小説作品一覧

非表示の作品があります

  • つげ義春日記
    値引きあり
    3.9
    伝説の漫画家が私生活の苦闘を描いた幻の日記、待望の初文庫化。 昭和50年代、結婚し長男も誕生して一家をかまえた漫画家つげ義春は、寡作ながらも「ねじ式」「紅い花」など評価の高い作品群が次々と文庫化され、人気を博す。生活上の安定こそ得たが、新作の執筆は思うように進まず、将来への不安、育児の苦労、妻の闘病と自身の心身の不調など人生の尽きぬ悩みに向き合う日々を、私小説さながら赤裸々に、真率かつユーモア漂う筆致で描いた日記文学の名篇。解説・松田哲夫。
  • 対馬丸事件 沖縄の悲劇
    値引きあり
    -
    太平洋戦争末期、学童・教師・父兄・病人等1600余名を乗せて、沖縄を逃れ、本土へ向かった学童疎開船・対馬丸は、トカラ列島の一つ、悪石島沖で米潜水艦の魚雷を受けて沈没した。この事実は、長い間、軍の命令で隠されていたが著者は、たくましい想像力によって、船と運命を共にした学童たちと沖縄の悲劇を描く。(講談社文庫)
  • 辻

    4.1
    父と子。男と女。人は日々の営みのなかで、あるとき辻に差しかかる。静かに狂っていく父親の背を見て。諍いの仲裁に入って死した夫が。やがて産まれてくる子も、また――。日常に漂う性と業の果て、破綻へと至る際で、小説は神話を変奏する。生と死、自我と時空、あらゆる境を飛び越えて、古井文学がたどり着いた、ひとつの極点。濃密にして甘美な十二の連作短篇。 ※当電子版では対談「詩を読む、時を眺める」は収録していません。
  • 辻邦生電子全集 1巻 初期長篇小説(ロマン) 『背教者ユリアヌス』ほか
    -
    古代ローマ帝国の皇帝ユリアヌスの短くも激動の生涯を描いた、辻邦生の代表的長篇作品『背教者ユリアヌス』を中心に、「背教者ユリアヌス歴史紀行」等関連エッセイ14篇を収録した一巻。 『背教者ユリアヌス』は、「海」1969年7月創刊号から1972年8月号まで、全38回にわたって連載され、同年に単行本として刊行された長篇小説で、4世紀から5世紀の過渡期、ビザンツ帝国の基礎を築いたコンスタンティヌス大帝の甥・ユリアヌスの短い治世と生涯、ローマ帝国の終焉、そしてキリスト教世界の台頭という歴史の転換点を描いた全14章からなる大作である。 緻密な構成と壮大なスケールをもって描かれたこの物語には、宗教に端を発する戦争や、国境・利害をめぐる紛争が絶えることのない未来を、すでに1969年の執筆開始時点で予感していた辻の警鐘が込められていて、辻は、「ユリアヌスが辿った悲劇を、自分の感覚として日々刻々に痛切に感じる」と述べ、時代の転換点に立たされた一人の人間への共感と、現代への問いかけとを重ね合わせていたのであった。 当巻では「ユリアヌスの廃墟から」等『背教者ユリアヌス』に関する辻のエッセイ文章14篇を収録している。 解説は中世から近世にかけての欧州を舞台とした歴史小説を多数発表している作家・佐藤賢一が担当。 付録として「背教者ユリアヌス」の創作メモ等を収録する。 ※この作品はカラーが含まれます。
  • 辻邦生電子全集 3巻 後期長篇小説(ロマン)『嵯峨野明月記』『西行花伝』ほか
    NEW
    -
    “美”に生きる日本の人々を描いた長篇『西行花伝』『嵯峨野明月記』を中心に、関連エッセイ、談話等33篇を収録。 “美”に生きる日本の人々を描いた長篇『西行花伝』『嵯峨野明月記』『江戸切絵図貼交屏風』と『式子内親王集・建礼門院右京大夫集』の現代語訳を中心に、関連エッセイ、談話等33篇を収録。上記4作品はいずれも「小説=ロマン」という形式の中で、回想的な「語り」を通して、過去と現在、生と死、美の終焉と再生が交錯する精神的空間を立ち上げている。 『西行花伝』は、「新潮」1991年1月号から1993年6月号まで全24回にわたって連載された長篇小説で、第31回谷崎潤一郎賞を受賞した。平安時代末期の歌人・西行の生涯を彼自身の内面や周囲の人物たちの視点から壮大に描き出した歴史小説で、同時に人間の愛や苦悩、芸術に生きることの意味を問いかける辻の文学観の静かにして熱い到達点ともいえる作品である。 『嵯峨野明月記』は、本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)・俵屋宗達(たわらやそうたつ)・角倉素庵(すみのくらそあん)という三人の芸術家が交差する、戦国時代から徳川時代の初期を描きながら、辻自身の日本文化との和解へと至る精神の軌跡も内包した作品。 『江戸切絵図貼交屏風』は、武士の身分を捨てた浮世絵師・歌川貞芳を主人公に、江戸の人情や風景、芸術を語る短編集。「語り」の舞台は江戸の風景を地図と身体、記憶と風俗の交錯によって創作されている。 『式子内親王集』『建礼門院右京大夫集』の現代語訳は、創作と並行して行われたもう一つの「語り」のかたちであり、原文の詩情を現代語に再現しようとする繊細な試みは、単なる翻訳ではなく、古典に対する敬意と創作的再解釈が静かに共存した詩的感興の再創造としての営みでもある。さらに「江戸の匂い」「時間の地平のなかの西行」等の関連エッセイ、談話等33篇を録している。 解説は美術史家で学習院大学名誉教授・小林忠氏が担当。付録として『嵯峨野明月記』創作ノート、『西行花伝』自筆原稿革装本等を収録。 ※この作品はカラーが含まれます。
  • 辻邦生電子全集 2巻 中期大長篇小説(ロマン) 『春の戴冠』ほか
    -
    古都フィレンツェを舞台に画家ボッティチェルリの生涯を描いた大作『春の戴冠』を中心に、関連するエッセイ10篇を収録。 ルネサンス末期のフィレンツェを舞台に画家サンドロ・ボッティチェルリの生涯を描いた大長篇『春の戴冠』を中心に、関連するエッセイ10篇を収録。 『春の戴冠』は、「新潮」1972年1号から1976年10月号まで全45回にわたって連載され、1977年に単行本(上下巻)として刊行された長篇小説。15世紀イタリア・ルネサンス期のフィレンツェの栄耀と没落を、メディチ家と画家サンドロ・ボッティチェルリや、人文哲学者マルシリオ・フィチーノ、およびその弟子ピコ・デラ・ミランドラ等のプラトン・アカデミアとの関わりを軸に、パッツィ家との対立、サヴォナローラの暗躍などを交えながら描く大作。 本作は「偽伝」という形式で、史実再現ではなく、都市と芸術の記憶を繋ぐ語りの方法を採用している。「偽伝」の語り手に設定されたのが、古典語学者フェデリゴという架空の人物で、羊毛輸入商の家に生まれ、修道院でラテン語やギリシア語を学び、のちにプラトン・アカデミアに連なる知識人となる彼は、幼少期からサンドロと交わり、生涯にわたってその芸術と生き方を見つめ続ける人物として描かれる。 画家サンドロ・ボッティチェルリの生涯と、ルネサンス期フィレンツェの盛衰を描く本作は、辻の小説の中でもとりわけ壮麗な構成と、美の倫理をめぐる深い問いを孕んだ作品。 当巻では「『春の戴冠』歴史紀行」等『春の戴冠』に関する辻のエッセイ文章14篇も収録している。 解説は美術史家で学習院大学文学部教授・京谷啓徳氏が担当。付録として『春の戴冠』」の創作メモ等を収録する。 ※この作品はカラーが含まれます。
  • 辻のあやかし斬り夜四郎 呪われ侍事件帖
    完結
    -
    団子屋の看板娘・たまは、おつかいの帰りに辻斬りの現場に遭遇し、恐怖で気を失ってしまう。目を覚ますと破れ寺で辻斬りの夜四郎に介抱されていた。曰く、彼にかけられた半死半生の呪いを解くためには百八のあやかしを斬らねばならず、辻であやかしを待ち伏せしていたのだと――。実はあやかしを判別する目を持つたまは、夜四郎に頼み込まれ、彼のあやかし探しに協力することになる。そんな折、たまは団子屋を訪れた客・佐七に生き別れの母捜しを頼まれ、さらには幼い頃に姉のように慕っていた滝も姿を消した旦那を捜していると聞く。二つの人捜しとあやかし探しが交差した時、とある真実が浮かび上がる。あやかし斬り夜四郎と町娘たまの妖怪退治譚、ここに開幕!
  • 辻馬車
    無料あり
    -
    この電子書籍ファイルは青空文庫のデータをもとに制作しております。

