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春夢の花嫁 珠閣雷鳴
貧しいながらも町医者として、やりがいを感じて生活していた娘――珠華は、謀略によって、一夜にして王宮で暮らす公主になっていた。誰一人味方のいない王宮、わからない作法にとまどい混乱する珠華だったが、持ち前の明るさで、公主にしかできないことをしてやろうと気持ちを切り替える。一方、王としての自覚のない、若いへたれな春慧は、珠華のペースに巻き込まれ、やがて二人は……!? -
海鳴の花嫁 玻璃暗涙
亥国(いこく)の第一公主巴璃(はり)は、幼い頃母親とも離れ離れにさせられ、嫌々神に仕える巫女(みこ)になった。そんな彼女の寂しい心を唯一慰めてくれたのは第三公子の海鵬(かいほう)。彼への思いを募らせる巴璃だが、結ばれると相手を滅ぼすという予言が重くのしかかる。一方、第二公子の紫陽(しよう)は異国で暮らす妻子を捨て、初恋の相手との愛を成就させてしまう。運命に翻弄される二つの愛の形。衝撃的な結末は!? -
玄天の花嫁 嬌鳥待望
琴の名手として名高い琉国公主・綺嬌は、兄王と国の安寧を願い側室として隣国のエンへ嫁ぐことに。しかし、まだ18歳の娘を待ち受けていたのは、年の離れた王の暴君な振る舞いと、正妃の嫉妬に悩む日々。そんななか、綺嬌は旅の楽士である玄と出会い、彼の吹く笛の音に心癒される。やがて、互いの奏でる音に想いを寄せ合い、玄は綺嬌を救い出そうとするが……。国を揺るがす過酷な運命が迫り来る二人は、いま!? -
鳳挙の花嫁 朱明探求
綏の後宮に仕える舞姫・朱桃は、同盟国である閃の次期王、巴翔鳳の器を見極めるという勅命を受ける。閃へと赴き、翔鳳とその従兄弟の稜伽と出会い、蛮族と蔑まれていた彼らと心を通わしていく朱桃。三人の運命が時代の激流に呑み込まれていくなか、「お前一人くらい、いつでも背負ってやる」という翔鳳の言葉に朱桃の想いは募るのだが……。国と舞への誇りと情熱が交錯する果てに選んだ道は!? -
雄飛の花嫁 涙珠流転
珠枝は綏国公主。先王の寵子でありながら、父王亡きいま、愛らしく美しい異母妹、仙華の陰で心細い日々を送る。そんななか、大陸では巴飛鷹率いる閃国が勢力を広げ、綏との間で緊張を高めていた。そして、和睦のため、珠枝が閃の王妃として差し出されることに! 3年経ったら、必ず迎えに行く――幼い日から慕い続ける異母兄の言葉を信じ、見知らぬ国へ嫁ぐ珠枝を待ち受ける運命は、いかに!? -
時迷宮 ヨコハマ居留地五十八番地
開港後、急速に発展し西洋の雰囲気を醸し出す横浜居留地で、深川芭介は西洋骨董店「時韻堂」を営み、怪しいと思いつつ港で働くカンカン虫の貫太郎が持ち込む出所不明の品々を鑑定してあげていた。が、ある日、貫太郎が死んだ。その死に不審を抱く芭介は!? 行方不明の少女の怨念が事件解決へ導く!! 開港一五〇周年の横浜、その開港前後を舞台に、地元で生まれ育った著者が思いをこめて描いた意欲作! -
う・わ・さのラブ・フォーカス
転校初日の朝、氏家真生は突然、写真部の明石弘孝に写真を撮られてしまう。弘孝は写真展に出す作品のモデルになるよう真生を口説くが、クウォーターであることにコンプレックスを抱えるうえに、自分の顔が嫌いな真生は、その誘いを断り続けていた。やがて弘孝の熱いまなざしと優しさに触れ、真生は彼を受け入れていくのだが……。「俺は、見せものになんかなりたくない!」弘孝の知らない過去が、真生を苦しめていた。 -
110番は甘い鼓動
