傷つけた人は、本当に悪い人だった?」 BTS(防弾少年団)J-HOPE氏が、ライブ配信で「今読んでいる本」と紹介して一躍話題に。 疲れた心を解きほぐす、40編の小さなエピソードをまとめた短編集がついに邦訳! 人生で誰にでもある、思うようにいかなかった「あのとき」のこと。 そんな思い出にも寄り添ってくれるような、 ちょっと不思議で、ときどきクスッと笑える、あたたかい一冊です。 <収録予定内容> 1章 世の中に悪い人はいない 2章 願いを聞いてあげる家 3章 猫の傷
  • 女王ジェーン・グレイは九度死ぬ~時戻りを繰り返す少女と騎士の物語~
    3.8
    女王は愛のために生き、騎士は愛のために死ぬ 悲劇の十字架を背負った少女は、生と死の果てに運命の人と巡り会い… 九日間女王、ジェーン・グレイ。十六歳にして断頭台の露と消えた──が、目覚めると九歳の自分に戻っていた。混乱した無力な少女はなす術もなく死に向かい…再び、九歳のジェーンとして目覚めた。繰り返す人生の中、陰謀や裏切りに何度も力尽きながらも生きようと足掻くジェーン。そんな彼女を助けるかのごとく、毎回違った役割で現れる騎士ハロルド。いつしかジェーンはハロルドを心の支えに、運命に立ち向かう。 ふすい・装画
  • 公爵に囚われた一週間
    -
    「勝ったら、きみの一週間をいただこう」 公爵が挑んだ賭けをソフィーは受けて立つが… RITA賞、ダフネ・デュ・モーリア賞に輝く作家のリージェンシーロマンス 12歳で両親を失ったソフィーは、祖父の子爵に寄宿学校へ入れられ、18歳になると援助も打ち切られ自立生活を余儀なくされる。わずかな貯えだけでロンドンへやってきたソフィーは、上流階級が集う社交クラブに身分を偽って出入りし、数学が得意で幼いころに父から教わったカードゲームで貯金を着実に増やしていた。そんな折、弟のギャンブル狂いをやめさせるためクラブへ来た堅物と評判のウェア公爵は、弟とゲーム中のソフィーに賭けを挑むことに…RITA賞作家のヒストリカルロマンス 原題:My Once and Future Duke
  • 小説 牡丹灯籠
    4.3
    1巻1,430円 (税込)
    貴方がまたいらしてくださらなければ、私はきっと、死んでしまいますよ 怪談と仇討ちの物語を捕物帖として再構築するシリーズ第2弾! 浪人の荻原新三郎は、旗本飯島平左衛門の娘、お露と知り合って惹かれあうが、会えない日々が続き、ついには、お露は恋焦がれ死に、女中のお米も亡くなってしまった。それから夜ごと、新三郎のもとに通ってくるお米とお露の幽霊。経と如来像、札を授けられた新三郎はお露から身を守れたかのように見えたが、下働きの伴蔵の手引きにより、新三郎はお露に取り殺されてしまう。しかし、そこには複雑な因縁と企てがあったのだ―― こいつらの誰からもつきまとわれたくない/柳家喬太郎 第1弾の「真景累ヶ淵」に続く三遊亭円朝の代表的作品でもある「牡丹灯籠」を近代文学研究家で作家の大橋崇行が小説化。「お岩の四谷怪談」「お菊の皿屋敷」「お露の牡丹灯籠」と三大怪談の一つに数えられる本作であるが、実は怪談として語られているのは、前半の一部を切り抜いたもの。本来の姿は愛憎と、主君の仇討ちにいたる複雑に入り組む物語である。本書では「牡丹灯籠」全体を余すことなく小説化している。実力派落語家の柳家喬太郎が監修をする。 松浦シオリ・装画
  • 小説 真景累ヶ淵
    3.3
    執念いヤツらめ 一人の人間が堕ちてゆく 死出の旅 圓朝の大作を濃厚に煮つめ、小説へと昇華した作品である/古今亭菊之丞 ――この後女房を持てば 七人まではきっととり殺すからそう思え。 父を旗本に殺されたまま解決もできず、妹も奉公先で惨殺されてしまったお志賀。それから十七年、音曲の師匠豊志賀として生きてきた。稽古はにぎわっていたが、子ほども歳の離れた新吉と男女の仲になり、あまりの入れ揚げぶりに弟子たちも次第に離れていってしまう。そんな中でも通い続けていたお久に嫉妬したためか、顔に腫物ができてしまう。悪化する腫物とともに憎悪ももつのらせ、ついには呪詛の言葉を遺して死んでしまう。新吉は恐れおののきながらお久と下総に駆け落ちをするのだが―― 松浦シオリ・装画 名作落語にあらたな命を吹き込む、シリーズ第一弾! 古典落語の大名跡・三遊亭圓朝が創作した代表的作品のひとつ『真景累ヶ淵』を、時代小説の名手奥山景布子が小説化。人間の業の深さ、血縁と因縁が複雑に絡み合った愛憎劇を、時代小説として再編。人物関係図、解題を付す。本作には古今亭菊之丞が監修を行う。
  • ジミー
    -
    1巻1,650円 (税込)
    君がいてくれたから、始まれる。 出版前からnoteで話題になった小説の単行本化。 行き詰ってる女子、イケテナイ男子の・・・・ただのラブストーリーではない物語。 「とんでもない才能と出会ってしまった」と評したオールナイトニッポン最後のパーソナリティ平野友康が、この作品のために紹介動画を制作、楽曲はmonq design(オオムラシノ)が提供したファンサイトまで出現している。 【著者】 青海エイミー 2011年、マレーシアに移住し、クンダリーニヨガを教える。2021年、コロナ禍中に、初めて小説執筆に着手し、この小説を書き上げた。
  • 八王子怪談 逢魔ヶ刻編
    5.0
    霊気みなぎる高尾山や東京屈指の心霊スポット・八王子城跡――東京のベッドタウン・八王子には豊かな自然と歴史、そして怪談好きを唸らせる数々の心霊スポットがある。地元出身の作家・川奈まり子が、緻密な取材をもとに八王子ならではの怪異に迫る第二弾! 幼少時代に住んでいた数寄屋造りの家には人ならぬモノも棲んでいた「祖父の家」、戦国時代の惨劇の怨恨は今なお訪れる者へ何を伝えたいのか…「八王子城奇談」、著者が再会した地元の知り合いから聞いた奇妙な話の数々「御陵の東」、謂れのある場所に建つ家を買った叔父の顛末「さげ坂の家」――など37話収録。
  • 弔い怪談 呪言歌
    5.0
    「呪われた者が、黙らされる」 苛めの主犯格が授業中、突然歌い出す。 恍惚とする教師。 その後、恐怖の事態が… ――「怒りの日」より 魂が吐き出す怨念はあの世から霊を呼ぶ。 ぞわりと粟立つ情念の怪奇実話! 体験者の内奥に肉薄し、繊細に聞き取りを重ねて綴った著者渾身の実話怪談。 ●クリスマスの朝、友達が欲しいと願う少女の前に現れた自分だけに見える友達。 だが、その姿はヤクザのような風貌で…「叫び」 ●急な腹痛に駆け込んだ駅高架下の古い和式便所。 ガタガタという振動がやけにするのだが…「工事」 ●実家の父から届いた従兄の訃報。精神を病んだ母から逃れるように家を出て十年、 久しぶりの帰郷で彼を待っていた恐ろしすぎる真実とは…「うつつ」 ●幼い頃に父を亡くし、母一人子一人で育った少女は中学で壮絶な苛めを受ける。 怒りに震える母は亡き夫の写真に念を込め…「怒りの日」 他、収録。
  • 村怪談 現代実話異録
    5.0
    「ここいらは、しびとの集落だ」 赤錆びた道路標識の先の廃村。 片目の老婆の語る恐ろしい話とは… ――「四人集落」より 神隠しの山 初子と生贄 土葬の秘儀 カミサマと呪い屋 隠された禁忌の風習、村と集落の怖い話25! 日本の中の異界、村。独自の文化を持ち、様々な掟と共に生きる閉鎖社会の恐怖譚を聞き集めた現代の実話怪奇録。 ●山梨の山中で迷い込んだ廃村。脱出するにはある問答に答える必要が…「四人集落」 ●土葬の風習が残る村。棺に蓋をせずに故人と一夜過ごすと死者と話せるというが…「言うことなし」 ●小倉南区にかつてあった集落では正月に餅を食べてはならない。禁を破ると…「カプグラ」 ●初子が誕生したら家の年長者を山の縦穴に放り込んできた青森の村。山神への生贄だと言うが真実は…「山神穴」 ●四国のとある村。真新しい公民館が建つ土地には禍々しき因縁が…「生焼け」 他、日本の闇に迫る最恐25話。
  • 忌神怪談 占い師の怖い話
    -
    生年月日から導く命式で霊感の有無まで分かるという占術、算命学。その占者が遭遇した偶然とは思えない戦慄現象、宿命の怪を綴った異色の実話怪談集! 子を授かりたい一心で土地の無縁仏に縋った女性が体験した恐怖。生まれた娘と自身の命式にはある絆が…「二階の窓」、昭和20年、枕崎台風で土砂災害に見舞われた女性。彼女のその日の運勢には恐ろしい暗示が…「忌神の降る夜」、怨霊に祟られた一族。次々と禍に見舞われる分家、対する本家が無傷な理由とは…「呪われた一族」、家をつぶすことが自分の使命だと語る女性。異常干支だらけの家系の根深い因果とは…「白い着物」――他、全25話収録!
  • 北縁怪談 札幌魔界編
    4.0
    札幌在住。YouTubeやイベントで躍進中のプロ怪談師・匠平が地元を中心に縁深い人たちの怪異譚を聞き集めた実話怪談集。 札幌市中央区にあるスタジオにはなんだか気味の悪い部屋があり、ある日…「知り合いのスタジオにて」、白石区の家で鏡の中に肩越しに見えた見知らぬ女の姿の正体「それ怖くないやつ」、西区にある現場で見た異様な光景「事故物件の解体」、霊障に悩んでいた後輩を連れて霊媒師に会いにいった著者。そこで見たものは…「過保護」、仏壇や神棚を他所へ移して実家を取り壊したら、みるみる長男が体調を崩し…「体調不良の原因」――など怒涛の31編!
  • 54字の物語0
    無料あり
    4.1
    あなたはこの物語の意味、わかりますか――? この無料試し読み版では、『54字の物語』『54字の物語 怪』『54字の物語 参』『54字の物語 史』『54字の物語 ZOO』『54字の百物語』『旅する54字の物語』から15話を収録。さらに、誰でも「54字の物語」がつくれるようになるワークシートを巻末に掲載。ぜひ世界一短い(かもしれない)短編小説を読んで、作って、お楽しみください!

