三浦しをんのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
私にとって公共の場で読めない作家が二人いる。
朝井リョウと三浦しをんである。
この二人が作家として世の中に送り出してきた著作はいずれもしずばらしい。人間の営みのなかにある愚かさも尊さも描いていて、ファンである人は多いことは想像に難くない。
しかし、エッセイは違う。いや、広義の意味では違わない。二人のエッセイも小説作品と同じくとてもおもしろい。本当に、マジでおもしろい。おもしろすぎて普通に声出して笑ってしまう。
私はわりとゲラなので笑ってしまうハードルが小学1年生がやるゴム飛びくらい低いのだが(ゴム飛びっておもしろいよね、小さいころめっちゃやってた)、それを差し引いたとしても日常においての目の付 -
Posted by ブクログ
劇的な展開や息をのむようなスリルがあるわけではないのに、読み終えた後には何物にも代えがたい大きな学びと、温かく深い充足感が残っていました。一つの壮大な旅を最後まで共に見届けたのだという静かな達成感が、胸の奥をそっと満たしてくれます。
物語の終盤、松本先生からの手紙を読むシーンで流れた涙は、ポロポロとこぼれ落ちるような激しいものではなく、心の底からゆっくりと溢れ出してくるような、とても温かなものでした。言葉という果てしない海を渡るための舟を編み続けた人々の情熱と、そこ注ぎ込まれた途方もない時間や思いが、一文字一文字から伝わってきて胸を打ちます。辞書を一冊作り上げることがどれほど大変な営みである -
Posted by ブクログ
言葉を知ることは、世界の解像度を上げることだと思う。
知らなかった言葉をひとつ覚えるたび、それまで輪郭のなかった感情や景色に名前がつき、見える世界が少しずつ広がっていく。
とりわけ、大切な人が苦しんでいるときに、胸の内には伝えたいものが確かにあるのに、それにふさわしい言葉を選べないことがある。そのもどかしさに出会うたび、自分の語彙の乏しさを思い知る。
優しさは、想うだけでは届かないことがある。
想いを相手のもとまで運ぶためには、それに耐えうる言葉が必要なのだと思う。
だから私は、ずっと言葉を学んでいたい。
世界をより深く知るために。
そしていつか、大切な誰かが言葉を必要としたとき、その -
Posted by ブクログ
本屋大賞受賞作品。
10年くらい前に読んだときは、読みやすいけれども、あまり感動はなかったが、再読すると面白くて笑えたり、登場人物の言葉に感動したりの最高の読書タイムを過ごせました。
劇的な展開がないので、以前は物足りなく感じたのかもしれないが、辞書の編集のため言葉と真摯に向かい合う姿は素晴らしい。
全く別の分野で働いているが、とにかく真剣に仕事をやらなければいけないという気持ちになった。
また、自宅にある広辞苑をパラパラめくって眺めている。
我々の辞書に対する信頼度はとても高いが、それは辞書編集に関わる多くの人の長年の努力の賜物なのですね。
-
Posted by ブクログ
とてもとてもよかった。
今まで駅伝をきちんと見たことがなかったけど、走りに向き合い賭けた人たちの物語に向き合ってこなかったことを後悔するほどの作品だった。
現実ではあり得ないお話とはわかっているものの、現実的なお話で自分も近くで見ているような感覚に陥った。各々が走りに向き合い、各区間ごとに登場人物一人一人の描写が細かく、とてもよかった。
自分もまるで走っているのではと錯覚するくらい没頭してしまった。
1位になることだけが全てではない、その先を見据えて走りを追及することがいかに困難か知ることができた。今後も大切にしたい作品と巡りあえてしあわせです。 -
Posted by ブクログ
一穂ミチさんと坂木司さんをお目当で手に取った。
一穂ミチさんはらこの中でもちょっと異色の作風だったけれど、苦いのに苦しいのにどこか暖かみを感じた。人と仲を深めるのって難しいな。
坂木司さんは、エンターテイメントを感じて面白かった。登場人物みんながいいキャラしている。
三浦しをんさんは、こういうのをこのアンソロジーで読みたかったんだよ!これだよ!これ!と、読んでいてクスっと笑ったり、ちょっと心がじんわりしたり、本屋ってやっぱりいいなと思わせてくれた。
凪良ゆうさんのは1度読んだことがあるストーリーだったから、新作を読みたかった。
本を売る人、買う人、書店との繋がりがある人、それぞれのストー