交番の勤務を無事に終え、念願の刑事課に配属された伊藤和久・24歳。ところが高石警察署の面々は、お人好しの和久が来たことに不安を隠せない様子で――。やがて、管内で謎の空き巣事件が相次いで起こりはじめる。花屋を営む剣持薫は、多忙な和久になかなか会えず、思わぬ場所でいきなり彼を押し倒した。「お預けの連続で、おかしくなりそうだよ」薫の熱っぽい声が和久の耳朶をくすぐり……。 -
男子厨房学(メンズ・クッキング)入門
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 “ダンチュー先駆者”の一人である著者は、「料理とは愛情ではない。技術である」と言い放つ。なるほど、日常の家庭料理にいちいち愛情に介入されては、美味いものも不味くなり、迂闊に食べちゃいられない。まずいものはまずいと言いたかった諸君、まず、その前に自らも台所に立ってみることをおすすめする。超初心者のための男厨料理入門、超指南書。(※本書は1999-09-30に中央公論新社より発売された書籍を電子化したものです。) -
愛と快感を追って あきらめない女たち
婚外恋愛、性感マッサージ、出張ホスト、乱交パーティ、ハプニングバー。女たちはセックスに何を求めているのか。その本音に迫ったルポルタージュ。 -
女の残り時間 ときめきは突然、やってくる
普通の女が「女」に目覚める時――「女としての部分」に不安を抱く女性たちの迷い戸惑う姿を描く。夫には知られたくない、妻には読ませたくない、四十代女性の性の現実。 -
ナイトホークス
ブラック・エコー。地下に張り巡るトンネルの暗闇の中、湿った空虚さの中にこだまする自分の息を兵士たちはこう呼んだ…。パイプの中で死体で発見された、かつての戦友メドーズ。未だヴェトナム戦争の悪夢に悩まされ、眠れぬ夜を過ごす刑事ボッシュにとっては、20年前の悪夢が蘇る。事故死の処理に割り切れなさを感じ捜査を強行したボッシュ。だが、意外にもFBIが介入。メドーズは、未解決の銀行強盗事件の有力容疑者だった。孤独でタフな刑事の孤立無援の捜査と、哀しく意外な真相をクールに描く長編ハードボイルド。 -
酔いどれ同心速水一魂
“酔いどれ一魂こと速水一郎太は、北町奉行所の定町廻り同心。酒にだらしなく、役所勤めもいい加減。だがこの一魂、八丁堀きっての剣客で、しかも酒に酔うほどに技が冴える酔剣の遣い手だ。ある日、竪川であがった日本橋の油問屋武蔵屋主人の水死体。その数日後、主人なき武蔵屋に突きつけられたのは、店の身代全てに相当する死一倍の証文だった。親の財産の範囲で金を借り、親が死んだら倍返しする死一倍。跡取り息子萬吉が借りた五百両の借金が、なぜか五萬両に化けていたのだ。計ったような武蔵屋の変死に不審を感じた一魂は手先の佐七らとともに真相を探りはじめる。だがその矢先、萬吉につながりのある人物が立て続けに殺され、その凶刃は一魂にも…。 -
目明し朝吉捕物帖
山谷堀の船宿「若竹屋」の主人清兵衛が何者かに殺された。清兵衛は芝明神下の岡っ引き政五郎の甥。下手人の捜索にあたる政五郎だったが、縄張り外の故か、半年経っても手がかりひとつ得られなかった。北町奉行曲淵甲斐守は、地元浅草に根ざした者を使って解決を図ろうと決意する。白羽の矢が立ったのは聖天下の博徒朝吉。対抗勢力との抗争で絶体絶命だったところを助けられた朝吉は、奉行御承知の十手を与えられ、目明かしとして探索に乗り出すことになった。朝吉は一匹狼のならず者だが、情に厚く人気者。堀の人々の助けと謎の幕閣「稲荷堀の御前」の後ろ盾が朝吉を事件の核心に迫らせる。だが、単なる殺しと思われた事件の裏には、恐るべき企みが……。 -
