Posted by ブクログ
2011年10月13日
東十条の古い木造住宅を舞台にした叙述ミステリー。
天井ってあるので「幸福荘」っぽいんだけど、たしかに、ぽい、んだけど、今回は普通の2世帯住宅ってところがポイントなのである。
大家で1階に住む変り者の老女。そして、2階に住むワケありの女。
二人を中心に、それぞれを訪問する都の職員や友人が、...続きを読む物語をフクザツにしていく。
もう、折原一なので、どんでん返しがあるんでしょ。時間軸も、実は曖昧なんでしょ、とかまえて読んでるんだけど、うまいことやられてしまうのである。
にしても<家>って怖いね。
まぁ、家が自分の戻る場所であり、居場所であり、起源でもあるという要因が、この悲劇的なドタバタを産んだのだろうなと思う。
うん、結局のところ<家>は、人の存在理由の起因となるものなのかもしれない。
というのを、ほんのり考えさせられたのであった。