    試し読み

    フォロー
  • 辻久一著「夜の芸術」
    無料あり
    -
    1巻0円 (税込)
    この電子書籍ファイルは青空文庫のデータをもとに制作しております。

    試し読み

    フォロー
  • 辻政信と消えた金塊 昭和戦後暗闘史
    -
    向島の旅館で横死した男は、死の直前“台湾軍の金塊”と呼ばれる純金を闇ブローカーに持ち込んでいた。一方、元陸軍大佐・辻政信の捜索依頼を受けた探偵業の永井は、辻と金塊の意外な繋がりを知る。闇に潜む巨万の富に私欲、利権そして権力が絡み合う!

    試し読み

    フォロー
  • 辻征夫詩集
    3.7
    やさしくて、茫洋として、卑下もせず、自慢もしない――。実際に生きているリアリティーを話し言葉を巧みに使って書かれた素直なことばが、混沌とした重層的な時空間をうみ出す、現代抒情詩の第一人者辻征夫(1939-2000)のエッセンス。全作品から70篇を精選し、自筆年譜を収録した。(対談・解説=谷川俊太郎)

    試し読み

    フォロー
  • つたえたくて
    -
    1巻990円 (税込)
    誰かに何かを伝えたくなるときが誰にもある。伝えたい気持ちは相手へ向かうと同時に、自分自身の生きるエネルギーにも返還される。新たな詩集を生み出すまでに前著から17年の時を経る必要があった著者の背景が60篇の作品には込められ、カバーイラストも著者の言葉を蘇らせた大事な要因となったもの。「伝えたい」と思えることのありがたさを知らせてくれる作品の数々。
  • 蔦かずら
    -
    1巻1,562円 (税込)
    ラスト・ラブ。この恋を失ったらもう二度と人を愛せない。自分を囲っていた男が危篤になったときに抱く熱い恋心、年若の同僚に躰をゆだねられない切なさ、夫の不義を許してしまった妻の寂しさ――。曲がり角で愛に揺れる女性達の心の襞を描いた、8つの連作集。
  • 蔦葛木曽棧(上)
    4.0
    1~2巻825円 (税込)
    時は室町の末。木曽の領主・義明に愛妾として迎えられた遊女の鳰鳥(におどり)には、秘めた大望があった。イスパニアの司僧であった父を惨殺した義明への復讐である。兄の御嶽冠者もまた御嶽山中深く一党を率いて仇の隙をうかがっていた。兄妹の怨念が数多の妖士怪人を呼び集め、風雲まさに急を告げるとき、妖異壮大な物語の幕は開く! 無類の構想力、ロマンの錬金術師の三大伝奇小説第1作。
  • 蔦重の教え
    4.3
    1巻781円 (税込)
    55歳、仕事で大ポカをして依願退職を強要された人生がけっぷちの広告代理店営業マン、武村竹男(タケ)はお稲荷さんの怒りを買い、1780年代の吉原にタイムスリップしてしまった! しかも自分を揺さぶり起こしたのは吉原のガイドブックで当てている出版界の風雲児、蔦屋重三郎(蔦重)だった! なぜか20代の体に戻ったタケは蔦重のもとで働くことに。そこには後に世界で知られる浮世絵師、喜多川歌麿の若き姿があり、タケは葛飾北斎らとも交流し、蔦重に叱咤されながら、ものづくり、商売、ひいては人生の極意を学んでいく。タケはこのまま江戸の住人となるのか!? ユーモア満点の実用エンタテインメント小説!
  • 蔦重の教え
    値引きあり
    3.6
    1巻704円 (税込)
    おめえに教えてやるよ。人生の勘どころってやつを」 55歳、依願退職願いを強要された人生がけっぷちの サラリーマン、武村竹男(タケ)がタイムスリップした先で出会ったのは、 「写楽」や「歌麿」を生み育てた江戸時代の超やり手プロデューサー、蔦屋重三郎(蔦重)だった! 23歳の青年に若返った状態で蔦重に拾われたタケは、 時代の寵児となる画家たちと親交を重ねながら、商売と人としての 生き方の極意を学んでいく―――。 時空を超えたビジネス実用エンタテインメント小説!!
  • 蔦重の矜持
    3.0
    1巻1,760円 (税込)
    2025年大河ドラマ『べらぼう 蔦重栄華之夢噺』で今、注目されている江戸の天才出版プロデューサー・蔦屋重三郎。その通称・蔦重のもとで現代からタイムスリップしたサラリーマン・タケが喜多川歌麿らと修業し、人生や仕事の面白さ、秘訣などを教わったスマッシュヒット小説『蔦重の教え』に待望の続編! ――時は進み、今や後期高齢者になったタケは孫のジェラール(フランス育ち)とともに再び江戸へ。蔦重が写楽を売り出す少し前の時期で、タケは〝ある史実〟を変えたいという思いを秘めており……傑作時代エンタメ、痛快第2弾!
  • 蔦に覆われた棺
    -
    1巻495円 (税込)
    裸体にうっすらと浮かぶ花びらのあざ、そして寂しげな“少年”の亡霊の関係は…?  氷室鮎子を執拗につけ狙う暴力団の目的は? そして急場に現れる寂しげな“少年”の亡霊の正体は? 緊迫の逃亡劇、その終着駅は秋の夕日に照らし出された赤煉瓦の西洋館だった。庭一面に咲き乱れるコスモス、蔦のからむ断崖、霧の中に浮かぶ錆びた鉄扉…。この薄気味悪い建物から「ママ、ママ」と母親を呼ぶ少年の声が聞こえてくる…。モダン・ホラーの長編傑作。 ●田中文雄(たなか・ふみお) 1941年東京生まれ。早稲田大学卒業後、東宝入社。70年代を中心にプロデューサーとして映画製作に携わる。1974年に『夏の旅人』で早川書房SF三大コンテスト佳作入選。1975年に『さすらい』で幻影城新人賞佳作入選。1986年東宝を退社して作家専業となり、ミステリー、ホラー、SFバイオレンスなどに健筆をふるう。草薙圭一郎名義では時代小説、架空戦記も発表している。
  • 蔦の門
    -
    1巻110円 (税込)
    岡本かの子短編集。圧倒的な情景描写と心理描写によってまさにキラリと光る珠玉の五編。「鮨」鮨屋の娘ともよは先生とよばれるその男が気になっていた。ある日偶然町で先生を見掛け、身の上話を聞いたのだった。鮨にまつわる話とは……。「東海道五十三次」東海道の魅力にはまった男は言う「東海道というものは山や川や海がうまく配置され、それに宿々がいい工合な距離に在って、景色からいっても旅の面白味からいっても滅多に無い道筋」読むほどに旅情がそそられる作品。「蔦の門」近所のいたずら娘ひろ子は家の蔦をむしっては老婢を困らせていた。しかし早くに両親を亡くし境遇が似ていることから二人は心を通わせるようになる……。「鶴は病みき」 避暑の為訪れた鎌倉での芥川龍之介とのひと夏の交流を描いた作品。偉大なる文学者芥川龍之介の意外な一面とは。「老妓抄」永年の辛苦で財産もできた。老妓の小そのは言う「何人男を代えてもつづまるところ、たった一人の男を求めているに過ぎない……」小そのは電気技師の若い柚木を自分の家に住まわせる。そのうち養女のみち子が柚木に興味を持ち始めるが……「仕事であれ、男女の間柄であれ、混り気のない没頭した一途な姿を見たい」老妓はそう願うのだった。著者岡本かの子の夫は漫画家岡本一平、息子は岡本太郎。
  • 蔦の門
    無料あり
    -
    1巻0円 (税込)
    この電子書籍ファイルは青空文庫のデータをもとに制作しております。