密命同心轟三四郎
旗本五千石の家督を弟に譲り、二十三歳で隠居した轟三四郎。惚れぬいた女郎を身請けするため、殿さまの座をあっさりと捨て、恋女房と仲むつまじく平穏な暮らしを送る毎日である。だが、この三四郎に、母方の伯父である遠山景元から声がかかった。神道無念流免許皆伝の腕を活かし、北町奉行・遠山の隠密廻りを務めよ、というのだ。下された密命は、四谷と浅草で起きた押し込み強盗──なんと、千両箱が空を飛ぶという、手妻のような事件の解明である。しかもその直後には、下帯一丁となったふたつの死体が見つかっているのだが……。奉行所ばかりか火盗改めすら匙を投げた難事件に、名刀虎徹をたばさんだ密命同心・三四郎が挑む! -
殿さま浪人 幸四郎
浅草の雑踏のなか、女掏摸のおりんと手下の六助は、高級そうな着物を身につけ、ぼんやりと物珍しそうに町並みを眺めている侍に目をつけた。さっそく懐を狙ったおりんたちであったが、じつはこの侍にはとんでもない秘密が隠されていた。 自らを幸四郎と名乗るこの男、茫洋としているが、どこかに品を感じさせる人物であった。しかしてその正体は、小さいながらもある藩の藩主、つまりはれきとした大名だったのである。 江戸の市井に興味を持ち、身分を隠して町民暮らしを楽しむ幸四郎であったが、岡っ引きの貫太郎のたっての頼みで、さまざまな事件の探索に乗り出していく…… -
快盗若さま 幻四郎
笹島藩下屋敷に暮らす若侍、片倉晴四郎は、藩主の息子でありながら、じつのところ養子。実父はなんと十一代将軍の徳川家斉……つまりは正真正銘、徳川のご落胤であった。しかし、その若さま暮らしは退屈そのもの。衣食住は満ち足りているものの、藩政にかかわることもなく、まさに籠の中の鳥。そこで晴四郎、一計を案じ、家臣であり竹馬の友でもある助五郎、各右衛門を仲間に引き込むと、正義の盗人・徳山幻四郎になることを宣言した!とはいえ、盗みはあくまでも道楽、あくどい豪商や威張りくさった武家を懲らしめるのが目的というのだが……。盗人になった徳川家若さまの痛快活劇シリーズ、ついに開幕! -
【増補版】理論近現代史学
アパホテル客室に常備されている話題の書がついに一般書籍化! 大幅にページが増やし完成形となった問題の書に刮目せよ! -
魚釣島奪還作戦
日中台の係争地・尖閣諸島の魚釣島が過激な中国系武装集団に占拠された。海上保安庁や中国大使館による説得も徒労に終わり、陸上自衛隊の特殊部隊「サイレント・コア」が派遣される。岩礁とジャングルに覆われた無人島で、両者の決死の戦闘が始まった! -
「超」怖い話 怪福
それは神か仏か妖(あやかし)か……人はときに説明のつかぬ存在、現象に遭遇する。総じてそれを怪と呼ぶならば、「福をなす怪」と「禍をなす怪」とがある。夢のお告げで思わぬツキを得た、亡き人の霊に窮地を助けられたなど、羨ましいような不思議譚が確かに存在する一方で、怪との遭遇を切っ掛けに恐るべき凶事が次々と降りかかった例もある。祟り、神罰、なにがしかの禁忌に触れてしまった者たちが辿る戦慄の運命……。吉を3とすれば、凶は7。本書はその中でも両極端と言うべき強烈な実体験のみを厳選して収録した。奇跡としか思えぬような幸運から、最悪の惨事に見舞われ、転がるように不幸のどん底に突き落とされた陰鬱な事件まで、怪のもつ二つの側面をリアルに炙り出す。禍福あざなえる縄の如しというが、それは違う。吉の紐を引くか、凶の紐を引くか――怪との遭遇はそのどちらかでしかない。本書を紐とく時はくれぐれもご注意あれ……。 その怪、吉か凶か?怪がもたらす3割の幸運と7割の惨事。まさに戦慄、紙一重の実話怪談! -