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  • はじまりのシュークリーム
    -
    瀬棚医師を助けるためにドクターヘリに乗り込む拓人。病院先で、父の声だけでなく母の声までよみがえる。──悪いんだけど、拓人が瀬棚くんを支えてあげてくれる? 拓人の血液と瀬棚医師の適合性。夕凪ファイルの開封。そして成人の18歳の誕生日を迎えた拓人は柚子に。 青春ラブ×サスペンスの第9話。
  • 彼方の水音
    値引きあり
    -
    真昼のしらじらとした明るさの中にこそ闇を見つめる孤高な眼。平穏な日常の中にこそ死の気配を嗅ぎとる存在の痛み。狂暴な破壊への意志を内に秘め生きる女の虚無……。鋭利な感覚で人間存在の毒と、清冽な〈彼方〉への憧れを描き、特異な文学空間を創り上げた著者の処女作品集。「相似形」「囚われ」「渺芒」など5篇を収録。
  • 白い橋(1)
    値引きあり
    -
    26歳にもなってまだ恋愛の経験のない葉山和子は、風のように近づいて来た舞台装置家・内山軍平に軽い興奮を覚えた。軍平は翌日、まえぶれもなく葉山家を訪れて、和子の母親トミ子を驚かした……。上下2巻の前篇。
  • ある復讐
    値引きあり
    -
    佐伯隆二は、今も7年前のあの日の憤懣と屈辱が忘れられない。一流大学を卒業した彼が、大東映画の採用試験に落ちた日のことだ。合格、と信じていたのに、身上調査でふり落されるとは。 己の才能が信じられなくなり、いつかエリートコースを踏みはずし、妻に養われる怠惰な男になってしまったのも、すべては屈辱の思いに耐えられなかったからだ。その佐伯が新聞広告につられて応募した興信所に勤めた時、初めて知る身上調査の実態――それは巨大な社会組織の翳りのような虚偽の世界ではないか――に佐伯は唸った。俺は嘘のために一生を失った!「ある復讐」他5編を収録。
  • 欲を出し過ぎた男
    -
    1巻330円 (税込)
    政治家の妻である奥田理恵子は、次期総理にもと目される夫と四人の子とともに何ひとつ不自由のない豊かで幸せな生活を送っていた。 しかし理恵子には、誰にも言えない過去があった。 幼い理恵子は、近所の男から、担任の教師から、性の玩具にされていたのだ。脅されて怯え、口を閉ざしつづけていた理恵子のもとに、やがて妹の八重子の死という悲劇が訪れる。 その後、成長した理恵子は過去の何もかもを忘れようと努力する。今、現実に生きている自分は、このまま生きてゆくしかない。 しかし、故郷も捨てて懸命に生きて得た幸福に、再びその悪夢が現実となって襲い掛かってきたとき……
  • 慟哭
    -
    1巻330円 (税込)
    高司浩二郎はたった一人で生きてきた。 その技術も地位も金も、全ては自分の為にしかならない。 だが、ある時であった千鶴という一回り離れた妹のような女性に出会い、それは変わっていく。 浩二郎の価値観も何もかもが変わっていく。 それは決して怖いことではなく、彼はただ幸福を感じていた。 だが、その幸福のためには犠牲にしなければいけないものもあり……。 彼が手に入れるものと失うものとは……。
  • 寝業師
    値引きあり
    -
    二流商社の平社員・村中陽吉は、会社の将来に対して痛烈なレポートを書いたがために、単身ニューヨークへ飛ぶ破目になった。支店を開設しろ、というのである。英語もろくにできない村中はセントラル・パークで途方にくれた。英語の勉強でも、と思って大衆小説をひろげていると、思いがけず隣りにすわった白人女性が声をかけた。50がらみのその女性は「うちへいらっしゃい、本が沢山あるわ」と誘った。村中はその誘いに応じたのだが、縁は異なもの、そこから彼は大変な見つけものをする。快人物の一代を描く標題作のほか4篇を集めた、さわやかな作品集。
  • パラッと読める超短編小説集
    -
    1巻605円 (税込)
    四季折々に繰り広げられる多彩な人生の形を巧緻な文章で映し出す超短編小説集。中味が濃く、甘やかな切なさと後味の良さが残る何度読んでも新鮮で飽きることが無い。
  • あおぞら町 春子さんの冒険と推理
    3.5
    都会の喧騒を離れた埼玉県青空市。プロ野球選手の夫をもつ春子さんは、つつましくも幸福に暮らしていた。 そんな平和な日々に事件が!? 白いパンジーを捨てた男性の秘密とは? 球場に来る風変わりな女性の正体は? 「まきゅう」が表す本当の意味は? 鮮やかな謎解きと春子さんの人柄に癒される連作ミステリー。 〈解説〉吉田伸子
  • 歪んだ栄光
    -
    T省の屋上から墜落する人影を「私」は窓ごしに見たのだ。前庭の花壇を鮮血にそめて惨死したのは「私」の上司・小田課長補佐だった。新聞は「自殺」の原因に汚職の翳があるという……。その3日後、こんどは若い雇員の本石幸一郎が走る列車から転落した。報せをうけて豊橋に急行した「私」を見て、本石は「殺しに来たな!」とわめく。その両眼は空虚に鈍く光っていた。《この2つの事故が、どう関連しているのか?》。「私」は戦慄すべき真実に直面した。それは官僚機構にひそむ抑圧された青春の狂気である。表題作他5篇を収録。
  • 冷酷な報酬
    -
    名神高速道路の闇の中に死んだ雨宮義人。彼の自動車は、〈梶原トンネル〉の壁面に激突しての即死だった。太陽産業の気鋭の研究者として、カラーテレビ開発の第一線に立っていた雨宮の死には、不可解な謎が感じられた。 社名をうけて、この事故死に取組んだ野田誠司が、苦心の末に探りあてた死の真相は、激甚な産業の恥部を覗きみるような策謀と非情の世界だった。研究グループごと、ごっそりと競争会社のスカウトの手がのびていたのである。拒否した雨宮を襲った非業の死。――梶山文学の独壇場ともいうべき産業スパイ小説「冷酷な報酬」他5篇を収録。
  • 涙は拭かずに
    -
    商店街のPR誌の編集者・相良道子は、雑誌のスポンサーである服部から、ブーツをプレゼントされた。はいてみせてくれ、という服部の注文に応じた道子は不自然な体勢のところを襲われ、あやうく犯されそうになる。道子はかねて編集長の伊賀に好意をよせていた。伊賀も同様らしい。しかし人生は皮肉だ。道子は姉の夫・前田英一に強姦同然で処女を奪われてしまう。ショックは道子を一時的に自暴自棄に追いこむ。さまよう彼女の明日は? 処女喪失が女性をどう変貌させるか、をテーマに描くロマン大作。
  • 霧の中の少女
    -
    夏休みに旅行中の学友・英吉が、由子の故郷に突然訪ねてきた――。東北の田舎町の風土が滲み出た両親や兄弟の歓迎ぶりに由子は幸せいっぱい……。若者の「性」を霧の中に包んでみせた表題作ほか「危険な年齢」「冬山の幻想」など全6編の短編集。
  • 叛乱
    -
    2・26事件――昭和11年2月26日未明、霏々とふる雪を軍靴で踏みしめて、昭和維新の名のもとに特権階級打倒をめざす陸軍青年将校が、1400余の兵をひきいて蹶起した。この「叛乱」は、陸軍における統制派と皇道派の派閥争いが、ついに軍の指導権争いとなって、皇道派・相沢中佐の永田軍務局長斬殺事件に発展し、やがてこの雪の朝の悲劇を迎えるに至る。その経緯と事件の過程を、世評高い「昭和軍閥」の作者が、その抱懐する歴史的社会小説の立場から資料を駆使して、政治の腐敗、軍部の政治関与、青年将校の苦衷とその誤算を鮮烈に描く。直木賞受賞作品。
  • 男の階段
    -
    秋晴れの鬼怒川渓谷に、堅田邦子の死体は浮いていた。乳房にはバラの花弁のようなキス・マークがついている。邦子には年下の恋人・所道雄があった。が、彼はその前日にゴルフ場で彼女と別れたばかりだという。確かなアリバイもあった。邦子の弟・浩一は葬式の夜、姉の日記をひらいて、彼女の心の奥にかくされた恋人の不信の事実を知る――証券会社のエリートコースを望む所道雄は、常務の娘との縁談を進めていたのだ――。年上の恋人を無情に捨て去って、出世の階段をのぼろうと焦る男の姿こそは、現代サラリーマンの心奥にひそむ妄執の汚点だ。「男の階段」他3篇。