    試し読み

    フォロー
  • 蔦燃
    3.0
    真砂子の前に、突然現れた、夫・光司の異母弟・末次郎。垣根に絡みつく蔦のように、友江の家にひび割れを作ろうとしているのか、復讐から始まった出会いは、白く透けるような肌を持つ真砂子をエロスに浸し、魔女のように変えていく。会わずにいられなくなった二人は……。鳥清恋愛文学賞に輝いた大人の名作長編。性愛が人の心を変える男女の物語。
  • 蔦屋の息子 耕書堂商売日誌
    3.0
    1~2巻789円 (税込)
    父を亡くした十九歳の青年、勇助は、母と妹を養うため、蔦屋重三郎が営む書店・耕書堂で奉公することに。厭世的でどこか投げやりな勇助を何故か蔦屋は気に入り、「いずれ自分の養子(二代目蔦屋)にする」と言い出す。豪快な蔦屋のもとで働きながら、勇助は江戸の一癖も二癖もあるクリエイターたちと渡り合い、物語を書いてもらえるよう奔走し――。江戸のカリスマ出版人・蔦屋重三郎と青年による、熱いお仕事小説!
  • ツタよ、ツタ
    5.0
    直木賞作家が描く「幻の女流作家」の運命! 明治の後期に、沖縄の士族の家に生まれたツタ。父親の事業の失敗によって、暮らしは貧しくなり、父親が亡くなったことで母と二人きりの暮らしになった。しかし、女学校の友人・キヨ子の家で音楽や文学に触れるうち、「書くこと」に目覚める。 雑誌の短歌欄へ投稿を始め、千紗子という筆名に出会い、自分の裡にあるものを言葉にし始めた。窮屈な世界から自分を解き放つ術を得たツタは、やがて「作家として立つ」と誓う。 高校卒業後の教員としての仕事、異国での結婚、愛する我が子との別れ、思いがけない恋愛――さまざまな経験を経て、ツタはとうとう作家としてデビューする機会を得た。昭和七年、婦人雑誌に投稿した短編小説が意外な形で評価されたのだ。 ところが、待ち受けていたのは、思いもよらない抗議だった……。 『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』で直木賞を受賞した著者が、実在した「幻の女流作家」と呼ばれるひとりの女性の数奇な運命を描く。
  • ツタよ、ツタ
    3.6
    1巻1,584円 (税込)
    千紗子という新たな名前を持つこと。心の裡を言葉にすること。自分を解放するために得た術が彼女の人生を大きく変えた――。明治の終わりの沖縄で、士族の家に生まれたツタ。父親の事業の失敗によって、暮らしは貧しくなるが、女学校の友人・キヨ子の家で音楽や文学に触れるうち、「書くこと」に目覚める。やがて自分の裡にあるものを言葉にすることで、窮屈な世界から自分を解き放てると知ったツタは、「作家として立つ」と誓う。結婚や出産、思いがけない恋愛と哀しい別れを経て、ツタは昭和七年に婦人雑誌に投稿した作品でデビューする機会を得た。ところが、待ち受けていたのは、思いもよらない抗議だった……。「幻の女流作家」となったツタの数奇な運命。一作ごとに新しい扉を開く、『ピエタ』の著者の会心作!
  • ツタンカーメンの心臓
    3.8
    古代エジプト神、東京に降臨! エジプト考古学史上最大の謎―― ツタンカーメンの死の真相が解き明かされる!?  聖東大学古代エジプト調査室の嘱託研究員・小栗陽は、ツタンカーメンに関連する発掘調査の誘いを受けエジプトへ向かった。先輩の日下美羽と共に桐生蘭子准教授の指揮のもと調査を開始した矢先、遺跡から大量の首なしミイラが発掘され、さらにミイラの内臓を収める容器「カノポス」が見つかった。謎を秘めたカノポスをめぐり、小栗と美羽に危機が迫る! 聖東大学古代エジプト研究室で起こった惨劇から二年――前作『黒いピラミッド』(第25回日本ホラー小説大賞大賞受賞)を超える衝撃が走り抜ける! 古代文明の謎に迫る、ホラー・アドベンチャー!
  • 津田青楓君の画と南画の芸術的価値
    無料あり
    -
    1巻0円 (税込)
    この電子書籍ファイルは青空文庫のデータをもとに制作しております。

    試し読み

    フォロー
  • 土色の顔
    無料あり
    4.0
    この電子書籍ファイルは青空文庫のデータをもとに制作しております。

    試し読み

    フォロー
  • 土浦の川口
    無料あり
    -
    1巻0円 (税込)
    この電子書籍ファイルは青空文庫のデータをもとに制作しております。

    試し読み

    フォロー
  • 土から手が
    無料あり
    -
    1巻0円 (税込)
    この電子書籍ファイルは青空文庫のデータをもとに制作しております。

    試し読み

    フォロー
  • 土神と狐
    無料あり
    -
    1巻0円 (税込)
    この電子書籍ファイルは青空文庫のデータをもとに制作しております。

    試し読み

    フォロー
  • つちくれさん
    3.5
    長野の遺跡から見つかった奇妙な死者──古代の装束をまとい、棺に納められた女性の事件を追う定年刑事・福沢は、「つちくれさん」と呼ばれる男と出会う。「土の声を聞く」力を持つというその男に導かれて、不思議な謎解きが始まった。
  • 土左衛門の白星
    -
    幕末、強い力士で人気の土左衛門(つちざえもん)は、ある日、幼なじみのお信が洋妾(ラシャメン)になっていることを知った。 土左衛門はアメリカ人ペリーの屯所で「屈強なボクサーとの親善試合」と銘打った土俵に立つことになり、その取組で紅蓮の炎と化した。 その後、一人相撲で人気を得るが……。