「超」怖い話 怪賊
悪意が生みだした呪い、“怪”としか呼びようのない何か。それらは容赦なく全てを破壊し、根こそぎ奪っていく。平穏な暮らし、愛しい家族、時には未来をもいたずらに傷つけ、笑いながらももぎ取ってゆく。なぜ自分が――それは体験者の中で気が遠くなるほど繰り返された問いだろう。嘆きと言ってもいい。果たしてあなたはその問いに答えを見出すことができるだろうか。本書を読み、震え、いま一度考えてみていただきたい――。ある家に伝わる壊れた面をめぐる話「シメン」、隣家とのトラブルに始まる恐るべき怪「隣禍」、震災後の町で起きた怪を真摯に取材した「東北より」ほか、土を噛み泥を飲み込むがごとき暗鬱な恐怖譚を収録! -
「超」怖い話 怪罰
些細な事で恨みを買い、とんでもない仕打ちを受けることがある。時には何の非もないのに、逆恨みから地獄に突き落とされることもある。生きている人間が相手ならまだいい(対処のしようもある)が、それが得体の知れない何かであったならば……?この世ならざるモノに因縁をつけられ、家族もろとも、時には数十年にわたって呪われ、執拗に攻撃され続ける人たちの恐怖体験を記録した中編「さる」「住まう人」「半生」の3本に、切れ味鋭い短編を挟んだ究極の実話怪談集。行間からも溢れだすその禍々しさ、果てのない恐怖の連続に、怪談ジャンキーならずとも奇妙な昂揚感にうち震えるだろう。怖ければ怖いほど、忌まわしければ忌まわしいほど、人は魅せられ惹かれてしまう――それが“他人事”であるうちは。 -
「超」怖い話 怪罪
秘めた過去を、隠さねばならない真実を抱えた人たちがいる。彼らが遭遇した怪異の原因がその“閉じ込めたもの”にある場合、その体験談は誰にも語られぬまま、朽ちることもできずに胸底に仕舞われていく。多くは生々しい恐怖といまだ消せぬ未来への不安とともに…。実話怪談、またの名は聞き書き恐怖譚。誰かが体験した恐怖を聞き取り、書き残したもの。今回収録することができた話は、著者・久田樹生の人間性に負うところが大きい。けして秘密を暴くのではない、体験者自らが打ち明けてもいいという気持ちになるのは、彼らが抱え続けた痛みを共に背負う覚悟が久田にあることが分かるからだろう。固く閉ざされた心の禊を久田が解く時、恐怖は堰を切って溢れだす。そう、これは禁忌の解放なのだ。 秘められた過去、匿された因果、噴き出す怪とこの恐怖。禁忌の域に挑む聞き書き実話怪談! -
恐怖箱 風怨
実話怪談としては長編と言ってもいい50ページを超える大作「撃墜王」「背中」、30ページを超える中編「恋の見立て」「ヒューム」を含む全8作を収録。どれもこの長さでしか収められない途方もない怪奇事件である。長きにわたる真摯な取材によってしかなしえない究極の実話怪談と言っていいだろう。恐怖はふいにやってくる。首筋を撫でる北風のように、荒々しく巻き上げるハリケーンのように、あなたを突然襲い翻弄する。それは見えないし、避けることもできない。生きている限り、あなたの呼吸する空気にもはや「それ」はいるのだから……。じっくりと呼吸するようにこの濃密なる恐怖を堪能していただきたい。謎に包まれた因果をひも解く昂揚感、妖しくも馨しい昭和の匂い、すべてが実話であるという衝撃を噛みしめながら――。 -
恐怖箱 油照