  • 真説シャーロック・ホームズ
    -
    19世紀末に活躍した名探偵ホームズは、今日なお愛され、語られるヒーローだ。本書は彼の眼に映ったロンドンの生活と風俗を、当時の写真で再現し、その人柄を描き尽した評伝を収録する。ホームズは今、不安と倦怠に満ちた時代背景を伴って、私たちの前に初めて真実の姿を現わしたのだ。
  • 若い川の流れ
    -
    川崎専務から頼まれて専務邸に大きな包みを届けた健助は、その娘・ふさ子に出会った。専務にユーモアのある見合いをさせられたことに気づいた二人は、お互いに好意をもつが前後多難――痛快明朗編。映画化、テレビドラマ化もされた。
  • 私の靴物語
    -
    靴ってこんなにオシャレで楽しさいっぱい! 気楽にはけるズック靴、裸足のようなサンダル、カジュアルなワークブーツ、マニッシュなタウンシューズ、エレガントなヒールパンプス――そのどれもがシンプルで楽しく、人と大地をしっかり結びつけるものであってほしい……。人気ブランド〈KISSA〉を作りあげた人気シューズデザイナーが、靴にかけた自らのおしゃれな生き方をさわやかに綴る自伝エッセイ。
  • 寒い朝
    -
    三輪家には女っ気がなく、岩淵家には男っ気がない。どちらも片親という家庭環境の下に育った高校の同級生、茂夫ととみ子。「家同士で交際したら」というとみ子の提案で家族ぐるみのつきあいが始まったが、娘心は微妙に揺れ動く――。刊行後、ぼどなく映画化、テレビドラマ化もされた。
  • 愛情・少女
    -
    東北的なユーモア、生活にじかにつながっているエロチシズム、鈍重のようでスマートな人生観などを、淡々とさり気なく描きながら、愛情というものの歓びや虚しさをあたたかい心で語る秀作6編の短編集。
  • 釧路ぬさまい橋殺人事件
    -
    1巻671円 (税込)
    釧路の水産会社で成功をおさめた社長が殺された。莫大な遺産はひとり娘の穂奈美に渡ることから、結婚前提の交際をしていた恋人が最重要容疑者となる。恋人にアリバイはなく、黙秘をつづけるため、ますます容疑は深まっていく。 穂奈美だけは恋人の無実を信じていた。しかし手立てがわからない。困り果てていた穂奈美は、知人からの薦めにしたがい、警察庁広域捜査官の宮之原警部に捜査を託した。 北の大地で宮之原警部が走り、推理を巡らす。読み応え十分の冴えたトラベルミステリー!
  • 女王の番犬
    4.0
    中央オリヴィア王国の前女王暗殺の大罪人・ヴァイスは、処刑執行の直前にエリザベス二世に命を拾われ「女王の番犬」として、ブラッドフォードという名を与えられた。 それから五年後、戦乱が続いていた中央・東端・西部の三国はついに停戦条約を結ぶことになった。 しかし会談の日が迫ったある日、オリヴィア王国の君主の証である『エリザベスの鏡』が何者かに盗まれる。 ブラッドフォードは停戦条約締結の日までにエリザベスの鏡を取り戻すことができるのか――?
  • 日章旗とマラソン ベルリン・オリンピックの孫基禎
    -
    日本唯一の五輪マラソンの優勝者・孫基禎(ソンギジョン)選手の栄光と苦難――。日本の植民地に生まれ、日の丸を胸に走らされる屈辱。胸に秘めた被抑圧民族朝鮮人としての強い誇りと祖国愛。ベルリン大会で起こった「日章旗抹消事件」の衝撃。日本唯一の五輪マラソン金メダリスト、孫基禎の栄光と苦難の半生を記録し、日本と朝鮮の歪んだ現代史を検証する。初の本格的長編ドキュメント。
  • フェティッシュ
    -
    触れられると仮死状態に陥るという特異体質をもつ美少年・クルミ。 葬儀巡りをする老人、潔癖症の看護師、息子を亡くした母親 etc. さまざまな事情を抱えた者たちがクルミに魅了され、その体に触れた結果、無残な姿で死に果ててしまう。 連続殺人犯の目的は……?妖しくも美しいサスペンス・ミステリー。 〈解説〉東えりか
  • 人工知能
    3.5
    これはまるで、予言の書――。自動運転技術をめぐる来たるべき近未来の事件に、AI世代の青年が挑む! 中学生の頃から悪さばかりしてきた、新谷凱。彼が、唯一興味を持てたもの――それは「人工知能」の世界だった。携帯電話会社でのアルバイトや電気機器メーカーでの企画開発などを経て、AIに携わる仕事に就いた凱。その企業で彼は、ある事件の捜査に協力することになる。その事件とは、自動運転技術の搭載された試験中の車が人を轢いた、というものだった……。人気経済作家が人工知能の未来に警鐘を鳴らす、傑作サスペンス。
  • 間(あわい) ~産婦人科医 那須悠介のカルテ
    -
    1巻1,045円 (税込)
    ――ヒトは間(あわい)に棲んでいる―― 要領の悪い研修医 那須悠介と、美しい先輩女医 葉山美智留。産婦人科病棟で巻き起こる性と生と死のドラマの中、那須は葉山に惹かれていく。しかし彼女には「秘密」があった……。 『Dr.コトー診療所』、『コード・ブルー』など、数多くのヒット作の監修に携わる医師兼漫画家の著者が、産婦人科医療の現場をシリアス&コミカルに描く、「ちょっと変わった」医療小説。
  • 恋せぬふたり
    3.9
    1巻1,760円 (税込)
    この社会に生きる全ての人々がきっと笑顔になれる、唯一無二の“ラブでない”コメディ 「恋愛や性的な話を振られてもよくわからない。でも愛想笑いをしていれば大丈夫……」 咲子は、そんなもやもやとした気持ちを家族や友人、同僚に理解されないまま、恋愛や結婚を促され続け、居心地の悪さを感じていた。そんなある日、「アセクシュアル・アロマンティック」というセクシュアリティを自認する男性・高橋と出会い、驚くと同時にどこか救われた気持ちになる。 誰にも恋愛感情を抱かず、性的にも惹かれないふたりが、自分たちなりの生き方を模索すべく始めた共同生活は、家族、同僚、元彼、ご近所と周囲に波紋をひろげていく。その生活の先にある、それぞれの「幸せ」のあり方とは!? NHKで話題沸騰のドラマ「恋せぬふたり」の小説版! ドラマの脚本を手がける作家・吉田恵里香による完全書き下ろし! 〈目次〉 第1章 「兒玉咲子、高橋を知る」 第2章 「高橋羽、擬態を試みる」 第3章 「咲子、自分語り再び」 第4章 「高橋、未知との遭遇」 第5章 「咲子、お別れをする」 第6章 「咲子、次に進む」 第7章 「咲子と高橋と、一人の女」 第8章 「恋せぬふたり」
  • 「その他の外国文学」の翻訳者
    4.5
    1巻1,881円 (税込)
    「その他」の側から世界を見る 翻訳大国日本。多くの外国文学が翻訳され、読まれている。その中には日本では学習者が少なく、「その他」とくくられる言語によるものも含まれる。 しかし、「その他」だといって存在感が小さいわけではない。インディペンデントな文学賞として知られる「日本翻訳大賞」の第1回大賞の2作品は、韓国語とチェコ語による作品だった。いずれも「その他」に分類される作品が、読者からも、翻訳者からも多くの評価を得たこと自体が、このカテゴリーの奥深さのあらわれではないだろうか。 では、「その他」を生み出しているのはどのような翻訳者たちなのか? 日本では馴染みの薄い言語による文学を、熱意をもって紹介してきた九人の翻訳者が、その言語との出会いや学習方法、翻訳の工夫、そして文学観を語るインタビュー集。  序文・斎藤真理子  鴨志田聡子(ヘブライ語)  星泉(チベット語)  丹羽京子(ベンガル語)  吉田栄人(マヤ語)  青木順子(ノルウェー語)  金子奈美(バスク語)  福冨渉(タイ語)  木下眞穂(ポルトガル語)  阿部賢一(チェコ語)
  • 雌犬
    3.8
    これはわたしの犬《むすめ》。 もし何かしたら、殺してやる。 この世から忘れ去られた海辺の寒村。子どもをあきらめたひとりの女が、もらい受けた一匹の雌犬を娘の代わりに溺愛することから、奇妙で濃密な愛憎劇《トロピカル・ゴシック》が幕を開ける…… 人間と自然の愛と暴力を無駄のない文体で容赦なく描き切り、世界15か国以上で翻訳され物議をかもしたスペイン語圏屈指の実力派作家による問題作が、ついに邦訳!!