    試し読み

    フォロー
  • 土田さんの芸術 土田麦僊追悼
    無料あり
    -
    1巻0円 (税込)
    この電子書籍ファイルは青空文庫のデータをもとに制作しております。

    試し読み

    フォロー
  • 土達磨を毀つ辞
    無料あり
    -
    1巻0円 (税込)
    この電子書籍ファイルは青空文庫のデータをもとに制作しております。

    試し読み

    フォロー
  • 「土」と当時の写実文学
    無料あり
    -
    1巻0円 (税込)
    この電子書籍ファイルは青空文庫のデータをもとに制作しております。

    試し読み

    フォロー
  • 土に贖う
    4.4
    明治時代の札幌で蚕が桑を食べる音を子守唄に育った少女が見つめる父の姿。「未来なんて全て鉈で刻んでしまえればいいのに」(「蛹の家」)。昭和26年、最年少の頭目である吉正が担当している組員のひとり、渡が急死した。「人の旦那、殺してといてこれか」(「土に贖う」)。ミンク養殖、ハッカ栽培、羽毛採取、蹄鉄屋など、可能性だけに賭けて消えていった男たち。道内に興り衰退した産業を悼みながら、生きる意味を冷徹に問う全7編。圧巻の第39回新田次郎文学賞受賞作。
  • 「土」に就て
    無料あり
    -
    1巻0円 (税込)
    この電子書籍ファイルは青空文庫のデータをもとに制作しております。

    試し読み

    フォロー
  • 土の中からの話
    無料あり
    -
    1巻0円 (税込)
    この電子書籍ファイルは青空文庫のデータをもとに制作しております。

    試し読み

    フォロー
  • 土の中からの話(旧仮名)
    無料あり
    -
    1巻0円 (税込)
    この電子書籍ファイルは青空文庫のデータをもとに制作しております。

    試し読み

    フォロー
  • 土の中の馬賊の歌
    無料あり
    -
    1巻0円 (税込)
    この電子書籍ファイルは青空文庫のデータをもとに制作しております。

    試し読み

    フォロー
  • 土淵村にての日記
    無料あり
    -
    1巻0円 (税込)
    この電子書籍ファイルは青空文庫のデータをもとに制作しております。

    試し読み

    フォロー
  • 大盗の夜~土御門家・陰陽事件簿~
    4.0
    江戸幕府より朱印状を授けられ、全国の占い師や芸能者を統括する安倍晴明を祖とする陰陽師。その一族土御門家で京都触頭の一人・笠松平九郎は、帯刀を許され、小太刀の名人でもある。易者姿で京の治安に目を配り、次々と舞い込んでくる摩訶不思議な事件を解き明かす。欲望、嫉妬、憎悪……人間の持つ弱みを、市井に生きる人々の姿を通して描く快作。
  • 土を噛む女
    -
    整骨治療院の院長の姿が突然消えた。隣に住む主婦の雅代は、夫から「余計な詮索はするな」と注意されるが、好奇心は、抑えられない。監視中、近所の食品店の奥さんが、夜中、治療院に土を運び込んでいるのを知って……。(「土を噛む女」) 綿密な取材のもとに、「事件の男」の陰にいた女の冷静な視線と、「事件の女」の深い業、哀しい性を鋭く描く6編。
  • 突っかけ侍(上)
    -
    肥前唐津藩の元御馬廻役・松村金太郎は、今では突っかけ草履の小粋な兄さん、人呼んで「わざくれ橋の金さん」だ。武士稼業はすっぱりやめてはいるけれど、実は、主君・小笠原長行の内命を受けて、ひそかに藩のため働いている……。ある春宵、将監橋の上、唐津藩の内紛で長行の反対派にまわり、藩侯の里方・信州松本藩と手を結んで、藩論を朝廷方に傾けようと企む奸人で、義兄の仇でもある周施方・長谷川番作をバッサリ。ーー粋でいなせな金さんが、同じ脱藩・小南敬助らと協力、小笠原長行を扶けて東奔西走の活躍。剣雲、侠気、哀恋が織りなす、子母澤寛会心の幕末傑作長編! <全3巻>
  • 釣った魚の味
    無料あり
    -
    1巻0円 (税込)
    この電子書籍ファイルは青空文庫のデータをもとに制作しております。

    試し読み

    フォロー
  • ツッパレ孔雀警視
    3.0
    美人でセックス好きの警視・扇野笙子が、マスコミをゆるがす保険金殺人の〃疑惑の人〃捜査にのり出した! 追いつめる方法は例によって縦横無尽、奇想天外……スワッピング・パーティ潜入! アダルト・ビデオ出演!……はたして化けの皮は、はがされるのか!? ユーモア・ミステリー、痛快作! ファン待望の書下ろし第2弾!
  • 筒井歌舞伎 影武者騒動
    -
    1巻616円 (税込)
    戦争にまきこまれた百姓・沢庵が、欲に目がくらんで〈大将〉の影武者となった。ところが、彼の息子が敵方の〈大将〉の影武者になったので、事はややこしくなった……偽者かと思えば本物、味方かと思えばやっぱり敵――上方歌舞伎を著者が整理・改作し、スラプスティック劇顔負けの大悲喜劇に仕立て上げた「影武者騒動」ほか「猪熊門兵衛」「破天荒鳴門渦潮」の意欲作3編を収める。

    試し読み

    フォロー
  • 筒井順慶
    -
    1巻693円 (税込)
    SF作家のおれのところに歴史小説の依頼がきた。しかもおれの先祖であるらしい、洞ケ峠の日和見で悪評高い筒井順慶を書けというのだ……。型破りの発想で小説のジャンルの壁を破壊した表題作。芸能プロのグロテスクさを際立たせた「あらえっさっさ」、連続殺人犯に群がり利用するマスコミの本質を突いた「晋金太郎」、新宿騒乱事件を戯画化した「新宿祭」。初期の力作4編を収める。

    試し読み

    フォロー
  • 筒井康隆劇場 12人の浮かれる男
    5.0
    1巻693円 (税込)
    日本に陪審制度が復活した。おれたちゃ最初の陪審員。マスコミがこんなに注目してるのに、無罪の被告をそのまま無罪にしたんじゃつまらない。なんとか殺人罪にできないものか……『12人の浮かれる男』。新婚スタアの新居びらきパーティにやってきたのは、夫の情婦に妻のヒモ、はては白熊、ターザンまで。大ドタバタのなかでくりひろげられる殺人劇、処女戯曲『スタア』など戯曲全5編。