実話怪談は作家の頭の中で創り出された恐怖ではない。怪事の生き証人たる体験者に取材し、彼らの記憶から引きずり出してきた本物である。ゆえに一人の作家が短期間に大量生産することは難しい。よほどの人脈と運、労を惜しまぬ行動力がなければ不可能である。だが不思議と「来る時期」があるという。怪談の方から寄ってくる、気味が悪いほどに集まってくる魔の時期が……。今回、その魔が3人同時にやってきたらしい。集まった草稿はのべ850ページ。どれもこれも本物だけが持つ厭なオーラを醸していたが、その中でも特に強烈な異臭を放つ、アクの強い逸話だけを集め200ページに絞り込んだ。収録された話はまさに恐怖の精鋭たちといっていい。己が持つ毒で読者諸君を痺れさせ、不安の闇に引き摺り込む真夏のヒットマン。打たれてみるのも一興、恐怖の毒ほど馨しく甘いものはないのだから――。 -
恐怖箱 臨怪
霊だの怪奇現象だのにはとんと縁がない――。大部分の人間はそう思って生きているし、それゆえに見てみたい、聞いてみたいというおかしな願望を抱くものだ。だが、果たして本当にそうだろうか。幼い頃の記憶に「あれは一体何だったのだろう」と首を傾げるようなことがありはしなかったか。多くはおやつを食べれば忘れてしまうような些細な引っかかりだったかもしれない。けれどもそうした違和感という名の不思議を感じたことのある人は意外と多いはずだ。怪はけして遠い世界のものではない。我々のすぐそばで呼吸し、そ知らぬ顔で紛れている。縁がないのではなく、それに気づくか気づかないかの違いだけだとしたら?本書には気づいてしまった57人の体験談が収められている。紙面から伝わってくるのは溢れんばかりの恐怖と嫌悪。悲しみ。懐かしさ。小さな怪の一粒はそれに気づいた途端膨れ上がり、圧倒的な彼岸の魔力で我々を包み、翻弄する。あなたも本書を読めば、記憶の片隅に埋もれていた「何か」を思い出すかもしれない……。 怪と不思議に魅せられて――神沼三平太、ついに単著デビュー!書き下ろし実話怪談57話! -
「極」怖い話 面妖
アヤカシ、物の怪は実在するか、否か。その答えはいまだ証明されていないが、幽霊、心霊の類よりさらに疑われてきたことは否定しようのない事実である。また、「妖怪は怪談の墓場」とも言われる。怪異が妖怪の仕業だというレッテルが貼られた時点でその怪談は死ぬ…つまり、怪談の命である恐怖が消えてしまうということらしい。だが、本当にそうだろうか? 平安の世からその存在が囁かれている物の怪、アヤカシの類は時代の中で繰り返し誰かに目撃され、同じ恐怖を体験されてきたからこそ、現代まで語り継がれているのではあるまいか。単なる見間違えや勘違いではあり得ない強烈な存在感がそこにある……だからこそ胸底から恐怖が沸き起こるのだ。かつてマイクロマガジン社から出版された幻の傑作「妖弄記」に、今回書き下ろしで新たな目撃譚・体験談を収録して復刻。知る人ぞ知るアヤカシの名著がいま甦る! -
「極」怖い話 遺託
彼岸への旅立ち――帰り道なきその船出に際し、心の旅支度が完全に出来て逝く者がどれほどあろうか。死を予期していても恐怖と未練を洗い流し、心の整理をつけることは難しい。ましてや突然の事故・災害で否応なく旅立った者たちの無念さは計り知れない。残していった者への情愛、そして恨み……此岸を離れてもきつく小指に巻き付いた執着の糸はどこまで行っても切れることはない。この糸が切れるまでは、死んでも死にきれない。けして浮かばれないのだ。無念の炎に抱かれた死者の魂はこの世に舞い戻り、生者に強烈なメッセージを送ってくる。恨みをはらそうとする恐怖の怪現象、愛するものへの吉作用の不思議現象。そして時には、彼らが果たせなかった何かがを遂行してほしいという「依頼」が届くこともある。これはそんな死者からの戦慄の頼み事である……。 数人の怪談ライターの下を渡り歩いた超曰くつきの怪談がついに加藤一の手で成仏する。衝撃戦慄の長編実話怪談『位牌の遺言』収録! -
