あらすじ
海と山に囲まれた餅湯温泉。団体旅行客で賑わったかつての面影はとうにない。のどかでさびれた町に暮らす高校2年生の怜は、母親が2人いる家庭の中で、迫りくる進路の選択や自由奔放な友人たちに振りまわされ、悩み多き日々を送っていた。そんなある日、餅湯博物館から縄文土器が盗まれる事件が発生する。
――モヤモヤした日常を吹き飛ばす、青春群像小説!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
先が気になるワクワク感には欠けて読むペースがゆっくりだったけど、物語に漂う温かさと登場人物のキャラクター&世界観が心地よかった。
主人公の怜がとにかく良い奴で、男の子育児中の身としては「高校生の息子ってこんな感じかな」とあれこれ考えるのが楽しかった。高校生のときに自分が感じていた閉塞感も思い出した。
高校生が読んでも、大人が読んでも違った見方ができて面白いと思います。癒されたい時に読むのが良いかも。
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地上の物思いなど一顧だにせず花火が上がる。
確かにこれは青春小説だ。夢に向かって努力したり、友達と仲違いした後分かりあったり、そんな汗臭い展開はないけれど、若い頃感じていた楽しさや不安、大人になって振り返る暖かさや寂しさが、笑いとともに感じられるオススメの一冊。
誰もに良いところと足りないところがあって、迷惑を掛け合いながら、生きていくのも悪くない。
架空の街だけど、餅湯に行ってみたい笑
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山も海も温泉もあるのどかな町に住む高校生たちが主人公。みんなみんな愛おしく、あったかい日常。
いやこれはかなり劇的なことなのでは?と思うエピソードだってある。けれどすべてがなぜだか心地よく過ぎていく。作者の筆致に身を任せるってこういうことか。
エレジーは流れない。
読後、ぴったりなタイトルだなと嬉しくなった。
Posted by ブクログ
2025/04/11
海と山に囲まれた餅湯温泉が舞台の小説。のどかでさびれた町に暮らす高校2年生の怜は、2人の母親がいて両方の家を定期的に行ったり来たりしながら暮らしている高校生。そんな複雑な家庭の事情や段々と近づいてくる進路選択、そんなことをもろともしない自由奔放な友人たちに振り回されながら学校や日常での生活を過ごす様子がゆったりと描かれている。
そんななか、餅湯博物館から縄文式土器が盗まれたとのニュースが入り、生活が進む傍らでその犯人を探そうとする試みも始まる。
またストーリーが進んでいく中で怜の出生についても徐々に明らかになっていく。
ストーリーの展開の仕方がとても秀逸で、シリアスな場面…なんだよね?というところで唐突にくるギャグみたいな展開や、クスリと笑える一文がとてもいい味を出していると思いました!
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親が2人いる
フツウは父親と母親なのかもしれない
でも、怜には母親2人で二親
父親はどこにいるのか、いないのか
普段は温泉街の土産物屋の息子
月に1週間だけ大企業の息子
設定面白いし、こういうことってもしかしたら現実にはあるのかな?ないかな?
伊都子がかなり変わってるというか
面白いというか冷静というか…寿絵の性格に惹かれたのもあるけど、本当面白い思考
周りの友だちも、商店街の人たちも、桜台にいるふたりもみんな好きだったなあ
15号を除いて
また怜の日常のその後が読みたい
みんなのその後が気になるー
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寂れかけた温泉街を舞台に
高校生たちの青春を描く。
父親がいなく、母親がふたりいる。
そんな自分の存在に悩みながらも仲間たちと
ドタバタ過ごす、青春譚
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もっちもっち、もちゆ〜
このローカルなキャラクター像とくすりとしてしまうシュールさ。
何かが起きて変貌するという壮大な話ではないけどそこがいいんだよなぁ
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架空の温泉街、餅湯温泉に住まう5人の男子高校生が主人公の青春小説。
部活動に汗を流し、挫折して、男同士の殴り合いを経て、友情を深め、ちょっとヤンチャな仲間と盗んだバイクで走り出す。
そんなことは一つも起きません。
なんなら大きな事件は何も起きません。なぜならぬるま湯に使ったような餅湯温泉だから。
けれど、何も起きない街に生きる高校生たちの苦しみや悩み、ささやかな幸せを軽やかに、クスリと笑えるタッチで描いている。
高校生の頃に感じていた将来への漠然とした不安、漠然とした希望、自分とは何かという疑問、友人への嫉妬。高校生に戻った気分で読めます。
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最初はなかなか進まなかったが読み終わった後の爽快感が心地よかった。
高校生の時ってこういうことに悩んでいたなぁとかこういうこと感じたなぁと懐かしくなる作品。
各キャラクターも魅力的。
わたしは伊都子さんが好きでした。素敵な大人の女性だった。
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大好きな「舟を編む」の三浦しをんさんの作品。
すごく楽しみにしていたのですが、はじめの方はなかなかページが進まず。。半分ほど進んだところから、一気に読み進められました。
高校生男子たちが、終わる頃には少し成長していて何だかいいなと思いました。
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最後の一文をタイトルとリンクさせるあたり、ニクイぜ、イカすぜ。
いくらでも続編とか外伝が書けそうな作品なので、そういうのも読みたいな。と思う。
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しなびた餅湯温泉街に住む男子高校生たちの日常。
ただの日常を描いてるから読み始めは、進まない、、、と諦めかけるが「船を編む」を書いた三浦しをんだからきっと面白いハズと我慢して読む。
ちょっとだけ色々あったけど、結局、特に何もなかった笑。だけど、なんとなく心地良い読み終わり。しなびた観光地、親とのいざこざ、友達とのやんちゃ。自分にもそんな事もあったよね、と思えるからなのか。
哀しい歌、エレジーは流れないこの餅湯温泉街にほっと出来ました。
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読み終わった後は朝ドラを観たような気持ちになる。
絶対的にほのぼのとした世界感だけど、ええ?となるような創作ならではの設定もあり。小説にワクワクドキドキを求める人にはちょっと物足りないかもしれないけど、気持ちを落ち着けたいときにサラッと読むには最適な本。
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架空の温泉地・餅湯町を舞台に繰り広げられる群像劇。
明確になりたいものがなくても、この街で穏やかに暮らしたいって十分な夢だよなあ
十五号から逃げた夜に、竜人と愛美が2人で語らってるのを眺めるシーンが好き!!