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  • 氷の城
    3.5
    私はこの誓いを絶対に忘れない。 雪に閉ざされたノルウェーの田舎町。11歳の少女シスの通う学校に、同じ年の少女ウンが転入してくる。ためらいがちに距離を詰め、運命の絆で結ばれたふたりの少女が、それぞれの思いを胸に、森深くの滝の麓につくられた神秘的な〈氷の城〉を目指す……類稀な研ぎ澄まされた文体により、魂の交歓、孤独、喪失からの再生を、幻想的・象徴的に描き上げたヴェーソスの代表作。 凛とした切なさを湛えた、出会いと別れの物語。 【英ペンギン・クラシックス収録の20世紀世界文学の名作】 【1965年度北欧理事会文学賞受賞作】 記憶に残る〈映画の名セリフ〉をイラストレーションとともに紹介する本シリーズは、「キネマ旬報」で1973年から23年のあいだ断続的に連載され、全7巻の単行本にまとまり長年映画ファンに愛されてきた。各巻に書き下ろしエッセイを掲載した栞を付す。

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  • オトラント城/崇高と美の起源
    4.5
    ★奇跡、幻影、魔法、予知夢――あらゆる超自然が信じられていた、暗黒の時代の物語 『オトラント城』はゴシック文学の先駆けであり、今日のホラー小説の原点。 格調は損なわずに斬新な新訳で刊行。 『崇高と美の起源』はゴシック美学をはじめて理論化した古典的エッセイ。 奇跡、幻影、魔法、予知夢―あらゆる超自然が信じられていた、暗黒の時代の物語。
  • アフェアー見えなくなったモノを求めてー
    -
    来栖明日見は、自分の一部だったような彼・高遠快生との関係が突然断たれてしまう。その時の穴が数年経っても埋められず、その穴を埋める何かを求めて彼と語り合ったギリシャへ旅立つ。 そのギリシャの地には、やはり何かを求めてやって来た二人の女性がいた。その二人の女性と出会った明日見は、しばらく彼女らと一緒に旅をすることになる……。
  • 湯布院殺人事件
    -
    湯布院、この静かな盆地の町で疑獄事件の渦中にある前文部次官の秘書が首を吊った。旅行中旧家を訪れた和泉教授夫妻は連続殺人事件に巻き込まれて…。
  • 少女像は泣かなかった
    3.5
    涙を流すという奇跡のブロンズ像に秘められた犯罪の真実。表題作ほか両親を亡くした車椅子の少女と娘を失った鬼刑事の心の交流が解きあかす四つの謎。
  • 盲目のピアニスト
    3.0
    殺人者とすれちがった盲目の美しいピアニストの不安と疑惑の心象世界を鮮やかに描く表題作など、華麗なロマネスクミステリー五篇。
  • 軽井沢の霧の中で
    -
    ひっそり暮らす初老の陶芸家と美貌の妻に近づく謎の青年。不吉な〝暗号〟のように登場する白い犬。四季折々の避暑地に殺意の翳が。
  • 釧路湿原殺人事件
    -
    釧路湿原駅近くの底なし沼で発見された他殺死体。容疑者となった国立公園管理官の娘婿を救おうとフルムーン旅行中の和泉教授は真相解明に乗り出す。
  • 鷹姫さま―お鳥見女房―(新潮文庫)
    4.2
    女だてらに鷹狩りに行きたがり「鷹姫さま」と呼ばれる気性の烈しい娘と嫡男久太郎との縁談、次女君江のひそやかな恋。子らの成長と行く末を、珠世は情愛深く見守る。また、鷹狩りを司り、幕府隠密の任務もあるお鳥見役の主も、過酷な勤めを終えて帰ってきた。妻として深い痛みを抱えた夫を気づかう――珠世の才智に心温まる、シリーズ文庫第三弾。
  • 蛍の行方―お鳥見女房―(新潮文庫)
    4.2
    密命を帯び、お鳥見役の主が消息を絶って一年余り。留守を預かる女房珠世に心休まる日はない。身近かに暮らす子供らの人知れぬ悩みを知って心くだき、その成長を見守り、隠居となった父の寂寥を慰め、組屋敷に転がり込んだ男女と幼子らの行く末を案じる……。人生の哀歓を江戸郊外の四季の移ろいとともに描く連作短編。珠世の情愛と機転に、心がじんわり熱くなる――お鳥見一家の清爽人情話、シリーズ第二弾。
  • 子子家庭の身代金(新潮文庫)
    4.0
    パパは会社の罪をかぶって逃亡中。なんとママも同じ日に恋人と駆け落ちしてしまった! 両親に「家出」された律子と和哉の小学生姉弟は力を合わせて暮らすけれど、トラブルは次々と襲いかかる……。明日のごはんもない我が家なのに和哉が誘拐された? 弟を救うため、姉が謎解きに挑むが、犯人はあまりに意外な人物だった──。表題作はじめ、驚きの結末の連打が魅せる短編全8編。
  • さよなら、ベイビー(新潮文庫)
    3.5
    1巻649円 (税込)
    見知らぬ赤ん坊(タカヤ)を連れてきた父親が、まさかの突然死。母亡き後ひきこもり歴4年の雅祥(まあくん)が、いきなり育児を任されることに。この時から地獄の二人暮らしが始まった。ミルクを飲ませても、おむつを替えてもタカヤは泣き止まない。母親はいったい誰……迎えが来る日まで、あと1日。だが、まあくんとタカヤと母親の人生は驚愕の真実へと急転直下する! 胸に染みる、痛快青春ミステリー。(解説・北上次郎)
  • お鳥見女房(新潮文庫)
    3.7
    将軍の鷹狩りの下準備をするお鳥見役には、幕府の密偵という裏の役割があった。江戸郊外、雑司ケ谷の組屋敷に暮らす矢島家は、当主が任務のため旅立ち、留守宅を女房・珠世が切り盛りしている。そんな屋敷に、ある日、子だくさんの浪人者が押しかけて来て……さまざまな難題を持ち前の明るさと機転で解決していく珠世。その笑顔と大家族の情愛に心安らぐ、人気シリーズ第一作。(解説・向田和子)
  • うつくしが丘の不幸の家
    4.4
    海を見下ろす住宅地『うつくしが丘』に建つ、築 21 年の三階建て一軒家を購入した美保理と譲。一階を念願の美容室に改装したその家で、夫婦の新しい日々が始まるはずだった。だが開店二日前、偶然通りがかった住民から「ここが『不幸の家』って呼ばれているのを知っていて買われたの?」と言われてしまい……。わたしが不幸かどうかを決めるのは、家でも他人でもない。わたしたち、この家で暮らして本当によかった──。「不幸の家」で自らのしあわせについて考えることになった五つの家族の物語。本屋大賞受賞作家による、心温まる傑作小説。/【目次】第一章 おわりの家――美容室開業に選んだ家を「不幸の家」と言われた女性。/第二章 ままごとの家――不仲の夫、家でした娘、反抗的な息子、迷える妻。/第三章 さなぎの家――男に騙された女性と、幼い娘を抱えたシングルマザー。/第四章 夢喰いの家――不妊治療がうまくいかず、離婚届を書いた年の差夫婦。/第五章 しあわせの家――恋人が置いていった子供と、かつて父に捨てられた私。/エピローグ/解説=瀧井朝世
  • たまさか人形堂ものがたり
    4.5
    会社をリストラされ突如無職となった澪(みお)は、祖母が遺した小さな人形店を継ぐことにした。人形マニアの青年・冨永と謎多き職人・師村の助けを得て、いまでは人形修復を主軸にどうにか店を営んでいる──自分がモデルになったという、顔を粉々に砕かれた創作人形の修復を希望する美しい女性。だが、その人形が創られたのは、彼女が生まれた頃と思しい三十年以上前のことだと判明する(「毀す理由」)。ほか、伝統的な雛人形を有する旧家の不審死、チェコの偉大な人形劇団の秘密など、名手が人形を通して人の心の謎を描く珠玉の短編を収める。書き下ろし短編「回想ジャンクション」を収録。/解説=紅玉いづき
  • アスリーツ
    3.7
    陸上では、自分に失望した。もう、負けたくない――。 結城沙耶は、中学2年で出場した全日本中学陸上広島県大会100メートルハードル女子決勝で転倒し、失意のうちに陸上部を退部した。親友の松前花奈に誘われ、広島の進学校・大明学園高校へ入学し、射撃部に入る沙耶。初めて構えるビームライフルの重さに驚き、個性豊かな先輩たちに励まされ、童顔の監督・磯村辰馬の指導を受けつつ、未知の競技に戸惑いながらも花奈とともに励む毎日だったが――。 五輪種目のライフル射撃と格闘する少女たちの喜怒哀楽に心震える、名作『バッテリー』に連なる10代の挫折と再生の物語。 〈解説〉斎藤美奈子
  • 桃太郎・舌きり雀・花さか爺 日本の昔ばなしII
    3.3
    1巻792円 (税込)
    編者は,永年にわたって日本全国の村々を歩きまわり,民衆のあいだに古くから語り伝えられてきた昔ばなしの採集につとめてきた.その昔ばなしの中から,『桃太郎』『舌きり雀』『花さか爺』『三年寝太郎』『文福茶釜』『百合若大臣』『雪女房』など,七十数篇を選んでここにおさめる.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • ドアを開けたら
    3.8
    ――この遺体、なかったことになりませんか? 知人を訪ねただけなのに……最悪の5日間の幕が開く! マンションで発見した独居老人の死の謎に中年男と高校生のコンビが挑む、心温まるミステリー。 鶴川佑作は動揺を隠せなかった。引っ越しの準備をする佑作がマンションの同じ階に暮らす串本を訪ねると、彼はこと切れていたのだ。来客対応中だったらしい。 老齢ながら彼は友人だった。通報もせず逃げ出す佑作。だが、その様子を高校生の佐々木紘人に撮影され、部屋に戻れと脅迫される。 翌朝、動画の消去を条件に佑作は紘人と再訪するが――今度は遺体が消えていた!
  • サラマンカの学生 他六篇
    -
    冷酷非情で,神の掟にも従わないドン・フェリックスは,スペイン文学史上,もっとも残忍非道,大胆不敵なドン・フアンである.陰鬱で不気味な霊界を舞台に,ドン・フェリックス=ドン・フアンの凄絶な死後の世界を描く長篇物語詩「サラマンカの学生」ほか,スペイン・ロマン主義を代表する詩人エスプロンセーダ(1808―42)の絶唱六篇を収録.