恐怖箱 精霊舟
先祖の御霊を西方浄土へと送る精霊舟。迷わず彼岸を目指す魂もあれば、未練の舫い(もやい)を解けずに此岸に留まる者もある。そして、供養もされずに彷徨う霊たちは、俺も私も乗せてくれとばかりに、他人の舟に縋りつく(すがりつく)。しめやかに行われる盆の儀式。我々の目には、宵の水面に浮かぶ舟の姿しか見えないが、裏では霊たちの攻防、魂の葛藤が繰り広げられているのかもしれない。貴方は今、目に見えぬものを信じる、信じてみようとする余裕はおありだろうか。不思議な話、忌まわしい話、吉凶含めて「或いはそんなこともあるのかもしれないな」と思えるなら、勝ち組だ。世界は無限に広がるだろうし、心は豊かになる。いま一度明言しておくが、本書に収録された話はすべて、体験者の実在する、現実に起きた恐怖譚を聞き集めたものである。信じられないというよりは、信じたくない話もあるだろう。だがそれらを受け入れ、さらには楽しむ豪胆さこそが、この殺伐としたリアルを生き抜く術となるのではあるまいか。怪を嗜む(たしなむ)――その一歩に本書を捧ぐ。 思わず「怖い…」の声が出る。体験者の実在する、衝撃の怪異譚! -
恐怖箱 超-1怪コレクション 金木犀
市井に埋もれている摩訶不思議な話、ごく普通に暮らす人々の胸にひっそりと眠る恐怖の想い出を聞かせてほしい、またそうした話の発掘に長けた怪談ハンターを見出したい――そんな趣旨で始まったのが実話怪談大会「超-1」である。今年でもう第6回を数えるが、毎年“いまだかつて聞いたことがない”珍奇で空恐ろしい話が置き土産のごとく寄せられ、新たな怪談作家がキラ星のごとく誕生する。今年は戸神重明という新星が現れ、腹にずしりとくる怪のパンチを何発も繰り出してくれた。本書には大会の傑作選のほか、彼を含む上位4名による書き下ろしを大収録、投稿作以上のとっておきの恐怖をお届けする。真の恐怖は実話にあり。最恐を求むる者、人々の記憶の底を訪ねよ――そんなことをひしひしと実感しながら、鳥肌の立つ腕をさすりさすり本書を堪能していただければ幸いである。 -
真田十忍抄
優れた忍びを探していた霧隠才蔵は、天賦の才を持つ猿飛佐助を見いだした。才蔵が仕える真田幸村は、忍びとしての佐助を評価し、自らの配下に加える。関ヶ原の後、紀州九度山に配流されていた幸村は、密かに徳川家康への爪を研いでおり、忍びの者を九度山に集めていたのだ。佐助の他、筧十蔵、根津甚八、三好清海、望月六郎ら腕利きの忍びも集結した。服部半蔵党は、蘇りの術を駆使して真田の忍びを翻弄。佐助は、天地に張りめぐらされた鋼の糸を自在に渡って、敵斬殺をもくろみ、九度山は凄絶な闘争の場と化す。一方、徳川家康の目的は、真田家の有する奇怪な技術であった。真田は密かに、闇の一族より、連射する鉄砲などの技術を授けられていたのだ。真田と徳川の暗闘、真田十勇士と服部党の死闘の行く末はいかに――。関ヶ原後から大坂冬の陣へ、史実と伝奇が交錯する戦国活劇。 -
蒼林堂古書店へようこそ
書評家の林雅賀(はやしまさよし)が店長の蒼林堂古書店は、ミステリファンのパラダイス。バツイチの大村龍雄、高校生の柴田五葉、小学校教師の茅原しのぶ――いつもの面々が日曜になるとこの店にやってきて、ささやかな謎解きを楽しんでいく。かたわらに珈琲と猫。至福の十四カ月が過ぎた時、常連も驚く最後の謎が…!? 『イニシエーション・ラブ』の乾くるみが全ミステリ愛を注いで描いた短篇連作が電子版で登場! 林雅賀がご紹介する鉄板ミステリ127冊もぜひあわせてお読みください。(ヒント:このコラムにも、よく読むと驚きの事実が……。最後の一行までちゃんと読んでくださいね)。 -