Posted by ブクログ
発展途上の「バカで」愛すべき高校生たちのお話。でも、仕事に就いて、家庭をもって、親になって…と、次々にいろんな立場、責任が、しがらみが付いてきても、生涯、発展途上は要求される。ただ、質が変わってくるだけで。
土器の窃盗、しかも「高校生の作品」、公認の二人の母など、そういったすったもんだがストーリーに軽重を付けることでフィクション色が濃くなり、しがらみだらけの私でも(大人でも?)苦しまずに読めた。
「すぐ夢の話」をする大人。まさしく私がそうだ。怜たちと同じ年代の我が息子に偉そうに講釈を垂れながら、当時の私も夢なんてなかった。夢があり、夢に邁進する友達を見て、自分に自分が圧をかけていたけれど、夢がなくてもそこそこ楽しかったし、そこそこちゃんとした大人になった。これでよかったんだ、これでもよかったんだと、私自身がそう思えるのだから、きっとそれでいい。やっぱり三浦しをん、好きだなぁ。
Posted by ブクログ
舞台は海と山に囲まれ、少々鄙びた感のある温泉街の餅湯町だ。
主人公の穂積怜は高校2年生で、温泉まんじゅうなどのみやげ物を商う母親の寿絵との二人で暮らしている。
しかし不思議なことに、月に一度のペースでもう一人の母親となる光岡伊都子と1週間過ごすことが慣例となっていた。
伊都子は東京で手広く事業を展開している実業家なのだが、怜と過ごすたために餅湯町にある豪邸にやって来るのだ。
二人の母親を持つ怜は、父親は誰なのかと時々気になるのだが、両母親に尋ねることはしない。
怜には仲の良い友人が4人いて、ドタバタの交友録が綴られている。
5人の高校生の付き合いのやり取りが、三浦しをん女史特有の作風で綴られている。
仲間同士のくだらない会話、親との葛藤を含んだやり取り、町内の家族同士の付き合いなどなど、たっぷりと三浦節で綴られている物語だ。
突然に起こった餅湯博物館に展示されている縄文土器の盗難事件。
彼らは、窃盗犯を捕まえるために行動に出る。
そして怜の父親の秘密などが絡み、ドタバタな暮らしの中で友情や愛情の大切さを表した青春群像劇となっている。
Posted by ブクログ
重たくなくて楽しい話が読みたいなーと思ってる時に本屋で推されてて購入。
なんとなく話に起伏が足りない感じがして物足りなかった。
話の軸としては
・高校生の日常、悩み(なりたいものがわからない、急に絵を始めたやつが上手くなることに対する嫉妬)
・主人公の怜の家庭環境の話
・縄文土器事件を仲間と解決する
という感じ。
家庭環境のところは「2人のお母さんはどういう関係なんだろう」とか「急に現れたお父さんらしき人はどういう目的でやって来たんだろう」とか興味が惹かれる展開だったけど、それ以外の部分は共感とか盛り上がりに欠ける感じだった。特に前半は大した出来事も起こらないので単調に感じてしまった。
Posted by ブクログ
餅湯温泉の土産物屋を実家とする高校生、怜の視点で物語が進む。
将来の夢や希望もなくただ穏やかな生活を望む怜には2人の母親がいる。出生の秘密を知らない不安や将来への焦りを感じつつも日々が過ぎていく。型破りな友達が事件に巻き込まれるのを助けたり助けなかったり。逆に彼らに守られたりしながら怜は自分の現在と将来に向き合っていく。
怜の友達が揃いに揃って個性的で好きにならずにはいられない。三浦さんが書く青春小説はスピード感があってみずみずしい。
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複雑な家庭環境をシリアスではなく明るく表現しているのは良かった。
男子のノリが満載で、こんな友情いいなと思いきや、そこに至るまでの前半がちょっと長い。でもこのダルっとした前半があってこその後半かもしれないけど、もう少し家庭の事情が早くしれたほうが一気に読めたかも。
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随分前に読んだため、詳しい内容までは覚えていないが、しをんさんのテンポのよさは相変わらずだったと記憶している。のどかな温泉街に暮らす高校生の怜とその仲間たちの日常を描き、その中で起こる土器の盗難事件や、怜の出生に関する真実等の非日常も描かれている。
全体としてクスっと笑えるところは笑えるのだが、怜に母親が二人いるという設定はそこまで必要じゃなかったのでは?と思ってしまった。それでも、高校生たちのあほらしい会話は読んでいて面白かった!
