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アフターブルー
選考委員瞠目! 第19回小説現代長編新人賞受賞作 今村翔吾さん「執念の如き力を感じた」 塩田武士さん「朝宮さんの『業』に、私は期待している」 中島京子さん「チャレンジングな作品」 凪良ゆうさん「著者にしか書けない光と闇」 宮内悠介さん「シンプルに心を動かされた」 薬丸岳さん「一番に推した」 5人の納棺師たちは全力を尽くす。遺された人々が、最後に顔を見てお別れを言えるように。 「どんなに考えても、探しても、人が死んだ理由なんて絶対に見つからないんだよ」 納棺師、遺品整理士、生花装飾技能士……葬儀関係のプロ集団「株式会社C・F・C」。 とりわけ損傷の激しい遺体を専門に扱う「二課」は、無残な状態から生前の面影を復元するのがミッション。 事故、事件、自殺ーー二課には毎日のように遺体が運ばれてくる。入学式を明日に控え線路に正座していた少年、ゴミ屋敷で餓死した男性、幼い我が子を残して事故に遭った母親、飛び降りる瞬間を動画配信していた少女ーー 二課の納棺師たちはその手で、失われた生前のおもかげを復元していく。 愛する人が突然この世を去った時、どうすれば立ち上がれるのか。あの人はなぜ命を絶ったのか。遺された者はどう生きればいいのか。 それぞれに「喪失」を抱えた納棺師たちもまた、明日を生きる微かな光を見出していく。 -
奇跡
あのベストセラー、待望の文庫化! 「不倫」という言葉を寄せつけないほど二人は正しく高潔であった。 これは、本当にあった「奇跡」の愛の物語。 「真実を語ることは、これまでずっと封印してきました――」 男は世界的な写真家。 女は梨園の妻で、母親だった。 「不倫」という言葉を寄せつけないほど正しく高潔な二人。 これはまさしく「奇跡」なのである。 作家の私は、博子から託された"奇跡の物語"を綴ってゆく。 著者の三十八年ぶり書下ろし小説が文庫化。 〈田原桂一君へ 君が再婚したことには驚かへんけど、まさか君が梨園の妻の博子さんと「出会ってしまった」という運命的な言葉の背後にしか生きられへんと悟ったことが「奇跡」やったんか。(略) 君のあの人懐っこい微笑が、まさか死の悲しみを内包しとったんかということは知るよしもなかった。博子さんは君から生の歓びと同時に死の悲しみを贈られて、君は一人旅立った。因果な歌舞伎の前世物語みたいで、不憫でならない。〉 ――横尾忠則(「朝日新聞」2022年4月9日付) -
余命一年、男をかう
柴咲コウ、赤楚衛二 W主演で映画化決定! Netflixにて、2026年世界独占配信 『余命10年』岡田惠和・脚本 x 「silent」風間太樹・監督 タッグで本作を映画化。 「いきなりで悪いんだけど、お金持ってない?」この一言からすべてが変わったーー。 楽しくなくても、平気で生きてきたはずなのに。 コスパ重視の独身女性が、年下男に数十万円を渡してはじまる涙と笑いの物語 節約とキルト作りが趣味の40歳独身、片倉唯。健やかでコスパのいい老後を迎えるために頑張っていたが、 無料で受けた検診で子宮がんと告知される。病院のロビーで会計待ちをする唯に、 ピンクの髪の男がお金を貸してほしいと頼んできた。人生はどこまでお金で割り切れるのか。 涙と笑いの第28回島清恋愛文学賞受賞作。 幼いころからお金を貯めることが趣味だった片倉唯、40歳。 ただで受けられるからと受けたがん検診で、かなり進行した子宮がんを宣告される。 