三浦しをんのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
少女ふたりの往復書簡を通して描かれる、20年以上にわたる重厚な人生の物語。
可愛らしい装丁からほのぼのとしたあたたかい物語を想像したらまったく違い、深く深く激しい女の物語だった。
女性同士の恋愛や生き方について今ほど寛容ではなかった時代の友情とも愛情とも言えぬ関係の揺らぎ。家庭環境・時代背景が複雑に絡み合い、読んでいる側まで胸を締めつけられるような緊張感を感じた。
時代や家庭の“普通”に縛られた2人だからこそ、素直な気持ちを直接言葉にできず、手紙やメールを介して遠回しにしか伝えられず、制約の中で互いを想い合い交わされる言葉が美しくもありもどかしい。
手紙だからこそ積み重なった年月の重み、信じ合う互いの心の結びつきが確かにあった。
人を想い、想われること、愛すること、生きることについて考えさせられる、そしてきっと何度も読み直したくなる、骨太な一冊だった。 -
Posted by ブクログ
私はこの小説を読み、短大生のときに亡くなった友人のことを思い出した。
彼女と私は同じ学校に通っていたわけではなく、学生会館で出会った。初めて都会に出てきて、田舎者で、妙な解放感を感じながらも、不安と恐怖も心の中にあった気がする。
彼女とは入居してすぐの交流会で意気投合し、それからは夕ご飯の後にロビーに集まっては思い出すのも難しい他愛もない話をよくした。
短大を卒業し、学生会館を出た私は、また田舎に戻った。彼女が住む場所には遠かったからあまり会えなかったけど、メールやSNSでのやりとりが続いていた。
彼女は脳腫瘍になった。病状が悪化していくにつれてメールの数は減り、最後に会って数ヶ月後に彼女の母親から亡くなったとのメールが一通届いた。私は仕事中で、休憩室一人だった。
もう彼女の顔も思い出せないくらい、あの日々は日常に溶け込んでしまったけれど、親友と言えるような深い関係でもなかったけれど、楽しかったなぁと、ののはな通信を読みながら過去の自分と彼女との日々に浸っていました。
読んでよかったです。