    試し読み

    フォロー
  • 筒井康隆劇場 ジーザス・クライスト・トリックスター
    -
    1巻495円 (税込)
    聖なる救世主か? はたまた狂気の騒動師か? 人類史上最大のトリックスター、イエス・キリストに、鬼才・筒井康隆が自作主演で挑んで演劇界に衝撃を与えた表題作。遺産争いのただ中にとび込んだ一人の男の奇怪至極な言動によって、すべての人間の欲の皮が引きはがされる『三月ウサギ』。ほかに一幕ものの傑作『人間狩り』『ジス・イズ・ジャパン』など狂気のエネルギーにみちた6編。

    試し読み

    フォロー
  • 筒井康隆劇場 スイート・ホームズ探偵
    -
    1巻583円 (税込)
    閑静な住宅街で発生した連続幼女殺人事件! 幸せな家庭の美しく優しい母親の前歴は? そして変質者でいっぱいの登場人物たちのうち、いったい誰が犯人なのか? 謎と笑いに満ちた傑作推理劇の表題作。時空を飛び越え、人類永遠のテーマ母子相姦を描く怪作「俊徳丸の逆襲」。ほかに「ひとり」「部長刑事―刑事たちのロンド」「若くなるまで待って」をおさめるバラエティー編。

    試し読み

    フォロー
  • ツツヌケ
    4.0
    辻井未来は、小学2年生の娘・茉優と二人暮らし。モラハラ夫と離婚し、介護センターに勤めて派遣のヘルパーをしている。あるとき、ひとり暮らしの介護利用者の家に、夜中、何者かが侵入するという問題が起きた。同僚ヘルパーのイケメン、晴馬が暗視カメラを置いてみることを提案。スマホにつなげ、ほどなく犯人は判明したが、最先端のAI機器の便利さに触れた未来は、一人で家にいることが多い茉優を心配して、自宅にもAIスピーカーと連動するカメラを導入した。しかし、後日、家に帰ると茉優の姿が消えていた――。現代に潜む、思いがけぬ危険を炙り出すサスペンス、文庫書き下ろしで登場!
  • 堤清二 罪と業最後の「告白」
    3.5
    第47回大宅壮一ノンフィクション賞(雑誌部門)受賞作。月刊「文藝春秋」の連載『堤清二の「肉声」』に大幅に加筆したもので、セゾングループの総帥だった堤清二氏が死の一年前、父・康次郎氏そして弟の義明氏との関係をじっくり振り返った一族の物語です。 清二氏が、著者の児玉さんに10時間以上も語った堤家の物語は、愛憎と確執に満ちた肉親相食む世界でした。 康次郎氏は西武グループの礎を築いた実業家であると同時に、強引な手法で「ピストル堤」の異名をとり、異常な好色でも知られていました。清二氏ら七人の兄弟姉妹の母親だけで四人、そのうち二人とは入籍をしませんでした。関係を持った女性はお手伝いから看護士まで相手選ばず、清二氏の母・操さんの姉妹とも関係を持ちそれを操さんも承知していたといいます。その異常な環境で、清二氏・義明氏兄弟は静かな“狂気”を身の内に育まざるをえませんでした。 フォーブス誌の世界長者番付で世界一位に輝いた義明氏と、セゾン文化で一世を風靡した清二氏は、一転して凋落し、軌を一にするように堤家も衰退の一途を辿ります。 西武王国について書かれた本は数多くありますが、清二氏が初めて明かした一族の内幕は、堤家崩壊の歴史であると同時に、悲しい愛と怨念の物語であり、どうしようもない定めに向き合わなければならなかった堤家の人々の壮大な物語です。 ※この電子書籍は2016年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 堤清二とセゾングループ
    4.0
    時代をリードした詩人・経営者の指導力とは 世俗をにくむ詩人であり、バランスシートを読む経営者――相反する二つの顔をもつ堤清二は、100社を超えるセゾングループ企業に君臨する総帥として、何を考え、どう行動してきたのか。時代をリードした「文化産業」の盛衰を克明にレポートして、その実像に迫る力作ノンフィクション。『漂流する経営』を改題。
  • 堤中納言 宮内庁書陵部本
    -
    1巻880円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 宮内庁書陵部蔵、桂宮旧蔵本(十冊)を影印。作品は十篇の短篇物語と一つの断章から成る。うち一篇は天喜三年の物語合に提出された小式部という女房の作、他の作者、成立については定説がない。巻末の解説では底本の書誌他、諸家の成立論、伝本の基本的問題を簡明に叙述。
  • 堤中納言物語
    3.7
    作者・編者ともに不詳、ミステリアスでユーモアに溢れる日本最古の短篇物語集『堤中納言物語』。中島京子による名訳により生き生きと蘇る「可笑しみ」を堪能できる10篇を収録。
  • 堤中納言物語
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 王朝物語の系譜ながら、近代的な機智と諧謔に富む洗練された味わい。異色の輝きを放つ平安の短編物語集全文を、この一冊に凝縮。現代語訳対照・類聚歌合注解解説・和歌初二句索引・論評付き。
  • 堤中納言物語・うつほ物語
    4.0
    『堤中納言物語』は、毛虫を愛する型破りなお姫さまや、片思いに身を焦がす憂愁な貴公子などの登場人物たちが登場する物語で、世界最古の短編小説集。『うつほ物語』は全20巻、日本最古の長編物語。天上の琴を守り伝える芸術一家4代の数奇な物語だ。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。
  • 堤のさくら
    -
    1巻616円 (税込)
    勝之が通学路にする堤に祖父が植えた一本の河津桜があった。脚に障害をもつ彼はいじめの標的にされ、中学で酷くなったが、柔道を習っている初恵だけがかばってくれた。悪童連が桜の枝を折っているのを見つけた勝之が注意すると喧嘩になった。学級崩壊になりかかるが、担任が変わると学級の雰囲気が明るくなった。勝之は一本桜では寂しいと思い、堤を桜並木にしたいと願うのだった。
  • 氷柱
    -
    1巻495円 (税込)
    隠者のような生活を送っていた男が犯罪行為に手を染めていく過程を描く  街の一角に三万坪の居を構えて住む風変わりな男……名は小城江保、人呼んで氷柱(つらら)。彼は、ある日遭遇した少女の轢き逃げ事件を契機に、自身が途惑うほどの情熱に衝き動かされ、犯罪行為に手を染めていく。 ●多岐川恭(たきがわ・きょう) 1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。1953年『みかん山』で作家デビュー。『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。
  • 続きと始まり
    3.8
    あれから何年経ったのだろう。あれって、いつから? どのできごとから? 日本を襲った二つの大地震。未知の病原体の出現。誰にも流れたはずの、あの月日――。別々の場所で暮らす男女三人の日常を描き、蓄積した時間を見つめる、著者の最新長編小説。 始まりの前の続き、続きの後の始まりを見下ろし、あの中のどこかにわたしもいる、と思った。(一穂ミチ・作家)
  • 都筑道夫の小説指南 増補完全版
    -
    1巻3,080円 (税込)
    エンタテインメントの先駆者が伝える、本当に面白い小説の書き方と読み方とは? ミステリイ、SF、怪談、ショート・ショート、時代伝奇……様々なジャンルの実作者・実験者として活躍し続けた著者ならではの、「これから書きたい人」へのアドバイスを網羅。定評ある名著に初書籍化となるエッセイ・対談を大幅増補した決定版。これぞまさに「エンタテインメントの書き方」という名のエンタテインメント! 没後二十年記念刊行。(解説・佐々木敦) 【目次】 1 エンタテインメント小説の書き方を伝授しよう ※ 2 都筑道夫の小説指南 3 わが小説術 ※ 4 対話篇  ほんとうに怖い話が好きだ!(対談/高橋克彦)  現代ミステリーの問題点(対談/佐野洋)※  都筑道夫に教えてもらったこと(対談/鏡明)※  ポオさん、お顔を見せて見せてください!(架空対談/エドガー・アラン・ポオ) (※は書籍[ほぼ]初収録)
  • 続けてみます
    3.8
    まだ時間はあるのです。世界が終わる瞬間にはゆっくりとたどり着くはずだから。 幼い頃に父を工場の事故で亡くしたソラとナナは、生活の意欲を失っていく母と行き着いた暗い半地下の住居で少年ナギと出会う。「無理してがんばったって、人生はある日突然断ち切られて、それでおしまい」。そう繰り返す母の言葉から抜け出せないまま大人になる姉妹と、行き場のない思いを抱え、暴力に飲み込まれていくナギ。世界の片隅でひっそりと寄り添う3人に訪れる未来のかたちとは――。 誰かを思う気持ち、拒む気持ち、責任、放棄、やすらぎ、恐れ……。現代韓国文学の旗手が、みずみずしくも濃密に生の息遣いを描く。第23回大山文学賞受賞作。
  • 綴られる愛人
    3.5
    人生に何の展望も見出せないでいる、富山に住む21歳の大学生、森航大(もりこうた)。編集者である夫に束縛される、東京住まいの35歳の作家、天谷柚(あまがいゆう)。二人は文通コミュニティ「綴り人の会」を通じて手紙を交わし始める。航大は充実した生活を送る35歳のエリートサラリーマン、クモオとして。柚は夫からの暴力に怯える28歳の専業主婦、凜子として。次第に熱を帯びる手紙は、二人を危険すぎる関係へいざない――。
  • つづれ烏羽玉
    無料あり
    -
    1巻0円 (税込)
    この電子書籍ファイルは青空文庫のデータをもとに制作しております。