医師は早めの手術を勧めるも、唯はどこかほっとしていたーー「これでやっと死ねる」。 趣味とはいえ、節約に節約を重ねる生活をもうしなくてもいい。好きなことをやってやるんだ! と。 病院の会計まちをしていた唯の目の前にピンク頭(ヘア)の、どこからどうみてもホストである男が現れ、 突然話しかけてきた。 「あのさ、おねーさん、いきなりで悪いんだけど、お金持ってない?」。 この日から、唯とこのピンク頭の男との奇妙な関係が始まる。 <期間限定スペシャル表紙> 2026年10月15日までの期間限定表紙です。 2026年10月16日以降は順次、別の表紙に差し替えられます。 -
畏れ入谷の彼女の柘榴
そうだ。 不思議が起こるべきなのだ。 光る息子の指。人語を話す猿。人の形をした心残り。 不条理な世界で「俺」は、優しさを発揮しなければならない。 唯一無二の“奇譚”語り。舞城ワールド最新作! 「ママの体に光入った」幼い息子がそう告げたあと、半年以上触れていなかった妻の妊娠が発覚。一体何が!? 表題作「畏れ入谷の彼女の柘榴」に加え、人語を話す猿に導かれ行方不明者を捜す「裏山の凄い猿」、特別な家で育ったきょ うだいの気付きを描く「うちの玄関に座るため息」の全三篇を収めた奇譚小説集。 『私はあなたの瞳の林檎』『されど私の可愛い檸檬』に連なる、シリーズ最新短篇集がついに文庫化! -
愛が扉をたたく時
アパートの一室で、歌手の朱実は自殺した。彼女の突然の死は謎につつまれていた。朱実の死の翌日にその部屋を訪れる人が、朱実のほんとうの恋人なのだと、妹のみどりは言う……。男たちの欲望の渦の中を生きる美しい姉妹と、転向という過去を持つ中年の作家との交渉を描きながら、真実の愛の成り立ち難い戦後の暗さを追求した力作長篇。 -
愛と悲しみの時
期待とおそれに充ちた新婚の宿で、千江子は夫の庄一郎から、彼が戦傷のため男性の機能を喪失していることを打ちあけられた。しかし千江子は、肉体の結びつきよりも精神の交流にこそ真の愛があると信じ、結婚生活をつづけることを誓う。だが、庄一郎の肉体の欠陥は、精神の歪みをも招いていて、夫のいわれのない嫉妬に彼女は苦しめられる。そして、みたされない不自然な夫婦生活の渇きから、千江子は、彼女に言い寄る夫の下僚のプレイボーイ・石川に次第にひかれてゆく……。結婚生活における肉体の占める意味を抉り、奔放な現代愛欲図を描いた長編小説。 -
青い失速
冬の菅平へ、木塚哲男と稲山洋子は、新婚スキー旅行にやって来た。襖1枚の隣室のスキー客の含み笑いに、洋子は初めての夜をこばんでしまう。翌朝、木塚は偶然逢った友人とともに、洋子を残して根子岳に出発、そして吹雪の山で道を失う。救出された木塚の枕元で、洋子はうわごとに「美津子」と呼ぶのを聞いた。……濃霧の高原、寒冷前線の乱流の中に展開する、青春画像を描いた長編力作。 -
青い颱風圏
カミソリ奥さんと悪名高い女医の息子・孫六くんと、カミナリ親爺を父に持つ江利子が、若さと機智で、犬猿の仲にある両家をさばく、ユーモア小説――伊豆・天城の山中で偶然の出会いを重ねて惹かれ合った江利子と孫六。その縁結びの神がいたずら好きだったためか、二人は、互いの家族や友の因縁が招く暴風雨のような日々に巻き込まれていく。素直に好意を寄せ合うこともままならないなか、突如襲来したホンモノの台風が解決の糸口となりそうになるが……。『きんぴら先生』シリーズで大衆小説をけん引した著者の、軽妙爽快な青春群像。 -
青空乙女