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石段の傍の茂みには間遠に街頭が立っていて 虚しさと慕わしさはいつだって裏表だからだ 定義が伸縮自在と言うか 怒号と慨嘆がバックヤードを飛び交った 昼休みがそろそろ終わる事を告げる予鈴の響きと混じり合って 寂しさに似た幸せの気配が心に満ちた 哀しい歌(エレジー)よりは餅湯の町に似合うもんなと思いながら
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青春は熱さや仲間思いだけでなく、ちょっとした日常や異変に対応していくだけでも青春というもの。何事も経験なく向き合うのだから。
そんなことを読んでて感じました。
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三浦しをんが好きだからこそ、この本はちょっとなんか違うな感。おそらく、熱海とかその辺りをモデルになんてことのない高校生の日常を描いたのだろうけど、リアリティにもファンタジーにも寄らずの曖昧なまま最後までいってしまった。
母親が2人いるという奇妙な生い立ちを持つ怜の設定はなんだかワクワクしたのだが、結局それも中途半端に納得させられるような形で解き明かされてしまい、抑揚のない物語だった。
雰囲気的には同著者の「神去りなあなあ」に近いんだけど、日常要素が凡庸なので結果として物語全体も凡庸。なんか惜しい作品でした。
Posted by ブクログ
うーんなんとなくで終わってしまった。
特にこれといった感想は浮かばないけどまあそういうのがあってもいいかなとは思う。
エレジーって平井堅の歌であったような哀歌ってことだよな?と思いながら開いた本だけど、ずっともちもち流れてたな。たしかに生い立ちの複雑さに比してエレジーのエの字もなさそうだったけどひとえにお母さんたちのおかげだろうなぁよかったね〜という感想だった。
父親はよく分からない程度の存在感しかなかったけどなんだあいつって感想しかないな。
なんで登場してきたんだろうか謎すぎる。
物語の都合とか考えず物語の世界が実在していると考えるとより一層塵芥じゃんと思う。
Posted by ブクログ
鄙びた温泉街を舞台に、高校生たちの日常を描く青春小説。
母親が2人いる謎や、土偶の窃盗事件など絡みつつ、わちゃわちゃとした日々が描かれていく、心がスーッとする作品でした。この続き、読んでみたいなぁ。
Posted by ブクログ
何か壮大な事件とか起こるわけじゃないんだけど、日常で起こるちょっとした出来事だったり、それぞれが抱えている胸の内が描かれていた。
竜人やマルちゃんをはじめとして、見守り、支え、受け止めてくれるみんな。
「そんなにも心を開いたり、だれかを求めたりする局面は、このさきどれだけ生きても自分には訪れないような気がした」とどこか孤独を感じていた怜が、最後には、自分を愛してくれている周りの人々を認めて、自分もまたみんなを愛しているんだと自覚できてよかった。
伊都子のように愛情深くかっこいい女性になりたいなあ。
マルちゃんのいう「不思議な感覚」って多分、離人感(離人症)なんじゃないかなあ。自分も昔頻繁に、その感覚になってたことを思い出した。
読み終えて思ったけど、冒頭の夢で殺しちゃったかもって震えてたの、お父さんのことだったのね。長い間しんどかったろうな。
Posted by ブクログ
正直言って、三浦しをんじゃなかったら途中で匙投げてた!
日常を描いた話だからと言われたらしょうがないけど、あまりにも牧歌的で単調で読むのにかなり時間がかかった。
母親がふたりいる真実も特にびっくりすることもなく。
だけどとにかく文章がうまいのでひっかかりなく読め、そのおかげで最後まで読めた。あと登場人物一人ひとりのキャラが良い。会話もクスっとくる。
だけど内容にパンチがないので、星みっつとさせていただきました。
Posted by ブクログ
久しぶりに読んだ三浦しをんさんの本
タイトルからはまったく内容が想像できなかったが
青春ストーリーだった
ひなびた温泉街に住む怜君は、二人のお母さんがおり、お父さんがいない
お母さんはめっちゃ金持ちで、おふくろは傾きかけた土産物屋
これはどんな事情?
お父さんは悪い人なん?
から始まって
脳みそ筋肉の友達や、お母さんの家にいる若い男は
愛人?家政夫?
などなど、悩みの尽きない怜君の日常がほのぼのと
楽しめる