    試し読み

    フォロー
  • 綴二杯
    -
    1巻704円 (税込)
    季節ごとの風物や旅先に見た風景をモチーフにした作品をはじめ自らの来し方を振り返り綴った作品など詩作32編を収録。「共に泣き笑い 喜び合える人たちがいれば 今もバラ色人生/できないことが多いから価値がわかる/幸福になりたいから頑張れる(「生まれ変われるものならば」より)などに現れる、ポジティブな思考、出会いとふれあいを大切にする生き方、人生観が共感を呼ぶ詩集。
  • つないだ手 沢田美喜物語
    4.3
    1巻2,200円 (税込)
    戦後、連合国軍占領下の日本では米国兵士と日本人女性の間に生まれた子供たちが街中に捨てられ、悲惨な状況に追い込まれていることが社会問題となっていた。三菱創業者である岩崎弥太郎の孫娘で、外交官婦人でもあった沢田美喜は現状に心を痛め、女性たちが子供を託せる施設、エリザベス・サンダース・ホームの設立に乗り出す。資金繰り、世間からの差別の目、子供たちの行く末……様々な困難を乗り越え、千六百人近い子供たちを育て上げた女性の物語。
  • ツナガリ1
    -
    1~2巻638円 (税込)
    福岡で女子高生の自殺が相次いで起こっていた。噂されるのは一つのブログ。そのブログを見ると必ずその人は自ら死を求めるようになると言う。高校生の明は、他県から越してきたばかり。慣れない環境の中、親切にしてくれた同級生と友達になる。だが、その友達が突然の死を遂げてしまう――。そして悪夢のような事件に巻き込まれていく……。

    試し読み

    フォロー
  • 繋がり方がわからない
    3.0
    1巻1,870円 (税込)
    『死に方がわからない』『老い方がわからない』に続く、〈わからないシリーズ〉ファイナルは、「繋がり方がわからない」。孤独は不幸じゃないけれど、孤立は不幸の呼び水となる。高齢者になってからでは遅すぎる、若いうちから老後に備えておきたい。独り身が居心地悪く感じる世の中で、いかに孤立を回避して、孤独でも幸せな老後を送るためには、どうしたら良いのかを提案するエッセイ。
  • つながりの蔵
    4.0
    小学5年生だったあの夏、幽霊屋敷と噂される屋敷には、庭園に隠居部屋や縁側、裏には祠、そして古い蔵があった。初恋に友情にファッションに忙しい少女たちは、それぞれに“哀しみ”を秘めていて――。
  • 繋がりは永遠に
    -
    1巻638円 (税込)
    「死んでもいい」大地はずっとそう思ってた。でも、必死に生きようとしてる美空を見ているうちに、美空と生きていきたい、と願った。何があったとしても、この空の下でずっと……永遠に繋がってる。神様、どうか俺と美空に……未来をください。ケータイ小説サイトおりおん☆

    試し読み

    フォロー
  • つながりません スクリプター事件File
    3.5
    映画製作の現場において撮影シーンの様子や内容、物語の?ぎなどを管理する役目、スクリプター。監督にも物怖じせずに、「つながりません」と告げることで有名なスクリプター真野韻は、様々な現場で見逃されようとしている事件、人間の欲と業、そして罪と謎を暴き続ける。辿り着いた先に待っていたのは……。『教場』の著者が描く連作短編ミステリーの傑作!
  • つながる読書 ――10代に推したいこの一冊
    4.0
    SNSでつながった読み書きのプロたちによる本のプレゼン大会はじまります! 小説家、エッセイスト、研究者、学芸員、書評家、詩人、大学教員、中学高校教員、予備校講師、美術家、編集者──14名の豪華執筆陣が、それぞれの「推しの1冊」を“プレゼン”。それを別の人が読んだら、どう感じる? 人それぞれの思いが、さまざまな言葉に乗って織りなされていく。本で他者とつながることの面白さを実感できる、新感覚の読書体験。本の持つ無限のつながりの中に飛び込んでみよう! 【編者より】副題である「10代に推したいこの一冊」という文言からブックガイド的な本を想像なさる方も多いかと思いますが、いわゆる一般的なブックガイドではありません。豪華執筆陣の方々に、それぞれの「推しの一冊」を、自らの人生や思想、生き方などを踏まえながら“プレゼン”していただきました。そして、そうした“プレゼン”を踏まえての、私と読書猿さんとの対談、さらには詩人・草野理恵子さんの手になるエッセイ等、どのページをめくっても内容のパンパンに詰まった、宝石箱のような一冊です。 【目次】第1部本のプレゼン/第2部 本とつながる、本でつながる 小池陽慈×読書猿/第3部 つながる読書/おわりに 小池陽慈/《特別寄稿》どこにでも落ちているいいものはなーんだ? 草野理恵子
  • つなみ
    3.0
    1巻628円 (税込)
    ■内容紹介 2011年3月11日、東日本大震災が発生した。津波による甚大な被害。直接的な被害を被っていない埼玉県に住む夫婦も、目もあてられぬ状況におののき、茫然としているだけだった。しかしながら震災の余波は、妻の失踪、夫の失業などに形をかえて、じわじわと夫婦におそいかかる。人々の心にまで及ぶ震災の被害。震災と津波が唯一残したもの、それは「生きること」そのものを考える“きっかけ”だった。震災によって心かき乱され、崩壊していく夫婦の生活を描いた長編小説。 ■著者紹介 沢 正(たく しょう) 埼玉県出身。