西洋の女性像
著者ピーター・ミルワード氏は『西洋の女性像』において、聖書やギリシャ神話に見られる西洋の女性像の原型が英文学にどのように受け継がれているかについて、分かりやすくユーモアを交えながら考察しています。本書は以下の各章で構成されています。 第一章 女性とは何か、第二章 最初の女性、第三章 パンドラとパリス、 第四章 妻と母、第五章 三人の女神たち、第六章 乙女と母、 第七章 四人の女性像、第八章 愛のアレゴリー、第九章 貴婦人から女性へ 聖母マリア、イヴ、アフロディテ、アテナ、アルテミス、パンドラ、運命の女神、王妃グゥイネヴィア、ジュリエットなどの女性たちを通して、聖女・悪女の原型とその影響について、また、美・知性・強さを誇る女神たちの由来についても述べられています。英文学研究者の方だけでなく、幅広い層の読者の方に親しんでいただけるよう、各章の登場人物・歴史的事項・作品に関する注が訳者によって付けられています。 -
ファンタジーの七つの時代
著者ピーター・ミルワード氏は『ファンタジーの七つの時代』において、イギリス文学におけるファンタジーの伝統を、西洋の歴史をたどりながら探求しています。 本書は以下の各章で構成されています。 プロローグ ファンタジーという別世界 第一章 創造と壊滅のファンタジア 第二章 神話のふるさと 第三章 妖精物語のファンタジー 第四章 聖杯探求 第五章 ルネサンス・マジック 第六章 楽園喪失から新しきエルサレムへ 第七章 ナンセンスの世界 エピローグ 現実への回帰 『ロード・オブ・ザ・リング』や『ナルニア国物語』、『不思議の国のアリス』など、今日、映画化されて人気のある、有名なファンタジーの作品も登場します。こういったファンタジーが、イギリスという国で育まれた文化・宗教を背景にしていることについて、本書はわかりやすく解説しています。また、英文学研究者の方だけでなく、幅広い層の読者の方に親しんでいただけるよう、各章の人物・歴史的事項・作品に関する注が訳者によって付けられています。 -
ボディ・メッセージ 被砥功児の事件簿
アメリカはメイン州・ベックフォード、ディー・デクスター探偵社に一本の電話が入る。探偵二名をある家によこしてほしい、そこで一晩泊まってくれればいいという、簡単だが奇妙な依頼。その家に向かったスタンリーとケンウッドに、家人は何の説明もなく、仕方なく二人は酒を飲んで寝てしまう。しかし、未明に大きな物音で目覚めた二人は、一面の血の海に四人分の切断死体が転がっているのを発見。罠かもしれないと、ディーの家に急行し警察とともに再び現場に戻ると、何と死体が消失していた――。大胆かつ奇怪な事件の謎で読者を魅了する、第20回鮎川哲也賞受賞作、大幅改稿で登場。 -
若き実力者たち
ノンフィクションの巨星、沢木耕太郎のデビュー作! 小沢征爾、市川海老蔵(のち十二代目團十郎)、唐十郎、山田洋次、尾崎将司……。1970年前後に華々しく登場し、常に時代を騒がせ、リードし続けた12人の若きヒーローたち。彼らの多くは、今も輝きを失っていない。20代半ばだった著者が若き日の彼らの実像に迫り、新たな人物ノンフィクションを確立した画期的作品。この40年の意味を今また問い直すために――。
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