戦後日本の空に民間航空路が広がるなか、真木三枝子は時代の華となった客室乗務員として、家族を支えながら懸命に働いていた。機内で美しく立ち振る舞う三枝子を、息子の結婚相手として見初めたのは、建設会社社長の藤川。しかし、息子の重雄の意中の人も、かつて機中で見かけた三枝子その人だった。磁石の両極のように惹かれ合う二人だったが、その恋路と両家の前には、国際的な詐欺集団による事件の数々が立ちふさがる。新しい風景となった空の旅と猥雑な地上の世相が交錯し、戦後のエネルギッシュな息吹を伝える長編青春小説。 -
赤い椿の花
椿の名所、菅多峠の観光路線は、急勾配の隘路続きで事故が絶えないため、トンネル工事の完成が待たれていた。麓の漁港、佐土浜にあるS交通バスの三崎義実は、運転手仲間も舌をまくほどの腕達者だが、黙々とハンドルを握る孤児の彼には、暗い過去の影がつきまとう。忘れ得ぬ女、市枝の面影を空しく追い求める彼の心に再生の灯をともしたのは、若い車掌、加江子の純愛だった。が、港祭りの日に市枝の姿を見かけたときから、彼の運転はすさんでいった。…… 田宮文学独自の冴えた抒情のうちに、生きることの真意を求めて描く長編力作。 -
紅い水着の女
剛直で声が大きいけれど、めっぽう正義感と腕っ節が強い天川剛太郎は、都心の紡績会社で頑張る若手。湘南の海で出会った深紅の水着の女・涼子にひとめで心を奪われ、急速に距離が縮まるものの、さっぱり行動が読めない涼子嬢との一進一退の関係にほんろうされる。そんな二人の前に、腹にイチモツ抱えた面々が現れて、剛太郎は熱情とトラブルの渦に巻き込まれていく。長く波高い日々と純情がつむぐ、一途な恋の物語。 -
朝な朝な
女流評論家の高輪薫が海外旅行中、ローマに留学している一青年から故国の一女性への贈物を預ってきたことから、幸福をもとめるその女性の運命がひらけて行く――華道創美流の機関誌「創美」の編集部につとめる仙波雅子は、母のつよい希望で掛川昇と見合するが、初恋の人・松尾三郎の愛情を確めたことから、周囲の人びと、とくに副編集長・石井志奈子などの鞭撻で、幸福をつかみとる……。華麗なフランス情艶絵画をくりひろげるような愛欲を描いてベテランの作者が、仙波雅子の愛と行動のうちに現代娘の一典型を、ヨーロッパ帰りの女流評論家・高輪薫の眼をとおして描く大作。 -
あなたと共に
雑誌「婦人倶楽部」に連載された著者初めての長編小説。岸恵子主演により映画化もされた。主人公の美容師・小泉菊子は母と姉との三人暮らし。ある日、かつて従兄に紹介された上山有二と遭遇する。有二には恋人がいたが、菊子に強く惹かれていくのだった……。菊子めぐる恋愛模様が微細かつ丁寧に描かれてゆく。 -
ある告白
夫の父である人との結婚を決意した野口ふじ子は、少女時代からの自分の性の歴史をふりかえった。小学校の男の子との幼いペッティング、女学校のクラスメートとの同性愛……。彼女のまわりには、母を犯した孝行息子もいたし、純朴な青年に肉の果実を饗して死んでいった女教師もいた。体験や見聞を通して、ふじ子は、セックスがさまざまな人間たちの中に、原始の祭典のように生きていることを知った。明るく悲しいことだった……。現実に目をそむけることなくセックスを描くことで、作者は観照の深い人間論を展開する。石坂文学のエキスをすべてとかしこんだ長編! -
泉はかれず