    試し読み

    フォロー
  • 津浪と人間
    無料あり
    3.0
    1巻0円 (税込)
    この電子書籍ファイルは青空文庫のデータをもとに制作しております。

    試し読み

    フォロー
  • 津波を乗り越えた町々 東日本大震災、十年の足跡
    5.0
    1巻2,772円 (税込)
    東日本大震災から十年。日本写真学会の正会員であり、「3.11を忘れない写真家の会」代表を務める谷口雅彦氏が10年間、被災地に通い続けてカメラに収めた6万枚超の写真の中から厳選して一冊にまとめたドキュメンタリー写真集。東北地方の被災直後の状況と、10年間で町が生まれ変わるプロセス、そして再生した現在が収められている。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
  • 繋渡り
    3.6
    1巻1,540円 (税込)
    作家の父と弟と暮らす少年・未智留。 凡庸な両親に育てられた少女・残花。 自らをほんの少しだけ優れた、でも大したことのない存在と断じる二人は、取るに足らぬ同級生を見下ろしながら、卑俗で平凡な住民を横目に見ながら、生活するにはちょっと不便で色々と物足りないこの町で、ほんの少しの諦観とともに退屈で停滞したささやかな日々を過ごしていた。 けれど。 ある日の未智留の一言をきっかけに、二人の平穏な関係は唐突に終わりを迎える。 近親相姦、同性愛、虐待―― 少年が背負う過酷な真実が肌を晒した時、二人を中心とした歪な“家族”の物語が幕を開ける。 【もちぎ先生より】 この小説の登場人物は必死に生きる、ダメな思考すら持ったただの人間です。 だからそんなダメな人間を指差して非難して笑った時、自分が運良くダメじゃないというだけの事実や、自分だってダメになってしまうという事実を無視して、もっと生きづらくなる世界を歩むことになると思います。 打算も優柔不断も、依存も懐疑も、冒涜も支配も、うまくいかないコミュニケーションも、後からどうとでも言えるたられば論も、本人の中で矛盾する感情も、全部指摘するのは簡単だけど、人生ってそう簡単じゃないんだなと思って書き上げました。 【担当編集より】 もちぎさんのこれまでの人生、多くの方々との関係性の中で築いてきた自らという素材を削り、煮詰め、端整に組み上げた、彼の分身のような本。 爽やかで心地良く教訓的で、読後に万人が幸せになれる話ではなく、本を開いた瞬間に読者の心を鷲掴みし、力尽くでページを捲らせ続け、容赦なく胸を抉り消えない痕を残すような鋭利な物語。 苛烈で激烈でもちぎさんにしか、そんな彼にも一生涯で一度しか描けない初小説。 どうか魂に刻んでください。
  • 綱わたりの花嫁
    3.0
    誘拐された花嫁は別人!? 本物はどこへ? 結婚式に覆面をした三人組が飛び込み、花嫁を誘拐した。しかし、さらわれたのはアルバイトで花嫁のふりをしていた久美子だった。久美子の母親や友人の塚川亜由美は、本当の新婦・美亜の父親で大富豪の坂戸に身代金の立て替えを頼むが、聞く耳を持たない。その横暴な態度が、思わぬ波乱を巻き起こすことに! 長編ユーモアミステリー!
  • つね子さんと兎
    無料あり
    -
    1巻0円 (税込)
    この電子書籍ファイルは青空文庫のデータをもとに制作しております。

    試し読み

    フォロー
  • 恒藤恭氏
    無料あり
    -
    1巻0円 (税込)
    この電子書籍ファイルは青空文庫のデータをもとに制作しております。

    試し読み

    フォロー
  • 常ならぬ夜々
    -
    1巻682円 (税込)
    男と女を結ぶ縁が転がりだすと、性欲の縁も動きだす──。 父から受け継いだ洋食屋を、原価を無視し食材費にかけすぎたために潰した逸夫は、父の味のファンだったフードライターの沢味涼子に声をかけられた。 彼女が誘ったきたのは、クライアントの部屋で食事をつくるケータリングの仕事だった。 渋々はじめた仕事先で待っていたのは、性欲をもてあましている人妻だ。 次の仕事先のマンションでは、数十人が全裸になって求め合う妖しげな会場だった。 女性経験の少なかった逸夫は、五感すべてで女体を味わい、腕のいい料理人らしく欲望をあらわにしていった。
  • 角

    3.3
    ある朝目覚めると、麻起子(まきこ)の頭に角が! 恋人の山平(やまひら)にノコギリを当ててもらうが、切断するまでは踏み切れない。髪を巻き付けて隠せば生活に支障はないのだが……。今まで通り出版社の校閲部で仕事をこなす麻起子の日常に、徐々に変化が――。これまでいがみ合っていた作家の保田(やすだ)からラブレターが届く。二人の関係は!? そして、角の存在は!? 笑いと涙の青春群像劇。
  • 角田喜久雄「肉」
    無料あり
    -
    1巻0円 (税込)
    この電子書籍ファイルは青空文庫のデータをもとに制作しております。