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  • 企業と経済を読み解く小説50
    3.0
    高度経済成長期に登場した経済小説は,疑獄事件や巨大企業の不正など,多種多様なテーマを描き続けてきた.城山三郎『小説日本銀行』,石川達三『金環蝕』,松本清張『空の城』など,戦後日本社会の深層を描いた古典的名作から,二〇一〇年代に刊行されたものまで,著者ならではの幅広い選書によるブックガイド.

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  • A.O.バルナブース全集 上
    -
    旅と書物をこよなく愛したフランスの作家ラルボー(1881―1957)の代表作.短篇小説と詩と日記から成る〈全集〉という風変りなこの作品は,いわば〈逆向きの教養小説〉だ.幼くして両親を失い,莫大な遺産を相続した主人公は,億万長者というばかげた境遇を捨て去り,一個の人間として生きるために世界各地を放浪する.(全2冊)

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  • 夜より暗き闇(上)
    3.8
    ミステリーの到達点! M・コナリーの離れ業『シティ・オブ・ボーンズ』のハリー・ボッシュと『わが心臓の痛み』のテリー・マッケイレブが豪華共演! 心臓病で引退した元FBI心理分析官テリー・マッケイレブは、旧知の女性刑事から捜査協力の依頼を受ける。殺人の現場に残された言葉から、犯行は連続すると悟ったテリーは、被害者と因縁のあったハリー・ボッシュ刑事を訪ねる。だが、ボッシュは別の殺しの証人として全米注視する裁判の渦中にあった――。
  • わたしのSP
    -
    1巻1,100円 (税込)
    出版社勤務の木賊万里絵は、書店で見かけたある男性のことが忘れられなかった。万里絵はその男性の名前を知らない。背の高さ、体つき、スーツやネクタイの色、髪型、肌の色、顔立ち。その男性の姿を形づくるさまざまな記憶が、頭の中に立ち上ってくる。テレビでニュース画像を見ているとき、万里絵は驚きの声をあげる。ある国会議員の真横にいるのは、書店で出会ったその男性だった。彼はSP(セキュリティ・ポリス)だったのだ。ある日、万里絵は仕事で訪れたホテルで偶然、そのSPの釣木沢守と再会し、交流が始まる。 「わたしは釣木沢さんの信頼に耐えうるような女ではありません」 自らの過去に後ろめたさを覚える万里絵を、釣木沢が包み込んでいく。 <著者紹介> 結李花(ゆりか) 岩手県在住。湖のほとりで田舎暮らしをしながら小説を書いています。

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  • 掟破りの刑事の正義
    -
    1巻1,100円 (税込)
    首を絞められ殺害されたにも関わらず、一切苦しんだ跡がない女の死体。 捜査にあたる捜査一課の特捜刑事・村井翔真が事件を突き詰めるうちに見えてきた、たった5歳の少女の行動から始まる負の連鎖はどこまで続いていくのか。 すべてを白日の下に晒すことが正義であり、私情を挟むことは禁忌とされる業界で揺れ動く1人の刑事を主人公として、罪の意識に苛まれ続けた人間たちの運命が交差し加速する、本格ミステリー小説。 <著者紹介> 上川 秀男(かみかわ ひでお) 1947年長崎県生まれ。大学卒業後、長崎県警察官拝命。警察大学校本科、同特別捜査幹部研修所修了。主に捜査部門と管理部門を歩き、警務部参事官兼総務課長、刑事部参事官兼捜査一課長、浦上署長等を歴任し県知事部局へ出向。危機管理等担当理事、初代長崎県危機管理監。退職後、会社社長等を経て、現在、諌早市公平委員会委員。

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  • 人形町の弦楽器店
    -
    1巻1,100円 (税込)
    楽器店を経営する主人公、弦 珠音(げん たまお)にはもうひとつの顔がある。彼は楽器の魂の声を聞くことができるという幼少期からの特殊能力を活かし、霊能探偵としても活躍していた。さて、今日も新たな依頼人が来たようだ……。 珠音が楽器にまつわる不可解な現象を次々と解決していく爽快なミステリー小説。 <著者紹介> 川好 雄一郎(かわよし ゆういちろう) 1958年大阪市旭区で生まれ育つ。若い頃は無茶な生き方をしていた時期もあったが様々な人との出会いにより、人並な人生を過ごせる事となった。 五十歳を過ぎた頃、あるミュージシャンと出会う。そして彼の影響で音楽の楽しさを再確認し、自らライブも行うようになる。楽曲作りも始め、作詞をしている時に詩を書くことから小説にも興味を持ち、執筆を始めた。

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  • 私たちに、朝はない。
    -
    1巻1,100円 (税込)
    「綺麗な人だったな、まあ、俺には関係のないことだけど」 恋人のいないスミレは、学生時代の友人・リサと一緒に、海上保安部の最寄り駅で開かれた婚活パーティーに出かけた。そこで海上保安官であるショウタとカイリと出会う。リサとカイリはすぐにカップルとなる一方、スミレとショウタはお互いに惹かれあっているにも関わらず、なかなか進展しない。スミレは麻薬取締官という立場を隠さざるを得ず、またショウタも過去の経験から恋人を作らない主義を貫いているからだ。 そんな中、「海上保安官の一部で『ブツ』が出回っている」という噂を耳にする。要マーク人物はショウタに近い人物かもしれない。ショウタに惹かれながらも、任務を遂行するスミレは――。 <著者紹介> はしばみ じゅん 大阪府生まれ。慶應義塾大学薬学部卒業。幼少期より読書が大好きで、ある本を読んだことがきっかけで長年の夢だった「小説をかくこと」に踏み出す。

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  • ぼくのカレーライス
    3.5
    1巻1,100円 (税込)
    あたたかくてちょっと不思議。ほんの少し、見逃してしまうくらいの小さく不思議な力が、日常の中に小さな非日常を作り出す。 ”ひきこもり”の「ぼく」と、変わらない家族のあたたかな食卓を描いた表題作『ぼくのカレーライス』のほか2作を収録した、周りの人を大切にしたくなる小さな3つの物語。 <著者紹介> 大津珠実 1995年大分県生まれ。福祉関係の仕事をしながら執筆活動に励む。趣味は旅行と読書。幻冬舎主催の「つながりコンテスト」がきっかけとなり、本作がデビュー作である。

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  • オーラ!テングリ・オーラ
    -
    1巻1,144円 (税込)
    キジル王に嫁ぐはずだった、青の王家の姫ぎみダリヤが殺された——。 村の踊り子ミランは、流浪の策士ユーシュンに拾われ ダリヤの身代わりとして西進の旅に出ることに。 道中、持ち前の度胸とバイタリティで世直しを重ねるミラン。 そんな彼女を飄々とあしらうユーシュンだが、実は密かな計略をめぐらせていて……。

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  • 渦の外
    -
    1巻1,144円 (税込)
    創作華道家の跡取りとして、生まれた時から将来を決められた人生。自分に流れる血を疎み、空虚な日々を送っていた朱里は、意を決して家を飛び出し、想いを寄せる「先生」を頼って食堂“もみじ”に転がり込んだ。 食堂での仕事や、“卓球場”に集うわけありな仲間たちとの交流を通じて一歩ずつ自分の人生に向き合いはじめていく。 しかし、そんな矢先に先生が消息を絶ってしまい――。 “籠の鳥”として育った少女の心揺さぶる愛と成長の物語

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  • 髪を切るのは、捜査の為で
    -
    1巻1,144円 (税込)
    証拠品なし、目撃者なし、 犯人への手がかりが一切ない事件。 難航する捜査を解決に導いたのは 偶然出くわした一人の美容師だった――。 新米女刑事×美容師探偵 異例のコンビが難事件を解決していくサイコミステリ。

