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はるかの友人しーちゃんはプライドが高くてわがままで、しかも気に入らないことがあると不思議な力で人を困らせる。今は恋に夢中のはるかと、小説家志望のしーちゃん。そんな二人の間の溝は深まり、静かな「戦争」が始まっていく。ついにある日、仲を引き裂く決定的な出来事が起きて……。少女たちのリアルな心の衝突を描いた学園小説。
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Posted by ブクログ
タイトルのインパクトが強すぎてずっと気になっていたのだけど、なかなか再会できなかった一冊。しかしこれは素晴らしいタイトルネーミングだ。 「中等部の教室でサイキックな少女たちが壮絶なバトルを繰り広げる学園ファンタジーノベル」的なものを想像させるタイトルだけれど、読んでみると戦争でもないし超能力もよくわ...続きを読むかんないし、って言うか中等部ですらないじゃん、とツッコミを入れたくなってしまう。 しかし中盤あたりでこのタイトルの意味が明かされて、一気に話がひっくり返った。 成程、確かにこれは戦争だ。作者の企みにまんまと嵌められてしまった。 「できれば、どっちかにしてほしい。子供なんだか、大人なんだか。でもそれができないから、みんな困っているのだろう。」 「子供っぽいだけの人なのかもしれないとは思うけれど、でも子供のままでいられるわけがない。子供そのままで許されるわけがない。」 ところどころに、子供と大人の狭間に立つ少女のためらいとか戸惑いとか、そういうセンチメンタルなものを感じさせるフレーズが飛び出してきて切ない。 小清水さんはもう超能力が使えなくなってしまったのだろうか。昔は本当に使えたんだろうか。自分でも持て余してしまうようなこの奇妙な力を、いつかははるかも使えなくなってしまうのだろうか。 「超能力」というのはたぶん、この時期の少女たちすべてが持っていた、無闇に人を傷つけてしまったり惹きつけてしまったりするようなある種の不思議な力のことなのだろう。それを「超能力」として、寓話的に可視化している。これは少女たちの寓話としての、学園小説なのだ。 もっと読まれて評価されて然るべき小説だと思うんだけどなあ。 そしてリアルに映画化希望。 ちなみに、我々男子にその不思議な力があったのかどうかは本作品では言及されていない。残念ながら。
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