    試し読み

    フォロー
  • 角の生えた帽子
    3.5
    何度も同じような夢を見る。それはさまざまな女をいたぶり殺すことでエクスタシーを覚えるという夢だ。その夢はまるで自分が手を下したかのような錯覚に陥るほど、リアルなのだ。ある日、自分が見た夢と同じ殺人事件が起こっていると知る。犯人逮捕のニュースには、自分と同じ顔をした違う名前の男が映っていた―ー。運命の残酷さに翻弄される悲劇を描いた「悪魔の帽子」ほか、植物に取りつかれた男を描いた「花うつけ」、主人公が犬嫌いになった理由があかされる衝撃のラスト「犬嫌い」、著者の出身地である松山が舞台の正統派ゴーストストーリーの「城山界隈奇譚」などの他、文庫化にあたり雑誌掲載原稿を2篇、文庫版書下ろしも収録した充実の十二篇。登場人物たちの心の昏闇や地獄は、自分の中にもあると気付いたとき、すでに著者の術中にはまっている。一度読み始めたら、止められない語り口、一気読み必須の正統派怪談。
  • 唾がたまる
    -
    ──母の包丁の音、いまも心にこだまする言葉。 〈 すべての記憶が、わたしを支えている〉 韓国文学のトップランナーによる、切なくて、痛くて、おかしな8つの物語。 --------- 自分をいつも守ってくれた豪快な母。 何もかもがうまくいかなかった、クリスマスの夜の苦さ。 就職難の中で手に入れたささやかな「城」 への闖入者。 死んでしまった母親との、本当の別れ。 大人になろうとする主人公たちの大切な記憶を鮮やかに紡ぐ、作家の自伝的要素も散りばめられた瑞々しい短編小説集。 --------- 【目次】 ■日本の読者のみなさんへ ■堂々たる生活 ■唾がたまる ■クリスマス特選 ■子午線を通過するとき ■包丁の跡 ■祈り ■四角い場所 ■フライデータレコーダ ■作家の言葉 ■訳者あとがき
  • 椿宿の辺りに
    3.8
    三十肩と鬱に悩まされている皮膚科学研究員の山幸彦は、ふたごの鍼灸師のすすめで祖先の地、椿宿に向かう。山幸彦は、そこで屋敷と土地の歴史、自らの名前の由来を知り……。入りくんだ痛みとは何かを問う傑作長編。
  • 椿飛ぶ天地
    -
    1巻1,980円 (税込)
    俳句趣味の人「必見の小説」――詩人・エッセイスト古屋久昭氏推薦。漱石の俳句〈落ちざまに虻を伏せたる椿かな〉をめぐり、椿は上向きか下向きかを寺田寅彦は検証する。一句を軸にした実験小説。紀行小説「平壌号」を併せて掲載!
  • 椿の海の記
    4.4
    『苦海浄土』の著者の最高傑作。精神を病んだ盲目の祖母に寄り添い、ふるさと水俣の美しい自然と心よき人々に囲まれた幼時の記憶。「水銀漬」となり「生き埋め」にされた壮大な魂の世界がいま蘇る。
  • 椿の咲く頃に……
    -
    1巻220円 (税込)
    集中治療室で、医者に向かって訴える妻―― 「最後の時間は、二人だけにしてください」だが夫の先輩刑事である黒木――「しかし……」「黒木さん、心配しないでください。決して、おかしな真似はしませんから」「奥さん、本当に大丈夫ですか?」「はい。ただ、二人で誰にも邪魔されずに過ごしたいのです」笑みさえ浮かべてそう告げる妻。 黒木の胸に、熱いものがこみ上げてきた。そして、この夫婦をこんな不幸に叩き落した元凶でもある自分が、二人のために今できることは、妻のこの願いを受け止めてやることしかない――そう思い直した。(作中より)

    試し読み

    フォロー
  • 椿の花の赤
    無料あり
    -
    1巻0円 (税込)
    この電子書籍ファイルは青空文庫のデータをもとに制作しております。

    試し読み

    フォロー
  • 椿姫
    4.8
    パリの社交界で金持ちの貴族を相手に奔放な日々を送る美貌の高級娼婦マルグリット。彼女はある日、青年アルマンと出会う。初めて真実の愛に目覚めた彼女は、これまでの享楽的な生活を捨て、パリ近郊の別荘で二人は暮らし始めるのだが、そこへ訪ねてきたのはアルマンの父だった。そしてアルマンを愛するがゆえにマルグリットが下した決断は……。フランス恋愛小説、不朽の名作。
  • 椿姫
    4.1
    椿の花を愛するゆえに“椿姫”と呼ばれる、貴婦人のように上品な、美貌の娼婦マルグリット・ゴーティエ。パリの社交界で、奔放な日々を送っていた彼女は、純情多感な青年アルマンによって、真実の愛に目覚め、純粋でひたむきな恋の悦びを知るが、彼を真に愛する道は別れることだと悟ってもとの生活に戻る……
  • 椿姫
    3.8
    美貌の高級娼婦マルグリットはパリの社交界で金持ちの貴族を相手に奔放な生活を送っていた。だが、青年アルマンに出逢い、彼女は初めて「愛」というものを知る。パリ近郊の別荘に駆け落ちした二人だが……。
  • 椿姫
    無料あり
    2.5
    この電子書籍ファイルは青空文庫のデータをもとに制作しております。

    試し読み

    フォロー
  • 椿姫
    -
    椿の花しか持たないため、椿姫と呼ばれるパリの高級娼婦マルグリットと出会った青年アルマンは、彼女をひたむきに愛するようになる。彼女も彼に好意を抱くが、娼婦であり、病魔に冒されているために応えることが出来ない。愛しあいながらもついに結ばれることのなかった二人の悲恋を、パリの社交界を舞台に美しく描く。アレクサンドル・デュマの私生児デュマ・フィスの出世作で、ヴェルディのオペラの原作ともなった。

    試し読み

    フォロー
  • 燕岳 殺人の暦
    -
    1巻682円 (税込)
    北アルプスの燕岳で刺殺死体が発見された。 健康保険証から身元はすぐに判明したが、不明なことがあった。どういうわけか、11年前の冬に亡くなった女性についての新聞記事の切り抜きを持っていたのだ。 なぜ、男がその切り抜き記事を持っていたのか。長野県警豊科署の道原伝吉刑事は、過去の事件を徹底的に捜査するうち、北アルプスでの遭難事故が絡んでいることをつかんだ。 犯罪とは無縁のごく普通の人が、憎悪と欲に取り憑かれていく様が見事に描かれた見事なミステリー小説!
  • 翼

    3.6
    1巻550円 (税込)
    大手精密機器メーカーに勤める田宮里江子は、大学時代の親友の夫・長谷川岳志と10年ぶりに遭遇する。岳志は、親友の恋人でありながら、初対面でいきなりプロポーズしてきた男だった……。直木賞作家のTwitter連載小説として話題となった恋愛小説。何度も読んで、何度も涙するという読者が続出した。鉄筆文庫の創刊第一作。

    試し読み

    フォロー
  • 翼ある太陽
    -
    1巻1,144円 (税込)
    クラスでも浮いた存在だった優子は、ひょんなことから文化祭で演奏するバンドのボーカルに抜擢されてしまった。さらに、突然のことに戸惑いを隠せない優子のもとへ集まったのは、心に闇を抱える生徒ばかりだった。将来を模索する悟、自分に自身のない凛、過去に囚われているリカ、未来をあきらめている拓也。最初はばらばらでまとまりのなかったかれらも、次第に“音楽”という絆で結ばれ始めた。高校生活最後の文化祭に向けて、彼らが駆け抜けたかけがえのない日々とは……。

    試し読み

    フォロー
  • 翼ある蛇
    3.8
    英文学翻訳家、沢地逸子のホームページに「生理ガハジマリマシタ。ヨッテ、明日、母ナル神ニ生キ贄ヲ捧ゲル儀式ヲ行イマス。コンドハ人間デス」というメッセージが書き込まれた。翌日、都内で発見された大学生の猟奇他殺死体。沢地の担当編集者、喜屋武蛍子は、同居している姪の火呂が自分に黙ってこのホームページにアクセスしていたことを知り、疑念を抱く。火呂には胸に蛇の鱗に似た痣があり、かつてそれを見た神女が海蛇の生まれ変わりだと告げた記憶が蘇ってくる。長編ホラー。
  • 翼~李箱作品集~
    3.6
    陽の差さない部屋で怠惰を愛する「僕」は、隣室で妻が「来客」からもらうお金を分け与えられて……。表題作「翼」ほか、近代化・植民地化に見舞われる朝鮮半島で新しい文学を求めたトップランナーの歓喜と苦闘の証たる小説、詩、随筆等を収録。

最近チェックした作品からのおすすめ