一代で堀江酒造株式会社を築き、大阪の財界でも女傑でとおっている堀江ギンは、孫娘の晴子に早くも結婚の相手をみつけるのに、夢中だった。当の晴子は、まだ学生だから、将来の夢と考えている。しかし、堀江家は、代々、女が家を継いで発展してきたから、晴子にもいい養子を、というギンの持論で、ともかく、晴子は見合いをした。相手は、汽船会社の重役のぼんぼん。奇妙なことに、その青年よりも、ちょっと変わっていて口の悪い脇村のほうが、晴子には好ましく印象づけられた。そして、だましうちの見合いよりも、晴子に瓜二つの美しい弓子の登場が、彼女の心を強くゆさぶった……。 -
偽りと真実のあいまに
たみ子とのぶ子は、魅力的な結婚適齢期の姉妹である。よく似た顔立の2人だが、性質は対照的で、姉は引っこみ思案、妹は積極的でコケティッシュでさえある。ある日、のぶ子は、デパートの特売場で好意を感じている好青年・野崎正雄と出会い、急速に親しくなる。そこでのぶ子は、野崎とたみ子を結びつけるために、野崎の若い血潮を燃え上らせ「飢餓状態」に引き入れようと企んだが……。ユーモアと健康なエロティシズムで愛情の真実を描いた「偽りと真実のあいまに」の他、「ハシカのようなもの」「辛抱づよく生きたS氏の像」「私の犬はレオという」「猫」「老婆」を収録。 -
祈る人
父の死後、暁子は母の勧めで見合いを重ねた。行きずりの旅人に似て、暁子の前にあらわれては去る男たち。その儚く淡い触れ合いだけが、思い出の淵に澱んでいく。暁子の育った家庭には、疎開先の叔父夫妻や友人の新婚生活に見られる、強い愛の絆がなかった。学者だった冷たい父と美しい母との間をへだてる厚い壁。異性と愛し合うことへの違和感を自覚した暁子の心は、千々に乱れる。そうした彼女の耳に、忌わしい出生の秘密を告げる男の声が聞こえてくるのだった。生きる証しを求めてさまよう若い女性の心理と新しい愛のモラルを、清冽な筆に描く傑作長編。 -
飢える魂
一代で身上を築いた暴君・芝直吉が50歳の時に嫁いできた27歳の令子が、猟色家の立花烈と関係を持つという物語と、病妻を持つ下妻雅治と関係を持つ未亡人の小河内まゆみという、2つの不倫の物語。大人の感覚を持つ登場人物たちの肉体と精神の揺れを、堂々たる筆致で描いた力作。小林旭がデビュー作となった映画の原作。 -
海の蝶
柿本精器の社長夫人・羊子は生来、その美貌に加え、奔放な性格の女性だった。結婚前からすでに男関係があり、結婚後もやまなかった。夫の礼介はこれを知ると激怒し、以来、妻に復讐するかのように隠れて放蕩する。そして、10余年が過ぎた。だが、羊子の乱行はやまなかった。息子の章は、自然にうとんじられた。章にとって心の結びつきは、家庭教師である22歳の青年だけになる。青年と秘かに愛し合っていた女中の喜久乃が、主人の欲望によって犯され、動顛し泣き喚く姿を、少年の章は不安そうに眺めていた……。愛欲の中に潜む人間の業を捉えた、力作長編。 -
梅咲く頃にまた会おう
★★★第19回小説現代長編新人賞 選考委員特別賞受賞作★★★ 凪良ゆうさんの大プッシュで選ばれました! 「この物語は“小説は楽しい”ということを伝えられる強さがあり、 最後は気持ちの良い涙に着地する。」 「いつまでこの身体を借りられるのかな」 ある夏の夜。仲間と肝試しをした帰り道に、大学生の若梅は声をかけられる。 「ひさしぶり、梅ちゃん」。それは仲間の身体に乗り移った、死んだはずの初恋の人だった。 アルバイトに夏祭り、そしてデート。失った時間を取り戻すように、若梅は彼女とささやかな願いを一つひとつ叶えていく。いつかは身体を返さなくてはいけない、それでも――。 「もう一度会いたい」。真っ直ぐな願いが起こす奇跡は、一つじゃない。 純度100%のタイムリミット・ラブストーリー!。 -
お師匠さま、整いました!