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  • 長い別れ
    4.4
    酔っぱらい男、テリー・レノックスと友人になった私立探偵フィリップ・マーロウ。大富豪の娘との夫婦関係が破綻したテリーは、なんとか彼女と元の鞘に収まったようだったが、ある日、突然現われ、メキシコまで送ってほしいとマーロウに頼んできた。そして彼を送り届けて戻ったマーロウは勾留されてしまう。テリーには妻殺しの嫌疑がかっていたのだった。彼は自殺、マーロウには、ギムレットを飲んですべて忘れてほしい、という手紙が届く……。男の友情を描いたチャンドラー畢生の大作を、これ以上望むべくもない名手渾身の翻訳で贈る新訳決定版。/解説=杉江松恋
  • オルゴーリェンヌ
    4.9
    書物が駆逐される世界。旅を続ける英国人少年・クリスは、検閲官に追われるユユと名乗る少女と出会う。彼女と共に追い詰められたクリスの前に、彼を救うべく少年検閲官・エノが現れる。三人は、少女が追われる原因である宝石の形をした『ミステリ』の結晶『小道具(ガジェット)』をいち早く回収すべく、オルゴール職人たちが住む海墟の洋館に向かったが……。そこで三人を待ち受けていたのは、職人たちを襲う連続不可能殺人だった! 先に到着していたもう一人の少年検閲官・カルテの支配下に置かれた場所で、三人は犯人を突き止めるべく、トリックの解明に挑む。著者渾身の力作!/解説=福井健太
  • あの空の彼方に
    -
    1巻1,320円 (税込)
    親友の息子・透が人を轢いてしまった。 「私、代りになります」 自分の将来を犠牲にすることも厭わず、 透を守る決断を下した真弓が迎える衝撃の結末とは。 ――「あの空の彼方に」 「何時か、出来ましたら私も、海とその浜昼顔に会いにいけたらと思います」七歳で廓に売られ、のちに花魁となったコウ。 そんなコウを支えていた上客・板田屋惣右衛門との約束を果たすため、年季が明けて自由の身となったコウはまっすぐに彼のもとへ向かうが――。 ――「俱利伽羅峠まで」

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  • ワカレ花
    4.5
    1巻1,375円 (税込)
    『TikTok』で薦めた作品が続々重版! 話題の小説紹介クリエイター・けんごが手がけた初の小説は、花をモチーフにした恋愛小説。高校生の遥は通学電車で気の立った白猫に遭遇。戸惑う彼女を助けたのは名前も知らない男子高校生。毎朝、同じ電車で見かける彼を振り向かせようと、遥は文庫本を手にするように……。(「始業式」) 「始業式」「散り桜」「夕立ち」「花火」「落ち葉」「コスモス」「雪景色」「ユキヤナギ」の8編を収録。
  • 過ちの雨が止む
    4.4
    大学を卒業し、AP通信社で記者として働くジョーは、ある日、田舎町で起きたジョー・タルバートという男の不審死を知らされる。プレスリリースには凶行の疑いがあると書かれていた。死んだ男は、ジョーが生まれてすぐに姿を消した、顔も知らない父親かもしれない。ジョーは事件に興味を抱き、その町へ向かう。判明したのは、男が実父である可能性が高く、多数の人々の恨みを買っていたことだった。ジョーは真相解明に挑むが……。家族の秘密に直面する青年を情感豊かに描く、心揺さぶるミステリ。バリー賞など三冠に輝いた『償いの雪が降る』続編。/解説=若林踏
  • 生者必滅、会者定離
    -
    1巻1,584円 (税込)
    有馬文左衛門、有馬世之介の来し方を描きながら、人が生きるとはどういうことか、性のあり方を問いかけながらさまざまな人間模様を描いた人生寓話小説です。 「ところで、爺ちゃん、幸せって何だい?」 男と女がいるから、人生は楽しくなるのだ。 女から生まれ、女に愛され、女を愛し、女に囲まれながら死んでいく。 有馬文左衛門と息子、世之介の馬鹿馬鹿しくも抱腹絶倒の物語。 自由奔放・ハチャメチャに生き抜いてきた男が、 色と欲に別れを告げて大変身!? 環境破壊で破滅の淵に立たされた全人類を救わんと、 身の程もわきまえず神のお告げを世人に伝えることに――。

