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Posted by ブクログ 2012年11月27日
現役僧侶が書いた小説、という触れ込みに興味が沸いて、読んだ。
仏教思想、特に禅宗は、卒論のテーマにしたぐらい興味がある。
ユングも曼陀羅に興味を抱いていたそうだから、共通点はあるのかもしれない。
何より、心理学を志した人なら誰もが知ってる臨床心理学者・河合隼雄氏が解説をしてるってのも、個人的にはかな...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年01月13日
第125回芥川賞受賞作
中陰とはこの世とあの世の中間 と表紙にある。聞き慣れない言葉を解釈したものか。
則道は禅宗の僧侶で 圭子と結婚して6年目になる。子供はいない。一度妊娠したが4週目で流産をした。圭子は今でも少し拘っている。
則道は檀家の行事・葬式や法事を行っていて説法もする。だが大阪の...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年12月04日
「成仏させる」というのは、死者の魂ではなく、遺族の魂のほうを成仏させるという感じかなあ、と解釈する僧が、知人の占い師の死や、霊感らしきものを感じるという妻の、流産した赤ん坊の供養をしたいという願いなどから、死んでまだ成仏していない魂というものの在り様について考え不思議な体験をするという話。通常の意識...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年03月27日
僧侶である則道(そくどう)は、妻の圭子と二人暮らし。所謂"おがみや"として様々な予言をし、自分の死をも予知して最期を迎えたウメさん。鉱泉を開き、妻と共に自らの宗教体験を語る石屋の徳さん。流産のために産まれる前に亡くなった我が子と、圭子が「成仏してない」と主張するウメさんとを弔うため、圭子が作った紙縒...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年04月19日
主人公の則道と妻の圭子は、おがみやうめさんの死、そして49日を迎えるまでの中陰の期間を通し、夫婦関係を見直していく。2人は流産を経験していた。この出来事をひきずる圭子、彼女は紙縒作りに励んでいたが、これは4週間しか生きられなかった我が子への祈りであり、子を授かりたいという彼女の祈りを表すものであった...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年01月20日
芥川賞受賞作。
芥川賞にはやはり陰が必要なんだな。
陽だけでできている人間は当然いないわけだけど。
感想は「なるほど文学だな」。
僧の悩み、周囲の悩み。
根本は何一つ解決しないけど、あるフェーズを過ぎると悩みはそのまま置き去りにされるのか。
いや、「抱える」のをやめて、置き去りにもできず普段は見な...続きを読む
Posted by ブクログ 2010年05月24日
文春で読んだはずなのに全然憶えてなかったのが軽くショック。
10年以上前の作品だったことに更にショック。
宗教というものが一番胡散臭く思われてた時期に、客観的な視点で現実を見つめている。科学と宗教の齟齬を、みなかったことにしない。
巨大すぎるそれに、果敢に立ち向かう。
河合さんの解説がこれまた秀逸。...続きを読む
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