才能 VS.努力熱血算術少女たちに、寺子屋の師匠は振り回されっぱなし!『髪結百花』で第一回日本歴史時代作家協会賞新人賞を受賞した新鋭のデビュー作、待望の文庫化!享保十一年、茅ヶ崎は大岡越前守の菩堤寺である浄見寺。今は亡き夫の跡を継ぎ、桃は寺子屋で子どもたち相手にお師匠さまをしている。そんなある日、酒匂川の氾濫で両親を亡くした春が寺子屋を訪ねてくる。すでに大人の身でありながら、もう一度算術を学び直したいという。はじめは戸惑う桃だったが、春の朴訥さと一生懸命さに次第に魅せられていく。しかし、寺子屋で一番秀才な生意気娘・鈴が黙っているはずはなく……。第11回小説現代長編新人賞受賞作! -
夫のちんぽが入らない
ひとりの女性の静かな叫びが、多くの心を貫いた――衝撃の感動作。同じアパートに暮らす先輩と交際を始めた"私"。だが初めて交わろうとした夜、衝撃が走る。彼の性器が全く入らないのだ。その後も「入らない」一方で、二人は精神的な結びつきを強め、夫婦に。いつか入るという切なる願いの行方は――。「普通」という呪いに苦しんだ女性の、いじらしいほど正直な愛と性の物語。 -
オリーブの実るころ
恋のライバルは、白鳥だった!?結婚、終活、離婚、妊娠……。 身に起こりうるライフイベントを、不思議な軽妙さで描く6つの短編集。 「家猫」 ハイスぺ彼氏には化け猫みたいな母がいる。もしほんとうに結婚するなら、あの化け猫を少しずつ弱らせる方法を本気で考えなくちゃならない。 「ローゼンブルクで恋をして」 突然行方をくらませた父。終活のために向かった先は、瀬戸内の選挙事務所。そこには小柄で逞しい女性候補者の姿があった。 「川端康成が死んだ日」 母は、あの日を限りに帰ってこなかった。当時の母の年齢を超えてしまった私に、母から最後の願いが届く。 「ガリップ」 ガリップが想像妊娠したのは、わたしたちが結婚した翌年の夏だった。妻と夫とメス白鳥の三角関係の顛末。 「オリーブの実るころ」 斜向かいに越してきたのは、前科者の老紳士。品のいい佇まいからは想像もつかない大恋愛の行末は? 「春成と冴子とファンさん」 彼の両親のもとへ、なぜか一人で結婚報告に行くことに。離婚した二人は、思い思いの生活をしていて……。 -
温暖前線
九州の南西海上から本土にむけて放たれた無数の風船。それは化粧品会社が、東京への招待客をきめる「幸運の風船」だった。その中の2つ、赤と青の風船が、四国土佐と新潟の山中に落ちた。小松大五郎と柳田千穂は、この奇抜な宣伝アイデアによって出あったカップルだが、小松は新婚旅行の夜、室戸岬の宿で花嫁に逃げられた心の痛手をもち、また千穂も雪溪のみえる谷間で遭難、同行していた二人のボーイフレンドに置き去りにされた悲しい経験をもっていた。著者独自の素材で幻想的にくりひろげる、現代若人の恋と真実。 -
女の椅子
夫が若い商業デザイナーを愛し、間もなく子供さえ生まれようとしていることを知ったとき、由紀子は、小さな息子の洋を連れて、家を出た。家政婦として働き始めた彼女は、いままで知らなかったさまざまな家庭と、その中に息苦しく耐えている夫婦の姿を見た。それぞれの業を背負った男と女が、お互いに傷つけあっている姿に愕然とするが、それでも彼女は、安らかな「女の椅子」が欲しいと願いつづけた。その間に、夫との溝は、ますます深くなって行くのだった。……新鋭女流が、動揺しやすい夫婦愛の機微を、きめこまかな筆づかいで捉えた、味わい深い佳篇である。 -
女のコ4人の恋愛大作戦