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  • 後宮の烏
    4.6
    後宮の奥深く、妃でありながら夜伽をすることのない、「烏妃」と呼ばれる特別な妃が住んでいる。その姿を見た者は、老婆であると言う者もいれば、少女だったと言う者もいた。彼女は不思議な術を使い、呪殺から失せ物さがしまで、何でも引き受けてくれるという――。時の皇帝・高峻は、ある依頼のために烏妃のもとを訪れる。この巡り合わせが、歴史を覆す「禁忌」になると知らずに。 【目次】翡翠の耳飾り/花笛/雲雀公主/玻璃に祈る
  • みるならなるみ/シラナイカナコ
    3.0
    男子たちに嫌がられた。だから女子だけでバンドを組んだ。けどメンバーのひとりが進路を理由に脱退。「女子限定」の欠員募集に応募してきたのは、胡散臭いけどとんでもなくキーボードのうまい男で…。(みるならなるみ) ごく普通の女子中学生・四葉は新興宗教で「幸福の子」と崇められている。学校にも居場所がない四葉は、唯一の友達である加子の秘密を知り「小さな」罪を犯してしまう。(シラナイカナコ/2021年度集英社ノベル大賞〈大賞〉受賞作品)――2003年生まれ、17歳の才能が抉り出す新世代小説。鮮烈で泥濘んだ少女たちの感情を生々しく繊細な筆致で描くデビュー作!
  • 私と鰐と妹の部屋
    -
    1巻1,320円 (税込)
    「ビーム」「石の動画」「ムキムキ」「歯医者さんの部屋」など可笑しさと悲しみに満ちた53の物語。 妹の右目からビームが出て止まらない。薔薇園にいくと必ず鰐がいた。眠たくて何度も泣いた。紙粘土で上司たちの顔をつくった。三人でヤドカリになった。サメにたべられて死にたいだけの関係だ。あたらしい名前がいる。おばけになっているときはなにも話してはいけない。肩車をした拍子に息子の股間が私の首にくっついてしまう。隠れ家的布屋さんは月に進出している。私は忍者で、すごいのだけれど、あんまりみんな信じない。 【目次】 ビーム ムキムキ ものを溶かす汗 世界ブランコ選手権こどもの部決勝戦 へそのゴマ 狼1 骨とテレビに出た かなでちゃん こっくりさん 私と鰐と妹の部屋 植物園 お墓 なにかが死んでいる 屋根裏部屋 チェーンソー 夜中 歯医者さんの部屋 サンバイザー こういうのが好き 呪われてしまえ トースター 紙粘土で友だちをつくった 刺繡 私はゼロ 夏 僕は泳いだ 二十歳になったら悪魔になる てるてる坊主 おばけの練習 小説とケーキ 誕生日 虹 ジョン・トラボルタ 好きなひとと同じときに体調を崩してるとうれしいよね ミイラ いまどこにいるの 星を読まない ヤドカリの家 トカゲの死 サランラップ 平凡 隠れ家的布屋さん特集2049 植物って知ってる? 仕事をやめる 斧に白いサインペンで名前を書く シェルター 知らないひと 石の動画 鞄 サメ友だち 棺のなか 雷は庭に落ちた あそび 【著者】 大前粟生 1992年生まれ。著書に小説『回転草』(書肆侃侃房)、『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』第38回織田作之助賞候補作『おもろい以外いらんねん』(河出書房新社)、宮崎夏次系氏との共作絵本『ハルにははねがはえてるから』(亜紀書房)など。最新刊に初の長編小説『きみだからさびしい』(文藝春秋)、児童書『まるみちゃんとうさぎくん』(絵・板垣巴留、ポプラ社)、歌集『柴犬二匹でサイクロン』(書肆侃侃房)。
  • 白い鶴よ、翼を貸しておくれ チベットの愛と戦いの物語
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    亡命チベット人医師が遺したチベット愛と苦難の長編歴史小説 1925年、若きアメリカ人宣教師スティーブンス夫妻は幾多の困難を乗り越え、チベット、ニャロン入りを果たした。現実は厳しく布教は一向に進まなかったが、夫妻は献身的な医療活動を通じて人びとに受け入れられていく。やがて生まれた息子ポールと領主の息子テンガは深い友情で結ばれる。だが、穏やかな日々も長くは続かない。悲劇が引き起こす怨恨。怨恨が引き起こす復讐劇。1950年、新たな支配者の侵攻により、人びとは分断され、緊迫した日々が始まる。ポールもテンガもその荒波の中、人間の尊厳を賭けた戦いに身を投じてゆく。 【目次】 この本について 第1部 第2部 第3部 第4部 第5部 訳者解説 【著者】 ツェワン・イシェ・ペンバ チベットのギャンツェ生まれ。医師であり作家。1941年にインドのイギリス式学校に入学して英語を身につけ、1949年にロンドン大学に留学。医学を学び卒業後はブータン、インドなどで外科医として活躍。1957年にチベットで過ごした日々をエッセイに綴った『少年時代のチベット』をロンドンで出版。1966年にはチベット人として初めての長編小説『道中の菩薩たち』を出版。その後創作活動から離れていたが、晩年ようやく実現したチベット旅行をきっかけに『白い鶴よ、翼を貸しておくれ』を執筆後病没。享年79歳。 星泉 1967年千葉県生まれ。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所・教授。チベット語研究のかたわら、チベットの文学や映画の紹介活動を行っている。訳書にラシャムジャ『雪を待つ』、共訳書にトンドゥプジャ『ここにも躍動する生きた心臓がある』、ペマ・ツェテン『ティメー・クンデンを探して』、タクブンジャ『ハバ犬を育てる話』、ツェラン・トンドゥプ『黒狐の谷』などがある。『チベット文学と映画制作の現在 SERNYA』編集長。