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ギャル4人がくりひろげる恋愛戦術、大公開! 花を飾ろうか、一冊読もか? ハートに潤いを添える46選――テニスクラブで仲よくなったギャル4人が繰りひろげる、恋愛ゲームの一部始終、恋愛戦術を大公開。時には相談しあい、成功も失敗も、ともに喜び励ます、テンヤワンヤの大作戦。おしゃれして、おいしく食べて、かっこよく遊んで、男のコとイキにつき合う秘訣を身につけませんか。ステキな若い女へ変貌していく成功の鍵がココにありますよ! -
女の旅路
30代なかばの荘一は、7年間連れ添った妻を病気で亡くしてしまった。そして荘一は、なんとか切り替えようと旅に出た先で、美しい人妻・藤堂萌子に出会う。だが、妻の妹の美也子は、姉より「自分が死んだら荘一と結婚してくれ」という旨の遺書を受け取っていたのだ。荘一は藤堂萌子に惹かれていくのだが……。愛憎、まさに絡まる物語! -
女の繭
菱川佳世は、銀座「丸藤」専属の若い和服デザイナー。彼女の染めた衣裳を、一流会社の社長夫人・菅野三千代が着ると、人目をそばだてる。生家が西陣の帯地問屋と織元という関係で、三千代の方が年上だが、二人は幼い頃から姉妹のように親しかった。佳世の兄・豊喜は太平洋戦争の軍医で、ある夏、突然帰国する。彼は抑留中のいまわしい経歴から、虚無的な影のある男となっており、佳世はそんな兄の底知れぬ冷たさに幻滅するが、彼の帰還を10年待ち暮して今は人妻の三千代の瞳は、妖しく燃えるのだった。人間に絶望した男を愛のちからで蘇らせる、京おんなの激しくも哀切な恋を描く傑作。 -
海流
遭難した紅洋丸の通信長・豊野道彦を救った密輸船の秘密。沖縄と海の生活を舞台に展開される、波瀾万丈のメロドラマ。海難事故から始まる出だしで、壮大な海洋物の長編と思いきや、ぐいぐい恋愛に引き込まれていく傑作。 -
影ふかき人
心ならずも神宮球場のスーパースターの妻となった冴子は、新婚旅行の途次、新郎・信三とともに事故に遭ってしまう。そして、新婚初夜にも関わらず、冴子は建築家の城田と結ばれ、子を孕んでしまうのだった。それでも、意識の定まらない状態になった信三を愛せるようになった冴子だが、奇跡的に元に戻った信三の暴君振りに、今度は家を出てしまう。そこには、独身となった城田に想いをかける3人の女たち。だが、ついに冴子は城田と……。 -
火口湖
甲州に葡萄園と葡萄酒工場をもつ千倉家には、二人の美しい娘がいた。東京の直売所、千倉洋酒店を切り盛りしている姉の一枝と、近郷の雑貨屋に嫁いだ妹のしげ実である。一枝は薬剤師の西竜一と愛し合っていたが、勝気な彼女と消極的な西との間は、一向に進まない。詐欺事件の後始末に大阪へ出向いた一枝は、叔父の自動車販売会社に働く妻子持ちのセールスマン、染谷の行動的な性格に魅かれていく。一方、封建的な婚家を逃げ出したしげ実は、姉の店で暮らすうち西と知り合い……。 あかね色の夕映えに輝く葡萄園、そこに育った姉妹の人生行路を描き感動をよぶ長篇恋愛小説。 -
火山列島
大学の医学部教授・仁王慶一郎は、主治医として、国光家に行くことが多かった。彼は、国光夫人・安芸子の、憂いに耐えた姿に、惹かれることがあった。ある日、仁王は、その秘密に、かかわりを持つ。主治医としての立場に、とどまることができなかった彼が、その秘密の糸をたどって行くうちに、戦争の前後に起こった、幾つかの悲しいできごとが甦ってきた。しかも、それらは、彼自身の家庭とも、関係があった。八丈島、熱海、九州・飫肥という3つの火山地帯を結ぶ、愛と憎しみの歴史を描きながら、現代に失われた心の問題を、執拗にさぐった、清冽な美しいロマン! -