  • 大寺学校/ゆく年
    3.0
    浅草に生まれた万太郎(1889‐1963)が,青年期までをすごしたその土地に寄せる,エレジイともいうべき2篇である.代用学校が市立の学校へ「座」を譲ろうという時代の激しい変動が,さまざまの人の上に,どう乱反射したかを活写した「大寺学校」.「ゆく年」とともに明治末の東京の一隅の特異な風土を巧みな話術で描いた作品である. (※本書は1989/1/1に発売し、2022/4/26に電子化をいたしました)
  • 杏っ子
    値引きあり
    3.9
    生い立ちに数奇な運命をもちながら、文壇に老大家としての地位を築いた作家平山平四郎の生涯と、野性をひそめたその娘杏っ子の生々流転の姿を鮮やかに描く。さまざまな浮き沈みを経た犀星の筆は、父と娘の微妙な情愛と絆を捉え、不幸な結婚にあえぐ杏っ子のなかに女の愛と執念を追究する。人生の底のよどみを苛酷なまでに抉り出し、生涯の情熱を傾けて描ききった自伝的長編小説。 (※本書は10962/6/10に発売し、2022/4/26に電子化をいたしました)
  • ハレルヤ(新潮文庫)
    4.2
    五月の晴れた日に、お饅頭のようなかわいらしい子猫と出会った。親猫はおらず、病院に連れて行ったところ、特別な猫であることがわかって――。花ちゃんと名付けられた子猫が、元気に走り回るようになるまでを描いた「生きる歓び」。それから十八年八カ月後、花ちゃんとの別れが語られる「ハレルヤ」。青春時代を振り返った川端康成文学賞受賞作「こことよそ」など愛おしさに満ちた傑作短編集。(解説・湯浅学)
  • かか
    3.7
    うーちゃん、19歳。母(かか)を救うため、ある無謀な祈りを胸に熊野へ。第56回文藝賞、第33回三島賞受賞。世代を超えたベストセラー『推し、燃ゆ』著者のデビュー作。書下し短編「三十一日」収録。
  • 転生ロミオとジュリエット
    3.0
    世界で一番有名な恋、始めます。あなたがジュリエットに 生まれ変わったら、どうする? シェイクスピアの名作が時を越え〝生まれ変わる〟! 日本の女子高生・久坂樹里が目を覚ますと、そこは十四世紀のイタリア・『ロミオとジュリエット』の世界だった⁉ しかも自分は「ジュリエット」と呼ばれている……! 幼馴染×転生×名作。ロミオは誰で、二人は悲劇を覆すことができるのか! 名作を改めて新しく楽しめる、新・エンターテインメント!
  • 転生オズの魔法使い
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    世界一有名なファンタジー世界でハンターライフ、始めます。名作ファンタジーが時を越えて〝生まれ変わる〟! ドロシー・ライオン・ブリキのきこり、そしてわらのかかしが冒険する、「オズ」の世界。しかし、〝何者か〟に改変を受け、異変が起きていた。それを食い止めるべく呼ばれたのは、日本の高校生たち!? しかも主役の四人に転生させられ……。ファンタジー世界を生き残れ! 名作を改めて新しく楽しめる、新・エンターテインメント!
  • 転生マクベス
    3.0
    世界で一番有名な悲劇、終わらせます。シェイクスピアの名作が時を越え〝生まれ変わる〟! シェイクスピア四大悲劇の一つと言われる『マクベス』。三人の魔女による予言に囚われた結果、非業の死を迎えるマクベスだったが、その彼が〝予言〟の存在を見ることのできる眼を授かったとしたら!? 愛しき妻と共に、破滅から逃れるための新たなる生が始まった! 名作を改めて新しく楽しめる、新・エンターテインメント!
  • ブラッディ・ファミリー―警視庁人事一課監察係 黒滝誠治―(新潮文庫)
    4.1
    女性刑事が命を絶った。彼女を死に追いつめたのは、伊豆倉陽一。問題を起こし続ける不良警官だ。そして、陽一の父、伊豆倉知憲は警察庁長官の座を約束されたエリートだった。愚直なまでに正義を貫く相馬美貴警視と、非合法な手段を辞さぬ“ドッグ・メーカー”黒滝誠治警部補。ふたりは監察として日本警察最大の禁忌に足を踏み入れてゆく。父と息子の血塗られた絆を描く、傑作警察小説。
  • 八本目の槍(新潮文庫)
    4.5
    石田三成とは、何者だったのか。加藤清正、片桐且元、福島正則ら盟友「七本槍」だけが知る真の姿とは……。「戦を止める方策」や「泰平の世の武士のあるべき姿」を考え、「女も働く世」を予見し、徳川家に途方もない〈経済戦〉を仕掛けようとした男。誰よりも、新しい世を望み、理と友情を信じ、この国の形を思い続けた熱き武将を、感銘深く描き出す正統派歴史小説。吉川英治文学新人賞受賞。(解説・縄田一男)
  • 現代語訳 蜻蛉日記
    3.4
    王朝日記文学の代表作『蜻蛉日記』を、室生犀星の現代語訳で味わう。大政治家の藤原兼家の妻として、波瀾に富んだ生涯を送った道綱母が、その半生を書き綴った回想録。結婚生活の苦しみ、夫兼家とその愛人たちへの愛憎の情念が、流麗にして写実的な筆致で描かれる。作品中の和歌は、一段の精彩を放っている。韻文と散文が互いに交響することで、物語に独特の陰翳を与えている。(解説=久保田淳) (※本書は2013/8/11に発売し、2022/4/26に電子化をいたしました)

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