体の中を風が吹く
章子は、ぐうたらな夫と別れ、2人の子供をかかえて働く、婦人記者である。わが子の成長を楽しみに生きる章子にも、女としての心のひもじさに耐えきれぬ夜もあった。彼女には、年下の恋人・省吾がいた。誠実な彼は結婚を迫るが、章子は自分の境遇を負い目として応じられない。愛しあい、逢瀬を重ねながら、章子の心は、かたくなに閉されてしまう。そして、上役の世話で、省吾に若い笹子との縁談が起こるのだが……。年上の女の情熱と哀しみを主題に、定年を迎えた隣りの山崎家、そこに同居する共稼ぎの安川夫妻など、善意をもって生きる人々の生活の哀歓を描く、長編傑作。 -
川向うの白い道
女子学園の先生を今は嘱託でしている老男性教師の、六甲山麓の家に下宿する卒業生2人のところに、同級生たちが集まってくる。そこに出入りする男たちとの出会い、そして様々な恋愛……。それぞれの成長と恋愛の物語。 -
きみが忘れた世界のおわり
きみはあの事故で、わたしを忘れてしまった。 きみは描こうと決意する。事故で亡くした幼馴染――わたしの姿を。 第16回小説現代長編新人賞奨励賞受賞! いま注目の著者の一番泣けるデビュー作! 芸術を通して死者と向き合うといった普遍的な取り組みに、 死者視点の二人称と、さらにはSF的な趣向を加えた技巧的な意欲作。――宮内悠介 記憶喪失、アップデートされる幻覚、さらに夢を用いながら大切だった人を思い出していくという、とても凝った造りの作品で強く惹きつけられた。――薬丸岳 完成間近の卒業制作を酷評された蒼介は、事故で亡くした幼馴染・明音をテーマに絵を描き直そうと決意する。だが蒼介は、彼女にまつわる記憶を完全に失っていた。明音の情報を集めるうち、蒼介のイメージを投影した幻覚・アカネが現れる。固く蓋をした過去にたどり着くまでの、苦しくも力強い再生の物語。 -
脚光
ヤジマ製薬の宣伝部に働く大道輝子は、中流家庭にのびのびと育った明朗な現代娘。気まぐれに無名の劇団アシカビに加入し、たまたまヤジマ製薬提供のラジオ番組にサクラ出演したのが縁で、連続ドラマのヒロインに選ばれる。こうなると、本人の意志に関係なく、マスコミはスターの座におしあげていく。周囲の醜い嫉視、許婚者との愛の破綻に傷つきながら、輝子は次第に女優としての意識にめざめ、主役に抜擢されたT座公演の初舞台に、新生の第一歩を踏みだすのだった……。平凡なビジネスウーマンが一躍華やかな脚光を浴びて女優となる、現代の夢に愛と真実の意味を問う傑作長編。 -
キャンパス110番
芳土女子大学の学生である佐藤ノミエの綽名は、キャンパス110番という。キャンパスは、校庭の意味。事ある所には、彼女がいつもパトロール・カーのように現れて、あざやかに事件を解決していくからだ。粋で、おしゃれで、冒険好き、行きずりの男の子とのキッスなんかへいちゃらで、適当に正義派で人情家で、気はやさしくて合気道の達人というノミエが、東北出の重タンクを思わせる松子と組んで、手当たり次第に演じるボーイ・ハントのアバンチュール、笑いと涙のタッグ・マッチとは……。青春の息吹にむせる、生きのいい現代娘のスカっと胸のすくような無責任行状記。
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